はじめに
あなたは営業職の仕事内容に、どんなイメージをもっていますか。
成果を出したり、ノルマを達成するために駆け回ったりしていて大変そうと思う方もいれば、上司の監視もなく、1人で動けて自由度が高そうと思う方もいるかもしれません。
1人で成果を出せるか不安という方、外でお茶をするなど裁量があって楽しそうという方も、実際の営業の仕事内容を、イメージだけで理解している可能性があります。
そんな方のために、営業の仕事内容の全体像と一日の流れを徹底解説していきます。
【営業の仕事内容】営業職とは
営業職とは、自社のサービスや商品を売り込んで、購入や契約につないで売上を発生させ、会社の利益を上げていく仕事です。
営業職の仕事は、顧客を訪問したり電話をしたりして、顧客が抱えている課題や要望を聞き出すところから始まります。
そして、それに応えられる自社のサービスや商品を提案し、売買契約を取り付けるのです。
顧客との売買契約を取り付けて初めて売上となるため、営業職がなければ企業は成立しません。
また、契約を取り付けてくるだけでなく、アフターサービスなども仕事のうちであり、企画や調査に携わることもあります。
さらに、顧客からの生の声を開発部門などの他部署に届け、橋渡しの役目を担うことも期待されているのが営業職の特徴です。
販売職との違い
商品・サービスを顧客に販売するという点は、営業職と販売職に共通しているため、同じような仕事であるというイメージを抱きがちです。
しかし、なぜ会社内で部署が分かれているのかを考えれば、実際には違いがあることがわかるでしょう。
両者の大きな違いは、顧客の購買意欲の有無です。
販売職は、もともと購買意欲を持っている顧客に対して、自社の製品やサービスを販売します。
店舗に足を運ぶことは、すでに自社の製品やサービスについてある程度の知識があり、購入しても良いと考えているということです。
一方、営業職が対応する顧客は、必ずしも購入意欲を持っているわけではありません。
その存在さえ知らないような相手にも、自社製品やサービスを売り込まなければならないのです。
コンサルティングとの違い
営業職とコンサルティングの違いがわからないという方もいらっしゃるかもしれません。
クライアントの課題に向き合うという点では、たしかに共通しています。
しかし、コンサルティングの目的がクライアントの課題解決であるのに対し、営業は自社製品やサービスを販売することが最終目的です。
コンサルタントは、顧客企業が抱える課題をヒアリングしたうえで客観的に判断し、解決策を提示することで課題を解決し、成長させていくことを目的としています。
経営上の課題の解決以外に、顧客が抱える技術上の課題を指摘して解決するのも、コンサルタントの仕事の一例です。
そのため、自社製品やサービスを売り込むといった営業活動は、通常行いません。
似ているようでも、両者の仕事内容はまったく異なります。
【営業の仕事内容】営業の種類
実は、営業にもさまざまな種類があり、とても一言では言い表せません。
たとえば、営業相手・営業方法・営業場所などで、種類が複雑に枝分かれしています。
営業といえば商談というイメージがありますが、普段から付き合いのある顧客との商談だけでなく、新しい顧客も自分から見つけにいかなければなりません。
外回りという言葉もよく聞きますが、実は社内で営業活動を行う場合もあるのです。
ここからは、主な営業の種類について解説します。
相手の種類
営業をかける相手は、2種類あります。
ひとつは、法人営業といって企業などに営業をかけ、もう一方は個人や個人経営の店に対して、営業活動を行う個人営業です。
BtoBやBtoCという言葉を耳にしたことがあるかもしれませんが、BtoBは法人営業、BtoCは個人営業のことを指しています。
営業活動は、相手が異なれば進め方も変わり、同じやり方が通用するわけではありません。
ここでは、法人営業と個人営業の2つについて仕事内容をご説明します。
法人営業(BtoB)
法人営業(BtoB)は、企業や団体に対して自社のサービスや商品を紹介して、顧客の課題を解決します。
規模が大きく契約金額も高額になりますが、商談の席で契約に至ることはほとんどありません。
なぜなら、経営者本人と会える個人営業とは異なり、直接の商談相手である企業や団体の担当者には、決裁権がないことがほとんどであるからです。
そのため、担当者に興味を持ってもらえても、そのあとに決裁権を持つ上司との商談もこなさなければなりません。
また扱う商材は、サービスや金融商品などの無形商材、OA機器や不動産など形のある有形商材の2つに分けられます。
さらに営業形態は、相手に電話をかけて訪問や商談を申し込むテレアポや、あえてアポイントを取らずに直接訪問する飛び込みなどがあります。
個人営業(BtoC)
個人営業(BtoC)は、個人や個人で経営している店の経営者を相手に営業活動を行い、自社のサービスや商品を紹介して購入につなげる仕事です。
相手が決裁権を持っているため、規模や契約金額は小規模ですが、その場で契約が取れることが多いという特徴があります。
また、顧客との関係がビジネスライクになりがちな法人営業(BtoB)とは異なり、個人と個人の付き合いになるため、顧客との距離が近くなるのも特徴です。
扱う商材は、保険などの無形商材や、ウォーターサーバーなどの有形商材に分かれます。
法人営業(BtoB)の成否は扱う商材に大きく左右されますが、個人営業(BtoC)は自分の営業職としての能力次第です。
営業形態は、法人営業(BtoB)とさほど変わりません。
営業方法の種類
営業の方法はさまざまですが、新規営業とルート営業の2つに大別できます。
それぞれに特徴があり、向いている方のタイプにも違いがあるため、自分はどちらに挑戦したいのか、そしてどちらに適性があるのか考えておかなければなりません。
また、達成感や高い給料、もしくは安定など、仕事に求めるものでも選び方が変わってくるでしょう。
そして、顧客とどのような関係を築きたいかも考えておく必要もあるのです。
ここでは、新規営業とルート営業の2つについて、その内容をご説明します。
新規営業
新規営業とは、これまでに取引がなかった顧客や企業へ営業活動を行うことです。
顧客の新規開拓が中心となり、ルート営業とより高度な営業活動を行います。
初対面の相手にいきなり自社の製品やサービスを売り込むわけですから、一から信頼関係を構築しなければならないという難しさがある方法です。
飛び込み営業やテレアポがメインとなりますが、展示会などのイベントに参加して、営業活動を行う場合もあります。
営業担当が個人的に異業種交流会に参加し、そこで知り合った人たちと名刺交換を行って、そこから商談のアポイントを取るなども新規営業の方法です。
達成感や高い給与が期待できますが、うまくいかないことも多く、そういったときに気持ちをうまく切り替えられる方に向いています。
ルート営業
すでに取引のある顧客や企業に対して、営業活動を行うのがルート営業です。
飛び込み営業やテレアポなど、新規顧客開拓を行うことはありません。
自社の製品やサービスをすでに契約している顧客のところを回って、状況の確認を行って問題があれば対応し、新商品の紹介や提案を行うのが主な仕事です。
顧客が抱えている問題から潜在的なニーズを洗い出すのも、ルート営業の役目です。
このように、顧客との関係性の維持やアフターフォロー体制の構築がルート営業の要であり、常に顧客に寄り添う姿勢が求められます。
新規営業よりも初心者向きの方法ではありますが、顧客と誠実に向き合い、相手の懐に入りニーズを聞き出せる高いコミュニケーション能力が必要です。
営業場所の種類
営業職というと、出社してから夕方まで外回りを続けているイメージがあるかもしれませんが、営業の場は客先だけとは限りません。
営業場所には、内勤営業(インサイドセールス)と外勤営業(アウトサイドセールス)の2つがあり、前者の場合は自社内で業務を行います。
どちらも企業の営業チームにとって必要不可欠な存在として融合しており、相反する営業戦略が取られているわけではありません。
以下で、2つの営業場所についてご説明します。
内勤営業(インサイドセールス)
内勤営業(インサイドセールス)は、営業活動を社内で行い、社外に商品やサービスを売り込むことではありません。
テレアポやメールでアポイントを取ることがメインで、この業務はカウンターセールスとも呼ばれます。
さらに、内勤営業(インサイドセールス)の業務内容は、インバウンドとアウトバウンドの2つに分けることも可能です。
インバウンドは、来店したり電話やメールで問い合わせをしてきたり、すでに自社の製品やサービスにある程度興味を持っている顧客に対する営業活動です。
一方のアウトバウンドは、電話やメールなどの手段でこちらから顧客にアプローチするやり方で、新規顧客の獲得を目的としています。
いずれにせよ、社内で対面もしくは電話やメールなどで顧客に対応する業務がメインです。
外勤営業(アウトサイドセールス)
外勤営業(アウトサイドセールス)は、自社の製品やサービスを企業や顧客のもとに出向いて売り込む営業スタイルです。
外回りと呼ばれることもあり、営業場所は自社ではなく客先となり、フィールドセールスとも呼ばれます。
主に訪問営業や飛び込み営業がこれにあたり、一般的な営業職のイメージはここから来ているのではないでしょうか。
法人営業(BtoB)の場合は顧客のオフィスに出向きますが、個人営業(BtoC)だと顧客の自宅を訪問することもあります。
とにかく、顧客と対面して営業活動を行うのが基本であり、テレアポなどを行うことは基本的に少ないです。
見積書や請求書などの書類は、営業事務のスタッフに作成を依頼できることも多く、営業活動に専念できるという特徴もあります。
【営業の仕事内容】営業のやりがいとメリット
きついといわれる営業職ですが、活躍のチャンスがいくつもある仕事ともいえます。
また、成果主義であるため、結果を出せば正当に評価されるのも、営業ならではの良さです。
現在、営業職として活躍している方たちは、どのようなところに仕事の意義を見出しているのでしょうか。
ここでは、営業のやりがいとメリットを5点ご紹介します。
達成感がある
営業の仕事の魅力は、成果が数字ではっきり出るため、達成感を得られるところです。
目標をクリアしたときの達成感は大きく、ほかの何ものにも変えられない喜びを感じられることでしょう。
ほかの職種では、数字のようなはっきりとした指標がなく、成果を出せた実感もないため、やりがいを感じられないことがあるのです。
また、頑張り次第では高く評価されることも、営業職として働くモチベーションになります。
逆に、いくら頑張っても正当に評価されないような職場では、やりがいを感じられず、仕事が苦痛になってしまうかもしれません。
さらに、顧客との距離が近く、直接感謝の言葉をもらえるのも営業の醍醐味です。
顧客からの感謝の一言を原動力として働いている営業職も、多いのではないでしょうか。
高い収入を目指せる
営業職は、成果主義が導入され、インセンティブの割合が多い会社もあるのが特徴です。
自分の営業成績がそのまま給料に反映されるため、頑張り次第で若いうちから高収入を目指せる環境が整っています。
経験を積みスキルアップすれば、基本給とインセンティブの両方が上がっていくので、給料が頭打ちになることもないでしょう。
たとえ辛い仕事であっても、高い収入が約束されているからこそ、頑張れるという人もいるはずです。
とくに、不動産や自動車など販売価格の高い製品の営業は、インセンティブも高めに設定される傾向が高く、成果に見合った額を受け取れる可能性も高まります。
出した成果が直接収入に影響するのは営業職のメリットであり、多くの方が高収入を目指して頑張っています。
人脈が広がる
営業職のメリットは、ほかの業種とは比べものにならないくらい人脈が広がることです。
営業職に就いていると、幅広い人と関わることになります。
営業職が関わるのは、同じ部署内と顧客をはじめとした社外の人だけではありません。
たとえば、製品開発部や企画部、広報部など、自社内のさまざまな部署にいる人たちとも仕事を進めていくチャンスがあるはずです。
そのため人脈が広がり、さまざまな業界・仕事・人を見る機会があり、その人たちと関係を持てるようになります。
社外の人脈は、その業界の直近の情報を収集するのに役立ち、ときには営業先を紹介してもらえることもあるのです。
さらに、人脈が功を奏して、転職の際には声をかけてもらえることも多く、営業職にとって人脈は宝といっても過言ではありません。
マインドが鍛えられる
きついといわれる営業の仕事を続けられれば、マインドが鍛えられます。
営業で高い成果や数字を上げるためには、精神力・忍耐力・野心・向上心など、マインドの強さが必要です。
打たれ弱いことを自覚している人でも、長年営業を続けていれば、自然に精神的な強さを身につけられます。
最初は、営業を断られるだけでも心が折れそうになるかもしれませんが、それでもめげずに訪問を繰り返すうちに、少しの挫折でもへこたれない強さを手に入れられるのです。
ここで鍛えられた精神力は、そのあと何をするにしても役立つスキルであり、どの業界や企業でも通用する自分の武器になります。
思ったような結果が出せなくても、次の業務に前向きに取り組む切り替えのうまさも、営業職を続けることで獲得できるスキルです。
キャリアアップに活かせる
営業職は、成果が数字で出ることから、評価基準が明確であるのが特徴です。
そのため、営業職で出した成果は、キャリアアップに活かせるというメリットがあります。
営業で上げた成果があれば、転職の際の評価が高くなると考えられるからです。
同業他社へ転職するケースだけでなく、ほかの業界への転職でも、これまで営業で培ってきた経験が役立ちます。
また、思い切って営業職以外の職種に転職する際も、営業で身につけたスキルと経験が活きてくるでしょう。
【営業の仕事内容】営業に向いている人の特徴5選
営業職への就職を考えたとき、多くの方が気にするのが、果たして自分は営業に向いているのかということではないでしょうか。
営業職に向いていれば良いのですが、向いていなかった場合はミスマッチが起こり、早期離職という結果になりかねません。
営業職は社内外の多くの人と関わるため、人と接することに抵抗がないことが大前提です。
そのうえで、どのような特徴を持った方が営業職に向いているのかを以下で5つご紹介します。
コミュニケーション能力
営業職に向いているのは、コミュニケーション能力の持ち主です。
営業職は相手との対話がもっとも多い職種であるため、他人とのコミュニケーションに苦手意識を感じるようでは、仕事になりません。
ただし、ここでいうコミュニケーション能力とは、ただの話し上手ではなく、論理的に説明する力や交渉力、相手の信頼を得る話し方などです。
自社の製品やサービスのメリットを論理的に説明できないと、商談相手は納得せず、成約にはつながりません。
交渉力がなければ、満足いく契約を結ぶこともままならず、同業他社へ顧客が流れてしまう恐れもあります。
顧客に信頼される営業になるためには、相手の警戒心を解き、好感を持ってもらえるような話し方ができることも大切です。
ヒアリング力
営業職には、高いヒアリング力も求められます。
ただの聞き上手だけでなく、相手自身も気が付いていないような課題やニーズをこちらから引き出す力が必要です。
相手のニーズを聞き出そうとして質問攻めにしてしまっては、相手はげんなりしてしまって話す気にならなくなります。
こちらからより良い提案を行うには、無理に聞き出そうとするのではなく、自然な会話から顧客のニーズを掴まなければなりません。
ときには、顧客自身も気が付いていなかった課題を指摘し、その解決策として自社の商品やサービスを提案することも必要です。
単なる世間話から、本当に顧客に必要なのは何か洗い出せるように、相手に胸襟を開いてもらえるようなヒアリング力をつけましょう。
情報収集能力・分析力
顧客の信頼を得て商談に成功するためには、情報収集能力や分析力が必要とされます。
幅広く深い知識は、営業として活躍していくうえで大切です。
そして、自社の製品やサービスに関する知識はもちろんですが、同業他社の製品に関する知識や業界知識がなければ、商談を進められません。
常に多岐にわたる情報を収集し、それを分析して顧客に役立てられるようにしておかなければならないのです。
また、自身の業務に関係のないことでも、相手と商談を行うときに役立つ情報は、たくさん収集して蓄えておきましょう。
たとえば、相手の業界や職種について知ったり、クライアントがゴルフ好きならそれについても調べたりするなど、一見ビジネスとは関係のない情報も案外役に立ちます。
柔軟な対応力
営業職として働いていると、商談で想定外の質問をされたり、急な予定変更があったり、取引先とトラブルになったりなど、イレギュラーなことが日々起こります。
そういったときにどれだけ柔軟な対応ができるかも、営業職として活躍できるかの分かれ道です。
もし、顧客のところでトラブルが発生したら、信頼を損ねないように即座に動かなくてはなりませんが、どう動くかは刻一刻と変化する状況に合わせて判断しなければなりません。
また、陳謝するだけでなく、トラブルを打開するための具体策をスピーディーに実行する必要があるのです。
こういったときに率先して動くためには、柔軟な対応力が必要であり、トラブル時も誠意を持って柔軟に対応できれば、顧客からの信頼を回復できる可能性があります。
課題発見能力
顧客が抱えている課題を把握し、それを解決する課題発見能力も、営業職であれば持っているべきスキルです。
顧客は、自身が抱えている課題に気づいていないこともたくさんあります。
そこで、ヒアリングした情報から顧客自身も気が付いていない課題を発見するのが、営業職の役割のひとつです。
何気ない発言の一つひとつに課題が潜んでいるかもしれないことを念頭に置いて顧客と会話することが、営業活動を成功させるカギとなるでしょう。
顧客が抱える潜在的な課題を引き出したら、その課題の解決に自社製品やサービスが役立つことを提示し、納得させる必要もあります。
顧客に課題を認識してもらえれば、新たに契約を結んでもらって、さらに売上を伸ばせる可能性が広がるのです。
【営業職の仕事内容】営業の全体像をつかもう
営業の全体像をつかむには、営業の仕事内容を6つのステップにわけて捉えると、理解しやすいです。
営業というと、ひたすら人に営業しまくるイメージがありますが、実際には準備や手続き、フォローなどの仕事もあります。
どんな仕事があるのか、仕事内容と流れを理解しましょう。
業態ごとに違いもありますので、詳しく知りたい方はこちらもご参照ください。
営業戦略の策定
営業職というと、個々が裁量をもって、ひたすら個人プレーをしているイメージがありますが、実際には1つの営業所内を数名ずつのチームにわけて、成果を競っているのが一般的です。
ノルマや目標額もチームごとに割り振られるので、チームリーダーが中心となって営業戦略を策定します。
誰が何をどれだけ売るべきなのか、メンバーの能力や成長度合いなどを勘案しながら検討します。
たとえば、チームで月に15件のノルマが課せられた場合、チームメンバーが3名だから5件ずつといった単純な割り当てはしません。
新人は2件以上、5年目の先輩は5件以上、3年目でも成績トップクラスの先輩は8件以上といった形です。
新人でもコンスタントに毎月3件はクリアできるなど成果が上がってくれば、目標件数も増やされて、さらに高みが伸ばせるよう成長戦略も組んでもらえます。
アプローチ先の検討・決定
新規開拓なら、どのエリアやどんな業種、規模の企業にアプローチしていくかを検討したり、すでに得ている見込み客のリストなどをもとに、どの顧客から営業をかけていくかを検討したりするステップです。
エリアや業種などで開拓を行う際には、新人にはより開拓しやすいエリアや業種が割り当てられ、実績が豊富な人やチャレンジさせたい人には、難しいエリアなどが割り当てられます。
見込み客は営業職一人一人がもっとも熟知しているわけですが、こういった状況であると情報を共有することで、リーダーや先輩からアプローチ法のアドバイスなどが受けられます。
商談・見積もり
3つ目のステップの商談・見積もりは、営業のイメージとして、多くの人が抱いている場面です。
そのためには準備も必要ですし、まずは営業に出向いて商談のアポを取り、日を改めて商談をするなど、自分が計画するとおりにスムーズに進むものでもありません。
一回の商談では決めてもらえず、何度も商談を重ね、その結果、断られることもあります。
一方、先輩やリーダーが同行して、契約に至るあと一押しであるクロージングをサポートしてくれることもあります。
もちろん、同行しても、成果は本人のものとなるのが基本です。
チームでフォローし合いながら、チーム全体の成績の底上げを図る構造です。
受注・手配
契約内容のプレゼンなどを行い、見積もりを出しながら交渉を行い、顧客の検討を経て納得が得られると契約の締結を行います。
契約締結の段階は、もっとも緊張する場面です。
デジタル化の動きがあるとはいえ、日本はまだまだ書類社会で印鑑文化です。
不備なく必要箇所を記入してもらい、実印や代表者印を押してもらい、印鑑証明書などが必要となるケースも少なくありません。
契約の確認や審査を経て手続きが完了すれば、商品を発注するなどの手配も行います。
納品・請求
発注した商品が届いたら、納品を行います。
業者に配達してもらうケース、納品されたものを持参するケース、設置工事などが伴うケースも少なくありません。
商品の特性に応じた納品を行い、初期不良がないか、動作に問題がないか確認してもらいます。
前払いのケースもありますが、一般的には、納品後に支払いの請求を行います。
口座振り込みなどが多いですが、月末にまとめて決済というケースも少なくありません。
万が一、期日に支払いがない場合は、請求の電話などを行う必要があります。
営業において実はもっとも重要なところで、契約が取れても、支払いが得られなければ意味がありません。
商談だけでなく、請求や支払いが重要となる点も理解しておきましょう。
アフターフォロー
アフターフォローというと、商品に不具合があったときや、壊れたときのフォローのイメージがあるかもしれません。
ですが、営業におけるアフターフォローは、納品先からの問い合わせやお困りごとに応えるだけでなく、同商品のリピート販売をはじめ、取り扱う関連商品のさらなる販売などのアプローチも含まれます。
一回契約をもらったから、それで終わりではなく、継続訪問をしたり、定期的に電話やメールなどでコンタクトをとったりすることが大切です。
サブスク型の業態も増えており、アフターフォローの重要性は増しています。
【営業職の仕事内容】営業職の一日の流れ
ある営業職の方の一日の流れをご紹介します。
ハウスメーカー業界の、個人営業の営業職の一日の流れを、ひとつの例として見ていきましょう。
あくまでも一例であり、企業や営業所によって異なります。
9:00 出社
定時に余裕をもって出社します。
9:20 朝礼
営業所単位で朝礼を実施します。
連絡事項をはじめ、前日の成果報告や表彰などが行われることも少なくありません。
9:30 タスク整理
一日にやるべきことの優先順位をつける作業です。
10:00 案件精査
相手先が急な会議や出張でアポイントがキャンセルされた日や、アポイントがとれなかった日には、同時に抱えている案件の契約を進められないか、急いで検討します。
12:00 休憩
昼休みも、顧客とのアポイントによっては前後し、移動時間に充てられることも少なくありません。
13:00 客先訪問・商談
新規見込み客との商談を行います。
15:30 客先訪問・アフターフォロー
既存客のアフターフォローも欠かせません。
17:00 資料作成
当日の報告書の作成や、契約書類の確認、商談に基づいた提案書の作成などを行います。
18:00 チームミーティング
一日のふり返りと、明日以降の戦略を話し合います。
19:00 翌日の準備
翌日の提案に向けた資料作りや、プレゼンのリハーサルなどを行い、書類などを忘れないよう準備が必要です。
以上で紹介した中での業務の簡単な説明と、営業の仕事内容としてご紹介した6ステップのうち、どのステップにあたるのかご案内していきます。
・朝礼
営業戦略の策定や、それに伴う伝達事項を連絡するなどです。
チームの成果報告や個人表彰などを行い、モチベーションを高めるための時間でもあります。
・タスク整理
営業戦略の策定にあたり、一日にやるべきことの優先順位をつける作業です。
・案件精査
アプローチ先の検討・決定のステップです。
当日のアポイントも予定通りになるとは限らないため、急な予定変更に備えて案件精査が行われることもあります。
・客先訪問・商談
商談・見積もりや受注・手配の段階です。
・客先訪問・アフターフォロー
納品・請求やアフターフォローのステップです。
・資料作成
商談・見積もりのステップにあたり、受注書類の確認や契約手続きに必要な書類や報告書の作成を行い、契約事務を行うスタッフに提出します。
・チームミーティング
営業戦略の策定のステップです。
営業は個人プレーに思われがちですが、一人一人がライバルになって火花を散らす構造より、チーム単位で競わせることで、チーム内でお互いにフォローし合いながら成果が出せ、営業所全体の底上げにもつながります。
・翌日の準備
アプローチ先の検討・決定や、営業戦略の策定などのステップにあたります。
翌日のアポイントが決まっている場合は、策定された営業戦略をもとに、当日のプレゼン法などを検討します。
アポイントがない場合は新規開拓などに向け、策定された営業戦略をもとにアプローチ先の検討・決定を行います。
【営業職の仕事内容】職種理解は選考でも大切!
営業職に興味がある方も敬遠してきた方も、この記事を読んでも違う職種がいいと考えている方も、各職種をきちんと理解することが大切です。
営業に限らず、志望する職種や興味をもつ職種をきちんと理解し、職種のイメージを具体的に描けることは、選考においても重要なカギを握ります。
もちろん、同じ職種でも業界や企業によって態様が異なるため、「その考えは甘い」とか、「わが社はそんな古いやり方はしていない」などと指摘を受けるかもしれません。
ですが、まったくイメージのない人よりはミスマッチが防げ、意欲も伝わるので、内定獲得への期待がもてます。
具体的な選考対策では以下の記事をご覧ください。
まとめ
営業はどんな仕事をするのか、具体的なイメージはつかめでしょうか。
思ったより厳しい、思ったよりやりがいがありそうと、理解が深まったことと思います。
自分が志望する職種のイメージをもって選考にのぞめば、人よりも納得感や説得力をもってアピールができるようになります。
業界研究、企業研究に加えて、職種研究もしっかり行い、ミスマッチのない就活を行いましょう。