はじめに
漠然と「営業をすることになるかな」などと、自分の就職先について思っている学生もいるかもしれません。
特に文系出身の場合、営業職に就く学生が多い傾向がありその流れで営業をよくわからないまま就職してしまう人も見られます。
しかしながら、入社してから不満なく働くためにも、その仕事に就く理由は明確にしておくことが大切です。
志望動機を定かにして自分に合う仕事に就くためにも、営業職について理解を深めましょう。
営業という仕事の特徴やメリット・デメリットについて、お伝えします。
【営業職のメリット】営業ってどんな仕事?
そもそも営業とはどんな仕事なのか、知らない人も多いものです。
ノルマがあってキツいとか、根性で物を売り込む仕事のようなイメージを持っている人も少なくありません。
実際には、営業はただ商品を売るだけが仕事ではなく、とても深い業務内容です。
そして、身につくスキルも多くビジネスマンとしてだけでなく人としても成長できます。
魅力あふれる営業職について、その仕事について以下に詳しく見ていきましょう。
深く知ることで、自分の適性もわかるはずです。
営業は「売るだけ」が仕事じゃない
営業は最終的にはお客様と契約が成立してこそ、成果が出たと認められる仕事です。
けれども、ただうまくトークをして商品を売り込んでも、なかなか契約には至りません。
そこに至るまでにまずは、「相手の抱えている課題を発見して、それに対する解決方法を提案する」ことが重要です。
この課題発見と解決案の提供こそが、営業の主要な仕事と言えるでしょう。
売るだけではなく、非常に奥の深い業務なのです。
単純に「売る」とか「商談」だけでない仕事ゆえに、求められ身につくスキルもトーク力だけではありません。
ロジカルに考える力やヒアリング力なども強化されます。
やりがいも大きく、知れば知るほどメリットがたくさんあるおもしろい職種です。
営業の仕事内容
種類や企業によっても多少違いはありますが、一般的な営業職の仕事内容について把握しましょう。
簡潔に言うなれば、見込み客を選定→商談→受注→納品→アフターフォロー、という順に動いていくことになります。
つまりは、「売る」ということに関わるすべてのプロセスが営業職に当てはまるのです。
最近では現場に出ることのない事務的な営業職も増えています。
見込み客選定を専門にする営業職などは内勤になります。
アフターフォロー専門の部署を持つ会社もあり、一言に営業の仕事といっても非常に幅広いです。
この点について理解を深めれば、自分の性格やスキルに合う営業の種類を絞って就活ができます。
人見知りする性格の人は、内勤の営業職に就けば問題ありません。
営業の仕事について詳しく知りたい方はこちらの記事もチェックしてみてください。
【営業職のメリット】営業職のメリット
ここからは営業職のたくさんのメリットについて紹介していきます。
・実力に合った給与
・会社や社会への貢献
という3つの軸に着目して、営業職の6つのメリットについてご紹介します。
自身が就職してなりたい自分像や会社に求めるもの、企業選びで重要視する部分と重なっているメリットが多いなら、営業職が向いていると言えるでしょう。
多くのビジネススキルが身につく
営業のメリットとして非常に大きいのは、多くのビジネススキルが身につくことです。
新卒で初めて就く仕事が営業職という人も少なくありません。
もちろんファーストキャリアを得た会社にずっと居続けることが理想ですが、もしなんらかの事情で転職や起業することになったときにも、営業職で得たスキルは非常に役立ちます。
将来のキャリア、もっと言えば一生何の仕事をしても活用できる能力が営業を経験すると養えるわけです。
これはビジネスマンにとって、非常に価値あることと言えるのではないでしょうか。
お客様の視点になって考えることや相手にわかりやすく物事を伝える力、思いやりやタフなメンタルなどは、さまざまなシーンで発揮できるはずです。
課題発見力・ヒアリング力
人の話を聞くヒアリング力は、人との人間関係でも接客やサービス業でも多くの場において必要な能力です。
営業は商品の良さを一方的にマシンガントークしたところで、お客様の購買意欲を高めることはできません。
お客様の話を聞ける人のほうが、相手は心を開きますし信頼関係も構築できて良い方向へと向かうことが多いです。
そもそも相手が困っていることや悩みを読み取るためにも、人の話を聞くことが不可欠です。
相手の気持ちになってじっくりと話を聞けば、そこから課題発見することができるでしょう。
営業職を経験すると、こうした課題発見能力やヒアリング力を磨くことができます。
相手の立場になって物事を想像して考えることができなかった人や自己中心的に自分のことばかり話してしまうような人は、営業をして性格が変わることもあります。
論理的に伝える力・プレゼン力
なんでもロジカルに考えることができると、冷静な対処ができてトラブルが生じにくいです。
「なぜそう思うのか?」「どうしてこの人はこんなことを言うのだろうか?」というように理論的に捉えると、たとえば相手の言動にイライラしたときでもワンクッション置くことができます。
そのおかげで気持ちも落ち着きますし、言い合いになるようなこともありません。
さらにロジカルシンキングは、ビジネスの場において良い案を考え出したり相手を説得させたりと、プラスに影響することが多いです。
営業職ではまさに、こうした理論的思考能力を磨くことができるのです。
そして商品アピールのために工夫して説明するプレゼン力も身につきます。
図面を用意することもありますし、相手を飽きさせないように時にはユーモアを取り入れる工夫も必要です。
営業で学ぶロジカルシンキングとプレゼン能力は、ビジネスの世界で大いに活用できることでしょう。
コミュニケーション能力・人脈
営業はコミュニケーション能力が必要な仕事というイメージが強い人も多いのではないでしょうか。
実際内勤の営業職以外では、相手とどのように会話するかが大きく契約に反映するのは事実です。
それでも理系出身の人などは、そこまでコミュニケーションが得意でないケースもあります。
それでも営業をしていくうちに、自然とコミュニケーション能力が付いていくのは嬉しいことです。
そして、人との出会いが多い仕事ゆえに、人脈も広がります。
営業時代に培った人脈は、将来的に起業することになったとしても必ずや役に立つはずです。
コミュニケーション能力や人脈は、次のビジネスチャンスを切り開く力にもつながる貴重なスキルと言えるでしょう。
実力に応じた報酬が得られる
次に営業で得られるメリットとして、給与や報酬の面から見ていきます。
営業職は比較的、ほかの職種よりも給料が高いイメージが持たれています。
その理由として、インセンティブ制を導入している会社が多いことが挙げられます。
インセンティブ制とは簡単に言えば、成果報酬です。
頑張って結果を出せば出した分、給与がアップする制度になります。
営業と聞くとノルマがあるのが大変そうと思う人も多いですが、ノルマをクリアすることで給与がグッと高くなります。
それゆえに、ノルマがあっても高い報酬がもらえるならと頑張る社員がたくさんいるのです。
しかしながら、結果が出せるかどうかは、その人の実力が物を言う部分も大きいです。
前向きに成長していける人は、高い報酬を目指してスキルを磨いて実力を付けることが可能でしょう。
実力に応じてどんどん高給取りになれるのは、営業の魅力です。
不動産や金融関係の営業は、特にノルマにより高い報酬が得られる傾向が強いです。
会社や社会に貢献できる
自分の仕事ぶりが会社の発展につながるのは誰しも嬉しく、大きなやりがいを感じることができます。
営業というのは、数字として結果が出ます。
それゆえに、自分の頑張りが非常にわかりやすく、会社に貢献できているのも実感できるのです。
これは事務職などでは感じにくい一面とも言えます。
数字としてノルマがのしかかってきてプレッシャーを感じる一面もありますが、逆にこのように成果として明らかに目に見えてわか自身も達成感が湧きやすいのはメリットです。
お客様にも感謝されることで、社会貢献していることも感じられるでしょう。
相手の課題を解決できる
個人や法人がなんらかかについて悩んでいるときに、それに対して自社の商品やサービスを使って何とかできないかと考えるのが営業です。
そうすると、自社の商品サービスによってお客様が抱える問題が解決した暁には、非常に喜んでもらえます。
営業マンの存在によって悩みが解消したわけですから、直接的に感謝されることでしょう。
「あなたのおかげで助かりました」とお礼を言ってもらえるのは、とてもやりがいを感じるはずです。
そして社会に貢献できたと嬉しくなるに違いありません。
営業職は、お客様ととても近い距離で関係する仕事です。
課題発見も問題解決も、目の前で起こるので社会貢献を実感しやすくなるのです。
さらには営業を起点として、新たな商売や起業サービスへと発展することもあるでしょう。
会社に利益をもたらせる
営業スタッフがいなければ、会社の利益が発生しないといっても過言ではありません。
売上を上げるかどうかは、まさに営業マンの腕にかかっています。
それは当然のことながら、責任も重く時にはプレッシャーになる可能性もあります。
しかしながら、自分が大きな契約をあげたときに、それが会社の発展につながるわけです。
自分の仕事を誇れないわけがありません。
会社の売上を支えて、利益を生み出しているのは営業です。
会社への貢献度が非常に高い仕事と言えるのです。
どんどん自分の契約によって自社も大きく成長していくと、ますますモチベーションもアップします。
そして同時に自分の営業力にも自信がついてくるでしょう。
【営業職のメリット】業界ごとの営業職の特徴
どの業界、どの企業にも営業という職種は存在します。
しかしながら、業界や扱う商材にとって、働き方や必要なスキルは大きく異なります。
不動産とメーカーの営業は仕事内容も違いますし、保険営業と金融営業でも違ってくるのが実状です。
営業がしたい人は、業界ごとに営業の仕事について調べてみることが大切です。
特にまだ行きたい業界が決まっていないという人は、しっかりと業界研究をしていきましょう。
さらに、各それぞれの営業マンがどういった仕事をしているのか、だいたいの内容に関しては把握しておきたいものです。
業界研究をすることで、自分に合った仕事を見つけやすくなります。
入社後のギャップを感じないためにも重要です。
こちらの記事では、営業職という切り口から各業界を研究してまとめていますので、業界研究をまるっとしたいという方はあわせて見てみてください。
【営業職のメリット】営業のことをもっと知ろう
営業職のメリットについて理解できた人は、さらに深く営業の種類について知っていきましょう。
業界研究で業界が絞れたなら、次は職種研究です。
職種研究が疎かになってしまうと、自分がやりたい仕事に就けなくなる可能性があります。
営業の良さは、種類が多く自分に合う職種が見つけやすいこともあります。
ターゲットが個人なのか法人なのかによっても違いますし、扱う商品や営業のやり方によっても相違点が多いです。
しっかりと職種を理解したうえで、入社してどんな仕事をしたいのかイメージしていくことが必要です。
自分に合う職種が見えてくると、就活が成功しやすいと言えます。
営業職にもいろいろある
toBやtoCといった呼び名を聞いたことがあるのではないでしょうか?個人ターゲットか法人営業かによって呼び方が変わってきます。
さらにまったくの初対面の相手から契約を取る形の新規営業と、主に既存客を回るルート営業があります。
扱う商品は目に見える有形の物と保険のように形のない無形商材があるなど、とにかく多種多様です。
新規開拓よりルート営業のほうが、メンタル面では楽かもしれません。
また業界によっても特徴があり、たとえばメーカーの場合はルート営業の法人営業が多い傾向にあるでしょう。
一方不動産業は、新規開拓営業が強いです。
いずれにせよしっかり企業研究と職種研究をして、どんな営業職があるのかを理解することが何より重要です。
営業職についてより詳しく知りたい方はこちらの記事も合わせて確認してみてください。
企業ごとの営業について知る方法
営業について詳しく知るためには、どんな方法があるのでしょうか。
それがわからなくては、調べ様がないと困る人もいるでしょう。
そこで以下にいくつかの研究方法について紹介します。
各企業のホームページやSNSなども、じっくり見ると見えてくることは多々あります。
それ以外にぜひとも取り入れたいのが、会社説明会やOBOG訪問です。
会社説明会
会社説明会は個々の企業で行っている場合もありますし合同説明会もあります。
求人募集に「営業」や「セールス」と書かれてある場合に、説明会に参加することによってより深く仕事内容や営業のやり方について知ることができるでしょう。
説明会では取引先の紹介や説明が成されることもあり、それにより営業についてわかることもあるかもしれません。
参考になることや発見が多いので、説明会が開催されるなら積極的に参加してみるのがおすすめです。
企業の会社説明会について知りたい方はこちらの記事も合わせて確認してみてください。
OBOG訪問
その会社での実務経験者の話が聞けるのが、OBOG訪問です。
実際の営業スタッフのリアルな声が聞けるというのは、大きなメリットと言えます。
ホームページや説明会では読み取れない部分も、知ることができる場合があります。
またダイレクトに先輩と話すので、公の場では聞けない質問ができるのも魅力です。
信頼関係ができれば、その後も何かと力になってもらえるでしょう。
営業職以外の情報も得ることができて、職種選びについて悩んでいる人は何か気付きを得ることができるかもしれません。
OBOG訪問のやり方についてはこちらの記事でまとめています。
まとめ
そこまで深く営業の仕事についてわからなかった人も、これを読んで営業への見方が変わったのではないでしょうか。
ただ物を売り込むだけの単純な仕事ではなく、そこから得られるものや学びはとても多いです。
大変な中に、営業の魅力はあふれているのです。
ますます営業をしてみたくなった人は、腰を据えて営業職について業界研究と職種研究を深めていきましょう。
きっと自分に最適な営業の会社が見つかるに違いありません。