はじめに
長かったようで短かった大学生活もいよいよ4年生となり、大詰めの時期を迎えているという方も多いでしょう。
そして、ついに就職活動の時期を迎えたという方はいろいろな人からいろいろな話を聞き、不安になっているかもしれません。
ここでは会社説明会について確認していきます。
会社説明会の定義や流れ、事前に気をつけておくべきポイントなど、基本的なことをしっかり理解しておきましょう。
きちんと準備をして臨めば、充実した時間になること間違いなしです。
会社説明会とは
会社説明会とは、「各企業が志望者に対し、自社をより知ってもらうために、開催する場のこと」です。
採用選考の前に行われます。
21年卒から政府主導となりましたが、これまで就職活動の時期は経団連によって決められていました。
政府もこれまでの流れを踏襲し、いきなり大きな変更はないようです。
これまでの流れと同じであれば、大学3年生の3月に情報が解禁され、本格的な就職活動のスタートとなります。
経団連に所属する場合はそのタイミングなのですが、ベンチャー企業や外資系、中小企業の場合はそのスケジュールに従っていない場合もあります。
自分自身が気になる業種については丁寧なリサーチをしておくのがよいでしょう。
会社説明会には合同説明会と単独説明会がある
会社説明会には「合同説明会」と「単独説明会」があります。
以下で端的にそれぞれの特徴をまとめておきます。
〇合同説明会
- 事前予約不要で、対象は複数社
- 同一業種が集まるセミナー、多様な企業の合同説明会などの種類がある
- 広く浅く、多くの会社との出会える
〇単独説明会
- 対象は一社で、基本的に事前予約が必要
- 採用選考の場と位置づける企業が多いため、面接や筆記試験があることも
- エントリーするために単独説明会への参加が必須になっている企業もある
コロナ禍でオンライン説明会が増加傾向
コロナ禍ということもあり、移動や接触を伴わない「オンライン説明会」を実施する会社が増えてきています。
主催者側はカメラやマイクを用いてWeb上で説明をし、参加者側は自宅等でパソコンやスマートフォンを用いて参加します。
この傾向は、遠方の企業でも交通費をかけることなく説明会に参加できるという点で、就職活動をしている側にもありがたいものです。
不安もありますが、好意的に捉えていくと思わぬチャンスをつかんだり、自分自身の新しい一面を知ったりできるかもしれません。
会社説明会の流れ
会社説明会に参加するためには、まず企業のホームページを閲覧したり、就活情報サイトを活用したりして気になる会社説明会の情報を手に入れる必要があります。
合同説明会で予約は不要と前述しましたが、事前予約をしておけばスムーズに多くの企業をまわれることもありますので、可能であれば予約しておくと効率的です。
この会社説明会がプレエントリーと位置づけられている場合もありますので、気になる企業がある場合は参加しておきましょう。
合同説明会の場合
一口に合同説明会といってもいくつかの種類があります。
複数業界の企業が参加するもの、特定業界の企業が参加するもの、地元企業が中心となるもの、といったような種類です。
まだ自分の就職先が明確でない場合に参加するケースも多いでしょう。
当日の流れとしては、最初に「オープニングセッション」が行われ、全体に対してイベントの趣旨や全体の流れの説明があります。
それからは午前の部、昼休憩を挟んで午後の部、クロージングという流れです。
中心部分は会社の説明を聞くことができる午前の部と午後の部で、その間に複数社の説明を聞きます。
各社の説明時間は30分ほどで、就活生の方から企業に質問をできるようなケースもあります。
また各社の説明と並行して、主催者が就職活動に関するセミナーを開催したり、その場でさまざまなことを質問したりできる「質問ブース」が設置されていることもあるでしょう。
詳しくは「合同説明会」の記事をご覧ください。
単独説明会の場合
一社だけに絞った説明会です。
その会社のポリシーや事業内容、今後の展望など、さまざまな角度からその会社について深く知ることができます。
ホームページに記載されていないような情報を単独説明会で得られることもあります。
その性質上、ある程度就職活動で自己分析を終了していて、自分自身の適正・興味・関心が明確になっている人が参加するものです。
また、会社が会場になることも度々ありますので、会社の雰囲気をより深く知ることができます。
複数社の単独説明会に参加しておけば、「本当にこの会社にしても良いのか」という疑問を解決することにもつながるでしょう。
当日は受付をしてから、訪問表への記入を行うことが一般的です。
その後会社からの説明・プレゼンを聞いた後に質疑応答の時間が設けられ、最後にアンケート記入の時間がある、というのが一般的な形です。
会社からの説明は、パワーポイント等を使用するものだけでなく、座談会のような形態やグループワークを活用した形態などがあります。
詳しくは「企業説明会(単独)」の記事を執筆中ので、完成次第ご参照ください。
事前に気をつけておくべきポイント6選
説明会をより実りのある時間にするために、事前に以下のことに気をつけておくとよいでしょう。
- (オンラインの場合)カメラとマイクはオフが多いものの、いつでもオンにできる状態にしておく。
- (オンラインの場合)ネット回線のスピードは事前にチェックしておく。
- (オンラインの場合)パソコンでの参加が基本。
- 服装には留意して、服装自由の場合でもある一定のルールを守る。
- 説明会でするための質問を考えておく。
- 面接や適性検査が実施される場合もあり。準備しておく
カメラとマイクはオフが多いが、いつでもオンにできるような状態で参加しよう
オンライン説明会の場合、多くの参加者がいるためカメラとマイクをオフにしておく場合が多いです。
会社側が情報を発信し、参加者はそれを受信できれば十分だからです。
しかし、質問などのやり取りをするために、カメラとマイクをオンにしておくよう企業側から事前に指示がある場合もあります。
また、特に指示がない場合もあります。
その場合はどちらにも対応できるよう準備をしておいてください。
ネット回線のスピードを事前にチェックすべき
オンライン説明会の場合はネット回線のスピードをチェックしておきましょう。
回線にトラブルがあればせっかくの説明を最後まで聞けませんし、準備不足で減点されてしまう可能性もあるためです。
Wi-Fiの電波が強いところ、あるいはより通信回線が安定する有線でオンライン説明会には参加しましょう。
使用ツールによって必要とされる回線のスピードは異なります。
そういった意味でも会社がどんなツールを使用するかは事前に確認する必要があります。
一般的には下り、上りともに10~20Mbpsのスピードがあれば問題ありません。
インターネット上で通信速度を判定できるツールがありますので、自分の通信速度を調べておいてください。
パソコンでの参加が基本
多くの企業においてオンライン説明会ではパソコンの使用をすすめています。
スマートフォンでオンライン説明会に参加している人もいますが、企業が推奨しているとおり基本的にパソコンで参加することをおすすめします。
画像や音声のやり取りをするため、スマートフォンよりも処理能力の高いパソコンの方が問題を発生しにくいからです。
また、スマートフォンの場合は端末とツールの相性があり、うまく使用できないこともありますが、パソコンの場合はどんなツールでも使用することが可能です。
そういった点でもスマートフォンよりパソコンの方がオンライン説明会に適しているといえるでしょう。
それでも心配な人は、パソコンとスマートフォンの両方で準備をしておくと安心です。
服装
服装はリクルートスーツが無難です。
また「服装」と表現されていても、印象としては「身だしなみ」という意味で理解しておきましょう。
服装だけでなく、髪形やカバンなどについてもチェックされると思っておいた方がよいからです。
そのほかシャツやネクタイ、ストッキング(靴下)といった細かな部分にも気が抜けません。
特に慣れないスーツは購入や着用にも時間がかかります。
早めの準備をおすすめします。
ただ、きちんと準備をしておけば確実にクリアできるポイントの1つです。
しっかり準備し、安心して説明会に参加しましょう。
ややこしいのが「自由な服装でお越しください」と書かれていた場合ですが、その点については後述します。
服装自由と書かれている場合
服装が自由となるケースには、主に下記のような理由が考えられます。
- 選考基準の1つに、適切な服装を選べるかという項目がある
- その人のファッションセンスが問われる職種である
- 服装が評価の対象にならない
会社の社風によって異なる部分ではありますが、自分の好きな服装を着ていけばよいというものではありません。
「オフィスカジュアル」を意識して服装を選ぶのが無難でしょう。
オフィスカジュアルというのは、ビジネスの場で着用しても相手に不快な思いをさせない、シンプルなスタイルを指します。
たとえば男子学生であれば襟つきシャツにジャケット、チノパンというスタイルが無難でしょう。
女子学生であればブラウスにジャケット、スカートもしくはスラックスというスタイルがおすすめです。
どちらの場合も派手な色の使用は避け、清潔感が重要です。
靴についても同様で、カジュアルすぎるものは避けましょう。
男子学生であれば紐付きの革靴かローファー、女子学生であればヒールの高すぎないパンプスを選ぶのが無難です。
事前に聞く質問を考えよう
会社説明会では、時間の最後に質問可能なタイミングを設けている場合があります。
積極的に質問できるよう、質問の準備をしておきましょう。
どのような質問をして良いかわからないこともあると思います。
まずは自己分析を丁寧にすることが質問を考える1つの視点になります。
企業から求められているものと自分の実力の間にあるギャップを認識し、そのギャップをどう埋めれば良いかを質問するわけです。
この質問可能なタイミングを十分に活かせれば、一味違った自己PRや志望動機の作成にもつながるはずです。
面接や適性検査も実施される場合があるので準備をしよう
企業によっては、説明会を選考と兼ねている場合があります。
その場合は説明会の資料に明記してあるのが普通なので、自分が行く説明会の資料を熟読しておきましょう。
選考と兼ねている旨の記載があれば、面接や適性検査といったものに備えておく必要があります。
面接も適性検査も、前日に対策をしても間に合いません。
しかし、就活生も忙しくなかなか時間が取れないのは事実です。
おおよそ2ヶ月前には練習を開始しておきましょう。
終わった後は情報の整理を行おう
聞いた内容のメモ書きはバラバラ、いつ、どこの会社の説明を聞いたのかわからない、という状況になってしまうと、せっかく参加した会社説明会が無駄になってしまいます。
聞いた話をそのままにしておかず、情報の整理・精査をしておくようにしましょう。
疲れたとしても記憶が新しいうちに行う方が効率的です。
情報を取捨選択したり、わかりやすくまとめたりする力は社会人になったらより求められる力です。
スキルアップの一部として情報整理をしましょう。
まとめ
企業説明会は準備こそ大変なものの、丁寧に準備をして臨むことさえできれば非常に有効活用できるものです。
裏を返せば、事前準備ができないまま参加してしまうと大きな効果は期待できません。
就職活動は長期的なスケジュールの管理能力を養う機会と捉えても良いでしょう。
大切なのは1人で頑張ることではなく、さまざまな人と話しながら就職活動を進めることです。
ここに書かれたことに気をつけながら、より充実した、後悔のない時間にしてください。