【メーカーの女性営業職】はじめに
「営業＝男性の仕事」というイメージが強いかもしれませんが、営業は女性でも活躍できる職種なのです。
個人の性質的な適性はあるものの、営業は基本的に人とたくさん関わる仕事です。
細やかな気配りができる女性だからこそ、向いている部分もあります。
特にメーカー営業には、女性にとってメリットとなり得る部分も少なくありません。
今回は、メーカー営業の特徴や女性にとっての魅力、求められるスキル・人物についてを解説します。
【メーカーの女性営業職】メーカー営業の仕事
メーカーはあらゆる製品の製造を行う、モノづくりをする企業を指します。
その種類は、食品、自動車、化粧品などと多岐にわたります。
上記の例でいうと、それぞれ食品メーカー、自動車メーカー、化粧品メーカーと称されます。
メーカーで扱う商材は、作った製品そのものである有形商材です。
原材料の加工から製造、販売までを行うのが基本です。
ただし企業によっては、加工や製造の一部だけを担うケースもあります。
同じく「モノ売り」という視点では似ている商社もありますが、両者は似て非なるものです。
商社は、メーカーから仕入れをし、仕入れた商材を販売するのが基本なので、その点で明確な違いがあります。
また、メーカー営業では企業が対象となるのも特徴です。
企業向けの「法人営業」には、新規の販路拡大を目的とする「新規営業」と、既存の取引先に繰り返し受注をもらうための「ルート営業」があります。
それぞれの手法の特徴について、以下で紹介します。
新規開拓営業の仕事内容
新たに販路拡大するための「新規開拓営業」では、過去に取り引きのない企業向けに営業を行います。
その手法としては、飛び込み営業やテレアポが主流です。
飛び込み営業とは、アポイントなしで企業へ出向き、自社の商材を売り込む手法です。
詳しくはこちらの記事もご覧ください。
▽飛び込み営業
テレアポは、自社の商材を電話で紹介し、契約に至る前のアポイントを取りつけるための営業です。
テレアポの詳細については、こちらもご参照ください。
▽テレアポ
いずれも一般的にきつい営業方法だといわれています。
しかしメーカー営業においては、これらの手法が用いられる割合は高くありません。
そういった点でも、メーカー営業は女性にとって働きやすい環境だといえるでしょう。
ルート営業の仕事内容
「ルート営業」は、既存顧客と取り引きを継続するための営業です。
既存顧客先を訪問し、アフターフォローを行います。
具体的には在庫状況の確認をしたり、提供している商品にトラブルや問題がないか確認したりします。
また、在庫がなければ新しく発注の契約を結ぶこと、新しい商材やオプション等の提案をすることも仕事内容の1つです。
積極的に新規開拓を行っていく新規開拓営業に比べて、細やかなフォローや担当者との関係構築を求められます。
【メーカーの女性営業職】待遇・福利厚生
メーカー営業が女性におすすめできる理由として、待遇や福利厚生面でメリットが大きいこともあげられます。
待遇は給与面や働き方など、福利厚生は給与以外の報酬やサービスが該当します。
どれも働くうえでの満足度につながり、ワークライフバランスを整えるためにも重要なものです。
充実感や働く意欲を高めるためにも、志望する業界や企業の待遇や福利厚生については確認しておきたいところです。
ここでは年収や残業、福利厚生について、メーカー営業の特徴を紹介します。
年収
メーカー営業の平均年収は460万円程度です。
しかしこれはあくまでも目安の金額です。
昇給基準は企業によってさまざまであり、取り扱い商材の価格帯や勤続年数等でも給与は異なります。
ただ自動車・医薬品・医療機器・化学・素材・電機（電気機器）メーカーの年収は比較的高い傾向にあります。
なお、他業種の営業職と同様に、月々の給与に対して、契約数に応じたインセンティブ報酬がプラスされることも多いです。
そのため成果が収入という数字として表れるので、やりがいを感じやすいのも魅力といえるでしょう。
残業
メーカー営業では、他業種の営業と比較して残業は少ない傾向にあります。
主な理由としては、顧客が法人（企業）なので、夜遅くまで営業をしないことがあげられます。
またメーカー営業では既存顧客へのルート営業が多く、個人のノルマを設定されることがほぼないのも特徴です。
そのためノルマに追われることは少なく、遅くまで残業して営業する必要がないことも理由の1つです。
残業やノルマが少ないと、精神的な余裕が生まれやすいのもメリットといえます。
福利厚生
他業界と比較して、福利厚生が充実しているのもメーカー営業の特徴です。
特に、自動車・輸送機器メーカー・AV家電・電気機械・コンピュータメーカーでは福利厚生が充実している企業も多くなっています。
働き方改革やワークライフバランスの充実といった背景もあり、育休の取りやすさや、時短勤務制度の導入を自社の売りにする企業も増加傾向にあるのです。
業界全体で、福利厚生の充実が特徴としてあげられますが、やはり企業によっても異なります。
企業選びをする条件の1つとして気にしておきたいところです。
【メーカーの女性営業職】求められるスキル・人物
残業が少なく福利厚生も整っているなど、働きやすい環境の整っているメーカー営業ですが、どのような人が向いているでしょうか。
営業職の適性を考えたとき、ポイントとなるのは人とのつながりや関わりです。
またルート営業が多いメーカー営業では特に、長期にわたって顧客との関係を構築する必要があるのも特徴です。
これらをふまえて、どういった人材が適しているのか、メーカー営業に欠かせないスキルや人物像の条件について紹介します。
コミュニケーション力がある人
営業職で求められるスキルといえば、やはりコミュニケーション能力です。
顧客との関係性が営業の結果に直結するといっても過言ではありません。
コミュニケーション能力というと話し上手な人を連想するかもしれませんが、実は聞き上手であることも必要です。
自社商材の説明を顧客にわかりやすく説明するとともに、顧客の話に耳を傾けたうえで的確に提案できるスキルを求められます。
特にルート営業では、顧客のニーズや要望を聞き出すことが大切なので、聞き上手であることが強みになるでしょう。
相手の立場から考えられる人
相手の立場に立って考えることで、顧客に対して的確なアプローチができるようになります。
また人の立場になり物事をとらえると、相手の要望や希望や課題、悩みを察することができます。
そうなれば、ニーズに応じて提案することも可能です。
さらに相手の立場に立って考えることは、自社商材について説明する際にも役立ちます。
特に専門的、あるいは技術的な分野について説明するときは、顧客の理解度に合わせた説明が重要となるためです。
責任感がある人
ルート営業がメインとなるメーカー営業では、信頼関係の構築が重要です。
すでにある信頼を維持するだけでなく、さらに関係を深めていくことが必要といえます。
顧客からの信頼・信用を得るには、誠実で丁寧な対応が重要です。
相手の要望・課題をくみ取って理解し、要望に応えたり、課題を解決したりすることが求められます。
スピーディーに的確な提案をするためには、「自分が責任をもって対応する」という意欲や責任感が必要です。
【メーカーの女性営業職】女性におすすめのポイント3選
近年女性の営業職が増えているなか、特にメーカー営業は女性向きといえる理由がいくつかあります。
ここでも関連するのが、ルート営業であることや福利厚生の充実度です。
男女平等な働き方がスタンダードになりつつある現代でも、結婚、出産、育児となるとキャリアチェンジする女性が一定の数でいるのも事実です。
女性だからこそ、ワークライフバランスを考慮した業種や職種の選択が必要な部分もあるでしょう。
メーカー営業の特徴ともいえる3つのポイントについて解説します。
①ほかの営業よりも精神的にきつくない
ルート営業がメインとなるので、ほかの営業職と比較すると仕事がきつくないことはおすすめポイントの1つです。
メーカー営業では、新規営業の比率（飛び込み・テレアポ）は少ないため、精神的負担が小さいといえます。
既存顧客への営業なので、ノルマが厳しくない、あるいは設定していない企業も多いです。
したがって、営業職ならではのノルマ達成という悩みも感じにくい環境です。
また法人営業なので、残業が少ないのも特徴といえるでしょう。
対企業ということで労働時間は安定しやすく、育児などとのバランスが取りやすくなります。
残業が少なく労働時間もある程度固定されていると、ライフスタイルの変化にも対応しやすくなり、産休・育休明けに働きづらさを感じてキャリアを諦めるといった事態も避けられるでしょう。
②安定している
メーカー営業は、安定性の高さも魅力の1つです。
長期的な企業間の付き合いで成立しているメーカーだと、売り上げがいきなり上下するケースは少ないと考えられます。
企業の業績や売り上げが安定するので、そこで働く社員の収入も安定しやすくなります。
勤続年数に応じて年収が上がることも見込めますし、努力次第でインセンティブとして給与に反映されるのもポイントです。
そのためメーカー営業は、自立したいと考える女性に特におすすめです。
前項で少し触れていますが、給与面だけでなく労働時間が安定しているのも、メーカー営業ならではのメリットとしてあげられます。
労働時間の安定は仕事に対する満足度にもつながるので、長く勤め、キャリア形成をしていきたい女性におすすめです。
③福利厚生が充実している傾向
福利厚生の充実している企業が多いのも、女性におすすめできるポイントです。
たとえば育休や時短勤務なども、福利厚生に含まれます。
こういった制度が整っていると、仕事と育児の両立がしやすくなります。
キャリアアップを目指しているにもかかわらず、制度が整っていないために産休・育休を機にキャリアチェンジを余儀なくされるケースも少なくありません。
メーカー営業では比較的福利厚生が充実している傾向にはありますが、企業によって異なるので事前に確認しておきましょう。
【メーカーの女性営業職】まとめ
男性社会というイメージの強い営業職ですが、メーカー営業は女性にもおすすめの働き方です。
法人営業でルート営業が基本なので、残業やノルマは少ないのが特徴です。
また収入も安定しやすく、福利厚生が充実している傾向にあるのも、メーカー営業の魅力といえます。
そんなメーカー営業で求められるのは、コミュニケーション能力にすぐれていて相手の立場に立って考えられる人材です。
個人の特性もありますが、一般的に人間関係の構築や気配りがうまいとされる女性向けの仕事だともいえるでしょう。
現状としてはまだ男性の方が多い傾向にありますが、ライフスタイルが変化しやすい女性にとっても魅力がある働き方です。
自立したい、長く働いてキャリア形成していきたい女性は、メーカー営業という選択も視野に入れてみてはいかがでしょうか。
