【きつい営業の特徴】はじめに
就職や転職を考えるとき、しばしばその候補の1つとなるのが、営業職の仕事です。
求人数が多く、未経験者の採用にも積極的なため、求職者に人気の仕事の1つだといえます。
しかし一方で、営業職に対する根強いマイナスイメージから、この仕事を敬遠している方も多いでしょう。
実際、かなりきつい仕事を任せられる営業の現場も存在します。
しかし、すべての企業がそうではありません。
そこで本記事では、「おすすめの業種」「営業職そのものが向いていない場合」「企業選びのポイント」の4つの項目に分けて解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
【きつい営業の特徴】おすすめの業種TOP3
次は快適に働きやすい、おすすめの業種を紹介していきます。
ここまで見てきたように、営業の仕事にはかなりハードな内容のものもあります。
そうしたタイプの営業を避けたいと思う方はきっと多いでしょう。
そこで業種に注目して、その仕事内容が自分に向いているかどうかを見極められるようになります。
なぜかというと、業種ごとに仕事内容の傾向が違っているからです。
特におすすめするのは「メーカー」「インフラ系」「IT系」の3つです。
それでは、一つずつ見ていきましょう。
メーカー
おすすめする業種の1つ目は、メーカーです。
まず、メーカーでは自社の有形商材を扱うことになります。
そのため、無形商材を扱うときのような高いスキルは必要とされず、商材を売り込むのは比較的容易です。
また、新規開拓営業を行うよりも、すでに取り引きのある企業との契約を繰り返すタイプの営業（ルート営業）が多い傾向にあります。
そのため、何度も何度も契約相手を探しにいくつらさからは逃れられます。
さらにメーカーは自社製品を商材とするために、純利益率が高く、資金も豊富です。
したがって、その分だけ福利厚生の整った会社である可能性も高くなり、安心して働くという面でも期待がもてます。
最後に、他業種と比べて賃金が高い傾向にあるのも、魅力の1つです。
インフラ系
2つ目は、インフラ系です。
まずインフラ系の企業では、ガスや電気などのサービスを提供することになります。
これらは生活や企業活動に欠かせないものであり、常に需要が存在しています。
そのため高度なスキルがなくとも、必要経費であるとして購入に踏み切ってくれる人が多いです。
また、企業の名前が広く知られている場合も多く、多くの人から信頼があるため、営業先で話を聞いてもらいやすいです。
さらに、きびしいノルマを課せられることも少ないため、非常に大きな負荷がかかるということもありません。
また、会社自体の経営が安定していることから、収入も一定のレベルで保たれています。
そのため腰をすえて長く働きたい場合は、最適な業種だといえます。
IT系
3つ目は、IT系です。
まずIT系の営業では、ネット上で機能するシステムなど、価値がイメージしづらい無形商材を扱わなければならない面はあります。
しかしその一方で、企業を顧客とする営業（法人営業）がほとんどのため、契約までつながりやすいです。
また、IT系の商材に対する需要はますます増大しており、今後もしばらくはこの傾向が続くと予想されています。
需要があれば商材も売れやすくなるため、ノルマの達成も比較的容易になるでしょう。
IT業界の発展にともない、経済的に潤っている企業も多いため、収入も高い傾向にあります。
また、ITに関する専門知識も必要になりますが、無形商材を売るための高度な知識を身につけられるという点で、魅力的であるともいえるでしょう。
【きつい営業の特徴】営業の仕事そのものがきついと感じる場合も
次に、多くの営業職に共通する特徴を見ていきましょう。
業界、業種、企業にかかわらず、多くの営業職に共通する要素はいくつかあります。
そのためそうした要素について、苦手意識を抱いてしまう場合は、営業職そのものに向いていない可能性もあります。
その要素とは、具体的に「体力がいる」「成績が周りに把握される」「商材そのものに不満がある」「収入が安定しない」の4つです。
それでは、それぞれのポイントを確認していきましょう。
体力がいる
1つ目は、体力がいることです。
営業職の仕事では、テレアポや内勤営業を除けば、多くの企業や個人宅に訪問しなければなりません。
それも、1日の間に何軒も回らなければいけないのです。
さらに移動手段は、徒歩や自転車で移動することが多くなっています。
季節によっては暑さ寒さと戦いながら、契約を獲得するために街中を動き回らなければならないのです。
このように日の仕事をこなすだけでも、相当な体力を消耗することになります。
成績が周りに把握される
2つ目は、成績が周囲の人達に把握されてしまうことです。
営業の職場では、獲得した契約の数や金額という形で、一人ひとりの成績がダイレクトにわかってしまいます。
そして成績によって順位をつけられ、会社によっては月ごとに表彰を行うところもあります。
こうした事情から、同僚との成績の差を常に意識しなければならないのです。
成績が伸び悩んでいるときには、「周りから白い目で見られるのではないか」という不安との戦いにもなります。
また優秀な同僚がいた場合、自分と比較してしまい、劣等感にさいなまれることもあるでしょう。
営業の仕事では、どうしても競争の中に身を置くことになり、そうした精神的ストレスを抱えることにもつながるのです。
商材そのものに不満がある
3つ目は、商材そのものに魅力を感じられない場合があることです。
やはり商材を売り込んでいく中で、自分自身ではその商材に魅力を感じられないこともあります。
つまり「自分だったら買わない」と思うような商材を、提案しなければいけないことがあるのです。
しかし魅力がわからないものを売り込んでいても、その言葉に説得力をもたせるのは難しいでしょう。
買うメリットを感じないまま、企業から渡されたマニュアル通りに営業をしていても、相手をだましているような気分になり、良心が痛むかもしれません。
収入が安定しない
4つ目は、収入が安定しづらいことです。
まず、営業職の給与形態は「固定給+インセンティブ」の場合が多くなっています。
インセンティブとは結果に応じて変動する報酬のことです。
つまり成績が良ければ給与を多くもらえる一方で、結果を出せなければ十分な額をもらえない可能性があるということです。
ここで営業の仕事をしていく中で、安定して契約を取って、良い成績を維持できる保証はありません。
そのため、安定した収入をもらうことは難易度が高いのです。
たとえば、家族を養っている状況であれば、結果を出さないことには、固定給だけではきびしいかもしれません。
毎月、成績について不安を感じてしまうようであれば、営業の仕事に向いていない可能性は高いです。
【きつい営業の特徴】企業を選ぶ際のポイント
最後に、企業を選ぶ際のポイントを紹介します。
実際に企業選びを始めると、非常に多くの求人があるため、どの企業を受ければ良いのか迷うこともあるでしょう。
そのため、企業を絞り込んでいくための、いくつかの基準をもっている必要があります。
具体的には「軸を決める」「甘い言葉に注意する」「ノルマの有無をしっかり確かめる」の3点が重要です。
これらを押さえておくことで、魅力的な企業とそうでない企業を見分ける助けとなります。
それでは、それぞれ見ていきましょう。
軸を決める
まずは企業選びにおいて、もっとも重視する項目を決めましょう。
これは一般に「就活の軸」と呼ばれるものです。
たとえば、「仕事とプライベートを両立できること」を軸とするなら、福利厚生の充実した企業が候補にあがります。
ほかにも、「職場環境が良好であること」を軸とするなら、社風に注目して企業を探すことになるでしょう。
そして、これらの軸は業界や業種を決めるうえでも重要です。
このように軸が決まることで、企業選びはスムーズに進みますし、納得のいく就活をすることにもつながります。
また軸を決める際は、自分が過去にどんな価値観で生きてきたかを振り返ることが重要です。
なぜなら、自分のずっと大切にしてきた価値観が、そのまま企業選びの基準にもなるからです。
甘い言葉に注意
次に、甘い言葉に惑わされないよう注意が必要です。
求人サイトなどで企業を探していると、「アットホームな職場」「若者が活躍できる職場」などの触れ込みを目にすることもあるはずです。
これらの言葉は一見、魅力的に映るかもしれませんが、だからこそ警戒しなくてはいけません。
まず「アットホームな職場」というのは、少人数体制のために、自分の担当外の仕事を任せられる、激務の職場であることもあります。
そして「若者が活躍できる職場」というのは、人員の入れ替わりが頻繁にあるために、年齢層の若い社員が集まっているだけかもしれません。
そのため、年齢層が幅広い企業を選ぶのもコツの1つになります。
ノルマなしと書いているのにあることも
そして、「ノルマなし」という言葉にも注意しましょう。
求人情報にノルマなしと書いてあっても、実際に入社してみたらノルマを課せられる場合があります。
このように情報を偽っている企業は、何かしらの問題を抱えている可能性が高いです。
情報を精査できるようにしておきましょう。
また、ノルマがあっても、必ずしもつらいということではありません。
もちろんノルマ設定が高すぎると大変ですし、無形商材を扱う企業はその傾向が強いです。
しかし適度なノルマがある会社の方が、収入は高い傾向にあるため、情報を偽る会社よりは魅力的だといえます。
【きつい営業の特徴】まとめ
ここまで、営業の仕事に関して、たくさんのポイントについて解説してきました。
まず、きつい営業職の特徴は「無形商材を扱う」「新規開拓営業」「商材が高価」の3点です。
そして、業種に関しては「メーカー」「インフラ系」「IT系」をおすすめしています。
また、営業の仕事そのものについて「体力がいる」「成績が周囲に知られる」「商材に魅力を感じないことがある」「収入が安定しない」という4点から、向いていない場合もあるかもしれません。
最後に、企業を選ぶ際は「軸を決める」「甘い言葉に注意する」「ノルマの有無をしっかり確認する」という3点が重要になります。
ここまで見てきたように、やはり営業にはつらい側面もあります。
しかし、快適に働ける営業の仕事も確実に存在しているのです。
この記事を参考にして、そうした仕事を探してみてください。
