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【営業は楽しくないのか】はじめに
これから本格的な選考が始まる24年卒の就活生ならば、自分が志望する業界や企業が定まってきた方も多いのではないでしょうか。
しかし就活スケジュールが進み、情報が集まってくると、自分の進路に不安を覚えることも多いものです。
特に、営業職を志望している就活生は、仕事内容や適性について本当にこのまま就活を進めて良いのか、悩みを抱えているかもしれません。
そこで今回は、営業職を志望する就活生に向けて、営業のつらさ・楽しさといった仕事内容や営業職の適性について詳しく解説します。
【営業は楽しくないのか】営業が楽しくないと感じる瞬間3選
就職活動で情報収集していると、先輩や周囲から「営業は楽しくない」と聞かされた経験があるかもしれません。
たしかに、営業の仕事には楽しくないと感じられる部分・瞬間があります。
それは営業という仕事が、自分だけのペースで進める単純な作業ではない・初対面の人と信頼関係を築く必要がある・契約の成功や失敗がプレッシャーになるなど、なかなか思い通りにならない部分が多いためです。
ここからは、営業の仕事をする以上、避けては通れない「楽しくないと感じてしまう3つの場面」を紹介します。
それぞれに、楽しくないことをやりがいに変化させるヒントもご紹介しますので、チェックしてみましょう。
①ノルマ達成ができなかった瞬間
順調に商談を進めてたくさんの契約が取れたならば、営業の仕事は楽しいと感じられるものです。
しかしさまざまな理由によって、契約に結びつかずノルマを達成できない場合には、営業の仕事は楽しくなくなってしまうでしょう。
ノルマ達成のカギとなるのは、自分のスキルや経験といった実力以外にも、扱う商材の売れやすさなどにも左右されます。
そうした要因によってノルマを達成できないと、大きなプレッシャーを感じるため、仕事がきついと感じる営業も多いのです。
もう少し詳しく見てみると、そもそもの目標が高すぎてやる気にもなれなかったり、毎月新しいノルマや上司からのプレッシャーに追われるので、気が休まらなかったりといったケースが多いでしょう。
また、ノルマを達成して当然という社内の雰囲気と、達成でできなかった自分を責めるような視線につらさを感じることもあります。
自分に合った営業手法の見極めが大切
ノルマ達成という成果をあげて仕事を楽しいものにするには、自分に合った営業手法の見極めが大切です。
営業内容をざっくりと分けるだけでも、個人か法人かの違い・新規顧客か既存顧客かの違い・扱うのが有形の商品か無形のサービスかといった点が異なるため、それに合った戦略を求められます。
営業は効果的に売り上げアップにつながるような戦略を立てますが、その際にこうした条件や状況を把握したうえで、営業手法を決めるのです。
具体的な営業手法としては、数量や納期といった条件を提示して商談を進める「引き合い営業」や、初対面の相手へ会いに行く「飛び込み営業」、電話を利用する「テレアポ」などがあります。
また商談の席に着いたあとも、顧客のニーズを深く探る「チャレンジャー営業」や、顧客に寄り添い同じ目線に立つ「SNAP営業」など、最適な手法を見極めなければなりません。
②お客様が理不尽だと感じた瞬間
商談が思い通りに進まないと、営業の仕事は楽しくありません。
特に、お客様の言動に理不尽さを感じる場面では、やりきれなさを覚えることも多いでしょう。
営業が直面する具体的な理不尽さとしては、細かな部分まで逐一クレームを入れてくる・値引き要望が多く、売り上げが下がる・サービスのつもりでしたことが裏目に出て苦労するといったものがあげられます。
複数の案件を抱えていると、一度に複数のクレームに対応しなくてはいけないこともあり、さらに仕事に対するつらさを覚えてしまうことでしょう。
気持ちの切り替えが大切
営業に向けられる理不尽さは、言いがかりに近いものです。
そのため、自分の力ではその場の状況を打開できないことがほとんどでしょう。
したがってこのようなケースでは、自分の気持ちの切り替えが大切になります。
自分に非がなく、客観的に見ても理不尽だと認められるならば、クレームを気にして長く引きずる必要はありません。
ネガティブな気持ちのままだと、ほかの商談に悪影響を及ぼす可能性もあります。
具体的な気持ちの切り替え方法としては、その場所をあとにした瞬間、気持ちをリセットするのも有効です。
また、「たまたま相手の機嫌が悪いときにあたったと」、楽観的にとらえても良いでしょう。
③苦労したのに結果へつながらなかった瞬間
自分なりに苦労したにもかかわらず結果につながらないと、仕事が嫌になってしまうでしょう。
苦労や努力が大きければ大きいほど、その失敗ダメージも大きくなります。
精神的に沈んでしまうのはもちろん、自分の苦労を軽く扱われたときには、屈辱を感じることもあるでしょう。
特に、このような気持ちになりやすいのが、何度も先方へ足を運び、良好な信頼関係を築いていたケースです。
また、金額的にも規模が大きい契約の多い法人が相手の場合は、その落胆も大きくなります。
さらに手応えを感じていた商談がドタキャンされたときにも、気持ちが落ち込むでしょう。
そのほかに、新規開拓のために飛び込みやテレアポをしていると、門前払いを受けることも多く、心が折れてしまうこともあります。
反省と改善が大切
苦労が結果につながらないことが続いても自暴自棄にならず、反省点を見出して改善策を探ることが大切です。
トップ営業マンと呼ばれる人であっても、結果を出せないスランプにおちいることは珍しくありません。
商談のあとには、やり取りを振り返り、反省点を探してみてください。
きちんと相手の話に耳を傾けているか・ニーズをくみ取れているか・相手の立場に立って交渉しているか・誠心誠意対応しているかなど、何かしらの反省点が見つかるはずです。
反省点がわかったならば、次の商談に向けて、一つひとつ地道に改善していきましょう。
【営業は楽しくないのか】営業が楽しいと案じる瞬間5選
ここまで見てきたように営業という仕事には、楽しいとは言い難い部分があります。
多くの困難や理不尽さに直面することも多く、仕事に限界を感じることもあるかもしれません。
しかしその反面、ほかの仕事では味わえないような大きな喜びを感じることこそが、営業の仕事の醍醐味です。
すべての苦労が報われる瞬間や、自分が成長したと実感する瞬間は、何ものにも代え難い魅力となります。
具体的な瞬間としてあげられるのは、以下の5つです。
・新規顧客獲得
・大きな商談の成功
・ノルマ達成
・顧客からの感謝
・成長の実感
それぞれ、どのようなものか詳しく見てみましょう。
①新規顧客を獲得できた瞬間
自分の努力によって、新しい顧客を開拓できたときには、その喜びは大きなものとなるでしょう。
もともと会社がもっていた既存顧客とは違い、新規顧客の開拓は、自分の力だけで成し遂げることがほとんどです。
したがって、一から作り上げたという達成感も大きくなります。
その際には自分の経験値も上がり、営業としての視野も広がるでしょう。
具体的には、門前払いの多い飛び込みやテレアポを地道に繰り返した結果、契約に至ったケースなどがあげられます。
また自分の人間性や誠意が認められて、信頼関係を結び結果につながったケースでも、大きな喜びがあるでしょう。
さらに自分が良い顧客を引き当てたときにも、仕事に楽しみを感じられます。
このように新規顧客開拓では、自分の実力で結果を出したということが大きな自信になるのです。
②大きな商談が成功した瞬間
契約内容が大きければ、成功したときの喜びも大きいものとなるでしょう。
大きい商談には、たくさんの苦労が付きものです。
交渉に長い時間をかけて丁寧に商談を進め、結果として大きな利益につながったならば、大きな達成感を得られます。
また営業職は、インセンティブとして成功報酬を与えられることがほとんどです。
そのため、大きな商談の成功は自分の収入の大幅アップにも直結するため、こうした面でも楽しみがあります。
ほとんどの営業職にとって、大きな商談自体がレアケースです。
しかし、大口注文・長期契約・大企業との契約などでチャンスがあるでしょう。
③ノルマを達成した瞬間
社内で自分に課されたノルマを達成した瞬間も、大きな喜びを感じるでしょう。
ノルマを達成したということは、それだけの努力をしてきたという、目に見える証でもあります。
失敗経験から学び、トーク力・スケジュール調整・提案方法に至るまで、さまざまな部分を自分なりに改善してきた結果が出たのです。
ノルマ達成について感じていた不安が一転して、安心・達成感・解放感に変わる瞬間は、営業ならではの仕事の楽しさを感じられる瞬間でしょう。
ノルマを達成すると、その成功体験を次の商談へつなげられるようになります。
成功するために必要なことがわかっているため、仕事にやりがいや手応えを感じることも多いはずです。
さらにノルマを達成すると、社内でも認められ、次のステップへ進むチャンスとなる楽しみもあります。
④お客様に感謝された瞬間
契約成立という成功だけが、営業職の喜びではありません。
顧客から直接感謝の言葉を聞けた瞬間も、営業職ならではの喜びとなるでしょう。
その売り上げの大きさや、華やかなイメージの先行しがちな営業職ですが、実際の作業は地道なコミュニケーションの積み重ねです。
ベテラン営業マンであっても、顧客からの信頼を得るのは難しいこともあるかもしれません。
感謝されたということは、顧客が自分を信頼し、心を開いてくれたという証でもあります。
顧客から感謝されるためには、途中で手を抜かず最後まで寄り添うこと・ニーズを的確にくみ取り迅速に行動すること・仕事を越えて信頼関係を結ぶことが大切です。
⑤自分の成長を感じた瞬間
営業として自分で自分の成長を実感したときも、大きな喜びを感じるでしょう。
新卒として営業の仕事を始めたばかりのころは、初対面の顧客とどのように接すれば良いかわからず、商談の相手にされないことも多かったかもしれません。
しかしたくさんの失敗を経験し、そこから反省点を洗い出して改善したからこそ、成功体験や経験値が増えていくのです。
成長を感じる具体例として、改善を重ねた結果、新規開拓でも商談にもち込めるようになるといったケースがあげられます。
また初対面でもスムーズに、相手の興味をひくようなトークができるのも、大きな成長です。
こうした成長は、契約数や売り上げといった数値にもあらわれます。
そこから手応えややりがいを感じ、仕事に対するモチベーションにもつながるでしょう。
【営業は楽しくないのか】営業に向いていない人の特徴5選
営業という仕事には、楽しくない部分も存在します。
しかし、それを乗り越えて大きな喜びを得るところに、営業の楽しさはあるのです。
こうした楽しみが感じられず、営業の仕事がまったく楽しくないのであれば、営業に向いていないのかもしれません。
営業の仕事に適性がないのであれば、別の道へ進んだ方が良い場合もあります。
ここからは、一般的に営業向きではない人に多いとされる、下記5つの特徴について詳しく見てみましょう。
・コミュニケーションが苦手
・消極的
・考えすぎ
・プライドが高い
・スケジュール管理がずさん
①コミュニケーションが苦手
他人とのコミュニケーションに苦手意識をもっているならば、営業に向いていない可能性があります。
営業の仕事では、人との対話やコミュニケーションが命です。
具体的には、相手の話をしっかり聞くヒアリング力・わかりやすく過不足なく説明するトーク力・そして信頼を勝ち取るための人間力が大切になります。
もしも初対面でうまく言葉が出なければ、商談相手に不信感を抱かせてしまうかもしれません。
また自分ばかり話してしまい、相手の話を聞けない傾向があるならば、双方向のコミュニケーションがうまくいっていないといえるでしょう。
さらに相手の立場に立って考えられない人も、営業に大切なコミュニケーションが不足しています。
営業という仕事では、ときに仕事以外の雑談なども必要です。
そのため営業の仕事をするうえでは、ポジティブさや素直さといった人間力も必要になるでしょう。
②自分で行動できない人
自分で行動のできない、いわゆる「指示待ち」タイプの人も、営業には向いていないと考えられます。
自分で考えずに誰かからの指示を待ち、その通りに動くだけでは、いつまで経っても成長は見込めません。
言われたことだけをやっていれば成功するほど、営業職は甘くないのです。
営業には、タイムリーに商機を見極める瞬発力が必要になります。
相手との交渉において、自分で判断しなければならない場面もあるでしょう。
そこが営業職の醍醐味でもありますが、これができない人は、営業には不向きです。
自分で行動できない人の特徴として、以下の3つがあげられます。
・マニュアル通りにしかできない
・上司の指示があるまで動かない
・反省や改善をせず、同じことを繰り返すといったものが、
ある程度の指示やマニュアルも必要ですが、自ら動く主体性や、臨機応変に対応する力がなければ、営業として成功するのは難しいでしょう。
③考えすぎてしまう人
ちょっとした相手の言動について考えすぎる人や、気にしすぎる人も営業には向いていないかもしれません。
営業職には、ある種の図太さが必要です。
失敗の反省はしても後悔しないようなタイプならば、営業の仕事を楽しめるでしょう。
商談相手のことを思って深く考えを巡らせるのは、決して悪いことではありません。
しかし、それが心身の不調を引き起こすほどのストレスになる場合には、営業としての適性はないといえます。
何か不安なことがあってもいつまでも引きずらず、うまく気持ちを切り替えることが営業では大切です。
ネガティブな気持ちを商談にもち込むと、相手も不安になってしまいます。
下記のような特徴が多いならば、営業向きの性格ではないかもしれません。
・ノルマや成績の悪さを気にしすぎる
・相手の言葉の裏側を考えすぎる
・クレームを気にしすぎる
・悪い結果を気にしすぎる
④プライドが高い人
商談の場で捨てるべきプライドを捨てられない人も、営業には不向きでしょう。
プライドには、自分の誇りである良いプライドと、他人に虚勢を張る悪いプライドがあります。
商材や交渉に自信をもつことは悪いことでありませんが、下に見られたくない・自分を良く見せたいというプライドは、商談の妨げでしかありません。
営業は相手の話をよく聞いて相談や交渉を進めていくため、謙虚さや柔軟さが必要です。
商談のすべてを自分でコントロールしようとせずに、空気を読む力・素直さ・純粋さといったありのままのパーソナリティの開示も、営業に必要な誠実さの1つといえるでしょう。
また社内でも同様に、悪いプライドは捨てるようにしてください。
素直に同僚・先輩・上司のアドバイスを受け入れられないようであれば、成長は見込めません。
⑤スケジュール管理ができない人
ビジネスに関するスケジュール管理ができないのは、営業として致命的です。
日常的にスケジュールやタスクの把握ができない人は、営業に向いていないでしょう。
営業は、顧客とのアポイントと信頼関係が命です。
もしも訪問日時を把握できておらず、約束の契約書類の準備も間に合わなければ、商談相手に迷惑をかけてしまいます。
スケジュール管理ができていないと、最悪の場合、商談の打ち切りや契約破棄もあり得るのです。
たとえ不得意であっても、手帳やパソコン・スマホのツールを活用すれば、優先順位の振り方や基本的なスケジュールの組み方が身につくでしょう。
しかし、スケジュール管理ができないことについて、言い訳をする・改善しない・人任せにする人は、営業に不向きです。
【営業は楽しくないのか】まとめ
営業の仕事には、苦労とやりがいがあります。
それを楽しさに昇華できるかどうかは、個々の努力や適性によるといえるでしょう。
営業に限らず、どのような仕事にも楽しい面と楽しくない面があります。
営業職を目指す就活生ならば、そのことを理解したうえで、先入観や営業に対する根拠のない悪いイメージを消しましょう。
また営業の仕事には、ほかの職種にはない大きな魅力があります。
さらに苦労を自分の力で経験に変えていける、成長機会もたくさんあるのです。
営業の仕事で楽しいといわれる部分・楽しくないといわれる部分をチェックして、総合的に魅力を感じるかどうか考えてみてください。
また自分の性格が、営業に向いているかどうかも確認してみましょう。
営業といってもさまざまな種類がありますので、自分に合う業種・営業手法を見つけて、希望とマッチする企業を探してみてください。