はじめに
「不動産営業ってどんな仕事なの?」
「不動産営業ってノルマが厳しくて大変そう!」
はじめての不動産営業への就職・転職を検討している方なら、そのような不安や疑問を抱いたことがあるのではないでしょうか。
本記事では、不動産営業の主な仕事内容から必要とされる能力、資格などを紹介しています。
この記事を通して不動産営業について理解を深め、自身の就職・転職活動、そしてキャリアップにつなげていきましょう。
不動産営業への就職・転職を検討しているという方は、ぜひこの記事を読んでみてください。
【不動産営業の仕事】不動産営業ってなに?
一般的に不動産営業の仕事というと、不動産の売り買い・貸し借りの仲介業務をイメージされる方も多いでしょう。
しかし、不動産営業とひと口にいっても、そこで取り扱う不動産の種類(一軒家、マンション、店舗や事務所などの事業用不動産)や顧客の要望(貸したい、借りたい、買いたい、売りたい、建てたい等)によって、実はその仕事内容は多岐に渡ります。
まずは不動産営業の基本的な仕事内容について理解し、就職後・転職後のキャリア像を具体的にイメージしていきましょう。
不動産営業への転職を考えている方は以下の記事も参考にしてみてください。
不動産を販売する
1つ目は不動産を販売する仕事です。
自社で不動産を企画開発したり物件を仕入れたりして、売主として直接消費者に不動産を販売する仕事や、不動産所有者から販売代理権を受けて販売活動を行う仕事です。
不動産販売の仕事では、販売広告の作成、インターネットやチラシを活用した広告宣伝活動、現地案内会の開催、契約条件の調整、売買契約書・重要事項説明書の作成と締結、物件の引き渡しなどの業務を行います。
賃貸不動産を仲介する
2つ目は、賃貸不動産を仲介する仕事です。
一般的には「賃貸不動産仲介業」とも呼ばれ、不動産を貸したい人、借りたい人を結び付け、不動産賃貸借契約の仲介を行う仕事です。
例えば、不動産を借りたい人に対しては、希望条件のヒアリングから物件の紹介・案内、契約条件の調整、賃貸借契約書・重要事項説明書の作成と締結、物件の引き渡しなどの業務を行います。
一方で、不動産を貸したい人に対しては、募集広告の作成、インターネット等を利用した募集・広告活動、物件調査、契約条件の調整、賃貸借契約書・重要事項説明書の作成と締結、物件の引き渡しなどの業務を行います。
不動産賃貸仲介について詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。
不動産の売買を仲介する
3つ目は、不動産の売買を仲介する仕事です。
一般的には「不動産売買仲介業」と呼ばれ、不動産を売りたい人・買いたい人を結び付けて、不動産売買契約の仲介を行う仕事です。
例えば、不動産を買いたい人に対しては、希望条件のヒアリングから物件の紹介・案内、契約条件の調整、売買契約書・重要事項説明書の作成と締結、物件の引き渡しなどの業務を行います。
一方で、不動産を売りたい人に対しては、販売広告の作成、インターネット等を利用した販売・広告活動、物件調査、契約条件の調整、売買契約書・重要事項説明書の作成と締結、物件の引き渡しなどの業務を行います。
不動産売買仲介について詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。
【不動産営業の仕事】不動産営業の主な仕事内容
不動産業界未経験の方の中には「不動産営業の仕事について具体的なイメージがわかない」という人も多いでしょう。
ここでは不動産営業が行う主要な仕事内容について、具体的にその内容を紹介していきます。
- 顧客にアポイントを取る
- リフォームの契約を結ぶ
- 土地の活用を提案する
顧客にアポイントを取る
1つ目は、顧客にアポイントを取る仕事です。
これは不動産所有者や購入検討者などにアプローチし、商談や提案の機会を作るための仕事です。
具体的には、売り物件の情報を仕入れる物上げアポイントや、投資用不動産の購入検討者に購入提案をするアポイントの仕事などがあります。
アポイントを取る際には電話でアプローチすることが一般的ですが、他にも手紙やSNS、メールなどを駆使し、顧客にアプローチを掛けることもあります。
リフォームの契約を結ぶ
2つ目は、リフォームの契約を結ぶ仕事です。
築年数の経過した不動産の場合でも、リフォームを行えば、まだまだ利用できるような不動産はたくさんあります。
不動産営業のリフォームの仕事では、中古不動産の保有者や購入者に対しリフォームの提案を行い契約を結びます。
また、不動産営業単体ではなく、建築士や設計士、リフォーム会社などと連携して、提案を進めていきます。不動産に新しい価値を加える、クリエイティブ性のある仕事です。
土地の活用を提案する
3つ目は、土地の活用を提案する仕事です。
世の中には未活用のまま放置されている遊休地がたくさん存在します。
そのような遊休地を保有する土地保有者や、遊休地の購入者に対し、最適な活用方法を提案する仕事です。
具体的には、不動産の立地特性や土地保有者の希望条件をヒアリングし、アパート・マンションの建築、店舗事務所の誘致など、様々な選択肢の中から最適な土地の活用方法を提案します。
提案後には、デベロッパーや設計士、建設会社などとも連携して、プロジェクト全体をマネジメントする仕事などもあります。
【不動産営業の仕事】不動産営業が取り扱う不動産の種類
不動産とひと口にいっても、不動産には様々な種類があります。
取り扱う不動産の種類によって異なる専門性が求められるため、不動産業界では各々の企業がいずれかの専門性を持って企業運営をしていることも少なくありません。
応募を検討している企業がどのような種類の不動産を専門的に扱っているのか、事前に調べておきましょう。
- 一軒家
- 賃貸マンション・分譲マンション
- 資金運用のための投資マンション
- 店舗や事務所用の不動産
一軒家
一軒家とは、一世帯毎に独立して建てられている住宅のことです。
一戸建てや戸建住宅と呼ばれることもあります。
特に一軒家を専門に扱うのは、建売会社の不動産営業です。
建売会社では土地を仕入れ、自ら一軒家を建築して消費者に販売しています。
賃貸マンション・分譲マンション
マンションとは、別名「共同住宅」とも呼ばれ、ひとつの建物内に複数世帯が独立して居住できる形態の住宅のことです。
マンションの中には貸し出すことを目的に建築された賃貸マンションと、一部屋ずつを分けて販売することを目的に建築された分譲マンションがあります。
賃貸マンションは主に賃貸仲介会社が専門に取り扱う不動産で、分譲マンションは売買仲介会社やデベロッパーなどが専門に扱う不動産です。
資金運用のための投資マンション
投資マンションとは、第三者に住居として貸し出して、家賃収入を得ることを目的に建築されたマンションです。
多くの方が賃貸マンションとして借りている不動産は、そのマンションオーナーの立場から見ると投資用マンションと言い換えることができます。
つまり、家賃収入による資産運用を目的としているのです。
不動産業界の中には、投資家向けに投資マンションの売買を専門に行う不動産会社もあります。
店舗や事務所用の不動産
居住する目的ではなく、店舗や事務所、工場、倉庫など事業用途として利用する目的で建築された不動産です。
不動産業界の中には、このような非居住用の不動産を専門に売買・賃貸仲介するような不動産会社もあります。
【不動産営業の仕事】不動産営業のやりがい
世間からは「きつい」「大変そう」というネガティブなイメージで持たれやすい不動産営業ですが、他の仕事では得られないような、やりがいや魅力もあります。
ここでは不動産営業で得られる仕事のやりがいを5つご紹介します。
- 仕事がうまくいったときの達成感が強い
- 顧客の人生に関われる
- 不動産についての専門知識が身に付く
- 仕事を頑張ると給与に直結しやすい
- 仕事の需要がなくなることがない
仕事がうまくいったときの達成感が強い
1つ目のやりがいは、仕事がうまくいったときの達成感が強いことです。
不動産営業にはノルマが課される代わりに、そのノルマを越える成績を挙げた場合には、成果に応じて高額なインセンティブが支払われ、高い達成感を味わうことができます。
不動産営業が扱う仕事は、取引金額はもちろん報酬額も高額です。そのため、追加インセンティブの額も何百万という単位で発生する可能性があります。
うまくいったときの果実が大きいからこそ、そのときの達成感は、他の仕事と比べて格別なものがあります。
顧客の人生に関わることができる
2つ目のやりがいは、顧客の人生に関わることができるという点です。
不動産の仕事は生活基盤である衣食住の「住」を扱う仕事です。
ゆえに、不動産取引を行うような場面というのは、その顧客にとっても人生における大きな転機や節目となる場面が少なくありません。
不動産営業の仕事は、人生の節目となる大きな決断を「不動産」という側面からサポートできる、とても魅力的な仕事といえるでしょう。
不動産に関する専門知識が身につく
3つ目のやりがいは、不動産についての専門知識が身に付くことです。
ひとひとりの人生の中で、不動産取引に携わる場面は、決して多くありません。
つまり、一般の人にとって、不動産とは「馴染みが薄く」「よくわからない」存在なのです。
しかし、不動産営業の仕事をすれば、一般的な人生では関われないような数の不動産取引に携わることになります。
不動産営業で得られた不動産専門知識は、あなた自身はもちろん、あなたの身の回りの友人・家族にとっても、人生の節目で役立つ貴重な知恵となることでしょう。
仕事の頑張りが給与に直結しやすい
4つ目はやりがいは、仕事を頑張ると給与に直結しやすいことです。
不動産の仕事は、他の業種と比べて取り扱う仕事の単価が高く、給与も高水準になりやすいのが特徴です。
例えば国税庁の調査によると、金融保険・不動産業の平均給与は558万円という統計になっており、全業種平均の467万円よりも、約1.2倍も高い給与水準となっています。
目標やノルマを越える成果を上げれば、追加インセンティブが支払われる場合もあり、不動産営業の仕事は、頑張りが給与に直結しやすい仕事といえるでしょう。
出典:業種別の平均給与|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan1997/menu/05.htm
仕事の需要がなくなることがない
5つ目のやりがいは、仕事の需要がなくなることがないことです。
不動産とは、そこで人々が生活を営んだり、事業を経営したり、コミュニティーを形成したりと、人が社会的生活を送るうえで不可欠なインフラ基盤ともいえます。
だからこそ、どのように時代が移り変わっても、不動産に関わる悩み・課題は尽きることがありません。
つまり、不動産営業の関わる仕事は、いつの時代でも多くの人に求められる需要のある仕事といえるでしょう。
【不動産営業の仕事】不動産営業のきついところ
「給与に直結しやすい」「顧客の人生に関われる」など、大きな魅力・やりがいがある不動産営業ですが、その反面で、厳しい側面も持ち合わせています。
ここでは不動産営業という仕事のきついところを5つ紹介します。
- 日々ノルマを追わなければならない
- うまくいかなくても折れない心が必要になる
- 仕事の合間に学ばなければならない
- 経験を積まないとうまく仕事ができない
- 休日が他の業種とは異なる
ノルマを追わなければならない
1つ目のきつい点は、日々ノルマを追わなければならないことです。
不動産営業には必ずといっていいほどノルマが課されます。
半年・一年掛けて、ようやく達成したノルマがあっても、年度や期が変われば、またゼロからのスタートという繰り返しです。
同僚・先輩や上司にアドバイスを求めつつ、自らも創意工夫を凝らして、ノルマを達成することが求められる仕事といえるでしょう。
うまくいかなくても折れない心が必要になる
2つ目のきついところは、うまくいかなくても折れない心が必要になるという点です。
華やかに思われがちな不動産営業でも、仕事の過程では様々な困難や障害にぶつかります。
例えば、アポイントが取れない、提案を受け入れてもらえない、契約できないなど不動産営業ならではの悩み・課題もあれば、不動産営業特有のシビアな交渉・調整に苦戦するといったような悩みなど様々です。
しかし、そのような困難な課題を乗り越えた先には、きっと、今までに味わったことのないような達成感や成長の実感を得られるでしょう。
仕事の合間に学ばなければならない
3つ目のきついところは、仕事の合間に学ばなければならないことです。
不動産営業の仕事に求められる知識は、不動産・建築・金融・税・相続など多岐に渡ります。
さらに、これらの知識・情報は、時代の移り変わりと共に常にアップデートされ、変化していきます。
顧客に信頼される不動産営業となるには、仕事の合間にも最新の知識や情報を学び続けなければなりません。
経験を積まないと成果が出せない
4つ目のきついところは、経験を積まないとなかなか成果が出ないことです。
不動産知識・実務に関する関連書籍や指南セミナー等は、たくさんの数が発行・実施されていますが、座学の勉強だけで不動産営業のすべてを補うことはできません。
実務経験をしてみて初めて身に付くことも沢山あるのです。
新人のうちは実務経験の少なさから、仕事がうまくいかない場面に出くわすことも少なくありません。
不動産営業で成果を上げるためには「じっくりと腰を据えて経験を積んでいこう」という、心構えも必要といえるでしょう。
休日が他の業種と異なる
5つ目のきついところは、休日が他の業種とは異なることです。
不動産営業の多くは、土日にお客様との面談が入るため、火曜日・水曜日等の平日休みが多いです。
ご家族や友人が土日休みの場合には、休みのスケジュールが合わず、なかなか旅行や遊びに行く機会が作れないということもあります。
【不動産営業の仕事】不動産営業のキャリアパス
続いて、不動産営業のキャリアパスについてご紹介いたします。
キャリアパスとは、キャリア(役職)とパス(道)が1つの単語になった造語です。
社員が目標とするキャリアに対して、どのようなスキルが必要で道筋をたどるべきかをあらわしています。
不動産営業が目指せるのは、以下3パターンのキャリアパスです。
・企業内での昇進・昇格
・業界内で転職
・営業経験を活かして他業界へ転職
それぞれ具体的にどのような道をたどっていくのか見ていきましょう。
企業内での昇進・昇格
不動産営業におけるキャリアパスの1つ目は、今現在、勤めている企業内での昇進や昇格です。
不動産営業が就く仕事は、売買仲介や賃貸仲介・不動産の販売業務になります。
これらの業務に就いた人材のキャリアパスは、店長職へのキャリアアップが一般的です。
いわゆる、メンバーからリーダーやマネージャーといったマネジメント職への転身を意味します。
店長職に就くと、自身で売り上げを立てることは少なくなり、自分が管轄する部下の売り上げを立てるサポートに回ることが大半です。
なかには「プレイングマネージャー」と言って、自身も売り上げを担保しながら後輩や部下の指導にあたる場合もあります。
マネジメント職がどのような業務にあたるかは、ご自身の会社の人事制度を確認しましょう。
業界内で転職
不動産営業におけるキャリアパス2つ目は、同じ不動産業界内での転職です。
不動産業界には、専門用語や取り引きの形態が特殊であるといった側面があります。
働いているだけで自然に専門的な知識やノウハウが蓄積していくこととなるでしょう。
これらの知識はすべて不動産業界内での業務に活かせます。
つまり、不動産業界とはその専門性ゆえ業界内での転職が比較的容易です。
不動産業界における基本的な知識さえあれば、販売から売買仲介へのキャリアチェンジといった選択肢もあります。
また、似たような業務内容や同じ職種であっても、A社からB社に転職して条件面をアップさせるといったキャリアパスも可能です。
転職を活用して、待遇面を改善することによってキャリアアップすることもできるのです。
営業経験を活かして他業界へ転職
不動産営業のキャリアパス、3つ目は、不動産業界での営業経験を活かした他業界への転職です。
営業という職種はさまざまな業界にあります。
なかでも、不動産業界は他業界と比較しても以下のような理由から「営業として働くのが難しい」とされる業界の1つです。
・取り扱う商材(家や土地)の単価が高い
・クロージングを的確に挟まなければならない
・顧客から気に入られる必要がある
安い商品やサービスであれば、顧客はそこまで必要性を感じていなくとも、簡単に購買行動をとります。
しかし、顧客がどれだけ必要性を感じていても、不動産購入については明確な予算上限があるため、そう簡単にはいきません。
そういった難易度の高い営業経験を積んだ不動産営業は、他業界でも重宝されます。
転職市場における人材価値としても高く評価されるため、次の会社からの内定もいち早く得やすいのです。
【不動産営業の仕事】不動産営業に求められる能力
不動産営業として活躍するためには、不動産に関する知識・経験だけではない、他のスキルや能力も必要です。
ここでは不動産営業に特に必要な能力を6つ紹介します。
これまでの自身の経験から不動産営業として活かせる能力がないかどうか、チェックしてみましょう。
- 顧客のニーズに気付く能力
- 自分の印象を把握して信頼を得る能力
- コミュニケーション能力
- 意思決定をする人が誰かを見極める能力
- ノルマに対する熱意
- 常に情報に敏感である能力
顧客のニーズに気付く能力
1つ目は、顧客のニーズに気付く能力です。
不動産でお悩みの顧客の中には、専門的な知識不足から、自身の悩みや課題の本質に気付けていない人も少なくありません。
だからこそ、不動産営業マンには顧客の話にじっくり耳を傾け、要望・ニーズをくみ取る能力が必要になります。
顧客の真のニーズを察知し、最適な提案ができれば、他の不動産営業から頭ひとつ抜きんでることができます。
自分の印象を把握して信頼を得る能力
2つ目は、自分の印象を把握して信頼を得る能力です。
不動産に関わる仕事は、他の業種と比較しても高額なお金が動き、人ひとりの人生に大きく影響を与えるような仕事が多いです。
ゆえに、顧客は「この営業マンは、本当に信頼に足る人物であるのか」と、身だしなみはもちろん、話すときの身振り・手振りや、動作のひとつひとつを細かくチェックしています。
不動産営業として成果を出すためには、自分を客観視し、一挙手一投足からも信頼を得る能力が必要なのです。
コミュニケーション能力
3つ目は、コミュニケーション能力です。
不動産営業の仕事はコミュニケーションの連続です。
不動産営業では、まず顧客の話に耳を傾け、ニーズをくみ取り、そこから分かりやすく提案を伝え、最後には顧客に理解・共感を得る能力が必要になります。
その他にも、例えば交渉の場面では、対立した希望をうまく取りまとめるような調整力や言いにくいことをうまく伝える技術なども重要です。
高いコミュニケーション能力は、不動産営業で成果を上げるために欠かせない能力のひとつといえるでしょう。
意思決定をする人が誰かを見極める能力
4つ目は、意思決定をする人が誰かを見極める能力です。
不動産営業の仕事は高額な金額が動く仕事であるため、顧客が法人の場合はもちろん、個人の場合でも複数名で相談のうえ、最終意思決定がされるケースが多いです。
例えば、法人の場合には所属部署の部長や取締役まで判断を仰ぐ場合があります。
個人の場合でも、最終意思決定は相談者本人ではなく、他の家族の誰かもしくは全員の同意であったり、顧問税理士が最終確認をしたりする場合もあります。
不動産営業が効率よく成果を上げるためには、商談の早いタイミングで意思決定者を見極め、その人物をうまく巻き込んでプロジェクトを進めることが重要です。
ノルマに対する熱意
5つ目は、ノルマに対する熱意です。
不動産営業の多くは会社からは営業ノルマが課され、そのノルマの達成が求められます。
ノルマで設定される数字目標は、当然、なにもせずに簡単に達成できるような数字ではありません。
不動産営業はノルマと現状とのギャップを常に意識しながら、その差を埋めるためのアクションや戦略を次々に仕掛けていく必要があります。
常に情報に敏感である能力
6つ目は、常に情報に敏感である能力です。
不動産を取り巻く環境は、社会情勢や政治・経済に応じて刻々と変化していきます。
特に不動産営業が把握しておくべきなのは、最新の物件情報や市況・相場に関する情報です。
顧客へ最適な提案をし信頼を得るためには、最新の不動産市況や物件情報について、常にアンテナを張り精通している必要があるのです。
【不動産営業の仕事】不動産営業で持っておくといい資格
不動産営業の仕事では、単に不動産に関する知識だけではなく、建築や税金・金融などの周辺領域の知識も求められます。
ここでは不動産営業の仕事で活かせる6つの資格について解説します。自身が保有している資格で、不動産営業で役に立つ資格がないか、チェックしてみましょう。
- 普通自動車第一種運転免許
- 宅地建物取引士
- 不動産鑑定士
- 管理業務主任者
- 建築士
- ファイナンシャルプランナー
普通自動車第一種運転免許
1つ目は、普通自動車免許です。
不動産営業の仕事の多くは、外回り仕事です。
例えば、物件の内覧のためにいくつもの不動産を渡り歩いたり、不動産調査のために役所や水道局・法務局などを一日掛けて巡ったりすることもあります。
しかし、不動産営業が外回りをする先は、必ずしも公共交通機関だけでいけるような場所だけではありません。
普通自動車免許を持っていれば、効率よく外回りの仕事を進めることができるでしょう。
宅地建物取引士
2つ目は、宅地建物取引士です。
宅地建物取引士とは、不動産取引の実務・法律上の専門知識を持ち、円滑な取引が行われるよう実務を行う国家資格であり、不動産営業の登竜門といえる資格といわれています。
宅地建物取引士を取得すれば、不動産取引の専門知識を習得できるのはもちろん、専門家である証となるため、顧客からの信頼度アップにつながります。
出典:宅建試験|一般財団法人 不動産適正取引推進機構
参照:https://www.retio.or.jp/exam/takken_shiken.html
不動産鑑定士
3つ目は、不動産鑑定士です。
不動産鑑定士とは、不動産の客観的価値の算定・分析調査もしくは分析を行うことができる国家資格です。
不動産取引では、不動産会社が発行する価格査定書とは別に、不動産価値の客観的証明書として不動産鑑定士が発行する不動産鑑定評価書が用いられる場面があります。
不動産鑑定士の資格を保有していることにより客観的資料を提示できるため、お客様への説得力が増し、仕事を円滑に進めることができます。
出典:不動産の鑑定評価に関する法律 第二章 第一節 第三条|e-Gov法令検索
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=338AC0000000152_20210901_503AC0000000037
管理業務主任者
4つ目の資格は、管理業務主任者です。
管理業務主任者とは、分譲マンションの管理組合等に対し、管理委託契約に関する重要事項の説明や管理事務報告を行うことができる国家資格です。
分譲マンションの管理業務を事業とする不動産会社に転職する場合には、登竜門となる資格になります。
出典:管理業務主任者とは|一般社団法人マンション管理業協会
参照:http://www.kanrikyo.or.jp/kanri/
建築士
5つ目は、建築士です。
建築士とは、建築物について設計や工事監理を行うことができる国家資格です。
不動産の仕事には、高い確率で建築に関わる知識が求められる場面があります。
例えば、一軒家を売買仲介する場合、購入検討者からは高い確率で建物構造や設備に関する質問を受けることがあります。
他にも、管理会社で不動産のリフォームや原状回復、大規模修繕を提案するにも最低限の建築の知識が求められます。
実際のところ、不動産営業で建築士の資格を持つ営業担当者は限られています。
だからこそ、建築士資格や建築専門知識は、他の不動産営業との差別化となり、キャリアアップの可能性を大きく広げてくれます。
出典:一級建築士について|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/architect.html
ファイナンシャルプランナー
6つ目は、ファイナンシャルプランナーです。
ファイナンシャルプランナーとは、家計に関わる金融、税、不動産、保険、などに幅広い知識を持ち、個人である顧客の将来について、経済的側面から資金計画やライフプランについてアドバイスを行うことができる資格です。
不動産営業の仕事は、生活三大基盤である衣食住の「住」に関わる仕事であり、顧客との商談の中で、個人の将来設計や資金計画について相談を受けることも少なくありません。
ファイナンシャルプランナーの知識を活用できれば、単なる不動産営業としてではなく、不動産を絡めたライフプランの提案もできるようになり、顧客からの信頼を得ることにつながります。
出典:ファイナンシャルプランナーとは|日本FP協会
参照:https://www.jafp.or.jp/aim/fptoha/fp/
【不動産営業の仕事】未経験から不動産営業になる方法
それでは、業界や業種未経験から不動産営業になる方法について見ていきましょう。
不動産営業は、職務難易度が高いため、未経験からの採用を目指すにはおのずとハードルが上がります。
未経験という方は、以下の3項目に絡めたアピールがおすすめです。
・ストレス耐性のアピール
・クロージング能力のアピール
・人柄のアピール
どのアピールも、ゆくゆくは不動産営業として活躍できる人材であることを連想させるものです。
具体的にどのように伝えれば良いかを見ていきましょう。
ストレス耐性のアピール
未経験から不動産営業を目指すなら、ぜひストレス耐性があることをアピールしてみてください。
再三お伝えしている通り、不動産業界で営業として働く難易度は、ほかの職種や業界と比べても難しいとされています。
ノルマや目標を抱える営業なら、日々強いプレッシャーを感じながら仕事をすることとなるでしょう。
業界や職種未経験者なら、不動産関連の専門知識はアピールできません。
つまり、面接や職務経歴書でアピールするなら、自身の内面にある魅力を伝えるのがベストです。
前職で担当していた業務や人材として評価されていた部分を引用して、自分には高いストレス耐性があることをアピールしてください。
耐え忍ぶというよりは、うまくストレスをかわせる・軽減できるような工夫ができるといったアピールが良いでしょう。
クロージング能力のアピール
不動産業界や職種が未経験なのであれば、クロージング能力のアピールも有効な手段の1つです。
「家は一生物の買い物」というように、人はそうやすやすと不動産の購入を決められません。
不動産営業の重要な仕事には、こうした顧客に対しクロージング(営業活動の締めくくり)をかけながら、重大な決断をうながすというものがあります。
顧客も気づいていないような、不動産購入における譲れない条件をヒアリングから明確化し、優先順位をつけさせるところまでをサポートします。
この条件や要望が詳細にくみ取れていないと、どれだけアピールしても契約には至らず、営業成績もいつまで経っても上がりません。
無事、契約が完了したとしてもあとからキャンセルされる、またはクレームが入るなどといった、思いがけぬトラブルに発展する場合もあります。
人柄のアピール
不動産営業では、ストレス耐性やクロージング能力をアピールするほかに自分自身の人柄をアピールするという手もあります。
不動産営業とは、ある意味、誰から買っても変わらないものを売る仕事でもあります。
立地や条件面といった大枠以外はさておき、家や土地が、担当する営業マンによって品質や内容が大きく異なることはないからです。
つまり、不動産営業として大成するには、自身の人柄を顧客に気に入ってもらう必要もあるのです。
特に、業界や職種が未経験で、営業として特段アピールできるような経験がない場合は人柄を武器にしましょう。
誠実さや人当たりの良さは、高い商材を売る不動産営業にとって欠かせないエッセンスの1つです。
アピールできる専門知識や能力がない場合は、フル活用しましょう。
【不動産営業の仕事】不動産業界の今後
不動産産業の今後について、国土交通省より「不動産ビジョン2030」が発表されています。
当該発表によると「不動産業は豊かな国民生活、経済成長等を支える重要な基幹産業である」との認識を示しており、同時に「これから先の10年においても、引き続き、成長産業としての発展が期待される」との見通しが発表されています。
しかしながら、これからの時代に必ず訪れるであろう「少子高齢化」「人口減少」「空き家・空き地等の増加」「既存ストック不動産の老朽化」などの課題は、不動産業界にも大きな影響を免れないとの危惧も示しています。
以上のことから、不動産業界はこれからも日本を支える中心産業として残っていくことが予想されます。不動産営業として長期的に成果を上げ続けるためには、時代の変化によるあらたな課題を解決できる知恵や行動力が必要になるでしょう。
出典:「不動産業ビジョン 2030」をおよそ四半世紀ぶりに策定|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/common/001287087.pdf
まとめ
不動産営業は、専門的な知識が必要ですし、扱う金額も大きく、ノルマ達成のプレッシャーもあるため、きついといわれることも少なくありません。
しかし、その反面、ノルマを達成したときや、お客様に喜んでもらえた際には、大きな達成感を味わうことができるでしょう。
深堀して仕事に取り組むことで、他の職業では得られない専門性の高いスキルを身に着けられる魅力的な職業だといえるでしょう。