はじめに
担当する地域によって、営業活動のしやすさや、業種ごとの売り込みのかけやすさは異なります。
転勤や出張で赴いた地域において、これまでのやり方が通用せず、苦労するといったこともしばしばです。
とりわけ営業職の方がきつい地域だと感じているのは大阪だそうです。
しかし、実際はどうなのでしょうか。
【大阪の営業がきつい】大阪での営業がきつい理由3選
大阪での営業活動がきつい理由として特にあげられるのが、言葉や金銭感覚の違いです。
この地域で広く使われている関西弁は、標準語とイントネーションが大きく異なるうえ、大阪地域特有の言い回しもあるために、衝撃を受ける要素の1つといえます。
また、大阪の方はシビアな金銭感覚をもっており、価格へのきびしい目線や値引き交渉に積極的なところがあります。
自分の考えをはっきりと主張し、相手に明確な言葉を求めるところも、苦手意識を強める一因といえるでしょう。
主な3つの理由について、それぞれ詳しく見ていきましょう。
関西弁を聞き慣れていないから
営業のきつい理由としてあげられる1つが、関西弁の怖い印象に押し返されてしまうという点です。
普段標準語を使っている地域の方からすると、関西弁はかなり特徴的で、ときとして語気の強い言葉に聞こえることがあります。
また、創作物から受ける影響も相まってか、ひどく怒っていたり、相手を怖がらせたりするような声色として受け取ってしまいがちです。
単なる質問をされているだけなのに、自分が責められているかのように感じ委縮するといった経験から、商売をやりにくいと感じてしまう営業職の方もいるようです。
お金にきびしいから
大阪で営業活動を進めにくい要因としてあげられるもう1つの理由が、お金にきびしいという点です。
大阪人は値段が張る物を買うことよりも、お値打ちで得な物を買う傾向が強く、コストパフォーマンスに対する意識を日頃から高くもっています。
そのため、商談においても、価格に対する品質の妥当性を慎重にきびしく見定められることとなります。
性能の違いだけでなく、コストの面でも「より得をする選択である」と納得できる説明を求められることから、営業の方は新規のサービスや高価な商品を売り込みにくいという印象を抱くようです。
また、定価よりも安く導入したいという意識が強く、積極的に値引き交渉を持ちかけられるという点も、営業の難しさを高める要因となっています。
自分の考えをはっきり主張するから
もう1つ、大阪での営業がきついといわれる要因は、自分の考えをはっきりと主張する大阪人の気質です。
良い面への評価だけでなく、悪い面への評価も包み隠さず言うため、営業職はときとしてきびしい言葉や、不満を受け止めることになります。
思ったことをはっきり言ってくれるという点ではわかりやすい一方で、耳の痛くなるようなことも遠慮なく指摘されることから、仕事としてつらさを覚えることも少なくありません。
また、相手にしっかりとした返答を求める点も地域独特の気質といえるでしょう。
【大阪の営業がきつい】勤務地の変更は難しい
大阪での営業活動が合わず、ほかの勤務地に移りたいと考えている方も少なくないでしょう。
しかしながら、希望通りの転勤というのは難しいのが現実です。
一般に、社員の配属先などは人事の裁量権内のため、社員個人の事情で勤務地を選んだり変えてもらったりするのは困難でしょう。
企業としても社員の能力や実績を見て、組織としてうまく回るように配属を決めており、勝手に移ってもらっては困るという事情があるからです。
もちろん、勤務地の変更願を人事部や上司に提出し検討してもらうことは可能です。
しかし、よほど重大な理由がない限り、その申請が通る可能性は低いでしょう。
また、実際に変更が決定するまでにも時間がかかるため、「大阪で働いてみたけど嫌だった」という感覚で勤務地を変えることは難しいといえます。
【大阪の営業がきつい】大阪での営業がきついときの対処法
大阪での営業が嫌だといっても、なかなか勤務地を移ることは難しいとわかっていただけたと思います。
しかし、きついと感じたまま仕事を続けていても、心身共に弱ってしまうことでしょう。
大阪で営業職を続けていくにあたって、何か状況を打開するヒントはあるのでしょうか。
当記事では、大阪の営業を効果的に進めていくポイントとして、「コミュニケーション能力を上げる」「アドバイスをもらう」「セミナーに行く」の3つをあげています。
それぞれどういったことが改善に結びつくのか詳しく見ていきましょう。
コミュニケーション能力を上げる
大阪での営業活動で重要となるのは、大阪人特有の気質や、人との関わり方をふまえたコミュニケーションの取り方を大切にすることです。
東京やほかの地域でのやり方を押し通すのではなく、大阪ならではのやり方に合わせていくことが、円滑なやり取りにつながります。
関西弁を話すことが当たり前の地域であることや、自分の意見をはっきり言う文化性であると念頭において、話し言葉や意見の言い方を考えると良いでしょう。
コミュニケーション能力を上げる4つのポイントについて、それぞれ詳しく解説します。
関西弁を話題にする
関西に住んでいる方の傾向として強いのが、標準語に対する抵抗感です。
関西弁でやり取りをするのが当たり前という感覚なので、わざわざ標準語を使ってくる相手に対しては警戒心を抱き、距離を置いてしまいます。
「東京から来ているのだから標準語で喋るのは当然だ」と押し通すよりも、関西弁に興味を示して話題の1つにしたり、生活の中で独特のイントネーションや、言葉づかいを覚えたりする方が好感をもたれるでしょう。
また、芸能人やお笑いタレントが使っているような関西弁をそのまま使う方もいます。
しかし、コントやバラエティでの関西弁はエンターテイメントとして誇張されているところもあるため、人によっては抵抗感を覚えることがあります。
関西弁で話したいと思っている方は、現地で実際にどう話しているかを見聞きしたうえで、それらに合わせた言葉づかいを心掛けましょう。
意見をズバッという
大阪の方は、意見をズバッと言う傾向があり、賞賛だけでなく批判についても隠さず伝えるところがあります。
ときとしてムッとするようなことを言われる場合もあります。
しかし、そういった場面では曖昧な回答でその場を濁すのではなく、こちらもはっきりと意見を伝えた方が良いでしょう。
相手としても、思っていることはズバッと言ってくれた方がやり取りしやすくなるため、会話がスムーズに進みます。
また、製品のアピールやプレゼンテーションにおいても、「この点が既存品と比べて〇〇ほど優れています」といったように、明確な表現で情報を伝えた方が、相手から好感を得られます。
セールスや商談の際には、こういった点を心掛けると良いでしょう。
懐に入る
大阪の方は人とのつながりを大切にしており、親密な関係にある顧客やビジネスパートナーとの取り引きを大事にしています。
したがって、営業活動を行うにあたっては、売り込み先と打ち解けて、関係を深めるように意識した方が良いでしょう。
いち早く相手の支持を得ることができれば、そのあとの取り引きをうまく回しやすくなります。
また、業務上の悩みや課題を親身になって聞くことも、相手からの信用を得る足がかりとなります。
積極的に相手とのコミュニケーションに取り組みましょう。
つながりを大事にする
大阪の方がサービスや商品を購入するにあたって、1つの大きな判断材料としているのは、販売を担当する人とのつながりの強さです。
顧客は取引先がどんな製品を売っているかよりも、どんな人が製品を扱っているのかについて特に注目しています。
ときには値段や品質へのこだわりよりも、「私が信頼している〇〇さんの商品だから」という理由で購入してくれることもあり、決して軽視のできない要素といえるでしょう。
良い商品を取り扱うことはもちろんですが、日頃から顧客とのつながりを作り、信用を積み重ねていくことが、大阪での営業活動には効果的です。
人とのつながりを強くするために、積極的に顧客の下へ足を運び、関係を深めていくように心掛けましょう。
アドバイスをもらう
自分1人では良いアイデアを思いつかなかったり、やり方に悩んでいたりする場合は、営業経験のある上司や先輩にアドバイスを求めるのが効果的です。
ただし、助言を受ける際には抽象的なヒントではなく、具体的な取り組みの改善に結びつくものを聞くことが大切です。
たとえば成約を思うように獲得できない場合、上司に「成約するにはどうしたらいいですか」と聞いても、実際の状況を良くするようなヒントは得られません。
「〇〇の案件で成約が取れないので困っているのですが、△△さんは担当されていたときどうしていましたか」のように、具体的な経験や実効性のあるアイデアをたずね、学ぶようにしましょう。
「上達したい」という前向きな姿勢を見せることができれば、上司から好感をもってもらえるかもしれません。
セミナーに行く
営業のノウハウやテクニックについての知識に不足を感じている場合は、セミナーに参加して成果をあげている方からヒントを得ることも効果的です。
大阪など大都市ではビジネスセミナーなどの講座が多く、応募や参加のしやすい環境にあるため、積極的に活用していった方が良いでしょう。
おすすめは有料の講師を招いて開催されているセミナーです。
有料のセミナーならそれだけ学べることが多く、実績のある方から話を聞ける可能性も高いので、参加するにあたって有意義な講座となります。
また、自腹でこうしたセミナーに参加することによって、「せっかくお金を払っているのだから」という意識になり、一生懸命学ぼうという気持ちが生まれます。
参加するにあたっては、講師が話している内容だけではなく、話し方や構成などにも注目しましょう。
成果をあげている講師の振る舞いからは、営業でうまくやっていくためのヒントが多く隠れています。
真似できるところを吸収し、自身の改善につなげていきましょう。
【大阪の営業がきつい】それでもきついなら転職する
今の職場でできる努力にいそしんでも、やはり営業がきついと感じる方はいます。
そのような場合、今の仕事が自分と合っていない可能性も考えられます。
営業活動に対してモチベーションが維持できなかったり、営業で取引先を回ることに苦痛を覚えたりするのであれば、転職も選択肢の1つとなるので、検討してみると良いかもしれません。
ただし、そのときの感情だけで転職を決めてしまうと後悔する場合もあります。
冷静に自分を見直してみる必要もあるでしょう。
転職前に考えるべきこと
転職を選ぶことで、仕事のきつさや心身のつらさを改善する可能性はあります。
一方で、転職活動は前職の実績から採用を判断するところもあり、まったく別の業種や職種を選ぶのは難しいというのも現実です。
よく考えて転職活動を進めないと、望んだ仕事が見つからない、自分とは合わない仕事にまた就かざるを得ない状況へと陥ってしまう可能性もあるため、注意が必要です。
転職をする前にまず考えを整理し、新しい仕事をどう探していくのか、しっかりとした計画を立てましょう。
きつい原因を明確にする
転職を考えるきっかけとなるのは、営業のきつさが原因といえますが、その状況を招いた要因はさまざまに考えられます。
たとえば、営業活動を続けることがきつかったといっても「大阪という特定の地域で営業することがきつかった」のか、「営業活動そのものにつらさを感じていた」のかで、転職に対する考え方は大きく変わります。
前者であれば、勤務地が大阪でない企業に転職すれば、営業職として仕事をすること自体は構わないといえるでしょう。
しかし、後者であれば営業職以外への転職を考えなければいけません。
また、働いている企業の業種に苦手意識があるのであれば、どの職種を選ぶ場合であっても同じ業種を選ばない方が良い、ということになります。
何に対してきつい、つらいと感じるのかを明確化することで原因を探り、「自分が続けたいことは何なのか」を明確にしましょう。
そのうえで、自分の心身にとって無理のない職場を選ぶために、具体的な転職計画を立てていきましょう。
【大阪の営業がきつい】営業を続けたいなら
今の仕事がきつい理由について考えたうえで、その原因が「地域に住んでいる人の特徴や業界と合わないこと」であり、職場を変えたいと思っている場合は、営業職での転職を考えた方が良いでしょう。
今ある営業スキルを軸足として転職活動を進めていけば、自分に合った職場を見つけやすく、前職の経験実績から採用をねらえます。
ベンチャーセールスhttps://venture-sales20.com/では営業職に特化した転職サポートを行っていますので、ぜひ参考にしてみてください。
注意すべき点としては、書類や面接において、転職理由をどのように説明するかということがあげられます。
面接で前職を辞めた理由について聞かれた際は、「きついから辞めた」と答えるのではなく、ポジティブな理由を伝えた方が良いでしょう。
おわりに
当記事では、大阪での営業活動がきついことについて、その理由や克服のためのヒントを中心に解説しました。
ほかの地域とは大きく異なる顧客の気質や文化性が、営業職にとっての苦手意識やつらさの原因となっている点は、大きな特徴といえるでしょう。
その一方で、はっきりと意見を伝える明快さや人とのつながりを大事にする性質は、理解をして挑めば営業を効率的に進めていくきっかけとなりうるため、決して営業の難しい地域というわけでもありません。
きつさを感じている方は、ビジネスシーンにおける大阪の特徴を理解したうえで、それらをふまえた営業活動に取り組んでいくと良いでしょう。
