営業に求められる提案力とは?効果的な提案力の身に着け方を解説!

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はじめに

営業職は契約を勝ち取るためには、商品の良さを説明する話術は必須です。

しかし、商品の特徴や良さを説明できても、契約に結びつくわけではありません。

それでは、商品の良を説明する以外に、どんなスキルが必要になるのでしょうか。

その答えは提案力です。

提案力とはどんな力なのでしょうか。

今回の記事では提案力とはどのようなものなのか、提案力を高める方法などを説明していきます。

契約がなかなか取れずに悩んでいる方は参考にしてください。

提案力とは?

提案力とは、相手の課題解決を前提とした上で、自社商品やサービスをアピールする営業力です。

「提案する=商品やサービスの良さを伝える」と思われがちですが、

それらの情報は実際に用意してある、パンフレットや資料を読めばわかる内容になります。

そのため、ただ単純にその商品の魅力を伝えるだけでは、「提案力が高い人である」とは言えません。

大切なのは、お客様の課題を引き出すことを前提としていることです。

その課題に対して自社の商品やサービスがどのようなメリットが

あるのか、現在に抱えている問題の解決につなげることができるかということを端的に伝えることが「提案」の定義です。

なお、適切な提案をするためには、傾聴力や分析力などの能力が必要となるため、「提案力」というのはさまざまなスキルが合わさった複合的な力と言えます。

提案力とは複合的な力である

先述したように、提案力はさまざまな力が複合的に合わさったスキルです。

大前提として、自社のサービスや商品を紹介するためにはその内容理解は欠かせません。

しかし、お客様へ適切な提案をするためには、お客様が何を望まれているのか、何に問題を感じているのかをとらえることが必要です。

それを知るためには、相手の情報を引き出すための「傾聴力」が必要になります。

ほかにも、精度の高い提案をするための「分析力」や、具体的にわかりやすく説明できる「プレゼンテーション能力」、さらに顧客へのアプローチに変化を持たせる「適応力」も必要です。

提案力を身につけるには、「トークスキル」以外にもさまざまな分野を学び、自分自身を成長させていく必要があると言えるでしょう。

提案力がある人の特徴

提案力がある人の特徴として挙げられるのは、以下の3つのタイプです。

提案力がある人の特徴

・聞き上手な人

・洞察力のある人

・論理的思考ができる人

これは営業経験がなくとも、その人に潜在的に備わっている可能性を秘めています。

とはいえ、どういうシーンでそのスキルを持っているか判断するには難しいでしょう。

これからご紹介するのは、その3つのスキルを持っている人の特徴の詳細です。

ご自身がどのタイプに該当するかの判断をしてみましょう。

聞き上手

プライベートでも仕事でも、人と会話をするときに「聞き上手だね」と言われたことはありませんか?

また、誰かに相談をされることが多いと感じたことはありませんか?

そのような人は聞き上手で、提案力を養うのに必要な「傾聴力」を備えている可能性が高いです。

誰かと会話をしているとき、込み入った話をされることが多い人は「この人になら話したい」と思われている可能性があります。

そのようなタイプの方は、ビジネスシーンでも相手が秘めている悩みや課題を引き出すことは容易いでしょう。

洞察力がある

洞察力とは、相手が話していない潜在的な思いを察する能力です。

誰かと話しているとき、「もしかしてこういう悩みがあるのでは?」と感じて、それが当たったことはありませんか?

単純な思いやりや気遣いがあるだけではなく、相手の気持ちを察することは仕事を円滑に進める上で重要なスキルです。

とくに営業職の商談の現場などでは、顧客が本音で伝えられていない部分は多いです。

そうした潜在的ニーズを引き出すことで、より良い提案に近づくための解決策の精度が高まります。

論理的思考ができる

論理的思考とは、一つの課題に対して仮説立てから解決策の立案までを建設的に考えられる思考能力のことです。

ビジネスシーンで何かを提案するとき、その提案の背景や理由の精度が高くなければ提案は通りません。

この論理的思考のある人は、一つの疑問に対して「なぜ」をとことん突き詰めて考えられる傾向にあります。

実は子供の時から備わっていることも多く、「なぜ空は青いのか」など些細な疑問を考えていたタイプだと、大人になってからも論理的に物事を考えるクセがついていることが多いです。

営業職が提案力を高めるためのポイント3選

提案力とは複合的な力であるため、提案力を高めるためにはさまざまな力を高めていく必要があります。

提案力がどのようなスキルか理解をされても、その複合的な力を高めていくために、何をどう身につけていけばいいのか、悩まれる方もいるでしょう。

さまざまな力を身につけなければならないので、ビジネス本などを読むことも良いですが、まずは基礎を理解しましょう。

そこで提案力を高めるために、特に意識すべきことを3つ紹介します。

この3つは営業職としての基本的なスキルですので、しっかりと意識し、身につけましょう。

①信頼関係を築く

まずは相手との信頼関係を築くことが大切です。

信頼されていない人から提案をされて、聞く人は少ないでしょう。

商談という限られた時間の中で信頼を得るために、身だしなみに気をつけることはもちろんですが、話す相手の目を見て話す、相づちを適当なタイミングで打つなどの基本的なマナーを心掛けましょう。

また、商談では本題に入る前の「アイスブレイク」の時間が重要です。

アイスブレイクとは、その場の緊張を和らげるための雑談のことです。

相手が興味を持ちそうな話題を振って緊張が解けてきたところで本題に入る、というのが商談の場では当たり前のように行われています。

さらに、信頼関係を築くためにはその場だけ気をつけるだけではいけません。

日頃から周囲の人を気づかう姿勢でいるように心掛けることで、自然と信頼関係を築くスキルは高まっていきます。

②お客様に必要な提案を見極める

営業職の場合、「とにかく売らなければ」「何でもよいから提案しなければ」と考えすぎてしまうこともあるでしょう。

しかし、必要のない提案をしてしまうことで、逆に受注から遠ざかってしまう要因にもなります。

10個の不要な提案をするよりも、お客様の要望に適した1つの提案をする方が効果的です。

お客様視点で考えると、提案の数が多いと、どれを選べばいいのか迷いが生じてしまいます。

またプランを1つや2つに絞れないということで、信用を損ねる可能性もあります。

提案をする際には、できる限り不要と思うものは省きましょう。

なお、お客様に必要な提案かどうかを見極めるポイントは、「業務効率が〇%上昇する」など、具体的な数値を出して比較することです。

定量的に比較すれば優先順位をつけることができます。

③相手の立場で考えてみる

一方的な商品・商材の説明をすると、たとえ良い商材であっても、お客様は押し売りのように感じてしまい、敬遠されてしまいます。

押し付けにならないよう、商談の前にまずお客様の立場になって、その商材のメリットを考えましょう。

そのうえで、お互いがWin-Winになれるような提案を心掛けましょう。

相手の立場と自分の立場といった両方の立場から、何がお互いにとってのWin-Winかを考え、ちょうど良いところで折り合いをつけることが大切です。

営業職が提案力を高めるための方法

ここまで紹介してきたのは、提案力を高めるというよりは、商談の際に気をつけるべき基本的な部分です。

次に、より具体的に提案力を高めるために、「傾聴力」「プレゼンテーション能力」「適応力」の3つに分けて、スキルアップの方法を説明していきます。

この3つのスキルを高めることで、お客様と行う商談の成功率が上がり、より多くの契約を結ぶことができるようになります。

なかには難しいものもありますが、少しずつ実践して一流の営業マンを目指しましょう。

傾聴力の高め方

顧客に自社の商材を説明する際、相手の課題を把握し、その課題を解決できるとアピールできれば、商談の成功率は上がります。

相手の抱えている課題、相手がまだ気づいていない潜在的な問題の把握、相手の真意や本音を聞き出すために傾聴力は必要です。

相槌を打ちながら相手の話を聞くなど、話を理解しようとする姿勢を保ちましょう。

傾聴することで、現状の確認や、提案する商材の選択に必要な材料がそろいます。

より効果的に質問をするためには、質問のタイミングや質問の質が重要です。

事前準備をする

質問力を高めるために重要なことは、事前準備です。

調べればわかるような質問をしてしまうと相手に失礼です。

さらには「商談に対する意気込みがない」と感じられてしまう危険性があります。

商談前に事前準備をする方法としては、基本的にインターネットや新聞、雑誌などがベター。

顧客やその業界に関する情報収集をしましょう。

顧客情報を調べておくことで、質問や提案をする際のヒントを得られ、お客様の抱える潜在的な問題へのアプローチが可能になります。

また、情報収集によって顧客が現在利用している競合企業の商品・サービスや、類似商品について情報を把握できる可能性があります。

利用している商材を知ることができれば、抱えている悩みなども想像しやすく、自社の商材の強みを比較しながら質問、提案をしやすくなるでしょう。

このように情報収集は、顧客のニーズや課題発見の際に大いに役立ちます。

仮説をもとに質問をする

質問をしたとしても、お客様が抱えている課題をすぐに聞けるとは限りません。

また、お客様自身が課題の根本的な原因に気づいていないこともあります。

そのときに役立つ質問は、仮説を立てた質問です。

まず情報収集から得た情報をもとに「お客様は〇〇に悩んでいるかもしれない」という仮説を立て、それにもとづいた質問をしましょう。

しかし仮説を立てての質問は、的外れな質問をすると失礼になるので注意が必要です。

たとえば作業効率を高めて、人件費を下げようと努力しているお客様相手に、人員が足りていないのではという仮説を立てて提案をすると、そのあとの話は聞いてもらえないでしょう。

慣れないうちは、立てた仮説を商談前に、上司や同僚に相談してみるのも手です。

質問を切りだすコツ

質問をするときには「5W1H」「3C分析」「PEST分析」などの分析方法を活用するとより効果的です。

5W1Hはいつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのようにの頭文字を取ったものです。

3C分析は顧客・競合・自社の3要素を組み合わせたもので、PEST分析とは、政治・経済・社会・技術を指します。

質問の中に必ずこれらの要素を入れる必要はありませんが、活用することで、より具体的な質問ができるようになるでしょう。

共感を意識する

営業職ではとくに共感のスキルが重要です。

とくに提案型の営業の場合、顧客と打ち合わせをするイメージで商談が進みます。

この時、お互いの意見が違うことも少なくありません。

そのときにやってはいけないことが、相手の意見を否定することです。

否定された相手は「わかってくれない意固地な営業だ」とマイナスにとらえ、それ以上話を進めることに抵抗を覚えます。

商談が不成立になることは避けたいので、もしお互いの意見が違った場合はまず営業側が共感する姿勢を見せてトラブルの予防線を張りましょう。

伝え方としては、以下のような言い方だと無難です。

「△△様のご意見、非常にわかります。確かにAのプランだとそのようなリスクは考えられますね。ただ、私はBのプランも無しではないかと考えます。なぜなら〜〜」

このように、まず相手の意見を受け入れて共感をした上で自分の意見を述べた方が、嫌な気はしません。

対話を円滑に進めるためには、感情的にならずにまず共感するという癖をつける必要があります。

プレゼンテーション能力の高め方

プレゼンテーションは、単に伝えたいことを説明すれば良いというものではありません。

伝える内容、伝える順番などによっても、相手の受け取る印象は大きく変わります。

商談の前に、まずは相手に何を伝えるのかを明確にし、プレゼンテーションの順番を決めておきましょう。

「多くの情報を伝えればお客様も理解してくれるはず」と思い込み、矢継ぎ早にプレゼンテーションをする人もいますが、これは逆効果になりがちです。

プレゼンテーションで大事なのは、プレゼンテーションの「量」ではなく「質」です。

相手が理解するのに十分な情報量になっているかどうか事前にチェックし、本番の商談に臨みましょう。

目的を明確にする

そもそも何のために営業をするのか、プレゼンを行う前に営業の目的を明確にしましょう。

「自社の利益を増やすために営業をする」と、このように考えている営業マンも少なくありません。

しかし、本来の目的は、自身が所属する企業とお客様の架け橋となり、お客様のニーズに応えて満足してもらうことです。

「相手に何を伝えたいのか」「どのように感じてほしいのか」をイメージし、目的を明確にすることが大切です。

確固たる軸を持てば、どのような状況でも対応することができます。

事実に基づいて論理的に説明する

良い商材であることを熱心に伝え、感情に訴えかけても説明が成り立っていなければ、お客様から理解や納得を得られません。

話の筋が通っており、かつ必要な情報がしっかりと入った説明を求められるのです。

そのためには事実にもとづいた、論理的な説明をする必要があります。

論理的な説明をするにはPREP法を活用すると良いでしょう。

PREPとは要点(Point)、理由(Reason)、具体例(Example)、要点(Point)の順番で話す手法です。

小説や物語では起承転結を用いるのが一般的です。

しかし、ビジネスにおいては、いかに明確でわかりやすいかが重要になります。

要点を最初に説明することで何を話したいのかを明確にし、商材の良を説明し、その具体例を提示し、最後にまた要点をアピールすることで論理的かつ伝わりやすくなります。

説明に数字を入れる

話が論理的で、筋が通っていても、どのような効果があるのかわからなければ、商談は決め手に欠きます。

そのため、説明をするときには具体的な数値を用いるようにしましょう。

たとえば、「この商材を導入することで作業効率が良くなります」というより「この商材を導入することで作業効率が8%改善されます」と言われた方が導入イメージは湧きやすいです。

先ほど説明したPREP法を活用するのであれば、具体例で今までの検証結果など数値の根拠について説明するといいでしょう。

ストーリー性を意識する

相手にわかりやすい提案をするためには、起承転結の整ったストーリー性ある会話の仕方がベストです。

提案をただ端的に伝えるだけでは、相手の心には刺さりません。

話の仕方としては、次のような流れで意識してみてください。

ストーリー性を出す流れ

1.まずは結論…どういう提案なのかを伝える

2.理由を述べる…なぜその提案が良いのかを伝える

3.背景…その理由に至った背景を伝える(時系列で伝えるとストーリー性が上がります)

4.結論…「だからこそこの提案なのです」を再度伝えて締める

言いたいことだけをつらつらと伝えるのではなく、相手の心の動きに訴求できるような流れを意識しましょう。

適応力の高め方

適応力とは、状況に応じて適切なアプローチを選択できるスキルのことを指します。

先ほど説明力で論理的な説明が効果的と述べましたが、人によっては感情的に訴えた方が響くタイプの人もいます。

お客様と商談をしている中で、お客様の発言や、自分の発言に対する反応を見てアプローチの方法を変えられるようになると、適応力は非常に高いといえるでしょう。

しかし、アプローチの手法をお客様によって使い分けることは、多くの経験値が必要になり、習得に時間がかかります。

今回は適応力が高くなくても実践できる手法を2つ紹介します。

お客様に沿った提案を行う

同じ商品やサービスでも、お客様によって注目している点や期待していることはそれぞれ異なります。

よって、お客様に合わせて提案の方法を変え、商品の魅力が伝わるように説明することが大切です。

そのためには、お客様のもとへ足を運び、直接会って会話をすることも重要です。

オフラインでの商談は、オンラインではわからない相手の仕草や雰囲気を知ることができ、「本当に困っていることは何ですか?」といった核心に迫る質問もしやすくなります。

また、対面でのやり取りによって安心感も増しますので、特に新規開拓の際は、積極的に対面での商談を取り入れましょう。

期間限定キャンペーンなどで一押しする

適応力で実践できる1つ目の手法は、期間限定などのキャンペーンであと押しすることです。

この手法には2つのメリットがあります。

まず1つ目は、あと少しで契約に至りそうなお客様のあと押しができることです。

2つめのメリットは、客様の考える時間を短縮できることです。

契約を悩まれているお客様の中には、その商材はいつか契約をしたいが、急を要していない方も多くいます。

そのときに期間限定のキャンペーンがあると、その期間内で社内協議を終わらせ、契約した方が良いのではないかという心理になります。

このように、お客様が迷われているとき、悩まれる時間が長くなりそうなときは、キャンペーンなどについて説明すると効果的です。

感情に寄り添う

商談をする中でお客様が悩まれ、不安を抱えることがあります。

商材の良や根拠を理解できていても「本当に思った効果が得られるのか」という不安です。

お客様の感情に寄り添うことで、それがあと押しとなることがあります。

たとえば「契約成立後に営業担当が全力でサポートします」という一言や、結果が得られなかったときの契約解除や、商材の変更などお客様の不安を感じ取り、寄り添うのです。

安心感を得られることで契約に結びつくことも多くあるので、活用してみてください。

再交渉できる余地を探す

もし商談がうまくいかなかった場合、一度で諦める必要はありません。

再交渉できる余地がないか探ってみましょう。

提案した内容が相手に響かず、やむなく「失注」になってしまうことは営業職としては通る道です。

しかし、そこでそのままにせず、なぜ失注になってしまったのかをもう一度考えてみましょう。

なぜなら、再度考えてみることで、実は気づけていなかった相手の課題を仮説立てることができる可能性があるからです。

とくに提案型の営業の場合、一度失注したからといってすぐに引くようでは、この先相手と長期的なお付き合いをする上で支障をきたしてしまうでしょう。

まとめ

営業はさまざまなタイプのお客様を相手に商談をしなければならず、営業の手法が1つだけでは契約を取りこぼすことがあります。

身だしなみやビジネスマナー、説明力だけでは、生き残ることは難しいでしょう。

そのため提案力を身につける努力をしてみてはいかがでしょうか。

提案力はいきなり身につくものではありません。

何度も試してみて、成功や失敗したときにどんな提案や説明が良かったのか悪かったのか、商談相手はどのようなタイプの人だったのか経験を積んでいくことで、自然とスキルが磨かれていくでしょう。

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