はじめに
「営業職のインターン」と一口に言っても、扱う商品や顧客により業務内容は異なります。
この記事では「企業」を対象に自社の商品・サービスを売り込む法人営業(B toB)のインターンについて解説をしていきます。
法人営業は個人営業と比較して、取り扱う額面が大きいことが特徴の1つとしてあげられます。
また、企業同士のやり取りが中心となるため個人的な感情よりも、会社にとってのメリット・デメリットが最優先されるため、論理的な提案力が求められることも特徴です。
実際の長期インターンでの業務内容
一般的に1ヶ月から3ヶ月以上の時間をかけて行う長期インターンは、インターン生は参加期間中「社員と同様に営業活動を行い、実務経験を積むことができる」点が最大の強みです。
実際の業務に携わることで、法人営業職のリアルな雰囲気を肌で感じられるでしょう。
ここでは想定される業務の種類を紹介します。
テレアポ
テレアポは、一般的に、テレフォンアポインターを指す略語です。
ここでは文字通り、電話で相手企業を訪問するためのアポイントを取る業務のことをいいます。
営業職におけるテレアポとは、用意された顧客リストをもとに電話をかけていくのが主な業務内容であり、営業活動の第一歩とされる大切な業務です。
テレアポに関してはマニュアル化されている企業が多く、未経験のインターンでも業務に入りやすいので、ここから仕事をスタートすることもあるでしょう。
アルバイトなどでも電話を取った経験がなくても、インターン生用に研修プログラムが用意されており、実際の業務を想定したにロールプレイングなどを行う企業が多いので、特別心配する必要はありません。
営業アシスタント
営業アシスタントとは、外回りを担う「営業スタッフをサポート」する業務です。
業務の内容は多岐にわたります。
主たるものとして営業スタッフのスケジュール管理やメール・電話の中継ぎ対応、アポイントの取得といった内勤業務のほか、営業スタッフと営業先に同行し、議事録の作成等、外回り業務のサポートまで担う場合があります。
しばしば混同される似た業務に「営業事務」もありますが、こちらは営業アシスタントに比べ内勤色が強く、お客様と直接やり取りすることはほとんどありません。
営業同行
営業同行とは新人の研修や教育の目的で、新人が先輩社員(または上司)と一緒に営業先に向かうことをいいます。
参加者はあくまでインターン期間中の学生なので、営業業務はほぼこのスタイルを取るでしょう。
同行する際は、先輩社員がどのように自社の商品を顧客にアピールしているかを重点的に観察しましょう。
また、顧客の要望や商談中の様子にも着目し、ヒアリング力を身に着けておくことも重要です。
法人営業では双方の企業のメリットが一致してはじめて商談が成立するため、顧客のニーズに耳を傾け、それに合ったプレゼンテーションができるよう同行の際にしっかり学びましょう。
単独営業
自分1人で行う営業、または自分が主体となって行う営業のことを指します。
長期インターンも後期になると、企業によっては単独の営業を任せてもらえるようになります。
これは営業同行で学んだスキルを活かす絶好の機会です。
顧客のニーズをくみ取り、仮説を立て検証し、提案をするという一連の流れを自身で組み立てるため、営業の仕事の中ではもっともやりがいを感じやすい仕事といえるでしょう。
また、当然ながら企業の一員として社外の方と直接やり取りをするので、基本的なビジネスマナーには一層気を配る必要があります。
お給料はもらえるのか?
長期インターンでは、学生は労働者としてその会社で雇用されるので、当然給料が発生します。
給料の相場としては「時給1,000〜1,500円」が一般的です。
営業職の場合は時給に加えて、インセンティブ(成功報酬)を提示している企業もあります。
インセンティブに関しては、「アポイント・契約件数による評価」や、「営業利益実数の目標達成率による評価」等々、評価の基準が企業によりさまざまです。
いずれも募集要項に記載されているので、応募前に必ず目を通しておきましょう。
インターンで身につくスキル
インターンに参加することで、社会人として必要なさまざまなスキルを身につけられます。
特に営業職では、基本的なビジネスマナーはもちろん、社会人として求められるコミュニケーション能力など、就職活動の際に自身が即戦力だとアピールできるスキルを身につけられるでしょう。
ビジネスマナー
基本的なビジネスマナーについては、インターンに参加する前からある程度身につけておくべきです。
しかし、いざその場面に直面した際、適切な振る舞いができるかどうかは、マナーが本当に自分のものになっていないと難しいでしょう。
インターンの期間は実際に企業の一員として過ごすので、普段の学生生活に比べ、マナーや振る舞いを自分のものにしやすい期間です。
営業職は、基本的な電話・メールの対応はもちろん、実際に営業同行等で社外の人と関わります。
したがって、特に身だしなみや所作など、社会人としてより実践的な立ち振る舞いを求められるため、マナーを自分のものとして身につけられるでしょう。
コミュニケーション能力
営業職のインターンでは、普段の学生生活に比べ、多様な人と関わる機会があります。
社内・社外を問わず目上や取引先の方など、自身がさまざまな立場に立つことが想定されます。
その人たちと関わるうえで欠かせないのがコミュニケーション能力です。
具体的には、場面や立場に合わせた話し方をするなど、シチュエーションに合わせたビジネス会話能力が必要です。
それに加えて相手の話を聞くヒアリング力や、こちらの考えを伝えるプレゼンテーション力など、実際に社会人として働くうえでも重要になってくるスキルといえるでしょう。
プレッシャーに強くなる
営業職のインターンでは当然、顧客に向けてセールストークをする場面があります。
テレアポをする際、初見の顧客のもとへ向かう際は、いつだって緊張するものです。
そのような場面に何度も直面することで、プレッシャーに対して強くなれます。
プレッシャー自体には慣れなくても、経験を積むことで、プレッシャーとの向き合い方や対処の仕方を学べるでしょう。
これにより、緊張する場面に直面しても、「以前より慌てなくなった」「相手の目を見て話すことができた」と自分の成長を感じられ、自信の獲得にもつながります。
インターンに参加するうえでの注意
長期の営業職インターンへ参加するにあたって、いくつか注意すべき点があります。
インターンの期間による業務内容の違いや、時間の制約・インターン生として心がけてほしいことなど、ここではインターンに参加する前に知っていてほしい3点の注意点について解説をしていきます。
短期と長期で業務内容は異なる
インターンには1週間程度の短期のものから、1ヶ月以上の長期間におよぶものまで期間はさまざまです。
当然期間により任せてもらえる業務の内容は異なります。
長期間の場合は、営業の基本である電話営業から、自身が主体となって行う単独営業まで、時間をかけて学びながら業務を行うことが期待できます。
しかし、短期インターンの場合、営業に関わる業務について、座学研修するだけで期間が満了してしまう場合も多いのが実情です。
営業職について幅広く学びたい方や、時間に制約がある方は短期インターンが適しています。
しかし、上記のように一つひとつの業務を深く身につけたい方は長期のインターンがおすすめです。
時間に制約が生まれる
長期インターンでは期間が1ヶ月から長いところでは6ヶ月以上におよぶ企業もあります。
また、期間中の出勤頻度としては、週3日からの勤務を設定している企業が多く、どうしてもインターン先中心の生活サイクルになってしまうでしょう。
そのため、学業やサークル活動、アルバイトなどとの両立が難しくなるというデメリットが存在します。
したがって、長期のインターンに参加する際は自身の生活と相談したうえで、目的等を明確にしきちんと覚悟をもって参加しましょう。
プレッシャーや不安
営業職であれば当然、担当顧客をもつことになるので、その顧客への対応・責任は自身が負うことになります。
もちろん、インターン生をサポートする体制は、企業側できちんと整えられていることがほとんどなので、過度にプレッシャーを感じる必要はありません。
しかし、長期インターンでは実際に企業で働く社員とほぼ同じ待遇で業務を行います。
自身のデスクや、業務用のパソコンも支給される企業が多く、その企業の風土だけでなく社会人としての先取り学習が可能です。
その分、それにともなった責任、コミットメントが発生することはしっかり念頭に置かなければいけません。
まとめ
今回の記事では法人営業のインターンについて、主に長期インターンにスポットを当てて解説してきました。
社外の人と関わる機会が特に多い職種だからこそ、学ぶことも多く、そこで学んだことは営業職以外で役立つスキルも多いです。
また、営業職は自身の仕事が自社の利益に直接関わる部分を担っていることが多い仕事です。
もちろんその分責任やプレッシャーなども重たくなってきますが、自身の成果がそのまま目に見える形で反映されるので、やりがいも感じられる仕事でしょう。
どの職種・業種でインターンに参加しようか迷っている方は、ぜひ法人営業を検討してみてください。