MRのキャリアプラン|将来を見据えたMRのキャリアプランを徹底解説!

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【MRのキャリアプラン】はじめに

MRとは、Medical Representativesの略で、医薬情報担当者という意味です。

製薬会社に勤め、自社の医薬品を医師や薬剤師などに販売します。

効果や副作用など、医薬品についての情報を収集し、自社の開発に活かすのがその役目です。

MRは今、製薬業界の変化に伴い、医療従事者から求められることが変わってきました。

近年、MRからたどる職歴の道筋も多様化しています。

今回は、将来を見据えたMRのキャリアプランについて見ていきましょう。

【MRのキャリアプラン】MRの現状・将来性

MRは業務上、医療機関への訪問を頻回に行います。

しかし、2020年に新型コロナウイルスが世界中で流行したことにより、訪問が規制されるようになりました。

訪問が難しい状態では、今までと同じやり方では医薬品情報の伝達を行えません。

ついにはMRは不要であるとまで言われ始めてしまいました。

MRは医療現場と製薬会社をつなぐ重要な架け橋です。

医療の発展にも貢献している仕事なのに、本当に不要なのでしょうか。

MRの現状から将来性を解説します。

MRの現状

まず現状として、国内のMR数が減少傾向にあることは間違いありません。

2013年度をピークに年々減り、MRの求人数自体も減少傾向です。

新卒採用を控える製薬会社も多く、そういったニュースの影響から製薬会社への入社を希望する人も少なくなっています

薬価改定が大きな原因です。

近年、国の政策による薬価改定は毎年のように行われています。

薬価改定は、実際の流通価格に合わせて薬価を引き下げる目的で行われるものです。

薬価が引き下げられれば、当然その分製薬会社の儲けは減り、経営が厳しくなります。

製薬会社は人件費を抑制するために、MRの募集を減らさなければならない状況です。

そのうえ、新型コロナウイルスが登場したことで、さらに追い討ちをかけられてしまいました。

MRの将来性

MRがなかなか厳しい現状に置かれていることはわかりましたが、将来性がないというわけではありません。

なぜなら、日本は少子高齢化が進んでいるからです。

そして、国民は皆保険に入るという充実した医療制度になっています。

今後も、新薬を導入するニーズ自体は、決してなくなりはしないでしょう。

しかし、国内のMR比率は欧米と比較すると、高い状況にありました。

適正な数に収まるまでは、これから数年は引き続き減少していくと考えられます。

MR不要の声すら聞こえる中では、現在MRとして頑張っている人もMRを目指している学生も、不安になるのは当然です。

MRとして今後活躍するには、より詳しく正確な情報伝達力やニーズを把握する能力が必要になるでしょう。

【MRのキャリアプラン】多様化するMRのキャリアプラン

前述したように、製薬業界の変化に伴い、MRからのキャリアプランも以前に比べると随分多様化しています。

わかりやすいのは、MRとして働き続け、管理職を目指す道です。

今後も成長が見込まれている特定の医療分野を担当できれば、キャリアアップへの大きな足がかりになるでしょう。

また、MRの経験を活かして異業種への転職を実現する人も多くいます。

特にここ数年は増加傾向です。

MRは営業力と医療の専門的な知識を要する職種であるため、活かせるところが多く重宝されます。

MRとしての道を極める

転職せずに、MRの管理職を目指すキャリアプランがあります。

営業所長クラスやその先のエリアマネージャー、さらに支店長クラスなどを目指すものです。

管理職ともなれば、収入も当然ながら上がります。

今後有利と言われている領域は「スペシャリティ領域」というものです。

主に5つに分けられます。

希少疾患(免疫学、血液学、代謝異常など)、オンコロジー(がん)、神経精神疾患、消化器系疾患、ワクチンなどです。

求人は比較的頻繁に行われていますが、一度に募集する人数としては多くはありません。

これから先も安定した領域と見込まれるため、とても人気のある求人です。

これらの経験があれば、今後のキャリアにかなり有利になってくるでしょう。

プライマリ領域からスペシャリティ領域に転職するには

スペシャリティ領域が人気な一方で、「プライマリ領域」では今後生き残っていくことは難しいです。

スペシャリティ領域を経験したことがなくても、転職の望みはあります。

それは、大学病院をはじめとする大病院での実績を積むことです。

また、症例ベースでディスカッションを行った経験、KOLへの対応経験などがある場合は、転職実現の可能性があります。

一般的に転職が難しくなると言われている40代以降の人でも、夢ではないです。

決して明るくはない現状に置かれているプライマリ領域ですが、その求人がまったくないかというと、そうではありません。

現在プライマリ領域にいるMRが、誰よりも危機感を覚えて転職活動をしているため、突発的に空きが出るからです。

製薬業界内で未経験職種にチャレンジする

製薬業界の中で未経験の職種にチャレンジするのも一つの手と言えます。

転職でキャリアチェンジするのは、実はかなり難しいからです。

転職市場では即戦力が求められるため、書類選考ですら通らないかもしれません。

MRの将来性に不安を感じて転職したいと考えているなら、まずは自社で実績を上げ、部署移動を願い出ましょう

在籍している製薬会社の社内公募などで、本社勤務を目指す方法があります。

マーケティング職、MSL職、事業企画職などへとキャリアチェンジするMRが多いです。

マーケティング職

製薬業界で未経験の職種に転職するのが難しいのは事実ですが、マーケティング職は少し違います。

医療系の広告代理店を転職先として選択するプランです。

そこで着実に経験を積み重ねます。

それから、製薬会社のマーケティング部門へと転職するのです。

こういったキャリアパスが可能なのは、ほぼマーケティング職だけといって良いでしょう。

もともと営業マンよりもマーケティング職の方が配置される人数が少ないため、一般的には容易な転職ではありません。

しかし、医療系の知識が重宝される広告代理店への転職ならば、それを叶えることができるのです。

ただ、新薬開発の情報は海外から入ってくることが多く、求められる英語力はかなり高い点には注意しましょう。

MSL職

MSL職に転職を希望するMRも見られます。

MSLは医学の専門家と情報交換を行い、医療現場の情報を入手し、それを今後の治療法に反映させることが役割です。

MRも開発担当者への情報伝達の役目があるので、経験を活かせると感じるかもしれません。

しかし、実は簡単ではなく、MRから未経験でMSLに転職する難易度は上昇しています。

特に、前述のスペシャリティ領域における専門知識が求められるようになってきました。

それに加えて、「コミュニケーション能力」「科学的判断力」が最低限必要です。

さらには「膨大な情報から有用な情報をピックアップし、わかりやすく伝達するスキル」が求められます。

このような能力があれば、未経験からでも転職できる可能性はあります。

MR経験が活かせる業界に転職する

MR経験を活かせる業界への転職を目指すプランも良いでしょう。

MRは医薬品の販売促進を目的とすることから営業の側面が強く、営業力を培うことができます

また、医療現場から自社開発担当者への情報伝達を担っているため、医療の知識もかなりのものです。

こういった「営業」と「医療」を掛け合わせたスキルを活かせる業界なら、転職が叶うに違いありません

ただ、別業界への転職となるため、自身の目指す方向性と一致しているのかを改めて確認しておいたほうが良いでしょう。

医療機器業界

医療機器の営業職は、医療の知識を大きく活かせる業界です。

医師などの医療従事者にとって、医療機器は自身の使う道具であり、目の前の患者を救うものでもあります。

その機器の使い方のレクチャーやサポートの窓口である営業マンは、非常に頼もしい存在です。

手術に立ち会うこともあり、MRよりも深い信頼関係にあると言えるでしょう。

こういった業務内容であることから、仕事のやりがいを求めて医療機器業界への転職を目指すMRは多いです。

さらに、商材が幅広い点にも魅力があります。

高額なものからガーゼなどの消耗品までさまざまです。

折衝の相手も商材によって異なりますし、必要な知識も変わります。

より多くの人の役に立てていることを実感しやすい仕事と言えるでしょう。

医療系広告代理店

医療系の広告代理店は、MRでの経験を存分に活かせる転職先です。

主に、プロモーション企画職とコピーライター職があります。

医療機関への訪問や医療従事者との折衝を行った経験を、広告として書くほうに活かすのです。

年収は比較的高めであるため、転職先としては人気があります。

また、資料作成などが多く内勤中心の仕事です。

医療系広告代理店は、かなり高い専門性がクライアントから求められます。

MRからの採用ニーズはあり、入社できる可能性は高いです。

しかし、MRの時代よりも知識をどんどん増やしていく積極性がないと、成長は難しいかもしれません。

前述の通り、医療系広告代理店で経験を積んだ後に、製薬会社のマーケティング職へのキャリアパスも目指せます

CRA(臨床開発モニター)

CRA(臨床開発モニター)もMR経験を活かしやすい職種です。

近年、CRO(開発業務受託)において、未経験者を含めてCRA職の採用状況が活発になっています。

CROは製薬会社からの依頼を受けて、医薬品開発のスピードや品質を高める業務を代行・サポートする職種です。

その中でCRAは治験を始めるため計画書を作成したり、医師や審査委員会の調査をしたりといった業務を担います。

CRAを目指すなら、制約会社ではなくCROに転職するのが間違いありません。

営業色は弱めです。

より自身の知識や経験を活かして業務を遂行したい場合は、CRAへのキャリアチェンジをおすすめします。

中でも、PL(プロジェクトリーダー)を目指すのが、MRからの転職としては一般的です。

医療系の人材サービス企業

医療系の人材サービス企業も、MRからの転職先としておすすめです。

医療現場との折衝経験と医薬品の営業経験の両方を活かすことができます。

一般企業への人材サービス企業とは違い、医療の知識を持った人材とやりとりをするには、やはり深い知識が必要です。

また、現場を見てきた経験から、困りごとや今後のキャリアプランについて、正しく汲み取ることができます。

自身がMRで経験したきたことを活かしつつ、まったくの別業界である人材業界に転職することが可能です。

仕事は長い時間を消費し、人生を左右するものでもあります。

そこで人に対してキャリアという観点から支えていきたいと思えるのであれば、医療系の人材サービス企業が転職先として良いでしょう。

【MRのキャリアプラン】完全未経験の別業界へ転職する

MRのキャリアプランとしては、何も経験を活かした転職だけではありません。

完全に未経験の別業界への転職を果たす人もいます。

製薬業界の変化に伴い、MRとしての存在意義を不安に思い始めた人が、どんどん転職にチャレンジしているのです。

転職のしやすさで言えば、MRの経験を活かせる仕事のほうが良いかもしれません。

ただ、やったことのない仕事であることには変わりがないため、一般的にはMR時代よりも年収がダウンする場合が多いです。

医療に限定せず、もっと広い視野を持って転職活動を行うことで、年収アップを叶えることも夢ではありません。

こういったキャリアチェンジでは、コンサルティングや生命保険など、能力評価が大きい業界を目指すことが多いです。

コンサルティングファーム

コンサルティングファームで、経営コンサルタントへの転職を目指すプランがあります。

一般的には、MRとコンサルタントの業務内容は近しいとは言い難いものです。

ただ、製薬会社や医療機器企業への経営コンサルティングを行う場合は、MRの知見が役立ちます

専門的な部門を抱えたコンサルティングファームでは、採用されることが期待できるでしょう。

高い学習意欲はもちろんのこと、医師との関係構築を通して培われた能力が評価されます。

一番大きいのは、場に応じた対応力です。

どのような状況下においても、知識をフル動員してクライアントをサポートするスキルが求められます。

MRでの実績だけでなく、より高いコミュニケーション能力やプロ意識が欠かせません

生命保険企業

生命保険企業も、未経験業界へのキャリアプランとしては非常に有効です。

そもそも生命保険業界は中途採用を積極的に行っています

落ち着いた雰囲気が顧客に好まれることもあり、40代以上でも比較的入社しやすい業界です。

特に個人向けのライフプランナーという営業職では、MRで培った能力が評価されるでしょう。

マーケットを読み解く力やロジカルな説明力などは大きなポイントです。

医師や看護師などの医療従事者とのネットワークがあることから、人脈を活かした営業を行えます。

また、インセンティブの比率が高い生命保険企業もあり、大変人気です。

MRからの未経験転職は年収がダウンするのが一般的で、年収アップを見込めるのはレアケースです。

【MRのキャリアプラン】MRのキャリアアップに必要なこと

MRのキャリアアップに必要なのは、何よりもまず厳しい状況であると知ることです。

MRは不要と言われている以上、今後優秀なMR以外は淘汰される傾向にあると考えたほうが賢明でしょう。

そして、淘汰されない優秀な人材を目指すのか、別業界での活躍を目指すのかを考えます。

MRからの転職は、決して楽な道のりではありません。

今のスキルで満足しているようでは、間違いなく数年後に消えていきます。

自身のキャリアの可能性を広げる努力を怠らないでください。

具体的には、幅広い領域で経験を積み、疾患の知識を深めるといった努力が必要です。

また、営業マンとしての優秀な成績、部下へのマネジメント経験も可能性を広げます。

デジタルへの耐性や外資であれば英語力も欠かせません。

【MRのキャリアプラン】転職活動をするうえで重要なこと

MRが転職活動をするうえで重要なのは、自身の能力形成に加えて、情報収集を行うことです。

専門の転職エージェントに登録するのも有効と言えます。

また、ほかの企業のMRと話す機会を作り、製薬業界やMRの動向の分析を怠らないことが大切です。

たくさんの情報に触れることで、どのように動けば良いのかが見えてきます。

理想のキャリアチェンジ、キャリアアップをするためには、待っていても状況は改善しません。

現状に悩んでこの記事にたどり着いたあなたは、一歩を踏み出せているはずです。

【MRのキャリアプラン】まとめ

近い将来、多くの人材が淘汰されるであろうMR職において、現状から将来のキャリアプランまで解説しました。

求人数の減少や早期退職者の募集など、どの製薬会社でもMRは厳しい状況に置かれています。

現状を憂いてばかりいないで、その豊富な医療の知識と営業で培ったコミュニケーション能力を活かす方法を考えましょう。

長い目で人々の健やかな生活に貢献しているMRは、高齢化社会の日本において、どこでも力を発揮できるはずです。

情報収集を積極的に行い、新しいキャリアパスを描いていきましょう。

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