【無形商材の営業職】無形商材の営業が難しい理由

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無形商材とは、文字通り「形の無い商材」を指します。

ITや人材などのサービスや保険など、顧客の暮らしや経営をサービスでサポートするものが無形商材です。

この記事では、有形商材との違いや無形商材の特徴、向いている人の特徴などを解説します。

また、無形商材の営業は、営業テクニックや提案力を身につけるために転職したい人におすすめです。

未経験から営業職に挑戦したい人も、キャリアアップしたい営業経験者も、このコラムを参考に転職活動を進めてみてください。

目次目次を全て表示する

【無形商材の営業職】無形商材とは?

まずはじめに無形商材について説明します。

無形商材とは、前述したとおり「形の無い商材」。

目で見ることや手に触れることができない商材を指します。

無形商材の主な例としては情報やサービスが挙げられます。

たとえば、コンサルティング業界だとすると、顧客の「経営課題を解決する」ということを提供しているため形がありません。

また、人材派遣なども無形商材に該当しますが、人材も「採用成功」という形の無いものを提供しているためです。

一方、有形商材はこの後の項目でご説明しますが、OA機器や食品などの形の有る商材が該当します。

無形商材の強みは、実態が無いゆえに顧客のニーズに合わせてカスタマイズがしやすいという点にあります。

【無形商材の営業職】有形商材との違いとは?

無形商材の対義語が「有形商材」です。

例をあげると、複合機などのOA機器や携帯電話、不動産、部品、食品などです。

また、有形商材と無形商材では営業難易度や利益率に大きく違いがあります。

ここからは、有形商材と無形商材の特徴を踏まえた上で、営業観点からどう違うのかを解説します。

イメージの難しさ

有形商材は車や食品、家電など消費者が見て、触れることができます。

そのため購入後の具体的なイメージも思い浮かびやすいはずです。

しかし、無形商材はその逆です。

見ることも触れることもできないため、イメージするのが難しいことが特徴です。

この特徴から他社の商品やサービスとの比較が困難であることや、そもそも商材の理解ができないということが起きます。

そのため、顧客は有形商材と比較して購入に慎重になってしまい、販売が難しいです。

そこで、パンフレットなどを用いてできるだけ視覚化することや説明を充実させることがポイントとなってきます。

利益率の高さ

例えば車を販売するとしましょう。

車を販売するために必要なコストについて考えてみます。

車を製造する段階では材料の輸送費や材料費、人件費や間接経費などが掛かります。

また、完成後には車を保管するための土地の費用や販売店への輸送費、梱包などを含めた間接費、販売のための人件費が掛かります。

一方、無形商材としてのITサービスを例に考えましょう。

ITサービスが顧客に届くまでの費用として、開発ツールの費用や開発のための人件費、販売のための人件費が掛かります。

車の販売には多くのコストが掛かるのに対して、ITサービスの販売はパソコンと人件費で済みます。

このように無形商材は有形商材と比較して利益率が高いという特徴があります。

品質の変動

有形商材の場合は工場などで大量生産を行うため品質はある程度均一に保たれています。

しかし、無形商材は同じ商品でも品質にばらつきがあります。

例えばコンサルタントの場合、担当する企業の状態や担当者のスキルなどによって同じ商品であっても結果が異なることがあります。

また、無形商材ではサービスのほかに情報や技術を扱っている場合があります。

扱う期間が長くなることで情報は蓄積し、技術は成熟します。

このように、無形商材は担当する人のスキルや時間の経過によって品質が変動することがあります。

【無形商材の営業職】無形商材はどの業界で扱われている?

次に無形商材を扱っている業界について詳しく説明します。

昔から無形商材は主にサービスという形で存在し、今ではインターネットの普及でシステムやエンターテイメント、サービスが非常に充実しています。

その結果、無形商材の幅が大きく広がり、それに伴い無形商材を扱う業界も増加しました。

無形商材を扱う業界は様々ですが、ここでは転職におすすめしたい「コンサルティング業界」「IT業界」「広告業界」「金融業界」の4つの業界についてご紹介します。

いずれもキャリア問わず転職がしやすく、実績に応じて年収がアップしやすいおすすめの業界です。

転職検討中の方は、ぜひ業界選びの参考にしてください。

コンサルティング業界

コンサルティング業界は、主に企業を顧客としたサービスを提供しています。

顧客側である企業が抱える課題に対して解決策を提案することが、コンサルティングサービスです。

営業は、企業の担当者にコンタクトを取り、抱えている経営課題を引き出すことが仕事です。

そして自社のコンサルティングサービスを提案し、コンサルティング契約を締結したらコンサルタントに連携します。

実際に顧客の課題解決を提案するのはコンサルタントの仕事なので、営業はあくまでサービスを提案し契約締結まで完了させることが任務です。

なお、コンサルティング業界には、経営コンサルやITコンサルなど様々な専門分野が存在します。

経営コンサルなら企業が経営戦略や事業戦略の立案、経営管理など社内システムの整備といった取り組みに対して、培ってきた知識や情報やサービスを無形商材として提供しています。

ITコンサルは、DX推進をすることで企業の生産性をアップさせる仕組みを提案しています。

難しく思えるかもしれませんが、課題解決の提案はあくまでコンサルタントなので、営業は「見込み顧客を見つける」「潜在的ニーズを引き出す」という2つが仕事です。

IT業界業界

IT業界は、SaaSやネットワーク構築、情報技術を商材として扱っています。

IT業界の中にもいくつかの業界があります。

主にweb業界やソフトウェア業界、通信業界や情報処理サービス業界が、情報やサービス、システムなどを無形商材として扱っています。

ITサービスは機能などの面でカスタマイズしやすいことが特徴であり、顧客が必要としている機能や量を必要な分だけ売るというビジネスモデルを採用している場合が多いです。

近年ではサブスクリプションという形で商品を提供している場合もあります。

広告業界

広告業界の仕事は、消費者に商品やサービスを広めたいという顧客の代理で広告を出すことです。

広告代理店は顧客との打ち合わせで広めたい商品やサービスのイメージを把握し、広告のプランニングを行います。

テレビや新聞、雑誌などの広告枠を購入し、広告出稿することも広告代理店の業務です。

広告制作会社がプランニングしたアイディアを元に実際に消費者に届く広告を作成します。

近年インターネットが普及し、市場規模が拡大しています。

金融業界

保険や株などは書面の契約によって売買されます。

そのため顧客が見ることや触れることのできない無形商材に当てはまります。

金融業界のほとんどが無形商材を扱っていますが、今回は代表的な例として「保険業界」と「銀行業界」を紹介します。

保険

保険業界は病気や事故に対して備えたいと考える顧客から保険料を貰い、有事の際に保険金を支払う事業です。

顧客の不安に寄り添い、状況に合わせた保険プランを無形商材として提供します。

保険商品は対象の保険によって3つに分かれます。

終身保険や定期保険などを扱う第一分野、火災保険や自動車保険などを扱う第二分野、がん保険や介護保険を扱う第三分野の3つです。

また、集めた保険料を元手に資産運用を行うことも業務内容に含まれます。

銀行

銀行業界の業務内容は顧客の資産を管理することがメインの業務です。

その他に為替や融資などの業務もあり、これらの業務で得た差額が利益になります。

銀行業界では無形商材を扱っているというイメージを持っている人は少ないかもしれません。

しかし、銀行は無形商材を扱っていて、顧客に合わせた金融商品を提供することも仕事です。

信託投資やローン、個人年金保険や預金も無形商材に当てはまります。

【無形商材の営業職】無形商材の営業が難しい理由

ここまで無形商材の特徴、有形商材との違いについて解説してきました。

無形商材の特徴を踏まえた上で、無形商材の営業に対してどのようなイメージを持っているでしょうか?

無形商材は一般的に営業の中でも難しいという印象があると思います。

ここでは無形商材の営業がどうして難しいのかという理由について解説します。

売上に関わる営業力の比重が大きい

あなたが有形商材を購入するときを想像してみてください。

有形商材の購入を判断するポイントは何でしょうか?

ほとんどの場合、有形商材そのもののデザインや性能を重視して購入を判断するでしょう。

しかし、無形商材の場合はどうでしょうか?

無形商材の場合、他社と比較してサービスの内容の差などはあるかもしれませんが、製品を目の前に出して実演ができないため、顧客が抱える問題に対してどのくらいコミットした提案ができるかどうかにかかっています。

自社の商品を顧客に対して分かりやすく、そしてその商品が必要であると思わせるような営業をしなくてはいけません。

このように無形商材では売上の中の営業力が占める比重が大きいことが難しい原因の1つです。

販売後のフォローが必要

無形商材が難しいと言われる2つ目の理由は、販売後のフォローが必要なことです。

無形商材は販売して終わりではありません。

デジタルツールを販売している企業を例に考えてみましょう。

まず、課題を抱える企業に対して製品を提案し、顧客企業に導入してもらいます。

販売後、デジタルツールの有効的な使い方の説明や導入後の変化についてのフィードバックなどを行って顧客満足度を維持し、サブスクリプションとして継続的な利用を促さなくてはいけません。

また、製品によっては新たな拡張機能の購入を促すために再び営業をすることもあります。

このように無形商材では販売だけでなく、販売後のフォローによって長期的な関係を築き上げる必要があるため難しいと言われています。

お客様に合わせた営業をしなければならない

無形商材を扱う営業では、自らカスタマイズをしてお客様に合わせた提案をしなければなりません。

お客様の課題は何かを明確にして、商材に頼るのではなくそれぞれに合わせた提案が非常に大変な面となります。

こういったお客様に合わせた提案営業は、保険営業やコンサルティング営業が例に挙げられます。

実際に営業をおこなう前から顧客に対しての情報収集をおこない、お客様の課題解決ができる提案をしなければなりません。

また、お客様の要望をくみ取って提案営業をしなければならないことも、無形商材が難しい理由の一つです。

自分がこのようにしたいといった面と、お客様の要望が食い違うことも多々あります。

自分の意見を入れつつお客様の要望も組み込まなれければならないことが、無形商材営業の難しさといえるでしょう。

資料作りが大変

無形商材の営業では、資料作りが非常に大変です。

有形商材の営業と異なり、無形商材は形がないものを売らなければならないので、お客様が魅力的に感じられるような資料を作らなければならないからです。

どれだけ営業力が優れていても、お客様がイメージできないとなかなか成約につながりません。

背景としては、その営業トークに裏付けられる根拠がないからです。

その根拠を資料で視覚的に説明できるように、わかりやすい資料を作成できることで、無形商材に対してお客様がイメージしやすくなることでしょう。

また、資料作りが大変なことから、デスクワークの時間が意外と多いです。

そのため、営業職として活躍したいと意気込んで入社したのにも関わらず、デスクワークが多いことからギャップを感じる方もいることでしょう。

このように、お客様にわかりやすく伝える資料作りも、無形商材の営業が難しいと言える理由の一つです。

【無形商材の営業職】無形商材の営業のやりがい

前項では、無形商材の営業が難しいと言われる理由について解説しましたが、その反面ではもちろんやりがいもあります。

有形商材に比べて利益率が高いため、個人の成果が給与に反映されやすく、ソリューション営業ならではのスキルが身につくことなど「やっていて良かった」と思えることは多くあります。

それでは、無形商材の営業にどんなやりがいがあるのか、詳しくみていきましょう。

個人の営業力が成果になる

無形商材の難しさの1つには「売上に関わる比重が大きい」ということを挙げました。

裏を返せば、個人の営業力が売上に大きく関わるということになります。

製品の価値によって売り上げは左右されにくく、営業力が成果に直接反映されやすいです。

営業成果の数値を見ることで自身の成長を感じることができ、仕事をする上でのモチベーションになります。

また、無形商材の営業を行う企業では、営業成績によってインセンティブを設定している企業もあります。

ンセンティブは営業の達成度合いに連動し、基本の給料に追加して稼ぐこともできます。

このように個人の営業成績が収入にも反映されやすいというやりがいもあります。

スキルアップにつながる

無形商材の営業の2つ目のやりがいは「スキルアップにつながる」ことです。

無形商材の営業では具体的にどのようなスキルを身につけることができるでしょうか?

営業の数をこなしていく中で「顧客の隠れたニーズを把握する能力」、抱える課題に対して適切な解決策を提示する「提案力」、形のない商材をいかに分かりやすく説明するかという「説明力」などを身につけることができます。

これらの能力は汎用的であり、どの業界に転職しても重宝されるスキルです。

無形商材の営業は難しい反面、こなしていくことで様々なスキルを身につけることができます。

自分の知識がお客様のためになる

無形商材を扱う営業では、直接お客様のためになるというやりがいがあります。

有形商材と違って無形商材は情報がないとなかなか手が出しづらいものです。

そこで、課題を抱えるお客様に対して、魅力的な無形商材の営業をすることでお客様の課題解決につながるかもしれません。

また、お客様は無形商材の営業職よりもリテラシーが低いケースが多いです。

そのため、お客様が知らない情報を的確に提案してあげることで、課題解決はもちろん感謝される可能性があります。

そういったことが無形商材の営業のやりがいにつながり、さらにモチベーション高く業務に励むことができるきっかけになるでしょう。

他業種でも関係なく働ける

無形商材の営業で経験を積むことで、他業種の営業職としても関係なく活躍できるでしょう。

無形商材の営業は有形商材の営業と異なり、表現力やコミュニケーション能力、提案力、課題解決力が必要不可欠です。

商材に頼らず、お客様の課題は何かを正確に把握して提案しなければならないので、どの業界に転職してもお客様に対して適切な営業活動がおこなえることでしょう。

また、無形商材の営業を経験することで、他業種に転職した企業先で営業ノウハウを活かせるかもしれません。

例えば、有形商材を扱う企業で営業職として入社した場合、無形商材営業ならではの視点で営業の成果を出すことで、より企業の成長が見込めるかもしれません。

無形商材の営業は営業職が必要な視点をもっているので、他業種でも重宝される存在になるでしょう。

【無形商材の営業職】無形商材の営業に転職するメリット

無形商材の営業職では、顧客の抱える課題を理解し、自社の商品やサービスが問題解決する手段となることを説明する能力が求められます。

そのため、営業スキルやコミュニケーション力、専門知識を活用して成果を上げることが可能です。

また、無形商材の営業職の大きなメリットは、歩合率の高さにあります。

個々の営業担当者の成果が直接給与に反映されるシステムが一般的で、販売成績が上がるほど、給与も大きくなる傾向です。

例えば、50万円の販売成績を上げたとき、歩合率が20%であれば10万円の収入となります。

売上への熱意やモチベーションを高め、自身の働きに対する報酬を具体的に感じることができるのも無形商材の特徴です。

無形商材の営業職は積極的に稼ぎたいと考えている方、自身のスキルを活かして具体的な成果を上げたい方にとって、魅力的なキャリアパスといえるでしょう。

市場価値を上げられる

無形商材の営業職へ転職することで、営業職としての市場価値を上げることが可能です。

無形商材の営業職は、有形商材に比べてお客様に与えるメリットをイメージさせなければ売れないからです。

営業職として難易度が高い職種ですが、無形商材の営業職として経験や実績を積むことで市場価値は高まります。

形のない商材が売れる営業マンとして見られるので、営業として採用しても即戦力の印象を与えられるでしょう。

また、無形商材の営業職はコミュニケーション以外にも課題解決能力が優れていることが多いです。

一見、営業職に課題解決能力は不必要かと感じますが、無形商材をお客様が魅力的に感じてもらうためには相手の課題に合わせた提案をしなければなりません。

そこで、営業先の課題を正確に把握できる力があればどんな商材でも売ることが可能で、企業の売上にコミットできる営業マンになれるでしょう。

このように、無形商材の営業職は市場価値を上げられる職種といえます。

スキル次第では給与を上げやすい

無形商材の営業を経験している人材は、給与を上げやすい可能性があります。

先ほども触れましたが、無形商材の営業職ではコミュニケーション力以外にもさまざまなスキルを要するからです。

無形商材の営業マンに必要とされるスキルは、以下の通り。

無形商材の営業マンに必要とされるスキル

課題解決能力

分析力

提案力

上記のようなスキルを活用できると、無形商材の営業マンとして活躍できるでしょう。

このようなスキルを活用しながら営業活動をおこなうことで、自然と結果がついてくるようになり、給与も上がりやすい状態になります。

また、豊富なスキルを使いこなせる営業マンは、どの企業も欲している人材です。

そのため、退職しないように高い年収を提示して引き止められるような対策をおこなうこともあります。

このように、スキルの高い営業マンは給与を上げやすい状態といっても過言ではありません。

専門性を高められた他職種にも活かせる

無形商材の営業を長く経験することで、専門性が高くなることもあります。

専門性を高めることで他職種へのジョブチェンジも可能になり、無形商材の営業で活用した知識をそのまま活かすことも可能です。

無形商材の営業から活かせそうな他職種は、以下の通りです。

無形商材の営業から活かせそうな他職種

ポイント

マーケター

コンサルタント

上記のような専門性が必要となる職種にも、ジョブチェンジできます。

上記の職種は無形商材の営業で使うスキルをより突き詰めていくような職種で、ジョブチェンジ後も勉強する姿勢が重要です。

しかし、無形商材の営業職時に専門的なスキルを活用しながらお客様に対応しているはずなので、ジョブチェンジしても実践的なスキルを経験した状態で業務に携われます。

【無形商材の営業職】無形商材営業に必須のスキル

ここまで無形商材の特徴について解説しました。

無形商材の特徴を踏まえた上で、次は無形商材を扱う営業で必要なスキルを説明していきます。

イメージが難しいことや品質が均一でないことから、無形商材の営業は有形商材の営業と比較して大変という印象を持っているかもしれません。

しかし、扱う商材が違うだけなので基本的には大切にしなくてはいけないポイントは他の営業職と共通しています。

以下で紹介する3つの必須スキルは特に無形商材の営業で大切なポイントです。

マスターすることで無形商材の営業の難易度が大きく下がり、営業で活躍できるようになるでしょう。

ヒアリングスキル

無形商材の営業がまずやるべきことは、見込み顧客から潜在的なニーズを引き出すことです。

今回ご紹介したとおり、無形商材を提案する業界のほとんどは、顧客の課題解決となるものを提供しています。

そのため、顧客がどういう課題を抱えていて、どういう未来を描いているのか、潜在的なニーズを引き出す力が必要です。

その「ニーズを引き出す力」というのがヒアリングスキル。

プッシュ型で自社のサービスをアピールする前に、顧客が何に困っているのかをとことんヒアリングしてから提案プランを考えます。

たとえば、コンサルティング業界だとした場合、まずは見込み顧客が何に困っているのかをヒアリングします。

その上で、困っていることにピンポイントで解決できる策を提案する流れです。

このように無形商材の営業では顧客との対話で課題を見つけ出し解決することが大切です。

顧客が「何を求めているか」というニーズや、「なぜ求めているのか」というニーズの裏にあるインサイトを発見するために傾聴をしなくてはいけません。

顧客の潜在的な悩みを発見し、良好な関係を築くという点でもヒアリングスキルは必須です。

ロジカルシンキング

ロジカルシンキングは、物事を客観的に捉え、本質を理解するために必要です。

抽象的な問題や複雑な状況を細部にまで分解し、個々の要素を詳細に分析できます。

また、ロジカルシンキングを用いることにより根拠に基づいた結論を導き出し、その結論を説得力を持って伝えることも可能になるでしょう。

ビジネスシーンでは、極めて重要なスキルとされています。

複雑なビジネス問題を解決するためには、問題を構成する要素を理解し、それぞれがどのように影響を及ぼしているのかを把握することが不可欠です。

ロジカルシンキングは、プロセスを助け、問題解決に向けた行動計画を策定するのに役立ちます。

また、ロジカルシンキングを身につけることで、コミュニケーションにおいても大きなメリットがあります。

自分の意見やアイデアを明確かつ説得力をもって伝えられるからです。

あいまいな表現や複雑な概念を、分かりやすく論理的な形で伝えることは、無形商材を扱う営業職には必須スキルといえるのではないでしょうか。

説明力

商品を買うときに重視していることは何でしょうか。

快適な暮らしを送るために商品を活用し、課題を解決することが1つにあるでしょう。

つまり、販売側の立場からすると、商品やサービスを購入させるためには、顧客に購入後のイメージをさせることがポイントです。

しかし、無形商材は有形商材とは異なり、顧客の目の前に商品を提示できないためイメージさせることが難しいです。

そこで無形商材を扱う営業では説明力が必要になります。

顧客が理解しやすい言葉を選ぶことや流れに沿って説明するなど、イメージができない顧客に対して負担が少なく、わかりやすい説明が大切です。

また、パンフレットなどを利用して視覚化することもポイントになります。

アフターケア

無形商材は購入後の効果に価値があることが多いです。

たとえば、ITサービスだとすると、導入後にそのサービスが問題なく稼働しているかを定期的にチェックしていく必要があります。

「問題ない」という結果がはっきりとするまでに時間が掛かるので、顧客が商品やサービスに対して不安を覚えて疑問視することもあるでしょう。

そこで、商品やサービスの効果的な使い方や導入後の変化に関する説明などのアフターケアが必要になります。

販売後にも顧客とこまめに連絡を取り、数値などを用いた具体的な効果についての説明によって成功体験を届け、次の契約に繋げることが求められます。

タフな精神力

困難やストレスに直面しても、落ち込んだり諦めたりせずに立ち向かう能力は、営業のような厳しい環境で働く人にとって非常に重要なスキルです。

営業は、多くの人と関わる仕事です。

自身の商品やサービスをクライアントに紹介し、契約に結びつけるために、行動していく必要があります。

クライアントからの契約不成立や理不尽な思いを経験することも少なくありません。

上司からノルマを決められるケースもあります。

これらの状況は、精神的なストレスをもたらし、気力やモチベーションを損なうこともあるでしょう。

このような厳しい状況でも、自身を奮い立たせ、目の前の問題を解決するために積極的に行動する力が必要です。

営業のような厳しい環境で働く人にとって、タフな精神力は必要なスキルといえるでしょう。

【無形商材の営業職】無形商材営業に向いている人

無形商材を扱う営業に必要なスキルについて解説しました

必要なスキルに共通してわかることは有形商材よりも「顧客との関わりが多く、関係性を重視している」ことです。

顧客を中心に据えることが基本となる無形商材営業ですが、どのような人が向いているのでしょうか。

以下で詳しく解説します。

人との会話が好きな人

「他人と会話することが好きな人」と聞くと非常にありきたりに聞こえると思います。

しかし、無形商材の営業では非常に重要な要素です。

信頼関係を築くだけでなく必須のスキルで解説した通り、無形商材の営業では顧客の課題を発見するヒアリング力や解決へつながる商品やサービスの説明力、継続的な契約を取るためのアフターケアが必要です。

特に商品自体に価値があり、売って終わることが多い有形商材を扱う営業と比較して、無形商材を扱う営業は顧客と長期的な関係になりやすいです。

そのため、無形商材を扱う営業は必然的に顧客と関わる時間が多くなります。

他人と会話することが苦手で楽しくないと感じる人は、仕事と割り切っていても苦しく感じてしまいます。

逆に話すことが好きな人にとっては無形商材の営業は向いています。

相手の気持ちに寄り添える人

ビジネスは相手との信頼関係で成立するため、相手の視点から物事を考え気持ちに寄り添うことは基本です。

特に無形商材の営業の場合は顧客が不安を抱えていることが多いです。

例えばコンサルティングの場合、経営や企業戦略が上手くいかないことに対する不安や商材のイメージができないことに対する不安、結果が良い方向へ向かうのだろうかという不安があると思います。

このように不安を抱えている顧客に対して淡々と話を進めてしまうとさらに不安を与えてしまうことに繋がります。

成功事例の紹介や結果に対するアフターケアなど、顧客の気持ちに寄り添い、抱える不安を少しでも減らそうと考えることができる人が無形商材の営業に向いています。

行動力のある人

企業が売り上げを上げるためには潜在顧客を顕在顧客にし、見込み顧客へ繋げることが重要です。

この役割の大部分は営業職が担っています。

特に無形商材の営業では顧客が自覚していない問題やニーズに対してアプローチすることから始まります。

受け身な姿勢で営業に臨むと顧客は問題に気がつかず、契約を取ることができません。

つまり、無形商材の営業に向いている人は能動的に考え、実行ができる行動力のある人と言えるでしょう。

【無形商材の営業職】無形商材の営業で成功する為には?

ここからは、無形商材の営業としてスタートした後、キャリアを成功させるためのポイントをご紹介します。

無形商材の営業で成功するためには、課題をとらえることと、顧客の立場になって考えることです。

潜在的なニーズを引き出すことが求められる仕事なので、顧客目線で物事をとらえて課題を見つけていくことが大切です。

また、引き出したニーズに対して商材の価値を上手に伝えることも大切。

形のない商品であるが故に、商材の価値の伝え方が鍵となります。

商材の価値を上手に伝える意識の根底には顧客の立場に寄り添うということがあります。

顧客の課題を解決しようという献身的な姿勢が商材の価値を上手に伝えることへ繋がり、成功への道になります。

課題をとらえる

まずは顧客の課題を潜在的な部分まで探っていくことが大切です。

表面的な課題だけに着目しても、本当にその顧客の課題解決になっていないことが多いからです。

先述したように、無形商材の営業にはヒアリングスキルが求められます。

商談では、相手が話していることだけを忠実にとらえるのではなく、「なぜそれが課題なのか」「その課題かが解決したらどの程度楽になるのか」「その先のリスクはどうか」など、一つの課題を多面的に見て課題をとらえることが大切です。

顧客の立場になったプレゼンをする

プレゼンの場では、最終的には自社サービスを提案します。

しかし、前提として顧客の立場になったプレゼンでないといけません。

なぜなら、無形商材の営業が提案しているサービスのゴールは「課題解決」だからです。

そのサービスを始めることでどのようなメリットがあるか、なぜそれが顧客の抱える課題解決になるのかなど、相手の立場になって提案しましょう。

商材の価値を伝える方法は説明だけではなく、顧客に体験を提供することや利用例の紹介などの工夫があります。

【無形商材の営業職】採用に近づくためのコツ

ここからは無形商材の営業職に転職したい人に向けて志望動機の書き方や面接時にみられるポイントを紹介します。

さらに無形商材の営業からのキャリアパスについても解説しますので参考にしてみてください。

志望動機の書き方

志望動機で大切なのは「提案の幅」「現在の体験」です。

どのようにすれば面接で成功する志望動機を伝えられるのか、例を参考にしてみてください。

提案の幅

提案の幅とは、自分が提出できるアイディアやソリューションの範囲をいいます。

しかし、定義は人それぞれであり、提案の幅をどのように考えるかは個々のビジョンや価値観に大きく依存する傾向です。

提案の幅は個々の解釈により大きく変わりますが、あくまで自身の満足感や達成感を追求する手段であることを知っておきましょう。

自身がどのような状況や結果を追求しているのか、どういう結果がやりがいを感じ、自己実現を達成するかの視点から提案の幅を考えるべきです。

無形商材の営業職においても、提案の幅を広げることは重要です。

多様なクライアントのニーズに対応し、自身のスキルや経験を最大限に活用して価値を提供するためには、広い視野と多角的な視点が求められます。

現在の体験

自分の成長や変化を促すのは、現在の体験が大きいといわれています。

現在の体験は私たちの視野を広げ、新たな視点や視座を提供し、将来の選択肢を広げるからです。

転職を考える人々の中には、現職での体験や経験がその決断に大いに影響している人が多いのではないでしょうか。

現在の体験がどのように自分の思考や価値観を形成し、新たな道を模索するきっかけとなるかが決まります。

現在の体験や自分の考え方、行動を理解し転職に生かすことは、自身の成長と未来の選択肢を広げる重要な要素となるでしょう。

志望動機の例

無形商材営業の志望動機についての例文を紹介します。

1. 無形商材営業経験・業界経験のある方 

「私は現在、保険業界でリスク管理のアドバイザリー業務に従事しています。

クライアントのリスクを最小化するサービスに大きな達成感を感じていますが、同時に幅広いクライアントへのサービス提供に魅力を感じ、現職では経験の限界を感じています。

御社(貴社)では、企業向けの多種多様なソリューションを展開しており、私の思いと共鳴するビジョンを見いだしました。

私の専門知識と経験を活かし、御社(貴社)の信頼獲得とビジネスの拡大に対する価値提供に繋げられると考えています。」

2. 無形商材営業経験あり・業界未経験の方 

「私は現在、ソフトウェア企業でBtoBの営業を担当しています。

顧客の業務効率化に貢献する仕事はやりがいがありますが、新たな業界への挑戦をしたいという思いがありました。

特に教育に関心があり、教育業界での人材開発サービスに関わりたいと今回ご縁をいただきにまいりました。

現在のスキルを活かし、教育業界における人材開発を支援する御社(貴社)を志望します。

私のIT知識は、教育テクノロジーの導入支援に役立つと考えています。」

3. 無形商材営業未経験・業界経験ありの方 

「私は現在、製薬企業でマーケティングを担当しています。

製品の魅力を広め、利用者のQOL向上に貢献する喜びを感じていますが、直接的に顧客の課題解決に関わりたいと思うようになりました。

私の強みである医療業界の知識と経験を活かし、医療情報管理システムの営業として御社(貴社)に貢献したいと考えています。

専門知識を活かし、医療業界に対して効果的なソリューションを提供することで、医療現場の課題解決に貢献したいと思っています。」

4. 無形商材営業も業界経験もない方  

「私は現在、旅行業界でカスタマーサービスを担当しています。

お客様に最高の旅行体験を提供することに喜びを感じていますが、新たな挑戦としてIT業界への進出を考えるようになりました。

私が接したお客様の中には、ITを駆使して業務を効率化している企業もありました。

そこで私は、自身も企業の業務効率化に貢献したいと思い、ITソリューションの販売を行っている御社(貴社)に魅力を感じ現在に至ります。

長年の顧客対応で、お客様のニーズを理解し、それに応じたサービスを提供するスキルを養ってきました。

これを活かし、御社(貴社)のソリューションをより多くの顧客に提供し、顧客のビジネスを支えるとともに御社(貴社)の成長に寄与したいと考えています。」

 

一例に過ぎませんが経験や志向、スキルを把握し、志望動機で伝えることでどのように活躍できるのか、貢献できるのかをアピールできるでしょう。

ぜひ参考にオリジナルの志望動機を作ってみてください。

面接時に見られるポイント

無形商材の営業に転職をしたいとき、採用担当者は応募者の思考力や意欲、主体性を見ています。

提案の場では、物事を論理的にとらえて解決策を提示する必要がありますし、営業職なので数字に対する意欲的な姿勢も大切です。

また、営業は自分のアイデアを積極的にアウトプットしていくことが求められるため、主体的である必要もあります。

論理的思考になっているのか

無形商材の営業は顧客の課題を解決することが仕事なので、面接でも論理的思考能力を見られます。

そのため、面接で話すときは事実に基づいた論理的な話を言葉にできるかが重要になります。

また、論理的思考能力があることをアピールするには、伝えるときの会話の構成を工夫すると良いでしょう。

最初に結論を述べ、その後で裏付ける根拠を明示し、具体的なエピソードを添えて話を締めると伝わりやすいです。

面接を行う前までに、面接練習を徹底的に行うようにしましょう。

自己分析を通じて自分自身を深く理解すると同時に、繰り返しの面接練習によって、面接官の質問の真意を見抜く力を身につけることができます。

目標達成に意欲的か

営業面接で重視される要素の一つに、目標達成に対しての意欲がどの程度あるかをみられることがあります。

営業職においては、個人の目標やチームの目標を達成しなければなりません。

目標達成までの過程で起きる困難や挫折を経験することもありますが過去、難題に立ち向かい、どう克服してきたのかの過程が面接で評価されます。

面接官は、挑戦や困難を恐れず、目標達成に向けて積極的に取り組んできた経験をききたいのです。

そのため、自身が設定した目標を達成するためにどのような行動をとり、結果を得てきたのかを具体的に語ることが重要になるでしょう。

面接時には以上のことを意識して、目標達成に向けて挑戦してみましょう。

主体性があるか

営業職では、自らの力で目標を達成するための主体性と自走力が評価ポイントといえます。

無形商材の法人営業では、成果が個々の能力に強く依存する傾向です。

自ら積極的に行動し、クラアントの問題を解決するための策を見つけ出すことが求められます。

面接官は受動的ではなく、自発的に行動できる人物かどうかを確認します。

企業は単に指示を待つ従業員よりも、自ら問題を認識し、解決策を追求する能力を持つ人材を求めているからです。

自発的に動くことで組織全体をリードする覚悟があるかどうかが、面接で評価される重要なポイントとなるでしょう。

現職での自主的な取り組みや、自発的に業務を改善した経験などを具体的に話すことで、主体性をアピールできます。

面接時には主体性を意識して取り組むことで、転職のチャンスを広げてくれるはずです。

無形商材の営業に就いた後のキャリアパスをまとめる

面接では、あなたが今何をしたいかはもちろん、「将来どうなりたいか」も質問される可能性が高いです。

無形商材の営業としてある程度キャリアができた後、何がしたいのかをまとめましょう。

たとえば、コンサルティング会社の営業として活躍した場合、コンサルタントやM&Aアドバイザーなどにキャリアアップする道が考えられます。

保険の営業の場合は、個人営業から法人営業部に転属することもあるでしょう。

無形商材の営業職は、ビジネススキルを磨く上で貴重なものとなり、経験が後のキャリアアップに役立ちます。

今だけに目を向けるのではなく、5年後や10年後どうなっていたいかも視野に入れて転職活動をしましょう。

転職エージェントを上手に活用する

可能性を最大限に引き出すためのサポートを提供するのが転職エージェントです。

転職は人生の重要な決断であり、その過程は容易なものではありません。

理想のキャリアにつながるためには、専門的な支援が必要です。

転職エージェントは、豊富な経験と専門知識を持って、キャリアアップをサポートします。

スキルや経験、目指すキャリアに最も適した仕事を見つけることが転職エージェントの役割といえるでしょう。

この機会に転職エージェントを利用してみてはいかがでしょうか。

営業就活ドットコムでは、営業に特化した転職エージェントであるためニーズに合った企業を24時間365日対応する仕組みがあります。

この機会に営業就活ドットコムを利用してみてください。

無形商材の営業に関するよくある質問

ここからは、無形商材の営業に関するよくある質問について紹介します。

無形商材の営業は難しい職種ではありますが、転職することに対して難易度が高い職種ではありません。

また、無形商材の営業職として入社したのにも関わらず、自分に合わずギャップを受けて早期退職となってしまうと、自分のキャリアにキズをつけてしまうことになります。

無形商材の営業職を目指している方からのよくある質問を参考にして、より良いキャリア形成を目指していきましょう。

無形商材の営業は未経験でも大丈夫ですか?

無形商材の営業職への転職は、未経験からでも可能です。

有形商材と同様に、無形商材の商材知識を1から深めていくので、知識がなくても営業職として業務に業務に携われるからです。

無形商材は有形商材に比べて、お客様に売りにくい商材です。

そのため、商材知識よりもお客様に合わせた提案ができる人物が活躍しやすい環境といえるでしょう。

無形商材の営業に転職を考えている方は、商材知識の有無よりお客様のためになる姿勢が大切です。

無形商材の営業に向いていない人はどのような特徴ですか?

無形商材の営業に向いていない人の特徴は、以下の通りです。

向いていない人

自己主張が強い人物

一つのものにこだわり続ける人物

物事に対してすぐ飽きてしまう人物

上記のような特徴に当てはまる人物は、無形商材に向いていないといえます。

無形商材の営業はお客様にどれだけ最適なものが提案できるかが、活躍のカギとなります。

そのため、現職の営業でなかなか上手くいかないと感じている方は、上記のような特徴に当てはまっているかもしれません。

無形商材の営業への転職を考えている方は、向いていない人物の特徴を確認することをおすすめします。

おわりに

無形商材の営業へ転職したい人に向けて解説してきました。

営業は決して楽な仕事ではありません。

ですがやりがいがありキャリアパスを求める人にとってはチャンスのある仕事でもあります。

今の仕事の経験を活かして営業職に挑戦したい人は営業就活ドットコムを利用してみてください。

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