はじめに
近年、成長を続けている企業の中で大切にされているものの1つが、カスタマーサクセスです。
IT技術の発展により、顧客のニーズやトラブルをよりくわしく把握できるようになったことで可能になったマーケティング方法です。
もはや社会貢献やファン獲得のために欠かせない概念となっています。
事業を拡大しより長く続けるためにも、非常に重要です。
そのため、現在とても注目されており、多くの企業が力を入れて取り組んでいます。
仕事の内容や適正などくわしく解説します。
【カスタマーサクセスに向いてる人】カスタマーサクセスとは?
カスタマーサクセスとは、顧客が自社の提供したサービスを利用する中で、顧客が期待する成果をあげるまで積極的に働きかけ、顧客満足度を高める部門です。
顧客からの問い合わせや相談に答えるカスタマーサービスと違い、自社から積極的にアプローチを行うのが特徴です。
どう利用すれば顧客のトラブルの解決や、成果の獲得ができるのかを具体的にアドバイスするなどして話し合う形もあれば、顧客にわかりやすく提示したり、顧客を無意識のまま誘導したりする形もあります。
そうすれば顧客の信頼や愛着を獲得し、ファン化が期待できます。
ファンは長く商品やサービスを利用してくれるだけでなく、SNSなどで発信して広告を行ってくれるなど、企業にとって良い効果をもたらしてくれるのです。
【カスタマーサクセスに向いてる人】カスタマーサクセスの業務内容
明確にカスタマーサクセスという言葉を使っていなくても、カスタマーサクセスが取り入れられているマーケティングを行っている企業も多いです。
また、概念や方法をくわしく知っていることで企業に大きく貢献できる場合もあります。
どのような仕事にも役立てられ、これからの時代には必須のスキルにもなってくるでしょう。
カスタマーサクセスの業務内容は、大きく分けて3つあります。
製品の導入支援・製品利用のサポート・製品の売り上げ向上です。
以下でくわしく説明します。
製品の導入支援
問題を抱えている潜在顧客に対して、自社のサービス内容や実績を説明し、導入により課題解決が可能になるという提案を行う業務です。
まだ自社のサービスについてくわしくない人々に興味をもってもらうため、広告活動や営業活動を行います。
手芸用品を買った人にソーイングクラブのチラシを渡したり、ブログを始めた人にオンライン勉強会の通知をしたりとさまざまです。
アンケート調査を行い「英語を話せるようになりたい」「痩せたい」など特定の悩みをもっている人に、サービスを提案するという方法もあります。
潜在顧客がどこにいるのかを探り出し、自社のサービスの魅力を伝えなくてはなりません。
需要がどこにあるのかを探り出すマーケティングが重要になります。
製品利用のサポート
顧客が導入した自社のサービスを利用する中で、生じた問題点についてコミュニケーションを通じて解決し、さらなる継続利用や顧客満足度を高める業務です。
トラブルや不具合があったときに、顧客のほうから問い合わせがあるカスタマーサポートとは違い、自社から積極的に顧客とコミュニケーションを取ります。
顧客の現状を継続的にヒアリングし、利用の仕方やサービスの種類などを改善していきます。
顧客が1人でサービスを利用したり何かに挑戦したりする場合、途中で興味を失ったり挫折したりしてやめてしまうこともあるかもしれません。
しかし、こうしてヒアリングやサポートを積極的にしていくことで、飽きを防止したり、モチベーションの低下を防いだりすることにつながります。
製品の売り上げ向上
顧客が抱える問題を解決する中で、拡張機能などにより高いサービスを提案し売り上げに貢献する業務です。
顧客満足度の向上と共に、さらなる売り上げへの貢献を目指します。
顧客へのヒアリングを続けると、別のサービスのほうが適していると判明したり、価格が高くても、さらに質の高いサービスへの需要が出てきたりすることもあるでしょう。
そういった顧客のニーズに合わせて、プランの変更や別のサービスの紹介を行います。
特に、高品質で高価格のバージョンへ移行する顧客を生み出すことはカスタマーサクセスの醍醐味でもあり、成果でもあるのです。
またサービスを気に入った顧客が、家族や友人に紹介したりSNSで発信したりして、好感度や知名度が上昇し、新規顧客が増えることもあります。
【カスタマーサクセスに向いてる人】どんな企業で行われる業務?
カスタマーサクセスを積極的に行っている企業には特徴があります。
これらの業務に関わってみたい人は、以下で紹介するような特徴を備えた企業に就職すると良いかもしれません。
すでにカスタマーサクセスについて、豊富な知識と経験をもった社員に出会えますし、ノウハウを学ぶことも可能です。
また、将来こうした特徴のあるサービスの開発や運営に関わることがあったら、カスタマーサクセスの概念をしっかりと活用できれば成功しやすいと言えます。
SaaS型企業
SaaSは、Software as a Serviceの略称です。
以前はソフトウェアをパソコンにダウンロードして、そのパソコンを利用して作動やデータ管理を行うことがありました。
SaaSは、ソフトウェアをパソコンにダウンロードせずにクラウド上で利用できるサービスです。
特定のスマホやパソコンに限らず、インターネットにつながっていればどのデバイスからでも利用可能で、データの保存や作動はクラウド上で行われます。
特定の期間だけ利用したい場合や、要らない機能を使いたくない場合、利用者がコストを抑えられることも大きなメリットです。
手軽に利用可能なため顧客が集まりやすくデータの収集もしやすいため、企業にとってもメリットの多いビジネスモデルです。
SaaS型企業は、こうしたSaaSのような類の商品を提供する企業のことを指します。
Salesforceが代表的な企業として挙げられます。
サブスクリプション型ビジネスモデルの企業
サブスクリプション型ビジネスモデルとは、顧客が月1回や年1回など料金を払うことで利用できるサービスの類を指します。
1度料金を払うと、1ヶ月や1年など決められた期間中はずっとサービスを利用できます。
Netflixがわかりやすい例でしょう。
月の切り替わりなど、次の料金が発生する前に退会手続きをしなかったり、更新が自動になっていて惰性で続けたりする人もいるため、利用の度に料金がかかるサービスよりも続ける人が多い傾向にあるようです。
ただでさえ、継続利用される傾向が強いビジネスモデルであるため、カスタマーサクセスとの相性が非常に良いです。
カスタマーサクセスを効果的に行うことができれば、継続的な利益の維持や上昇が期待できます。
【カスタマーサクセスに向いてる人】カスタマーサクセスに向いている人
カスタマーサクセスは、これからますます需要が高まり、さらにのちの転職や独立を見越しても、役に立つことが見込まれるスキルです。
マーケティングやコンサルタントとも重なる部分があり、ほかの業種に携わるうえでも、カスタマーサクセスに関わった経験が有利になるでしょう。
向いている人はどのような人なのか、その適正を紹介します。
カスタマーサクセスに興味がある人や、実際にその仕事をしてみたい人などは、自分に適性があるかどうかの参考にしてみてください。
コミュニケーションスキルがある人
カスタマーサクセス業務において、コミュニケーションスキルはとても重要です。
製品の導入やサポートをしていくためには、顧客との信頼関係を構築することが大切になります。
直接聞き出すだけでなく、ときには言動をヒントに探り当てたり、引き出したりしなければならないこともあります。
顧客とのやり取りや、観察とヒアリングはコミュニケーションスキルがない人には難しいでしょう。
また、顧客に対してだけではなく、社内でもコミュニケーションは必須です。
自社の商品やサービスの開発と改善や、マーケティング部門などほかのチームとの連携で、必要になるためです。
コミュニケーションスキルが高い人は、顧客のニーズを察知しやすくチームの連携も取りやすいため、カスタマーサクセス業務で成果をあげやすいでしょう。
課題設定能力がある人
カスタマーサクセス業務では、顧客との対話の中で、顧客が抱える問題点や自社の製品利用に関する悩みをくみ取る必要があります。
顧客自身が、必ずしも要望を具体的な言葉で話してくれるわけではありません。
ときには、顧客自身が気づいていない潜在的な課題も見つけ出す必要があります。
現在の悩みや、サービスを利用してみての感想などを聞き出し、それをもとに求めていることは何かを具体的な言葉で、的確に表現しなくてはいけません。
「悩みやニーズがない」と言われることもあります。
その場合にも、どのような場所にどうアプローチしたら良いか、自ら課題を設定して試していくことが大切です。
顧客へどんな提案やサポートをするのかや、サービスをより良くするためにすべきことを決めるにも、課題設定能力は必要と言えます。
発想力がある人
発想力もとても大切です。
顧客が抱えている、もしくはこれから抱えるであろう潜在的な問題に対して、自社の製品やサービスを利用することでどのような解決がはかれるのか、提案するためには発想力が必要だからです。
自社の製品や、サービスに興味をもってくれる顧客のニーズがいつも同じようなものとは限りません。
それぞれのニーズに対して、自社の商品やサービスがどのように役立てられるのか、うまくつなげ、ときには顧客ごとに形を変えて提案することが求められます。
潜在顧客の取りこぼしを防ぎ、より多くの人々に知られ利用されれば、さらなる売り上げにつながります。
また、自社の商品やサービスを改良したり開発したりするためにも発想力が重要になるのです。
幅広い経験がしたい人
カスタマーサクセスは、顧客の課題解決のためにさまざまな業務を行います。
また、さまざまな人と関わり合いながら顧客の課題解決に取り組みます。
そのような過程の中で、幅広い経験をすることができます。
カスタマーサクセスとして働くことで幅広い経験をすることができます。
しかし、逆に考えると単純な作業しかできない人やいろいろなことをするのが苦手な人はカスタマーサクセスに向いているとは言えません。
自分がどのような人間で、なぜカスタマーサクセスに就職したいのかをよく考えてみてください。
人のために尽力できる人
カスタマーサクセスは、顧客の課題解決及び顧客がサービスを運用していけるようにサポートしていくことが主な業務です。
つまり、カスタマーサクセスという職業は顧客を第一に考えて働く職業なのです。
そのため、他人のために一生懸命考え、精一杯尽力できる人がカスタマーサクセスに向いていると言えます。
常に顧客のことを考えて、行動することがカスタマーサクセスにとって大切なのです。
新しいことにチャレンジするのが好きな人
カスタマーサクセスという職業は、今までにはなかった新しい職業です。
最近になってIT化やグローバル化が進む中で、必要となってきました。
カスタマーサクセスの業務内容は、決まった仕事が少なく常に新しいことをして、顧客の課題解決に尽力します。
決まった仕事を淡々とこなすよりも、新しいことにチャレンジすることが好きな人がカスタマーサクセスに向いているといえます。
論理的に考えられる人
カスタマーサクセスという職業は、顧客の課題解決のために適切な施策を考え、実行していきます。
その時に重要になってくるのが、論理的に物事を考えることです。
カスタマーサクセスとして仕事をする上で、顧客の課題の要因を見つけることがまず大切になります。
論理的に考えて、それをいち早く発見し、それに対する対処法を考えます。
対処法を考える時にも論理的な視点に立つことが大切になります。
論理的に考えることで見えてくるものがあります。
以上の理由から、論理的に考えられる人はカスタマーサクセスに向いていると言えるのです。
視野が広い人
カスタマーサクセスは顧客がどのようなところで困っているのかを把握した上で、適切な対策を提案しなくてはなりません。
顧客を満足させるために、カスタマーサクセスは俯瞰的に物事を考えることが求められます。
俯瞰的に物事を見るということは視野を広くもって考えるということです。
視野が広いと、さまざまなところに目が行き届き、情報を整理することができます。
だから、視野の広い人はカスタマーサクセスに向いているのです。
【カスタマーサクセスに向いてる人】カスタマーサクセスに就職したいなら就活エージェントを利用しよう
カスタマーサクセスに就職したいと思っている人は就活エージェントを利用することで就職先が見つかりやすくなります。
就活エージェントは、あなたのニーズに合わせて企業を紹介してくれるので、自分にピッタリの企業を見つけることができます。
また、就活エージェントは企業の紹介だけでなく、面接指導やES添削などの選考対策も行ってくれます。
おすすめのエージェントはジョブコミットというサービスです。
ぜひ利用してみてください。
おわりに
カスタマーサクセスとは、自社の商品やサービスを利用する顧客へのサポートを積極的に行うことによって顧客満足度を高め、継続的な利用や顧客の拡大を目指し、利益拡大につなげます。
SaaS型企業やサブスクリプション型ビジネスモデルの企業で積極的に活用されています。
コミュニケーションスキルの高い人や課題設定能力がある人、発想力のある人に向いている業務です。
自分に適正があり、業務に興味がある場合は、ぜひ挑戦してみてください。