はじめに
終身雇用が衰退化し、日々目まぐるしいスピードでビジネスモデルが変化し続ける現在、転職でセカンドキャリアを目指すことは珍しいことではありません。
キャリアアップを目指したい、年収を上げたい、やりがいを求めたいなど、さまざまな理由で若年層を中心に求人市場を賑わせています。
今回は、営業職への転職の際の面接対策について話していきます。
定番の質問から少し踏み込んだものまで解説しますので、営業職へ転職を検討している方はぜひご覧ください。
【転職営業志望の質問対策】一般的に答える項目
新卒の面接対策と同様、高確率で聞かれる定番の質問の準備は万全の状態にしておきましょう。
まず、履歴書に書いたことは頭に入れておき、想定される質問に対する回答を考えておいてください。
また、営業職を目指すのであれば、「相手に不快感を与えない話し方」であることは絶対に必要な要素です。
回答は簡潔に、できれば30秒から1分ほどの間に収まるようにまとめておき、はきはきと快活に面接官の目を見て話すように心がけましょう。
①自己紹介
転職面接の質疑応答は、ほとんどの場合自己紹介から始まります。
語調や表情から第一印象が決まる場面でもあるので、緊張のあまり早口になることや目線が下に行かないよう注意してください。
自己紹介は①名前 ②経歴(出身大学、前職について) ③面接をしていただけることの感謝の3つで構成します。
面接官は応募者の仕事の強みを知りたいと考えているため、経歴を話す際は転職先で活かせる資格やスキルだけでなく、前職での業務上の成果や実績を具体的な数値を用いて簡潔に盛り込むと良いでしょう。
たとえば、「前職では○○を担当し、売上○○%アップという成果をあげました」という風に、あくまで要点だけをごく簡潔に述べてください。
そして、「本日は貴重なお時間をいただきありがとうございます。」と感謝の言葉を述べると、面接官により好印象を残せるでしょう。
②転職理由
必ずといっていいほど聞かれるのが転職理由です。
この質問には「雇用したら早期離職しないか知りたい」という面接官の意図が含まれています。
そのため、転職の理由が「給与が低い」「休みが少ない」などの前職への単純な不満と捉えられるようなネガティブなものにならないように注意してください。
自分の理想のキャリアプランのために前職が最適な環境ではなかったから新しいステップを踏み出す、というスタンスの前向きな理由に変換するように心がけてください。
ポジティブな転職理由について詳しくまとめたサイトを用意しましたので、参考にしてください。
③志望動機
面接官は、志望動機から入社後長期にわたって貢献してくれるかを見極めようとしています。
その判断の指針となるのが、応募者の熱意や覚悟です。
熱意を感じる説得力のある志望動機を作るためには、競合他社との差別化をはじめとする業務に対する深い理解が必要です。
また、自分の転職活動の軸となる目標やモチベーションを明確にすることでより厚みのある志望動機になります。
「自分のキャリアプランを実現するためには、○○に強みがあるこの会社で働きたい」というようにまとめると伝わりやすいでしょう。
④自己PR
自己PRも定番の質問の一つです。
自己紹介と混同する人がよく見受けられますが、自己紹介は自分の背景を説明するものであるのに対し、自己PRは過去の経験を掘り下げ自分の考え方や強みをアピールするものです。
話す際には結論→具体的な経験(課題と行動と結果)→学び→企業へ貢献したいという思いという流れにすると良いでしょう。
自己PRには時間制限を設けられることが多く、1分間だと300字程度、3分間だと1,000字程度の字数になります。
念のため両パターン用意しておくと良いでしょう。
⑤長所・短所
長所や短所はスキルやキャリア面を中心に考えましょう。
長所は強みとは何かをまず述べ、その根拠となるエピソードを話した後、入社後どのように活かしていけるかを語ります。
短所は、企業の求める人物像に対して、自分に不足していると感じる点を挙げると良いでしょう。
その際、ただ短所を述べるだけでなく改善しようと努力している姿勢を具体的な対処法とあわせて述べてください。
良いところを見せようとするあまり、「短所はない」と言うと、自己分析ができていないとマイナス評価されるため注意しましょう。
⑥キャリアプラン
入社後に望んでいるキャリアプランも、よく聞かれる質問です。
企業はキャリアプランを聞くことで、入社後のミスマッチによる離職を防ごうとしています。
営業職になったとしても進む道は人それぞれであり、管理職になりたい人もいれば、営業職として働き続けたい人もいます。
まずは「○○%売上をアップさせたい」などの具体的な目標を掲げ、「将来的には○○の道も視野に入れたい」という将来的なビジョンを挙げ、そのためにどのような努力をしているかを述べるとい良いでしょう。
営業職のキャリアプランについて説明している記事を用意しましたので参考にしてください。
⑦逆質問
面接の終盤で、面接官から「最後に何か質問はありますか」とほぼ100%の確率で、面接官から逆に質問されます。
逆質問は自由度が高いために、自分をアピールする絶好の機会です。
企業に対する質問は、複数個準備しておきましょう。
何も質問することがないからといって、「特にありません」と言ってはいけません。
質問がないということはやる気や熱意がないとみなされてしまいます。
特に2次面接は1次面接よりもやる気の有無が重視されるので、入念に準備を重ねてください。
また、質問の内容はこれまで説明されたことや、待遇などの質問は避けましょう。
たとえば、○○のスキルを活かせる業務はあるか、リーダーに必要な能力は何か、など前向きな内容を心がけてください。
逆質問に対してより詳しく説明しているサイトを用意しました。
ぜひご覧ください。
【転職営業志望の質問対策】営業職でよく聞かれる質問3選
営業職に限らず、面接で定番の質問について話してきました。
これらは必ずと言っていいほど聞かれる項目なので、万全の状態で準備しておきましょう。
次に、営業職の面接ならではのよく聞かれる質問を挙げていきます。
企業はコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力など、営業職に必要な能力があるかを見極めようとしています。
そのために、姿勢や表情に注意し、わかりやすく簡潔に話すようにしてください。
また、入社後に成果をあげられるような人間であるかもチェックされるでしょう。
営業職の経験者であれば前職での目標や成果をわかりやすくまとめておくと良いでしょう。
以上を踏まえたうえで、「一緒に働きたい」と思われるような回答を準備するように心がけてください。
他社の選考状況について
意外とよく聞かれるのが、他社の選考の状況です。
企業に対する熱意を見るために、この質問が設けられます。
正直に答えていいか悩ましく感じるかもしれませんが、回答のポイントは2つです。
まずは、仕事をしていくうえでの軸があることです。
軸がブレブレだと「どこでもいいのではないか」と不審がられてしまいます。
「○○に携わりたいので、同じ業界である△△も受けております」と業界や業種に絞って答えましょう。
また、受けるすべての企業を挙げる必要はありません。
軸からはみ出るものは言わなくても良いでしょう。
次に、御社が第一志望と伝えることです。
その理由のために、同業他社との差別化を今一度明確にしてこの企業でなければならない理由を洗い出しておきましょう。
また、「弊社は第一志望ですか?」と面接官に聞かれたら、第一志望と即答してください。
その際「ええと…」などと口ごもりスムーズに理由が言えないと、熱意がないとみなされてしまうので、第一志望である理由はまとめておくと良いでしょう。
最近関心のあるニュースを教えてください
気になるニュースについても、よく聞かれる質問です。
面接官はこの質問から、情報感度やあなたの感性や価値観などの人柄の確認、社会に対する問題意識、業界への関心を見ようとしています。
日々アンテナを張り、必要な情報を収集する能力は営業職に必須です。
また、いち社会人として、さまざまな社会問題に対して自分の意識を持っていることは最低限の素養とも言えます。
関心のないニュースを無理に挙げる必要はありませんが、企業の業界に関するニュースがベターでしょう。
たとえば、「○○の海外事業の拡大について」など踏み込んだニュースを答えると、業界の研究をしている、熱意があるというアピールになります。
また、営業職といっても、業界はさまざまですので、志望企業ごとに気になるニュースをそれぞれ準備する必要があるでしょう。
なぜ営業職を志望するのか
あなたがなぜ営業職を志望しているのか、職種に関しての志望理由を聞かれることがあります。
回答する際のポイントは2つです。
まずは、自分の強みを活かせる職種だから、長所を活かして企業に貢献できるからという視点での回答です。
伝える際は、長所を活かして前職で貢献した経験など具体的なエピソードを入れると説得力を持たせられるでしょう。
次に、実力そのものを評価してもらえるという視点です。
この理由だけを語りすぎると、自分本位な印象を与えかねないので注意してください。
「ノルマを達成できればいい職種である」「おもしろそう」など根拠の薄い、稚拙な理由はマイナス評価になりますので、なぜ営業職をやりたいか、自分の中でしっかりとまとめてから面接に臨んでください。
【転職営業志望の質問対策】面接を受ける際のポイント
転職の面接のポイントについて語ってきましたが、次は新卒の営業志望の方向けの面接対策について話していきます。
転職の面接とは、社会人経験がなく、前職の業務で挙げた成果でアピールできない分、人柄やポテンシャルに重きが置かれる点が異なります。
新卒に即戦力になってほしいと思う企業はほとんどありません。
コストをかけて研修や教育をしてでも、長く一緒に働きたい、会社に貢献してくれそうだと思われるような回答を心がけましょう。
1次面接の内容はメモをしておく
1次面接での質疑応答の内容は、忘れる前にメモすることをおすすめします。
1次面接は集団面接などの形態を採ることも多く、一人に割く時間は限られています。
そのため、自己紹介や自己PRやガクチカ、そして志望動機など学生の基本的なデータについて聞く傾向があります。
それに比べて、2次面接はより踏み込んだことを聞くことになります。
その際の回答に前回答えた内容と一貫税を持たせるためにもメモをしましょう。
忘れるわけないとお思いかもしれませんが、複数の企業の面接を繰り返していると、どこで何を回答したかがわからなくなってしまうのです。
矛盾した内容を答えると、一貫性がない、軸がないとネガティブな印象を抱かれてしまうので注意しましょう。
また、履歴書もコピーして手元に置いておくと、記入した内容がすぐ確認できるため安心感につながります。
答えられない場合は正直に言う
どんなに準備を入念にしたとしても、まったく予想していなかった質問をされることは十分に考えられます。
その際は、慌ててすぐに答えようとせず「申し訳ございません、少し考えるお時間をいただいてもよろしいですか。」と一言断ってから、落ち着いて話しましょう。
また、「○○の今後はどのようにお考えですか」などの前提の知識が必要な質問をされ、回答が難しい場合は無理に答える必要はありません。
当てずっぽうで言うのではなく、「お恥ずかしながら、知識不足でお答えすることができません。」と正直に答えたほうが良い印象を残せます。
さらに、最後に「次回の選考までに調べてきます。」という一言を加え、次回の選考で有言実行できたならば、熱意を感じ取ってもらえるでしょう。
まとめ
営業職を希望する方向けの面接の質疑応答のコツについてまとめました。
営業職は会社の売上を担う非常に大切なポジションです。
そのため、企業も利益を生み出せる人間かを面接で慎重に判断しようとしています。
小手先ででっち上げた回答は通用しないと思って良いでしょう。
面接の準備を入念にすることは、気持ちに余裕を持たせ自信のある表情や態度にもつながります。
万全のコンディションで臨むためにも、考えられる質問に対する回答を準備してから面接会場に足を運ぶようにしましょう。