はじめ
志望動機とは、仕事に対する熱量や威力をアピールするだけではなく、仕事に就いてから活躍できそうな理由を添えられると良いでしょう。
人材コーディネーターに求められるスキルや人物像はある程度決まっているので、志望動機にもそうしたエッセンスがあると説得力が増します。
そこで今回は、人材コーディネーターの志望動機作成のコツとして、人材コーディネーターに必要なスキルや人物像について解説します。
志望動機作成のポイントをまとめ、例文も2つ紹介するので、人材コーディネーター用の志望動機の書き方を知りたいという方はぜひ参考にしてください。
【人材コーディネーターの志望動機作成のコツがわかる!】人材コーディネーターとは
人材コーディネーターとは、仕事をしたい人と働き手が欲しい企業を結び付けるいわば採用の仲介役を担う仕事です。
自社で抱える豊富な人材と企業とをマッチングさせられるため、より良い採用活動の手助けができる仕事です。
一般的に、企業が採用活動を行った場合、応募者の数は企業の認知度に左右されます。
しかし、大抵の企業は採用活動にそこまで力を入れられません。そこで活躍するのが人材コーディネーターです。
人材コーディネーターは、求職者に応募先となる企業を提案し、企業に人材をPRする役割を担っています。
求職者と企業の間に人材コーディネーターが入ることで、今まで出会えていなかった人と会社が出会う手助けをしているのです。
また、プロの観点にもとづいた徹底したリサーチとマッチングを行うため、採用後も人材が活躍しやすい、離職しにくいといったメリットがあります。
【人材コーディネーターの志望動機作成のコツがわかる!】主な業務内容
人材コーディネーターが携わる業務は幅広く、人材と企業を引き合わせるところからフォローまで採用のすべてを担っています。
まず、仕事をしたいと考える登録者と面談を行います。
続いて企業の採用担当者とも面談を行い、企業がどのような人材を求めているかニーズを探ります。
登録者の情報と受け入れ先企業の情報が出揃ったところで人材派遣を行い、人材と企業を引き合わせます。
雇われ始めの給料や雇用期間といった詳細な雇用条件を決めるのも人材コーディネーターの仕事です。
登録者との面談
人材コーディネーターの仕事は、就職を希望する求職者のカウンセリングから始まります。
カウンセリングでは履歴書に記載された職務経歴の確認はもちろん、働きたいと考える業界や希望する職種について深く聞いていきます。
前職がある登録者なら、理想とする職場環境や前の職場を離れた離職理由についてヒアリングするのです。
こうしたカウンセリングを経ることで、次の職場がどういった環境であれば良いのか、本人も気付いていないような職業適性までも見出していきます。
求職者にとって良い職場が提供できることはもちろん、企業側ともマッチングに齟齬がないかどうかを人材コーディネーターが判断します。
登録者との面談は人材コーディネーターの仕事の一端にすぎませんが、人材派遣がしっかりとまとまるかどうか重要な役割を担っています。
企業のニーズを探る
人材コーディネーターは、登録者のカウンセリングと同様に労働力を求める企業に対してもヒアリング面談を行います。
面談では、企業が希望する人材の条件を聞くことはもちろん、人材投入によって企業の課題を解決するところまでサポートできると良いでしょう。
どういった部署にどれだけの労働力を必要としているのかを聞き出し、そのうえでどのような必要な資格やスキルを持った人材であれば望ましいか判断します。
長期的な事業展開を聞いたうえで、目先の人材登用だけではなく、中・長期の人材戦略までサポートします。
企業からの要望だけではなく、人材コーディネーターとしての経験や視点を活かした人材投入の提案ができると、よりやりがいを持って仕事ができるでしょう。
人材コーディネーターとして信頼されるため、企業から再度人材コーディネートを依頼されるといったリピートにつながることも考えられます。
人材派遣
人材コーディネーターには、求職者と企業との連絡を円滑にするといった役割もあります。
一般的な採用活動であれば求職者と企業は直接やりとりしますが、双方の連絡がスムーズにいかずタイムラグが発生してしまうことがよくあるのです。
しかし、人材コーディネーターを挟んだ採用活動は、求職者と企業の間に人材コーディネーターが入るので双方に連絡の催促を入れられます。
求職者にとってはより素早い就職、企業にとってはより素早い採用活動を後押しするのが人材派遣の仕事です。
また、適した人材・ピッタリの職場であるにもかかわらず、コミュニケーション不足から双方の魅力に気付けていない場合もあります。
こうしたケースにおいても人材コーディネーターが企業と求職者の間に入ることで、ミスコミュニケーションを防ぎます。
アフターフォロー
人材コーディネーターの仕事は、企業に人材を送り出すところでは終わらずアフターフォローまで担います。
アフターフォローとは具体的に、採用活動が終わってから求職者と企業に採用後の動向を聞くことです。
たとえば、無事に雇われた人材が問題なく働けているかどうかヒアリングをかけていきます。
業務において困っていることはないか、人間関係も含めた悩みがないかどうか、相談できる環境が整っているかどうかを聞き出します。
また、企業に対するアフターフォローは雇い入れた人材の働きぶりについて聞くことです。
きちんと期待した能力を持っていたか、理想の働きを見せているか、事業全体やチームに何かしらの迷惑を掛けていないか見極めます。
これらのフィードバックは必要に応じて求職者や企業に開示し、円滑な就業までもサポートします。
【人材コーディネーターの志望動機作成のコツがわかる!】人材コーディネーターに求められるもの
人材コーディネーターにはコミュニケーション能力、営業力、ビジネスマナーの3つが必要です。
まず、求職者から詳細な要望を聞き出すことや企業から理想とする人材像をヒアリングするには高いコミュニケーション能力が求められます。
さらに、登録者を増やす・受け入れ先となる企業を増やすには営業力も欠かせません。
丁寧な対応をするためにもビジネスマナーがあるとなお良いでしょう。
人材コーディネーターに求められるスキルを把握することで、志望動機を書くヒントにしてください。
コミュニケーション能力
人材コーディネーターには高いコミュニケーション能力が必須です。
まず、求職者と企業の橋渡し役になる以上、人材コーディネーターは人とのコミュニケーションを取る回数が多くなります。
また、双方にとって円滑なコミュニケーションが取れるよう計らう必要もあるのです。
ここで言うコミュニケーション能力とは、企業や求職者の考えや要望を詳細に聞き出すことを意味します。
ヒアリングが不十分だと、早期離職を招き企業と求職者の双方に不利益を与えてしまいます。
人材コーディネーターとして十分な仕事ができていないとも言えますし、クレームを受けるような事案に発展してしまうでしょう。
最悪の場合、採用によって甚大な被害が発生したと判断されれば、訴えられてしまい賠償金を求められるようなケースもあるので注意してください。
営業力
人材コーディネーターには営業力も欠かせません。
ここでいう営業とは、求職者に対して登録を促すこと、企業に対しては求職者を売り込むことを意味します。
まず、人材コーディネーターが所属する派遣会社の主な収入源は、登録者が支払う登録料と採用を受け入れた企業からの人材派遣代です。
相談に来た登録希望者には積極的な登録を促し、企業には人材を受け入れるようアプローチすることが仕事になります。
このように、人材コーディネーターは企業と求職者の双方に働きかけて新たな雇用を創出します。
当然、自社の人材派遣サービスを利用してもらえるような工夫が必要です。
求職者に対しては手厚いサポートを実施し、企業に対してはサービスの特徴や差別化ポイントをプレゼンテーションしながら仕事に従事しなければならないのです。
ビジネスマナー
人材コーディネーターに限らず、社会で働くすべての企業人にとってビジネスマナーは必須スキルです。
特に、人材派遣業を生業とする人材コーディネーターにとって、ビジネスマナーはなくてはならないものと言えるでしょう。
まず、人材コーディネーターは派遣先となる企業できちんと振る舞えるよう、求職者に対してビジネスマナーの指導を行います。
自分自身がしっかりとビジネスマナーを理解しているだけではなく、人に教えられるほどでなければならないのです。
また、取引先企業となる派遣先とのやりとりでも、ビジネスマナーは非常に役に立ちます。
人事担当者ともなると社歴の長いベテラン社員が就いている場合も少なくありません。
そうした企業内での立場も確立された社員も相手にできるようなビジネスマナーは欠かせないのです。
【人材コーディネーターの志望動機作成のコツがわかる!】志望動機作成のポイント
人材コーディネーターが携わる仕事や求められる職務スキルを整理したら、最後は志望動機作成のポイントについて見ていきましょう。
まず、採用担当の心に響く人材コーディネーターの志望動機には、採用するメリットが欠かせません。
応募先企業の特徴と自身が持つ志望動機をリンクさせ、強みをどう活かすかも明確に提示しましょう。
また、企業独自の魅力はもちろん、求められているスキルを裏打ちできるような自身の経験も添えられるとベストです。
これらのポイントが理解できていると、志望動機もスラスラ書けるようになるでしょう。
自分を採用すると何がいいのかを伝える
採用担当に受け入れてもらいやすい志望動機づくりのコツとして、まず押さえておきたいのは自分を採用することのメリットです。
人材コーディネーターに求められる人物像は、高いコミュニケーション能力や営業力を持ったビジネススキルの高い人が理想とされています。
雇い入れることで利益を拡大してくれるような人材が欲しいと考えるのは、ごく自然なことです。
志望動機では、「私には〇〇といった力があるので、××といった成果を上げられます。」とアピールしましょう。
具体的には、前職で培った高いコミュニケーション能力があるので、地域の派遣先企業をもっと増やせますなどが該当します。
自己PRの際に伝える自身の長所や魅力を、どういった職務遂行能力と結び付けてアピールするかを考えましょう。
企業の特徴と志望動機を結び付ける
志望動機には企業が求める人物像や特徴に合うような内容が書けると、採用担当からの評価も高くなる傾向にあります。
企業の特徴をしっかりと熟知しているということは、人材派遣業界や志望企業の同業他社・ライバル企業についてきちんと把握できていることのアピールになります。
さらに、志望する企業が求める理想的な人物像にまで言及できれば、志望動機だけで働いた際の活躍の仕方まで想像してもらいやすくなるでしょう。
そういった業界・市場の中で自身の強みをどうアピールできるかは、事前のリサーチにかかっています。
事前準備を徹底し、面接でも自分の強みをしっかりとアピールできれば、志望企業や仕事に対する熱意も自然と伝わります。
仕事に対する熱意は何よりものアピールになるので、採用担当者にもしっかりと気持ちが届くでしょう。
自分の強みをどのように活かすかを明確にする
自身の強みは、持っているだけではなくそれを活かして志望動機のアピールにつなげることも大事です。
具体的には、自分自身の強みを入社後の活躍まで意識した形で伝えられるとベストです。
「忍耐力があります。」ではなく、「忍耐力があるので採用先となる企業を半年で5社開拓します。」というようなアピールにして伝えます。
仕事に対する情熱や意気込みを伝えるには、業務を通じて成し遂げたいことを伝えるのが一番です。
入社してからの働き方や目標について言及するようなものなので、志望動機を聞く側の採用担当にも良い印象が与えられます。
働くモチベーションも明確なため、採用について前向きに検討してもらいやすくなるのです。
単なる“良さそうな人材”の枠を飛び越え内定にも一歩近づけるでしょう。
その企業独自の魅力を伝える
志望動機には、なぜその企業を選んだのかまでしっかりとポイントを押さえて伝えておく必要があります。
人材コーディネーター業界には、大企業から中小企業までさまざまな会社があります。
企業ごとの特色にあふれているため、なぜその会社で働きたいと考えたのか、選ぶ際に決め手となった独自の魅力が何であったのかが非常に重要になるのです。
こうした企業独自の魅力を伝えるには、綿密なリサーチを重ねて情報収集しておく必要があります。的を射た魅力が語れるということは、企業の特徴や人材コーディネーター業界における立ち位置が理解できていることを自然にアピールできます。
競合他社が理解できるため、自身の強みの活かし方や求められる人物像がより明確になるでしょう。
求められるスキルに自分の経験を裏付けて伝える
志望動機には、自身が持つ強みやスキルに対する経験の裏付けを添えるようにしましょう。
人材コーディネーターには、高いコミュニケーション能力や営業力、ビジネスマナーといったスキルが欠かせません。
強みとは単一のものではなく複数あって当然ですが、人材コーディネーターに求められるスキルが連想できるようなアピールだと適性を感じ取ってもらえます。
さらに、採用に王手をかけるべく取り入れたいのが自分のスキルに対して経験で裏付けを入れることです。
人材コーディネーターに適したスキルを、実際の過去の経験から身につけたことを伝えれば説得力が増します。
エピソードの内容が自分の中で整理できるようになり、面接官からいくつかの質問が投げかけられた場合でも余裕を持って対応できます。
【人材コーディネーターの志望動機作成のコツがわかる!】人材コーディネーターの志望動機の例文
最後に、人材コーディネーターの志望動機の例文2つを紹介します。
1つは、実際に人材コーディネーターとして働いてきた経験がある場合の志望動機の例文です。
働いていて感じた前職に対する課題感、志望企業が人材コーディネーター業界でどのような立ち位置にいたかをきちんと把握しアピールすることがポイントです。
2つ目の例文は、人材コーディネーター未経験の志望動機です。
人材コーディネーターの経験がある場合
私が貴社を志望する理由は、人材コーディネーター業界における貴社の事業規模の大きさを魅力に感じたからです。
私は、前職でも人材コーディネーターとして働いており、求職者と企業のより良い採用活動をサポートしてきました。
しかし、仕事をしていくうえで求職者の志望がいかに多岐にわたり広がっているかを目の当たりにし、より多くの企業との取引が必要であることを実感します。
貴社は人材コーディネーター業界で最も古株とされる会社の一つであり、派遣先企業数の増加率が5年連続で前年度を上回る実績があります。
業界内でここまで派遣先企業を急拡大できているのは貴社しかありません。
特に、小売業への人材紹介に強い貴社でなら、今よりもさらに求職者に対してたくさんの選択肢が提示できると考えています。
自分自身も人材コーディネーターとしてより多くの選択肢を求職者に提供できるため、やりがいを持って仕事に取り組めると考えました。
前職で培った営業力を武器に、私も入社後に派遣先企業をどんどん開拓していきたいと思い志望させていただきました。
これまでの人材コーディネーターとしての経験を活かして、貴社の発展にも寄与できるよう精いっぱい職務を全うしてまいります。
未経験の場合
私が貴社を志望する理由は、自分自身に人材コーディネーターとして必須のコミュニケーション能力が備わっていると自負しているからです。
前職は、食品メーカーの営業職に就いており、新規開拓とルート営業をこなす中で営業経験を磨いてまいりました。
特にアフターフォローには力を入れていて、一度取引をしてくださった企業とは末永くお付き合いをさせてもらっていました。
また、既存顧客から新規のお客様を紹介していただく機会も多く、営業という仕事はお客様に支えられるようになってこそ大きな成果を上げられると考えています。
そうした環境下で、出入り先企業で転職を考えるスタッフから何かと相談を受ける機会がありました。
仕事を変えたいという気持ちはあるものの、具体的にどのような行動をすべきか、良い人材コーディネーターとの出会いがないと嘆く人が多くいる現状を知ります。
自身もキャリアについて考え始めていた時期も重なり、もっと人の一生に寄り添うようなやりがいのある仕事に就きたいと考えるようになりました。
そこで、人材コーディネーターの仕事に興味を持ちます。
貴社のようなパイプを多く持つ企業では、おそらく登録者や企業との面談がたくさんあるためコミュニケーション能力が欠かせないと思われます。
前職で培ったコミュニケーション能力を活かし、責任を持って職務を遂行する所存です。
まとめ
人材コーディネーターの志望動機を書くには、求められるスキルや人物像をイメージして自分の長所やアピールポイントをうまく当てはめていきましょう。
自己PRすべき内容は過去の経験や人によってさまざまですが、人材コーディネーターになりたいのであれば望まれる人物像はぜひ意識してください。
過去の経験や強みがどう人材コーディネーターの仕事に通ずるのか、仕事に対するモチベーションをアピールすることも忘れてはなりません。
こうしたポイントさえ押さえていれば、志望動機はスラスラ書けます。
まずは例文を参考に、自分であればどう言い換えられるかを考えてみましょう。