ガクチカを企業が聞く意図とは?評価されるガクチカの特徴と書き方のポイントを紹介

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はじめに

ガクチカはどこの企業でも必ずと言っていいほど聞かれる質問事項です。

ほとんどの企業が聞くからこそ、最も重要な設問とも言え、合否を大きく分けることは間違いありません。

では、企業がガクチカを聞く意図は何でしょうか?

それが分かれば、選考での限られた文字数、限られた時間の中で効率的かつ的確に企業が知りたいことを満たす答えを返せるようになります。

ここでは、企業の意図を捉え、評価されるガクチカを書くために知っておくべきことを網羅的に解説していきます。

ガクチカとは

ガクチカとは、「学生時代に力を入れたこと」を略した言葉です。

その聞き方は、様々あり、「学生時代に頑張ったことなんですか?」、「学生時代にチャレンジしたことは何ですか?」、「学生時代に最も熱中したことは何ですか?」などもガクチカの1つです。

「学生」と言われているから大学生のことについてでないとダメなのではないか?と思う人が多いですが、実際は高校・中学までは問題ありません。

ただ、昔の経験になればなるほど、今の自分との関連性やその経験の人生における影響力の強さが求められるため、あまり自信がない人は高校ぐらいまでにしておきましょう。

また、ガクチカは選考で最も重視される質問と言えるほど、合否を左右します。

ある大手企業の人事の方は、ガクチカと志望動機を比べると、8:2の割合でガクチカの方が重要と言っているほどです。

では、ここからは多くの学生が混同しているガクチカと自己PRの違いについて解説します。

ガクチカと自己PRの違い

ガクチカと自己PRの違いを多くの学生は明確に区別できずに理解しています。

よくあるケースとして、学生時代に力をいれたこと(ガクチカ)であるのに自身の強みを中心に話してしまって、取り組んだ経験のエピソードが薄くなってしまう人は多いでしょう。

ただ、ガクチカで話す学生時代の経験の内容は、自己PRで話す自身の強みの能力やスキルを裏付ける内容でもあるため、エピソードの内容自体は同じものとなることが多いです。

では、何が違うのかというと、エピソードを通して伝える自身の特徴の種類が違うのです。

ガクチカは学生時代に取り組んだ内容を根拠に「人柄・価値観・行動特性」を伝えますが、自己PRは学生時代に取り組んだ内容を根拠に「強みの能力やスキル」を伝えます。

だからこそ、企業が聞く意図というのを間違えて捉えてしまうと、企業が聞きたいことの回答を全て伝えられず、評価が下がるといった事態に陥ってしまいます。

企業がガクチカを聞く意図

企業がガクチカを通して知りたいこと、つまり、ガクチカを聞く意図というのは様々ありますが、大きく分けると2つのことを判断するためにガクチカを聞いています。

そこで、以下でその2つについて紹介し、企業はどのような要素を評価することでその2つを判断しているのかというのを解説していきます。

その要素というのは5つありますが、すべて選考の中でアピールするべきことなので、それらを意識して選考に臨むようにしてください。

社風との相性と企業への貢献可能性

ガクチカを企業が聞く意図は、2つのみです。

以下の2つを満たすことができれば、ガクチカで間違いなく高評価を得ることができます。

自社の社風や業務との相性は合うかどうか

これから長く共に仕事をしていく上で、会社の雰囲気や人間関係にストレスを抱えてしまってはその人自身だけではなく、周囲の士気にも影響を与えかねません。

よって、企業は自社の雰囲気に合うだけでなく、社内の雰囲気や士気にも良い影響を与えてくれる人材を求めています。

また、その人自身のやりたいことや人柄と、自社の業務内容が合わなかった場合、モチベーション高く仕事をしてくれないでしょう。

そうなると、最悪の場合転職ということにもなってしまうため、企業はその人の特徴をガクチカから探り、自社の業務と照らし合わせてモチベーション高く仕事をしてくれそうかを判断します。

入社後どれだけ自社に利益をもたらす可能性がありそうか

今後どのくらいの速度でどれだけ成長して、利益を生み出してくれそうかというのを見ています。

新卒採用では「即戦力」ではなく、「伸びしろ」を重視するため、将来の可能性に期待して採用をします。

よって、多大な採用費と教育費を費やしたにもかかわらず、利益を上げることのできる人材に成長しなかったら、企業としては費やした採用費や教育費の分だけ損失となります。

よって、利益をもたらす可能性の期待値が高ければ高いほど、企業が求める人材となるのです。

価値観・人間性・行動特性

ガクチカを聞く企業の意図のこれら2つを見極めるために、企業はエピソードに表れる価値観や人間性、行動特性を見ています。

何か目標を掲げ、それを達成するまでに取った行動の背景には様々な考えやその人の性格が表れます。

例えば、「野球部での経験」で言えば、そもそもなぜ野球に取り組もうと思ったのか、そしてなぜその目標を立て、どうしてその行動を取ったのか、周囲の仲間との関係性や組織での役割は何かなど様々な経験の内容から価値観と人間性は読み取れます。

また、挫折した時にどのように考え、どう行動するのか、周囲とどのように関係値を築き、どのように巻き込んでいくのかなどからは行動特性が読み取れます。

このようなことをガクチカから読み取ることで、企業はそれらと自社を照らし合わせて2つの意図をどれだけ満たすかというのを評価しています。

やりがいや原動力

ガクチカを聞く企業の意図のこれら2つを見極めるために、企業はエピソードに表れるやりがいや原動力を見ています。

何十年もの間、平日のほとんど全てを捧げる仕事に対して、やりがいや原動力が何かなければ続けていくのはだんだんと難しくなってきます。

社会人はそれを身に染みて感じているため、採用担当者はこのようなやりがいや原動力を探って、本当に長期的に自社に貢献してくれそうかというのを判断します。

例えば、自分に有利な状況よりも逆境の方がモチベーションが上がる人はいるでしょうし、個人よりチームで何かを成し遂げることにやりがいを感じる人もいるでしょう。

また、自身の好きなことを仕事にした場合、業務自体がやりがいにもなり得ます。

従って、ガクチカを書く際は、経験の中でやりがいに感じた瞬間と、自分の原動力は何かというのを考えながら書くと良いでしょう。

コミュニケーション能力

ガクチカを通して学生のコミュニケーション能力を図りたいという企業の意図があります。

面接の際に、自身の経験を相手に分かりやすく簡潔かつ論理的に伝えることができるかというのを面接官は評価しています。

もちろん、面接前の準備としてガクチカとして話すことを文字で書き起こし、暗記して面接に臨むことはとても大切です。

しかし、あまりに原稿を読み上げている感じがすると、あまり会話をしている感覚にならず、余り良い印象にはなりません。

よって、文字に書き起こす時は話し言葉で書くようにしましょう。

そして、面接の際はどのような聞き方で質問がされているかをしっかりと聞き、質問に合わせて話す順序や一度に伝えるべき内容の量を柔軟に変えて話すようにしましょう。

また、話す時の姿勢言葉遣い抑揚ジェスチャーも評価ポイントになるため、面接練習をする時はそれらの点も意識して練習するようにしてください。

思考の深さ

ガクチカを通して企業は、自分自身についてどれだけ深く考えられているかというのを見たいという意図があります。

言い換えると、自己分析の深さです。

理由としては、自分のことすら深く考えられていない人は、クライアントやお客様の潜在的なニーズや悩みを見極め解決することは到底できないからです。

また、自己分析ができていないと、自身の原動力や強み・弱みなどを理解していないため、何か挫折や困難にぶつかった時に具体的な行動が起こせず、成長速度も遅いと評価されてしまいます。

さらに、思考の深さというのは過去の経験の中からも判断されます。

何かに取り組んだ経験の中で、困難や挫折に対してどのように向き合い、どのような考えから行動を起こして乗り越えたのか、そもそもどんな動機があってそれに取り組んだのか、これらは全て思考の深さを評価する判断軸となるエピソードです。

そして、思考の深さは、ガクチカの内容の説得力や信頼性にも影響します。

本当に経験していることであれば、どこまでも詳しく具体的に話せるはずですが、もしそのエピソードに嘘や着色があると、その部分の思考の深さが無くなります。

よって、ガクチカで話す経験で嘘を語るのは避けるべきです。

評価されるガクチカの特徴

評価されるガクチカには2つの特徴があります。

上記の「企業がガクチカを聞く意図」を意識してガクチカを書くことは何より大切ですが、その上で評価されるガクチカには必ず以下の2つの特徴が見られます。

それらの特徴を意識してガクチカを書き、選考準備を進めるようにしてください。

結果より過程の内容が充実している

評価されるガクチカは、結果よりも過程の内容に重点を置いた構成になっています。

もちろん、成果や実績が優れたものであればあるほど、エピソードの内容のレベル感は上がりますし、話の内容をよりイメージさせるためにも、結果は伝えるべきです。

しかし、成果や実績ばかり話しても、それらが企業での営業成績といった直接仕事に繋がるような事でない限り、ほとんど評価にはつながりません。

つまり、企業が評価するのは、結果に至るまでの取り組みやそこから見える自身の価値観・人間性・行動特性などといった過程の部分です。

よって、エントリーシートを書くときも、面接で話す時も、結果ではなく過程を重点的に伝えるようにしましょう。

どんな深堀り質問にも対応できる

ガクチカは、一度聞かれて終わりでなく、そのことについて何度も深く質問されることがほとんどです。

やはり、長い経験全てをエントリーシートや一回の質問で理解することはできません。

よって、エントリーシートは、興味のきっかけを作る程度の役割で、実際にそのガクチカについて具体的に評価されるのは面接の深堀りの質問からです。

だから、その時の回答の方が大切です。

その深堀り質問に対応するためには、自己分析想定質問の作成が大切です。

まずは、長い時間をかけて、時には周囲の友人や家族にも聞きながら自己分析を行いましょう。

その上で、自身のエントリーシートに書いたガクチカの一文一文に対して予想される深堀質問を書き出し、全て文字で回答を書いておきましょう。

それを完璧に頭に入れ、どんな質問がきても事前に準備してるから回答できるという状態をつくることが理想的です。

ガクチカを伝える際のポイント

ここまで、企業がガクチカを聞く意図や評価されるガクチカの特徴などを解説してきましたが、ここからは実際に伝える際のポイントについて解説していきます。

経験の内容がとてもよくても、伝え方を間違えると、評価されなくなってしまいます。

逆に言えば、経験自体にあまり自信がなくても、伝え方にこだわり工夫することで十分評価される内容になります。

よって、以下の3つのポイントを押さえて魅力的なガクチカに仕上げましょう。

企業の社風や求める人物像を理解する

ガクチカを魅力的に伝えるためには、まず徹底的に企業分析を行いましょう。

企業の社風や求める人物像を理解していないと、その企業に合わないことをアピールしてしまうかもしれません。

例えば、ゴリゴリ体育会系の不動産企業で、ゼミで統計学を研究していて、数字に対する分析力に自信がありますとアピールしてもなかなか高評価はもらえないでしょう。

これは極端な例ではありますが、「企業のホームページ読んだし、良いアピールができている」と思っていても、実は企業の求める人材にマッチせず、社風にも合わない人物像を伝えているというのはありがちなことです。

よって、企業が求める人物像を間違って認識しないためには、OB訪問を行うことが最も有効的です。

その際、自分のガクチカと合わせてガクチカで伝えたいことも伝え、自分のアピールが企業の的を射ているのかというのを壁打ちしましょう。

そして、今会社でどのような人材を求めているのかというのを現場の肌感で構わないので聞くようにしましょう。

ホームページでは分からない生のリアルタイムの声・感覚を知ることができます。

結論は簡潔かつ印象的に伝える

ガクチカを伝える際は、まず冒頭で結論を伝えます。

その際、結論は簡潔かつ印象的に伝えるようにしてください。

まず、初めの結論から話が長いと、何について話すのか理解しづらく途中で内容が入って来なくなります。

そして、印象に残らない伝え方だと、全てを話し終えた時に「結局どんな子だっけ?どんな経験だっけ?」となりかねません。

打ち合わせや商談は限られた短い時間の中で行うことも多いため、簡潔かつ印象的に伝えることが求められます。

また、簡潔に伝えることで、時間に余裕が生まれ、より多くの情報を伝えることが出来るようになります。

よって、話の冒頭で聞き手の心を掴み、興味を持たせて聞く体制を作るためにも、結論は簡潔かつ印象的に伝えるようにしましょう。

例:「大学硬式野球部で、副将として県ベスト8から全国大会出場を果たした

エピソードは具体的に伝える

上記でもお伝えしましたが、ガクチカで大切なのは結論よりも過程です。

よって、その過程の部分で伝えることになるエピソードは、できる限り具体的に伝えるようにしましょう。

大切なのは、「初めて聞いた人が頭の中でカラーで描けるほど鮮明に伝えられているか」です。

自分では分かっていても、初めて聞く人からしたら理解されないということはよく起こり得るので、内容を文字で書き起こす際は、客観的な視点での見直しを忘れずに行うようにしましょう。

また、期間や規模など数字で表せるものはできる限り数字で表すようにすると、その経験のイメージが付きやすくなるためおすすめです。

また、具体的な地名やアルバイト先が有名なチェーン店であればその店名も書いた方が分かりやすいでしょう。

エピソードがどれだけ具体的かによって、思考の深さやガクチカの説得力と信頼度などが評価されます。

よって、エピソードは具体的に伝えることを心がけましょう。

まとめ

ここまで、企業がガクチカを聞く意図や、評価されるガクチカの特徴・書き方のポイントなどを解説してきました。

選考の評価要素の中で最も重要な設問と言っても過言ではないのがガクチカです。

よって、企業は「自社の社風や業務との相性は合うかどうか」と「入社後どれだけ自社に利益をもたらす可能性がありそうか」という内定に直結する意図があって質問してきます。

従って、これらの意図を正確に理解したうえで、それらの意図を捉える答えを意識して回答を考えましょう。

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