はじめに
不動産業界は、物件の仲介や紹介に従事する営業マンの腕が企業の売り上げを大きく左右することは間違いないでしょう。
そのため、不動産営業の仕事に大きなやりがいを感じる方も多いです。
また、不動産営業は女性も数多く活躍している職業で、女性ならではのメリットを活かして働くこともできます。
この記事では、不動産営業の仕事や女性がこの仕事をするメリット・デメリットについて紹介しますので、この仕事に興味のある方はぜひ参考になさってください。
【女性不動産営業の年収】不動産営業とは
まずは不動産営業の仕事について、詳しく見ていきましょう。
不動産はかなり特殊な商品であり、メーカーの営業とは異なる仕事を任せられることも多いです。
仕事内容によっては、法律などの知識や資格が必要だったりもします。
しかし、不動産業者に就職する際に、特別な資格が必要ということはありません。
経験なしから就職・転職して成功される方もたくさんいらっしゃいます。
もちろん仕事の幅を広げたい・この業界で成功したいと思うなら、自分で勉強していくことが大切です。
賃貸営業
一般の方が不動産会社で働く人をイメージするとき、多くは個人向けの賃貸営業の仕事をする方でしょう。
個人営業の賃貸営業の方は、アパートなどの賃貸物件を仲介して会社に利益をもたらします。
賃貸アパートの仲介は手数料が低いですが、その代わり契約までの期間が比較的短く、短期間でアポイントから成約まで結び付けられる仕事です。
そのため、いかに数をこなすかが勝負といえます。
賃貸営業は法人営業の仕事もあり、具体的には社宅を探している企業などに営業をかけにいきます。
多くの組織は3～4月に人事異動が多くなり、その時期は法人営業で大きな契約を取るチャンスです。
また賃貸で収益を上げるには、そもそも紹介できるアパートを見つけなければなりません。
オーナー・大家を訪問し、賃貸物件の仲介を任せてもらえるよう営業をかけるのも仕事になります。
住宅営業
賃貸営業と異なり、賃貸アパートを仲介するのではなく、これから作る・もしくはすでに建てた新築住宅を販売する営業マンもいます。
新築住宅は、建売住宅・注文住宅の2種類に分類可能です。
建売住宅は先に戸建てやマンションを建てて、その住宅をお客様におすすめします。
住宅情報誌やチラシなどに広告を掲載する・モデルルームに案内するといった方法で、お客様を集めなければなりません。
一方、顧客の注文を聞いてからオーダーメイド式に住宅を建てるのが、注文住宅です。
お客様のリクエストを叶えつつ安全で快適な家を建てるのは、優秀な建築士がいるハウスメーカーでなければできません。
住まいにこだわりのある方をターゲットに、注文住宅専門で営業する企業もあります。
投資用不動産営業
土地や建物は世界中で取り引きされており、しかもその価値はかなり上下するため、投機目的で不動産に目を向ける方は珍しくありません。
そこで利益の出そうな物件を探して購入し、リフォームやリノベーションなどを施し付加価値をつけてから販売する方もいらっしゃいます。
リノベーションをする際は、そのエリアでニーズがありそうな住宅にしなければなりません。
ファミリーが多そう・一人暮らしが多そうなど、エリアの実情を把握する必要があります。
不動産の価格は、不動産そのものの条件だけでは決まりません。
たとえば近くに商業施設などができ便利になるなら、地価が上がるでしょう。
また、土地は区画ごとに建てられる建物や可能なビジネスなどに制限があり、この仕事をする方は地域の事情だけでなく法律などにも精通していなければなりません。
土地仕入営業
土地仕入れ営業は、そのまま土地を販売するのではなく、建物を建てるために土地を仕入れて販売する仕事に携わります。
ハウスメーカーはまず人気エリアの土地を確保しなければ売れる家を建てられず、土地仕入営業の仕事に携わる方のスキルが非常に重要です。
しかし良さそうな土地を見つけても、目的通りの建物を建てられるとは限りません。
法律上の規制がある土地かもしれませんし、土壌調査をすれば地盤に問題がある土地という可能性もあります。
交通量などの周辺環境や、現在の状況だけでなく、将来近くに大きなビルが建つ予定はないかなども調査が必要です。
当然、この仕事に従事するためには、法律などの知識・土壌に関する知識など、幅広い知識を持っていなければなりません。
【女性不動産営業の年収】女性の年収推移
女性で不動産営業の仕事に携わる方は、どれぐらいの年収を得られるのでしょうか。
男性・女性それぞれの不動産営業の年収と、全業種の年収データをチェックして簡単に比較してみましょう。
女性の不動産営業は、20代で472万円・30代で566万円・40代で726万円・50代で846万円というデータがありました。
一方、男性の不動産営業は、20代が651万円・30代が668万円・40代が811万円・50代が941万円というデータです。
一方、全業種（男女）の年収のデータを見ると、20代318万円・30代406万円・40代475万円・50代517万円であり、不動産営業は比較的高い年収を得られていることがわかります。
不動産営業だけで見ると男性のほうが高い年収を得ていますが、これは基本給よりも、歩合などの影響が出ていると見るべきでしょう。
【女性不動産営業の年収】不動産営業の給与制度
不動産営業は賃貸アパートの仲介など件数勝負の仕事もありますが、1件あたり数千万円のお金が動く高額な取り引きを扱う仕事が多いです。
そのため、営業社員同士の実績に非常に大きな差がつくことがあります。
不動産営業は、基本給だけでなく歩合・インセンティブ制度を取り入れている企業が多く、頑張れば頑張るほど稼げる職業といえるでしょう。
以下で、多くの企業で採用されている給与制度をもう少し詳しく見ていきます。
不動産営業の仕事でしっかり稼ぎたい方は、転職前に給与制度も確認しておくと良いでしょう。
固定給+インセンティブ
固定給+インセンティブという形で営業マンを雇用する不動産関係の企業は多いです。
この給与制度では、固定給があるので、あまり契約がとれなかった月・病気やケガなどで満足に働けなかった月でも、最低限の給与が保証されます。
働く方にとって安心感がありますし、しっかり稼ぎたい方も固定給に上乗せのインセンティブがあるので、高いモチベーションをキープしやすいです。
ただし、このインセンティブの条件・歩合率は企業によって差があります。
転職面接で給与などの条件を詳しく聞くのはあまり良くありませんが、営業のインセンティブについて話を聞くことがマイナス評価につながることはあまりありません。
むしろ、インセンティブでしっかり稼げるほど頑張りたいというやる気をアピールする質問になるでしょう。
フルコミッション
フルコミッションは、その月の契約数によって、給与がダイレクトに前後するタイプの給与形態です。
固定給がない代わりに、歩合率が高めに設定されている特徴があります。
結果がそのまま給与につながるため、固定給＋インセンティブという給与制度の企業以上にモチベーションが高まるという方も多いでしょう。
しかし、何かあったときにどうしようと不安を感じる方もいらっしゃいます。
独身のうちはまだしも、結婚や子どもの誕生・進学といったライフイベントの時期と成績の悪かった時期が重なると、経済的に苦しくなる可能性が否めません。
この制度を採用する企業で働く方は、成績が良く稼げた時にしっかり貯蓄しておき、万が一の病気や事故に備えておくことをおすすめします。
【女性不動産営業の年収】女性が不動産営業で働くメリット
続いて、女性が不動産営業で働くメリットについて考えてみましょう。
女性が活躍できる職業はたくさんありますが、不動産営業では女性のどんな特性を活かせるでしょうか。
もちろん男性だから・女性だからというだけで、不動産営業の仕事をするのに、有利・不利ということがはっきり決まるわけではありません。
営業に不可欠なコミュニケーション能力・プレゼン力やフットワークの軽さなどの能力を活かせれば、未経験からでも努力次第で活躍できる職業です。
女性ならではの提案や気配りが重宝される
お客様が店舗を訪れる際、男性よりも女性のほうが話しやすいと感じる方は、珍しくありません。
女性であることは、お客様に安心感を与えられて、有利に働く可能性があります。
不動産企業には男性だけでなく、女性のお客様も数多く訪れるでしょう。
その中には、女性ならではの目線で部屋選びの条件を決めている方もいます。
その条件（防犯・トイレなど）を相談する相手は、男性よりも女性のほうが適任です。
女性の不動産営業の方なら、自身も家事動線の利便性が高い部屋・背が低くても手が届く収納など、女性視点で部屋のおすすめポイントを提案できます。
お子さんがいるファミリー層のお客様・女性のお客様に喜んでもらえる提案ができれば、仕事へのやりがいも感じやすいでしょう。
実力主義だからこそ、キャリアを構築しやすい
不動産の営業は年齢に関係なく、実力で収入を上げていける職業です。
若いうちからしっかり稼ぎたい方、早く出世してリーダー・管理職といった立場で仕事をしてみたい方に向いています。
現在は男女平等の考えが浸透している企業も多いですが、今でも企業の管理職は男性が多いです。
しかし不動産営業のような仕事では、成果を出せば男性・女性の違いは関係ありません。
企業・部署内で一番成果を出せた人が一番評価されるのが当たり前で、今まで女性だからという理由で重要な仕事を任せてもらえなかった方・男性ばかり良い役割を与えられると感じていた方は、こういった世界で勝負してみるのも良いでしょう。
もちろんずっと営業の仕事を続けるだけでなく、実力を評価されてから希望の部署へ異動する・転職するといった選択肢もとれます。
【女性不動産営業の年収】女性が不動産営業で働くデメリット
どんな仕事でもメリット・デメリットがあるので、仕事選びの際は自分に合っているか、よく検討しなければなりません。
女性が不動産営業の仕事をするのには、どんなデメリットがあるでしょうか。
続いては、女性が不動産営業で働く2つのデメリットを見ていきます。
以下で紹介する項目は、不動産だけでなく、営業職全般にあてはまることが多いです。
しかし不動産はとくに休日に店舗を訪れる個人のお客様を相手にすることが多く、ルート営業のような仕事が少ないためより「営業」色が強くなります。
土日が休みではないことが多い
法人営業で、営業時間内に相手先企業を訪問するタイプの営業マン以外は、お客様がお休みの日に商談をしなければなりません。
不動産の個人営業では、どうしても稼ぎ時が土日祝日になってしまいます。
そのため、不動産の店舗では土日に休みをとれるとは限らず、シフト制で働く可能性が非常に高いです。
もちろん完全に法人営業だけに従事する場合は、土日休みになる場合もあります。
また不動産の店舗は夜までオープンし、仕事帰りのお客様を受け入れるところもあるでしょう。
そういった店舗で働く場合、どうしても遅番のシフトで夜遅くまで働いたり夜に残業したりといった働き方を迫られます。
カレンダー通りに休みたい方は、不動産営業の仕事を辛いと感じる可能性が高いです。
体育会系でガツガツした雰囲気の会社も多い
インセンティブ制度の給与形態を敷く実力主義の企業・営業部署は、自分で契約を取って結果を出すのがすべてということを全員が理解しているでしょう。
そういった組織は、どうしても体育会系の雰囲気になる傾向があります。
同僚や先輩に仕事の相談をしても具体的なアドバイスよりも精神論で返ってくるなど、まず頭で考えるタイプの方にとっては合わないと感じることが起きる可能性もあるでしょう。
また、不動産営業は男性が多く、結婚・出産で休暇を取ることに難色を示したり理解が乏しかったりする社員がいる場合もあります。
男性中心の職場・体育会系の職場が合わないと思う方は、営業の仕事を志す場合でも、社風や社員の雰囲気を重視して職場選びをするのがおすすめです。
【女性不動産営業の年収】こんな女性は向いているかも
次に、どんな女性が不動産営業の仕事に向いているかを考えてみましょう。
営業の仕事はコミュニケーション能力がないと難しいですが、さらに性格によって向く・向かないがはっきり分かれます。
以下であげる特徴にあてはまるタイプの方は、営業に向いている可能性が高いといえるでしょう。
もちろん、向いている方でも営業は努力と件数が勝負です。
個人営業の場合は、とにかくお客様と数多く会う・話すチャンスを得てコツコツ数字を作らなければいけないこともあります。
心身ともにタフな人
不動産を借りる・購入するというとき、迷わずすんなり決められる人はあまり多くありません。
とくにマイホームを購入する際は、人生で一番大きな金額の買い物になる可能性が高いです。
そのため、一度は契約してくれるかもと思ったお客様が「やっぱり別の物件にしたい」「考え直させてほしい」とキャンセルしてきてもおかしくありません。
一方、新築の契約をキャンセルされた営業マンにとっては、お客様の心変わりで数千万の契約がなくなってしまうことになります。
不動産営業の方はそういった経験をしても、前向きに次の仕事に取り組める精神的なタフさが必要です。
お客様の都合に合わせて、朝や夜に仕事をしたり休日出勤したりと不規則な働き方をしなければいけないこともあり、体力面でのタフさも求められます。
目標が明確な人
不動産営業は社員にノルマを課す企業が多く、新築物件や法人契約など一件あたりの金額が大きい契約を扱うことが多い職業です。
そういった事情から、営業の中でも「失敗できない」というプレッシャーを受けやすい仕事であるといえます。
そのようなプレッシャーに打ち勝って仕事をするためには、自分の目標を明確にもっていることが大切です。
たとえば「男性に負けないくらい稼ぎたい」・「将来はお金を貯めて起業したい」といった目標を持っている方のほうが、高いモチベーションで仕事に臨めるでしょう。
また、目標を持って仕事をできる方は、ノルマをクリアするためのスケジュール管理ができる・負けず嫌いで、ノルマを達成できるまでやり抜く根性があるといった営業向きの長所を備えている可能性も高いです。
献身的な人
不動産営業は、まずお客様のために動かなければなりません。
自分が忙しいときでも、お客さんが訪問してきた場合は窓口で応対し、内見のために車を走らせます。
また、お客様から問い合わせがあればすぐに調べる・都合の悪いことでもお客様のために正直に説明するなど、自分を犠牲にして献身的にお客様と接することができる方は信頼されやすいでしょう。
お客様に誠実でありたい・お客様の喜ぶ顔を見たくて仕事をしたいと思える方のほうが、不動産営業に向いています。
とくに新築など大きな金額の契約を勝ち取るには、時間をかけて親身にお客様と接し信頼関係を強固にすることが欠かせません。
一見遠回りで損に見えても、献身的にお客様のために働ける方のほうが、企業に利益をもたらす可能性が高いです。
【女性不動産営業の年収】こんな女性は向いていないかも
先ほどまでの見出しとは逆に、こうした方は不動産営業に向いていない可能性が高いというタイプについても紹介します。
以下で紹介する項目にあてはまると思う方は、別の職種のほうが自分の良さを発揮できる可能性が高いでしょう。
営業向きではないからといって、必ずしも女性がビジネスの世界で成功できないということはありません。
経理といった事務作業や商品開発のアイデア出しが得意で周りから評価され、高い地位に就く方もたくさんいらっしゃいます。
ワークライフバランスを重視したい人
営業職はどうしても勤務時間が不規則になりがちで、とくに個人営業の多い不動産は、毎日9時～18時の8時間勤務で済ませられる可能性が低いです。
できるだけ残業を少なく、ワークライフバランスを重視したい方には、あまり向いていないといえます。
とくに不動産は繁忙期があり、新生活のために部屋を探す方が多い春先などは、どうしても忙しくなりがちです。
お客様から頼みごとをされると、勤務時間外でも断りにくく結果的に残業になることもあるでしょう。
またノルマが設定されていると、期の直前はノルマ達成のために必死で夜遅くまで残業したり休日出勤したりという働き方が当たり前になる可能性があります。
育児・介護といった理由でどうしても残業が難しい方は、営業ではない仕事を探すほうがおすすめです。
新しいことを取り入れるのが難しい人
不動産の営業に特別な資格は必要ないとはいえ、仕事で成功したいならどうしても宅建などの資格を持っているほうが有利になります。
そのため、営業マンになってからも、毎日勉強の日々になる可能性が高いでしょう。
不動産関係の法律はたびたび改正されるので、何か変更があったときは、すぐそのことを頭に入れなければなりません。
新しい知識を貪欲に取り入れられるタイプでないと、なかなか仕事で成功するのは難しいでしょう。
転勤がある場合、エリアごとの事情についても学ぶ必要があります。
お客様から物件の近所に関する情報を質問される機会は、非常に多いです。
このエリアはどんな層が多く住んでおり治安はどうなっているか・将来地価は上がりそうかなど、仕事をしながら覚えていきましょう。
正義感の強い人
営業トークは、できるだけ商材の良いところをアピールしつつ、弱点を隠す・フォローするようにするのがコツです。
不動産でも、お客様の要件をすべて満たした上で経済的にもお得という物件は、そうありません。
少しでも多くの契約を勝ち取るためには、お客様から聞かれていない弱点を、あえて触れないようにするテクニックも必要です。
そのため、正義感が強い方・何でも正直に言わないと気が済まない方は、仕事をしているうちに罪悪感を覚える可能性があります。
しかしすべて正直に話してお客様が契約してくれない場合、そのツケは成績が上がらないという形で自分が背負わなければなりません。
バランスよく、「お客様第一」の姿勢と利益優先の姿勢をあわせもっている方が、優秀な営業マンです。
【女性不動産営業の年収】転職するならエージェントを利用しよう
不動産営業を含め、良い転職先を探したいなら、転職エージェントの利用がおすすめです。
とくにおすすめのサイトは営業就活ドットコムで、専属アドバイザーがしっかり職場選びや面接対策などのサポートをしてくれます。
とくに転職後に職場が自分と合わなかったというミスマッチを防ぐためには、転職エージェントとしっかり面談しておくことが重要です。
ぜひ納得いくまで話し合いましょう。
営業就活ドットコムの詳しいサービス内容などは、こちらのサイトをご確認ください。
まとめ
不動産営業は男性・女性に関係なく実績を挙げれば評価される職種ですが、それだけに結果を出せないと、なかなか給与が上がらない・職場で叱責されやすいといった厳しさもあります。
厳しい環境でも、とにかく結果を出して周囲に認めてもらいたい・できるだけ自分の力で稼げる人間になりたいと思う方は、チャレンジしてはいかがでしょうか。
とくに新築など、大型契約を結ぶことができれば、その金額は何千万・何億にもなります。
他の業界で働く営業マンで、このレベルの金額を動かせる方は決して多くありません。
成功した時の達成感が非常に高い仕事をしてみたい方にも、不動産営業はおすすめです。
しかし体力面でのタフさが求められる仕事なので、仕事をしながら常に自分の体調管理に気を遣いましょう。
