【例文12選】転職面接で「苦労したこと」を聞かれたらどうする?回答のポイントや対処法を例文を交えて紹介!

【例文12選】転職面接で「苦労したこと」を聞かれたらどうする?回答のポイントや対処法を例文を交えて紹介!

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転職面接では「あなたの苦労したことを教えてください」と聞かれる機会は多くあります。

苦労したことなど、自分自身がこれまで大変だったことなどを回答すれば良いと考えがちですが、質問には必ず意図があります。

つまり意図を汲み取った回答ができなければ、採用に至らないという結果を招く可能性もあります。

そこで本記事では、「苦労したこと」を質問する意図から答え方のポイント、思いつかない場合の対処法などを解説しています。

回答例も記載していますので、自分自身の答えを考える際の参考にもしてみてください。

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【転職面接での苦労したことの例文を解説】転職面接で質問される「苦労したこと」は失敗談ではない

転職時の面接では、高確率で「苦労したことはなんですか?」という質問をされることがあります。

この時に答えるべき内容が思い浮かばずに悩む人は多いことでしょう。

苦労したこと=ネガティブな話ですから、悪い印象を与えてしまわないように回答に慎重にならなければなりません。

また、単純にプライベートで苦労したことを話しても良いのか、はたまた転職前の会社で苦労したことを話した方が良いのか…。

どのようなエピソードを話せば良いか迷う人がほとんどです。

転職時の面接で質問される「苦労したこと」に対する回答として正しいものは、単純な失敗談だけを語るだけではなく、その失敗を経て何を得られたか?という具体的なストーリーです。

ただ単に辛かったことを伝えても、会社側にとって何も有力な情報は得られません。

その会社に入った時、何かマイナスな出来事が起こった際に対処できる力があるかどうかを判断したいのです。

【転職面接での苦労したことの例文を解説】「苦労したこと」を聞く意図はなにか?

面接で「あなたの苦労したことを教えてください」と質問する意図は、主に以下の3つが挙げられます。

memo

・ストレスに感じることや耐性を知るため

・状況把握力や分析力を知るため

・問題解決能力を知るため

それぞれの意図について具体的に解説していきます。

ストレスに感じることや耐性を知るため

会社で何かマイナスなことがあった時、耐性があるかどうかを判断するために、「苦労したことはなんですか?」といった質問をされるのです。

会社に入ると楽しいことばかりではありません。

仕事を進めていく上で、様々なイレギュラーシーンに出会います。

例えば、営業職なら顧客からのクレームを受けてしまうこともあるでしょう。

時には理不尽なクレームを言われてしまい、対応に大きなストレスを感じるものです。

この時に早急に対処できる力と忍耐力を持っていなければ、仕事を円滑に進めることができませんから、会社側は転職者のストレス耐性を知るために「苦労したこと」について質問をするのです。

状況把握力や分析力を知るため

「苦労したこと」の質問を通して、あなたが適切に状況把握に努める力を備えているか、分析する力を備えているかを見極める意図もあります。

苦労したことのエピソードには必ず、どのような問題が起こったから苦労したのか、どのように解決したのかが含まれています。

つまり冷静に問題を把握して、適切に対応ができるのかということを見極めたいと思っています。

適切に問題に対処するためには、状況を客観的に見極める力が不可欠です。

さらに困難な状況に置かれた際には、自分がどのように動けば解決に導けるか分析することも必要です。

さまざまな状況が降りかかる社会人にとっては、こうした状況把握力や分析力が不可欠のため、「苦労したこと」の質問を通して企業側は知りたいと考えています。

問題解決能力を知るため

前段に付随して、面接官は単純に苦労したことを知りたいのではありません。

苦労する場面が発生した際に、あなたがどのように解決したのかを知りたいと考えています。

苦労しましたという回答だけでは、質問の意図を適切に捉えているとは言えません。

トラブルが起こった際に、どのような対処法を考え、実践し、解決したのかを知りたいのです。

つまり、ロジカルに苦労したことへの対処法を伝えることが必要です。

さらに苦労したことへの対処法に加えて、その苦労が再発しないためにどのような工夫をしたのかなども見たいと考えています。

なんども問題を起こしていては意味がありません。

問題の根本を断ち、業務を前に進められる問題解決能力を見極めたいという意図があります。

過程を重視しているため

面接官は、単にあなたが「苦労したこと」を知りたいわけではなく結果に至るまでの過程を知りたいと考えています。

企業が過程を重視している理由は、過程から問題解決力や状況把握力、分析力などの能力を持っていることを知ることができ、選考材料となりうるからです。

つまり、苦労した状況からどのような努力をしてその状況を打開したのかを深掘りして面接官に伝えなければいけません。

「苦労したことは、〇〇です。」と伝えるだけでは不十分で、過程を重視して伝えることを意識しましょう。

【転職面接での苦労したことの例文を解説】苦労したことへの回答例を考えるポイント

実際に苦労したことへの回答を考える際には、以下の3つのポイントを意識しながら作成することが大切です。

memo

・企業が求める人材に合わせた回答にする

・プロセスを重視した回答にする

・苦労したことを志望先でどのように活かせるかを具体化する

それぞれのポイントについて解説していきます。

企業が求める人材に合わせた回答にする

最初のポイントは「企業が求める人材に合わせた回答にする」ということです。

一口に苦労したことと言っても、応募者によって苦労の内容は千差万別です。

苦労した内容や対処法などが、企業が求める人材に合致していなければ、前向きな回答には至らないでしょう。

志望する業界や職種によって、業務で起きるトラブルは大きく異なります。

営業職であればクライアントからのクレーム、エンジニア職であればシステムエラーなどかもしれません。

つまりそれぞれの問題に対して、求められる対処法も異なります。

参考までにですが、業種ごとに求められる人物像は以下のようなタイプです。

業種別求められる人物像

・営業職…ポジティブな姿勢がある、課題解決力を持っている

・技術職…問題の優先順位をつけて早急な対処ができる

・事務職…臨機応変に対応できる、与えられたタスクに責任感を持って最後まで取り組める

なお、企業側はミスマッチを避けるために、応募要項などに「求める人材像」を記載していることが多くあります。

さらに企業理念や社風などの企業研究を重ねることで、求める人材像が見えてきます。

企業研究や自己分析に深みをつけ、企業が求める人材に合わせた回答を考えると良いでしょう。

プロセスを重視した回答にする

適切な回答とするためには、プロセスを重視することが大切です。

「〇〇のようなことに苦労しました」と回答した場合、面接官が気になるのは「なぜか」という点です。

「なぜその出来事に対して苦労したのか」「なぜその苦労を乗り越えることができたのか」を知ることで、自社に適した人材かを見極めることが可能です。

反対に言えば、この「なぜ」が回答できない答えだと、採用には至らないでしょう。

〇〇ということに苦労し、〇〇という方法や〇〇という考え方で、〇〇という結果につながったというようにプロセスを重視した回答を作るようにしましょう。

プロセスがきちんと整っている回答を作成できれば、前章で解説したように、問題解決能力や状況把握能力があると面接官にアピールすることが可能です。

苦労したことを志望先でどのように活かせるかを具体化する

苦労したことを述べ、どのように解決したかに加えて、その苦労から志望先でどのように活かせるかまで落とし込むことが大切です。

志望先でどのように活かせるかは、企業研究や業務内容について深く調査する必要があります。

前段に解説した「企業が求める人材に適した回答」にもつながるように、企業に適したエピソードにしていくなど、回答を作る際は意識していくと良いでしょう。

企業が求める人材に適した回答で、経験した苦労を志望先でどのように活かせるかまで落とし込むことができれば、面接官に好印象を与えられます。

また、どのように活かせるかを具体化することで、面接官にも入社後のイメージをしてもらいやすくなるため、わかりやすい回答にもつながります。

【転職面接での苦労したことの例文を解説】苦労したことへの回答手順

前章で解説したようなポイントを意識しながら、相手に伝わりやすい形で回答を整えることが必要です。

相手に伝わりやすい回答とするためには、以下のような手順で回答を考えていくと良いでしょう。

伝わりやすい回答

・結論から伝える

・苦労した概要や理由を伝える

・解決策と結果を伝える

・苦労したことから学んだことを伝える

それぞれの手順で具体的にどのように落とし込むかを解説していきます。

結論から伝える

回答は必ず結論から伝えることが大切です。

なぜなら結論から伝えることで、面接官に対してもどのような苦労なのかを簡潔に伝えることができるからです。

「私が苦労したことは〇〇です」というように、はじめに結論から回答をしていくと良いでしょう。

回答の最初に結論を伝える方法を「PREP法」と呼ばれています。

PREP法とは、要点(Point)→理由(Reason )→具体例(Example)→要点(Point)の順で構成されている文章のことで、多くのビジネスシーンで利用されているものです。

はじめに結論から伝えなければ、面接官もいったい何の苦労の話なんだと混乱してしまう可能性があります。

前置きを置かずに結論から伝えることを意識して回答を作っていきましょう。

補足|面接でもビジネスでも使える「PREP法」

PREP法を使って伝える内容はわかりやすく、聞き手(または読み手)が理解しやすいことが特徴です。

最初に結論を伝えることで何の話をしているのかがわかりやすいため、1回の話でもスムーズなやりとりが可能となり、効率よく対話を進めることができるのです。

なお、このPREP法は面接だけでなくあらゆるビジネスシーンで役に立ちます。

特に営業職の商談の場では、PREP法を使って提案をすることで相手の心に刺さるプレゼンがしやすくなります。

苦労した概要や理由を伝える

結論を伝えた後は、苦労した概要やその理由についてを伝えていきます。

前章で解説したように「なぜ苦労をしたのか」を伝えるのが、この部分になります。

概要や理由は相手に伝わりやすいように、なるべく具体的に話していくことが大切です。

たとえば、あるプロジェクトのメンバー管理で苦労した場合には、以下のような例が挙げられます。

「サブリーダーとしていくつものプロジェクトに関わったことはありましたが、リーダーになったうえでプロジェクトの進捗管理は、より慎重に行わなければならないと考えてしまい、なんどもメンバーに進捗状況を確認してしまいました。

結果として、進捗状況を把握できたものの、メンバーが業務を進める時間を奪ってしまう形になっていました。」

なぜ苦労したのか、その理由はどのようなものかを相手に伝わりやすいように落とし込むことを意識しながら、回答を作ってみましょう。

実際に自分が苦労した経験になるので、思い出しながら丁寧に作成していくことが大切です。

解決策と結果を伝える

苦労した概要や理由まで伝えたら、どのように解決したのか、その結果はどのようなものだったのかを伝えていきます。

例えば、以下のような伝え方がベターです。

伝え方の例

「前職で新規のプロジェクトをまかせてもらった時に進捗に遅れを出してしまった時の話です。要因としては私が初めて携わる分野だったこともあり、一つ一つのタスクに対する時間配分を間違ってしまったことです。その時のメンバーにも多大な迷惑をかけてしまったのですが、すぐにメンバーごとのタスクを細分化して任せる仕事を再配分したことで納期に間に合わせることができました。」

多くの転職希望者が苦労した概要までで止まってしまい、解決策や結果にまで至らない回答も多いため、きちんと落とし込むことが大切です。

その苦労に対して、どのような方法や手段を用いたのか、なぜその方法を採用したのかなどを具体的に伝えていくと良いでしょう。

解決策に正解はないため、どのように苦労を解決したかのプロセスに重きを置いて伝える意識が大切です。

結果も合わせて伝えることで、より面接官のイメージがしやすくなります。

基本的に乗り越えた苦労を回答するため、良い結果に結びついた理由と合わせて伝えることで説得力が増していきます。

同じことで苦労しないようにどうするかを伝える

最初に結論を伝え、その後で苦労したことへの解決策とその結果を伝えることが効果的だとお伝えしました。

その上で、企業に入社後に同じようなことで苦労しないようにどのようなことをしていくのかを伝えるべきです。

転職後に同じようなことで苦労して、つまづいてしまっては時間を取られてしまい成長する時間を奪われてしまいます。

事前になぜ苦労してしまったのかを分析し、原因を追求しておきましょう。

そうすることで、同じ失敗を繰り返さない人材であることを企業にアピールすることができます。

苦労したことから学んだことを伝える

苦労の結論から概要、解決策とその結果を伝えたら、最後に何を学んだかを伝えることが大切です。

苦労して乗り越えた結果、何を学び、どのように活かしていきたいかまでを回答することで、面接官へのアピールになります。

業務において何かを学び、乗り越えることは多々あります。

業務内容が複雑化すればするほど、学習能力は求められるため、非常に大切な回答になります。

また学んだことを志望先でどのように活かしていきたいかまでを伝えることができれば、より効果的です。

そのためには、企業研究を隅々まで行うことが求められます。

【転職面接での苦労したことの例文を解説】苦労したことの質問に対する回答例

本章では「あなたが苦労したことは」の質問に対する回答例を紹介します。

前章までで解説した回答手順での回答になっているため、自身で回答を作る際は、参考にしてみてください。

営業職で苦労したこと①

私が苦労したことは「成果に対するアプローチ方法」です。
前職の営業職では、毎月のノルマが各個人で定まっており、私はノルマが達成できない月が数ヶ月に渡って続いていました。
同僚には成果を出し続けている者もおり、自分となにが違うのかわからない日々が続き悩んでいました。
そこで私は成果の出ている同僚にお願いをし、3日間営業活動に同行させてもらいました。
3日間同行していく中で気付いたことは、「準備に時間をかけ顧客によってアプローチを変えている」ということでした。
自分の営業スタイルを振り返るとマニュアルに沿った対応をどの顧客に対しても行なっており、顧客のニーズに合わせた提案活動が行えていないと思いました。
そこで私もそれぞれの顧客の悩みや課題、ニーズをまとめることに時間を割き、顧客に合わせた提案スタイルに変化させていきました。
結果として画一的なアプローチはなくなり、成果につながるようになっていきました。
最終的には、ノルマを達成することが当たり前にできるようになり、社内で表彰をいただくまでになりました。
こうした「成果に対するアプローチ方法」は、顧客によって異なることに気づき、成果にもつながったため、御社においてもこの手法で貢献していきたいと考えております。

営業職で苦労したこと②

私が苦労したことは「ノルマを達成できない時期が長く続いたこと」です。
営業職として働き始めた頃はノルマを達成できない月が続いて苦労しました。
なぜノルマが達成できないのか、原因を追求すると顧客全員に対してマニュアル通りの全く同じ対応をしていたことが判明しました。
顧客によって抱えている問題が異なるのにもかかわらず、営業のプロセスを全て同じように行っていたために違和感を生じていました。
その解決策として、マニュアル通りに営業するのではなく顧客一人一人のニーズに沿って営業を行いました。
まず、各顧客のニーズを調べるところから始め、ニーズに沿って柔軟な対応をすることを心がけました。
その結果として、ノルマを達成することができました。
この経験から柔軟性の重要性を学ぶことができました。
御社に入社できましたら、この経験を活かして顧客のニーズに沿った柔軟な対応をして御社に貢献したいと考えています。

営業職で苦労したこと③

私が苦労したことは「目標へのモチベーションコントロールと画一的なアドバイスでは成果が望めないこと」です。
私は営業目標を設定することでチームのメンバーのモチベーションが高くなると考えていました。
しかし、目標を達成することでどのようなメリットがあるかを理解できていないメンバーも多く、自主的・意欲的に行動することが難しい状況にありました。
そこで、同僚や上司にアドバイスを求め個々にあった指示の方法を模索し、長所を活かしたアドバイスを個人ごとに行うことにしました。
そうすることで、モチベーションコントロールを達成することができ、売上の向上に繋がりました。
御社ではこの経験を活かして柔軟に対応していきたいと考えています。

管理職で苦労したこと①

私が苦労したことは「メンバーに対するモチベーションのコントロール」です。
営業管理職として働いていたため、昨年からの営業成績の向上が私に与えられたミッションでした。
しかし管理職が初めての経験だったため、どのようにメンバーを動かせば良いかに悩み、メンバーのモチベーションも落ちていると感じました。
メンバーが意欲的に動いてくれなければ、目標を達成することができません。
そのために私は、メンバーの観察とコミュニケーションを増やすことにしました。
メンバーの得手不得手をきちんと認識し、メンバーの特性に合わせた仕事の割り振りをすることにしたのです。
たとえば新規開拓に意欲を見せるメンバーには、新規開拓のミッションを与えるなどです。
画一的な目標ではなく、個々に合わせた目標を与え、アドバイスを続けることで、メンバーのモチベーションをコントロールしました。
結果として、前年度比から営業成績を10%伸ばすことを達成し、新規顧客数も目標の2倍の数を獲得しました。
御社においても、これまで培ったマネジメント経験を活かして、目標達成に尽力したいと考えています。

管理職で苦労したこと②

私が苦労したことは「プロジェクトの進捗状況に影響を及ぼしてしまったこと」です。
私はそれまでに、いくつかのプロジェクトに携わったことがあり、プロジェクトをどのように進めていくべきなのかのプロセスを理解していました。
初めてプロジェクトの責任者を任された時も、期待に応えようと一人で抱え込んでいたこともあり、プロジェクトがうまく進みませんでした。
プロジェクトが円滑に進まない原因に気づいた私は自分の実力不足を補うため、上司や同僚などプロジェクト関係者に関わらずアドバイスを求めました。
それを基盤にして、進行調整をはかり、情報共有のコミュニケーションをまめにとる事でスムーズにプロジェクトが進行するようになりました。
それからは自分だけで業務を進めるのではなく、人の意見とコミュニケーションを大切にするよう心がけています。
御社で採用されましたら、互いに意見を出し合い助け合える人間関係を築き、スムーズで効率的な作業をしていきたいと考えています。

エンジニアで苦労したこと

私が苦労したことは「新しい技術を導入する際に発生した調整とチームの適応」です。
私たちは新しい開発フレームワークを導入することになり、慎重な計画と全体のコミュニケーションが不可欠でした。
新しい技術に移行する過程で、チームメンバーのスキルセットの向上や、既存のコードベースとの統合に関する様々な課題が浮かび上がりました。
その中で、私はコミュニケーションの促進とスキルの向上を促進するために積極的にリーダーシップをとりました。
技術的な課題に対処するだけでなく、メンバー間の協力を強化し、ベストプラクティスを共有することで、プロジェクト全体を成功に導くことができました。
この経験から、私は柔軟性と協力が求められる状況でのリーダーシップの重要性を学びました。
今後も新しい挑戦に果敢に取り組み、チーム全体を成功に導くことに貢献していきたいと考えています。

【転職面接での苦労したことの例文を解説】苦労したことの質問で避けた方がよい回答

面接で苦労したことを質問された際には、避けるべき回答があります。

具体的には、以下の2つが挙げられます。

●簡単に解決できる苦労の回答

●具体性のない曖昧な回答

これらの回答は、面接官が質問した「苦労したこと」に対する意図と違ったものになるので、「質問の意図を理解できていないな(=コミュニケーション能力があまりないな)」と判断されてしまうことにもなりかねません。

以上2つの回答を避けるべき理由と具体的なNG例について、解説していきます。

簡単に解決できる苦労の回答

簡単に解決できるものを「苦労」としてしまうと、面接官の評価を落としてしまいます。

なぜなら、簡単な業務すら満足にこなせない人材だと思われてしまう可能性があるからです。

たとえば、「社内のコミュニケーションに苦労して満足に業務を進めることができなかった」というのは、苦労した事柄になるでしょうか。

業務において自分一人で完遂することは稀であり、誰かと協力しながら進めていくことが当たり前と言っても過言ではありません。

当たり前であるコミュニケーションを苦労だと感じてしまう人材だと、企業としては雇うリスクを感じてしまいます。

客観的に見て、苦労だと感じる事柄の回答となっているかをきちんと確認することが大切です。

以下のような回答は「簡単に解決できる苦労」というイメージを与えてしまうので注意しましょう。

●NG例

「前職では一日100件ものテレアポをしていました。

一日中電話に張り付いていたため辛かったですが、行動件数を落としたことはありません。

●上記がNGな理由

「一日100件のテレアポ」というのは会社から与えられたタスクであり、こなすことは当たり前です。

これを苦労と捉えてしまうと逆にマイナスな印象を与えてしまいます。

具体性のない曖昧な回答

繰り返しになりますが、「あなたが苦労したことは何ですか」という質問には、状況把握力や問題解決力が備わっているかを判断したいという意図があります。

そのため、質問には具体性を持って回答することが求められます。

具体性のない曖昧な言葉だと、なぜ苦労したのかなどが伝わりにくく、あなたに十分なスキルが備わっているかを判断することができません。

抽象的な言葉は避け、説得力のある回答が求められます。

具体性を出すためには数字を用いるのが効果的です。

苦労から解決までに要した時間、残した実績の数値などです。

面接官はあなたの苦労したことを初めて聞くため、丁寧にイメージしやすい言葉で伝えることが大切です。

●NG例

「私は大学受験の時に、第一志望だった◯◯大学がずっとE判定だったのですが、努力を重ねたことで無事に結果が実りました」

●OK例

私は大学受験の時に、第一志望だった◯◯大学がずっとE判定でした。

この時、入試まで5ヶ月しかなかったのですが、この5ヶ月間で合格にたどり着くまでに逆算したスケジュールで学習を進めました。

◯月には◯◯のプログラムに着手し、◯月には◯◯を行いました。

その結果、短期間でE判定から合格を掴み取ることができました。

【転職面接での苦労したことの例文を解説】「苦労したこと」を回答する際の注意点

苦労したことについての回答をする際には、前章で解説したような避けた方が良い回答に加えて、以下のような3つの注意点があります。

・他責思考にしない

・マイナスな発言のみに終始しない

・仕事やスキルに関係ない回答にしない

それぞれの注意点について、具体的に解説していきます。

他責思考にしない

最も注意したいのが苦労したことを他責思考にすることです。

たとえば「前職では同僚が仕事についてのコミュニケーションが疎く、残業が続いてしまい苦労しました」などです。

たしかにあなたが苦労したとわかるシチュエーションですが、同僚がいなければ苦労に至っていないようにも聞こえます。

改めてですが、苦労したことの質問の意図は、あなたに問題解決力があるかなどです。

苦労を他人のせいにしてしまうと、入社後も仕事を振った際に他責思考で物事を考えてしまうなどのイメージを与えてしまいます。

苦労したことについては、自分自身に矢印を向けた回答にすることが大切です。

マイナスな発言のみに終始しない

苦労したことに対する回答は、マイナスな発言になりがちです。

言い換えるのであれば、愚痴のようにならないことが大切です。

面接官が聞きたいのは、あなたの苦労話や愚痴ではなく、苦労したことをどのように解決したのかといったプロセスです。

つまり苦労したことが主題ではなく、苦労をどのように解決したかが主題になります。

意味を履き違えてしまうと、苦労した点を重視してしまい、マイナス発言が多くなってしまいます。

改めて自分の回答を考える際は、きちんと苦労したことを解決したプロセスに重きをおいたものになっているかを確認してみてください。

仕事やスキルに関係ない回答にしない

当然ですが、苦労したことの回答はあなたの仕事に関わることや、スキルに関係することであることが求められます。

仕事やスキルに関係ない回答をしてしまうと、面接官に質問の意図を読み取れていないと判断されてしまい、採用には至らないでしょう。

たとえば、「幼い頃、親が大病を患ってしまい、家事などをひとりで行っている期間は苦労しました」などの回答です。

たしかに人生の中で苦労した出来事かもしれませんが、転職の面接においては質問の意図を履き違えています。

転職面接において採用してもらうためには、自社に来てもらう価値のある人材だと思ってもらうことが必要です。

そのためには、苦労したことの質問からも、あなたが自社にとって必要な人材だと判断してもらえるような回答が必要です。

プライベートにおいて苦労したことではなく、業務において苦労したことなどを深掘りして考えていくようにしましょう。

「苦労したことがない」という回答はNG

ポジティブな性格の方だと、苦労したことが思い浮かばないという方も多いでしょう。

一般的には苦労だとしても、それを苦労と捉えない考え方はとても素敵なものです。

しかし、面接の場では「課題にどう向き合えるか」を伝えるべきなので、何か逆転したエピソードなどを振り返って考えてみましょう。

【転職面接での苦労したことの例文を解説】苦労したことが思いつかない場合の対処法

苦労したことの回答を考える際に、なかなか自分が苦労してきたことを思い出せない人は少なくありません。

その際は、以下のような対処法を用いて考えてみてください。

対処法

・自己分析の深掘り

・第三者に意見を求める

・転職エージェントに相談する

それぞれの対処法について、解説していきます。

自己分析の深掘り

まずは、自己分析をさらに深掘りしていく方法です。

苦労したことについてのエピソード等が思いつかない場合は、自己分析がまだまだ浅いことが少なくありません。

そのため、改めてこれまでのキャリアを詳細に棚卸しすると、新たな発見が出てくることもあります。

自己分析の方法としては、基本的に以下のような流れで行います。

自己分析の方法

・今までの人生で印象的だったエピソードを、子供〜大人時代まで振り返って挙げる

・なぜ印象的だったのかを深掘りする

・その時に頑張ったことを言語化してみる

・その時に発揮できた自分の力を言語化してみる(=これが自分の”強み”である)

また、自己分析の中で、自分の実績としてアピールした点を深掘りしてみるのも一つの方法です。

単純な実績をアピールするだけでなく、前年度比でどれくらいの差が生まれたのか、なぜその実績を実現できたのかなどを改めて棚卸しすると良いでしょう。

実績を出した場合、その理由が必ずあります。

自分自身では大したことはないと感じている理由でも、他の人から聞くと素晴らしい工夫である場合も多いです。

改めて自己分析を深掘りし、些細な事でも苦労して解決したことはないかを確認してみてください。

ライフラインチャートを作成する

苦労したことが思いつかない場合は、ライフチャートを作成することをおすすめします。

ライフラインチャートとは、自分が経験したエピソードを図を使って表すというものです。

ライフラインチャートを作成することによって、自分自身の人生の流れや転機、喜びや挫折などを視覚的に確認することができます。

ライフラインチャートを使って、自分の過去を振り返りながらその時期の自分の心境や出来事を客観的に理解して、自己認識を深めることができます。

ライフラインチャートを作成して、自分が苦労したことを発見してみましょう。

第三者に意見を求める

自分自身では、なかなか苦労したことが出てこない場合は、第三者に意見を求めてみるのも良い方法です。

例えば、家族や友人に「自分はどういう人か」「どういう強みがあるのか」を聞いてみてください。

その際に、「なぜそう思ったのか」という背景が聞ければ、苦労した上で解決できたエピソードを見つかる可能性が高まります。

転職エージェントに相談する

転職活動の中で転職エージェントを活用しているのであれば、相談してみるのも良い方法です。

転職エージェントは、あなたの他にも転職活動を行なっているさまざまな人材を見てきているため、あなたの自己分析の深掘りする手助けをしてくれます。

その中であなたが苦労したことのエピソードについても、他の視点から質問などをしてくれるため、気付くきっかけになり得ます。

また転職エージェントは、あなたが志望している企業が欲している人物像を理解しているため、あなたの苦労したことの回答の添削もしてくれます。

適切なアドバイスをしてくれるため、エージェントを利用している場合は、積極的に活用すると良いでしょう。

まとめ

「あなたが苦労したことについて教えてください」という質問には、あなたのストレス耐性の把握や問題解決力の把握などさまざまな意図があります。

質問の意図をきちんと汲み取り、志望先に対して価値のある人材だと感じてもらえるような回答を作成することが大切です。

そのためには、自己分析の深掘りはもちろんのこと、企業研究も欠かすことはできません。

あなたの苦労したことに対する回答がきちんと整えば、採用への大きな一歩となるでしょう。

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