ガクチカにはさまざまなことを取り上げることができますが、そのうちの一つに、大学時代の教育実習があります。
教育実習に一生懸命取り組んできた経験は、ガクチカとしてアピールしやすいことの一つです。
ガクチカがない…と困ったときは、教育実習の経験をアピールすることもぜひ検討してみましょう。
しかしそうは言っても、「教育関係の仕事ではないけど大丈夫?」「正直そこまで立派なエピソードではないけど…」など、人によってはガクチカとしてアピールするうえで不安に感じることもあるでしょう。
そこで今回は、ガクチカとして教育実習の経験をアピールするときのポイントを解説していきます。
あわせて例文やNGマナーなども紹介していくので、ガクチカ作成に困ったときはぜひ参考にしてみてください。
【ガクチカ:教育実習】ガクチカって何?
まずは、そもそも就活における「ガクチカ」とは何なのかおさらいしておきましょう。
ガクチカとは「学生時代に力を入れたこと」を指しており、一般的に就活対策などでは「ガクチカ」と略語で言及されることが多いです。
ESや面接でもガクチカは定番の質問となっており、多くの企業は、就活生に質問する中でガクチカは何か尋ねてきます。
そのためガクチカ対策は就活において必須で、事前に対策しておかなければ、うまく答えられないことが多いため注意が必要です。
「大学ではアルバイトやサークルに明け暮れていたので、正直取り上げられるエピソードなんてない…」と困っている人も多いかもしれません。
しかしガクチカはそこまで大げさにとらえる必要はなく、何かしら「工夫したこと」「集中したこと」などであれば、問題はありません。
教育実習に行った経験がある人は、教育実習の経験をガクチカにするのもおすすめです。
【ガクチカ:教育実習】ガクチカで教育実習をアピールできる?
ガクチカで教育実習をアピールするときは、そもそも「教育実習=ガクチカってどうなの?」と疑問・不安に感じることも多いでしょう。
結論からいうと、ガクチカで教育実習をアピールすることは、何も問題はありません。
むしろ教育実習のエピソードではさまざまな工夫・苦労した経験などをアピールしやすいため、うまく伝えれば、高評価につながることも多いです。
工夫の内容や失敗から考えたことなどから自分の価値観・人柄が伝わりやすく、さらには課題解決能力などのスキルを買ってもらえるからです。
もちろん、志望先が教育関係の企業・業界でなくても問題はありません。
そのため高い評価につながりやすいという意味では、教育実習をガクチカにするのはおすすめです。
しかし、「教育実習には行ったけれど、ガクチカとして何を書けば良いのかわからない」と困ることも多いでしょう。
そのためまずは、ガクチカの書き方や焦点を当てるべきポイントなどを理解する必要があります。
ポイントをしっかり押さえたうえで、教育実習をガクチカとして効果的にアピールしてみましょう。
【ガクチカ:教育実習】ガクチカで人事の人が見てるポイント
ガクチカを伝える際に、気になる点は「そもそも人事担当者はガクチカを聞いて何をチェックしているのか」というポイントです。
教育実習をガクチカにしてアピールする際は、あらかじめ人事担当者がチェックしていることを理解しておくと、より効果的な内容に仕上げられる可能性があります。
そのためここからは、ガクチカで人事担当者が見ているポイントを解説していきます。
人事担当者が見ているポイントは、具体的には次の2つが挙げられます。
①成長して何を学んだのか
②入社したら活躍してくれるのか
では、それぞれについて詳しく解説していきます。
①成長して何を学んだのか
まず、ガクチカで重要となるのは、頑張った内容の種類やエピソード自体の立派さではありません。
どれだけ立派なガクチカをアピールしたとしても、そこから本人の価値観や人柄などの本質的な部分が伝わってこないと意味がありません。
人事担当者はガクチカを聞くことで、まず、学生が成長して何を学んだのかチェックしています。
つまり「この人は経験を通じてそこから学びを得て、成長につなげていけるのか」という点を評価しているといえます。
しかし成長や学びといっても、必要以上に大きく考える必要はありません。
「○○ができるようになった」というわかりやすい成長ではなかったとしても、教育実習の中でたとえば「継続して物事を続けることの大切さ」を実感したとすれば、それだけで学びや成長は自分の中では少なからずあったはずです。
そこで得た学び・成長を具体的に伝えれば、ガクチカとしてさまざまな課題に取り組んできたことが人事担当者にも伝わるでしょう。
結果、評価にもつながるため、ガクチカでは「成長して何を学んだのか」を明確に伝えることが大切です。
②入社したら活躍してくれるのか
ガクチカを聞くことで、企業の人事担当者は、学生の入社後の活躍について考えることになります。
優秀なスキルと経歴を持っている学生でも、事業内容や社風的に「合わない」と判断されれば、活躍イメージはつかめないものです。
就活は単純なアピールの場ではなく、最終的には「企業に自分を売り込む場」であることを忘れないようにしましょう。
そのため、ガクチカを通じて「この人はうちで活躍してくれそう」と人事担当者に評価してもらうには、企業が求める人材や社風を知る必要があります。
企業のニーズをつかんだうえで、ガクチカを通じて自分がそのニーズに合う人材であることをアピールするということです。
業界・企業研究をしっかりと重ねたうえで、ガクチカで企業と自分自身のマッチ度の高さを積極的にアピールしていきましょう。
【ガクチカ:教育実習】ガクチカの作り方
教育実習をガクチカでアピールするときは、わかりやすく伝えるためにもガクチカの作り方を理解していきましょう。
ガクチカは基本的に、内容を理論的かつ明確に伝えるための構成を意識することが重要です。
構成は文章の流れであり、流れに沿って書けば自分自身でも書きやすくなります。
基本的なガクチカの構成は以下のとおりです。
①結論
②行動
③課題
④結果
はじめに結論から触れたうえで、最終的にガクチカを経てどのような学びがあったのか伝える流れになります。
では、構成のポイントをそれぞれ詳しく解説していきます。
①結論
まずは、結論に触れましょう。
結論ファーストで文章を構成することで、全体の内容や流れがわかりやすくなるからです。
いきなり理由や背景などから述べてしまうと、ダラダラと話してしまうことが多くなり、内容がわかりにくくなるため注意が必要です。
ガクチカの場合、結論として述べるべきポイントは「何に力を入れてきたのか」という点です。
教育実習をガクチカにするなら、「ガクチカ=教育実習であること」が伝えたいことです。
ただ、最終的にガクチカではどのようなことを学んだのか伝える必要があります。
そのため最初の結論では、「私は学生時代に、特に教育実習に力を入れて取り組んできたため、その経験を通じて課題解決能力を鍛えることができました」などの伝え方が望ましいでしょう。
②行動
ガクチカの構成では、「結論」に触れたあとに「行動」を詳しく伝えていきます。
ガクチカにおける「行動」とは、その出来事の中で何があって、自分がどのような行動を取ったのかを詳しく伝えるポイントです。
状況を具体的に説明することで、採用担当者はエピソードの内容をつかみやすくなります。
教育実習の場合、実習中にどのようなことが起き、それに対して自分が取った行動を伝える流れです。
ただし、内容を具体的に書くことは大事ですが、必要な情報と不必要な情報の切り分けは忘れないようにしましょう。
具体的に書きすぎると、長文すぎるあまりかえって内容がわかりにくくなるため、必要な情報をかいつまんでわかりやすく書くことが重要です。
③課題
ガクチカでは、問題に対して自分自身がどのような行動を取り、工夫を凝らしたのかが重要になります。
人事担当者は、実際に学生がどのように困難を乗り越えたのかチェックすることで、一人ひとりの人柄やポテンシャルを評価しています。
どのような出来事にも問題や課題はつきものです。
それらに取り組む際には、自分自身では多かれ少なかれ工夫をしているはずです。
教育実習の中で何が大変だったのか、その大変なポイントをどう乗り越えたのかをよく思い出し、ガクチカの内容にしっかりと盛り込みましょう。
④結果
大変だったことやそれに対して工夫したことなどを具体的に書いたうえで、ガクチカでは最後にどのような学びや気づきがあったのか触れることが大切です。
ガクチカで重要なのは内容そのものではなく、その経験を通じて得た学びや気づき、それによる自分の成長です。
自分の行動や取り組みの結果、どのようなことが起こり、最終的に何を学んだのかわかりやすく書くと良いでしょう。
華々しい成功や圧倒的な成長がなくても問題はありませんが、行動前と行動後の変化はわかりやすく伝えたいところです。
そのうえで、経験を通じ学んだことを活かし、入社後に積極的に貢献していきたいことを述べると良いでしょう。
【ガクチカ:教育実習】作成するポイント
教育実習をガクチカにするときは、いくつかのポイントに注意して文章を作成する必要があります。
ガクチカを作成するポイントは、次のとおりです。
①文字数指定があるのを忘れない
②具体的なエピソード・根拠を書く
これらを意識してガクチカを作成すれば、教育実習というガクチカはより伝わりやすくなります。
では、具体的に重要なポイントをそれぞれ解説していきます。
①文字数指定があるのを忘れない
ガクチカを作成するときは、まず、文字数指定があることを忘れないようにしましょう。
文字数は短すぎるのもNGですが、長すぎるとダラダラと内容を述べている印象になり、結果としてわかりにくくなります。
特に教育実習は2~3週間と長い活動のため、全体のことに触れようとすると、どうしても内容が長くなりがちです。
規定の文字数をオーバーしないように、ガクチカを作成するときは、指定された文字数ルールをしっかり守りましょう。
長くなりすぎたときは、要点を絞ることで文字数を減らせます。
長さを調整しながら、読みやすくわかりやすい内容に仕上げましょう。
②具体的なエピソード・根拠を書く
ガクチカを作成するときは、具体的なエピソード・根拠を書く必要があります。
文字数を気にしすぎると、かえって短くなって内容が薄くなることはよくあるものです。
ペラペラの内容では具体性に欠けるため、説得力や深みが感じられません。
具体的に何を頑張って何を学んだのかが見えてこないため、アピールとして意味をなさないでしょう。
むしろ「雑に書いている」「対策が不十分」と判断されて、悪い印象につながることも多いです。
文字数のルールはしっかり守る必要がありますが、具体性を持たせることは忘れないようにしましょう。
課題発見・仮説建て・実行・結果については、わかりやすく具体的に述べるようにしてください。
【ガクチカ:教育実習】ガクチカのNGマナー
ガクチカを書くときは、やってしまいがちな失敗に注意しましょう。
就活ならではのアピール文章の作成に慣れていないと、知らず知らずのうちにミスや失敗を重ねてしまうことは多いです。
具体的なNGマナーには、以下の2つがあります。
①語尾が統一されていない
②取り組んだことの羅列
では、詳細をチェックしていきましょう。
①語尾が統一されていない
文章を書く際は、語尾が統一されているかよくチェックしましょう。
一般的に、ESなどでガクチカを書くときの語尾は、「です」「ます」調が望ましいです。
「~です」「~しました」などの語尾で統一し、「~だ」「~である」調との混同には注意しましょう。
レポートや課題などでは「~だ」「~である」などの語尾を用いることも多いため、気づかないうちに混同してしまう学生は多いため注意が必要です。
なお、統一されているのであれば「である」調でガクチカを作成するかたちでも問題ありません。
問題なのは統一性が見られないことなので、どちらかに統一し、混同には十分に注意しましょう。
②取り組んだことの羅列
ガクチカを作成するときは、取り組んだことをただ羅列するだけの内容にならないよう気をつけてください。
教育実習ではさまざまなことを経験しますが、その経験したことを箇条書きのように羅列するだけでは、工夫ポイントや困難に感じたことなどが伝わってきません。
結果的に自分の人柄や価値観なども伝わりにくくなるため、人事担当者には響かない内容になってしまうでしょう。
そのため取り組んだ内容と取り組んだ理由、そしてその結果を、わかりやすく伝えることを意識しましょう。
【ガクチカ:教育実習】例文
その経験から学んだ、うまくいかないなかでも問題を解決できる力を今は強みとしています。
一生懸命、飽きの来ない授業内容と進め方を考えてきたつもりでしたが、やはり事前に考えたことと実践は違うことを学び、同時に授業の進め方の難しさを実感しました。
そこで私は先輩である先生の授業を見て勉強させていただき、授業の所々でアニメの話を余談として挟んでいることを知りました。
そのようにうまく生徒たちにブレイクタイムを与え、集中力を伸ばすことの大事さを私は実感いたしました。
実際に私も以降の授業では、流行りのアニメやバラエティーの話を取り入れることにし、前回よりも生徒たちの集中力を保つことに成功することができました。
授業は複数回行いましたが、最後のほうは「飽きない授業の進め方として工夫している」と先輩からも褒めていただきました。
この経験を通じて、自分ができないことであってもできる人と比較することで、今自分にできる工夫を発見することができるようになりました。
御社に入社した際も、できない状況を冷静に分析し、工夫を実践することでできる状況に積極的に変えていきたいと思います。
まとめ
ガクチカが書けないときは、学生時代に教育実習の経験がある人は、教育実習をガクチカとしてアピールしてみましょう。
教育実習ではさまざまな能力を試され、自分を成長させることができるため、ガクチカとしてアピールすれば高評価につながる可能性があります。
課題解決能力やチャレンジ精神、諦めない姿勢など、教育実習では学んだことがさまざまあったはずです。
教育実習をガクチカにするときは、そのような学びや気づきを伝え、自分の人柄や価値観を志望先企業にアピールしていきましょう。
なお、ガクチカを書くときは構成を学ぶことやNGマナーに気を付けることなども重要です。
例文なども参考にしつつ、採用担当者に響く効果的なガクチカを作成していきましょう。