緊張した面接が終わったのも束の間、面接が終わった後に「お礼のメール」を企業に送付した方が良いのかと迷う人は多いのではないでしょうか?
結論から言えば、お礼メールは送れるのであれば送った方が良いでしょう。
しかし、お礼メールが直接合否に関わることはありません。
それでもマナーとして送ることで、面接担当者の心象を良くすることは可能です。
その際は社会人としての礼節を持ち、適切なお礼メールを送ることが重要です。
本記事の最後には、お礼メールの例文も記載してありますので、ぜひ参考にしてみてください。
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【転職面接のお礼メール】転職面接でお礼メールは必要なのか?
転職面接でのお礼メールは必ずしも必要なものではありません。
実際に転職志望者の多くは、お礼メールを送らずに選考を進めていますし、企業側もお礼メールを合否に結びつけることはありません。
つまり、面接における内容が大事なのであって、お礼メールにそこまで重要性はないということです。
一方で、お礼メールを送れるのであれば送った方が良いのも事実です。
お礼メールを送付している転職志望者は多くありませんが、3人に1人は送っているというデータもあります。
お礼メールを送付されることで、企業側や面接官が嫌になる気持ちになることはなく、礼儀正しい人柄であると印象を持ってもらうこともできるからです。
そのため、送るべきかどうかを悩んでいるのであれば、積極的に送るのも良いでしょう。
なお、お礼メールを送る目的はあくまでの「お礼」です。
お礼メールを活用して、自分自身をさらにアピールするような文面だと、合否に関係がないと言っても企業側からの心象が悪くなってしまいます。
自分自身をアピールする場は、面接そのものであり、分別をきちんと理解して、お礼メールを送るようにしましょう。
お礼メールを送る場合はいつまでに送るのが良いのか?
お礼メールを送る場合には、面接を受けた当日中に送るのが最適です。
面接が終わった直後の移動中や、帰宅後すぐに送付すると良いでしょう。
しかし、送付する時間帯にも注意が必要です。
たとえば、業務時間外の遅い時間に面接を行ってれたにも関わらず、その後にすぐに送付した方が良いからと、メールを送ってしまうのはマナー的にいかがでしょうか。
あまりに遅い時間にメールを送ってしまうと、企業側から「常識がない」などの印象を受けてしまう可能性もあります。
具体的に言えば、20時頃に面接が終わったのにも関わらず、21時頃に送付してしまうなどです。
こうした遅い時間に面接を受けた場合には、「先日はお忙しいところ、お時間を取っていただきありがとうございました。」など、翌日の午前中に送った方が印象はよくなるでしょう。
企業側の業務も考慮したうえで、いつ送るのが最適かを判断することが大切です。
お礼メールは誰宛に送るべきか?
お礼メールの送付先は、基本的に企業側の採用担当者に送付するのが一般的です。
たとえば二次面接などで、営業課長や現場の従業員、人事の採用担当者の3人が面接官だった場合でも、採用担当者宛にメールを送り、他の2名に対しては「くれぐれもよろしくお伝えください」のように、メールに一言を添えるのがマナーになります。
しかし、これはあくまでも一般的な状況であって、自分自身の状況によって送付先が変化する場合もあります。
たとえば営業課長や現場の従業員の名刺をもらい、メールアドレスの記載がある場合には、お礼メールを一緒に送付して構いません。
その際は、採用担当者も含めて1通のメールにまとめて送付すると良いでしょう。
他にも最終面接で社長と面接を行った場合、社長宛に感謝の気持ちを伝えるメールを送るのも悪い選択肢ではありません。
状況によってベストは変わりますが、基本的には採用担当者宛に送ることを念頭にしておくのが無難です。
お礼メールの返信は返信すべきか?
お礼メールに対して返信が来た場合には、必ず返信をするようにしましょう。
なぜなら採用担当者も貴重な時間を利用してメールの返信を送付しているので、感謝の気持ちを示す意味でも返信することは大切です。
その際は、メールの冒頭に「ご返信いただきまして、ありがとうございます」のように、きちんと感謝の気持ちを明記することも大切です。
なお、企業側から届いたメールに「ご多忙と存じますので、ご返信にはおよびません」など、返信不要の文言がある場合には、返信する必要はありません。
そこで返信をしてしまうと、文面を読み取れない人材であると印象を与えてしまうばかりか、採用担当者の手間も増やしてしまいます。
適切なマナーを事前に把握して、お礼メールに対応するようにしましょう。
【転職面接のお礼メール】お礼メールに記載すべき文章
お礼メールを送付する際に記載すべき文章を認識しておくことで、マナーを守った好印象の文面になります。
具体的には、以下の4つの文章を記載することが大切です。
- 件名
- 宛先
- 本文
- 結び
それぞれどのような文章かを解説していきます。
件名
件名は文字通り、メールの「件名」に記載する文章のことです。
件名で大切なことは、どのような用件であるかをすぐに理解できる文章であることです。
採用担当者は、多くのメールの対応に日々追われています。
大量のメールの中から、優先度の高いメールを対応していく必要があるため、件名で内容を判断できないメールは後回しにされてしまう可能性もあります。
件名によって、「誰から」「どのような内容」で判断できる文章が最適です。
そのためには、用件に加えていつの面接のお礼かなどを記載すると良いでしょう。
宛先
志望先企業の企業名と採用担当者の氏名をきちんと記載します。
採用担当者の名前等は、間違っていないかをきちんと確認することも大切です。
また、採用担当者の名前がわからないなどの場合には、「採用ご担当者様」などで記載しておけば問題ありません。
なお、前章で解説したように面接官等が複数おり、名前がわかる場合には連名で記載しても問題はありません。
肩書等も含めて記載するようにしましょう。
本文
本文には自分自身の自己紹介とお礼の言葉、面接での気づき等を簡潔に記載していきます。
自己紹介では「本日〇〇時に面接していただいた〇〇です。」のように、相手に一発でわかるように配慮することが大切です。
お礼のことばは、自己紹介の後に、「本日は面接の機会をいただき、ありがとうございました。」のように一文を添える程度で問題ありません。
最後に面接を通した気付きを添えられると良いでしょう。
難しいことは必要なく、自分自身が感じたことを記載するのみで問題ありません。
注意点としては、ダラダラと長文にならないことです。
メールを読む際に軽くスクロールするだけで、全文が把握できるような文量が好ましいと言えます。
文量が長すぎてしまうと、読み手側は読む気力をなくしてしまうので注意が必要です。
結び
本文に加えて、メールでのお礼となる言葉を記載します。
「今後とも、何卒よろしくお願いいたします。末筆ながら、貴社の益々のご発展とご活躍を心から祈願いたします。」のような文面でも問題ありません。
結びの言葉はいくつかあるため、ご自身でも調べてみることをおすすめします。
また、合わせて自分自身の名前や電話番号、メールアドレスなどの署名を記載しておくことも大切です。
この署名を入れることで、誰からのメールかの確認が改めて行えます。
【転職面接のお礼メール】転職面接のお礼メールを書く際の注意点
お礼メールは送ることが目的ではなく、きちんとお礼を伝えることが目的
つまり良くないお礼メールを送るくらいであれば、送らない方がマシということになります。
相手が受け取って良かったと思うようなお礼メールとするためには、以下の5点に注意することが大切です。
- ビジネスメールとしての意識を持つ
- 追加質問等はしない
- 色文字や強調、絵文字などは使わない
- 私用のメールアドレスを使う
- 転職エージェントを使っている場合は送らない
それぞれの注意点について具体的に解説していきます。
ビジネスメールとしての意識を持つ
お礼メールはビジネスメールであると改めて意識することが大切です。
この意識が欠けてしまうと、誤字脱字をしてしまっている、宛名や署名の記載がないなどの文章になってしまいます。
たとえ面接がフランクな雰囲気で進んだとしても、メールの文面は別であるという認識が大切です。
間違ってもくだけた表現などは使わないようにしましょう。
くだけた表現を使ってしまうと、相手に軽い印象を与えてしまい、良い印象を与えることはできません。
他にも漢字を多用しすぎて、読みにくい文章になっていないかなども大切です。
礼節を持って適切なビジネスメールになっているか、文面を作成後に改めて確認を行ってから送付するようにしてください。
追加質問等はしない
質問等は面接の中で完結させるのが一般的です。
基本的にはお礼メールに追加質問等はしないようにしましょう。
抜け漏れがないように事前に準備しておくことが大切です。
しかし、質問をしたい場合には選考に関すること、合否が出る目安等であれば質問をしても問題はありません。
なお、質問をする際にも簡潔で明確な文章であることは重要です。
ダラダラと回りくどい文章にしてしまうと、質問の意図を読み取れず、担当者の負担が大きくなってしまいます。
相手に配慮した質問を心がけてください。
色文字や強調、絵文字などは使わない
繰り返しになりますが、お礼メールはビジネスメールのひとつになります。
そのため、色文字や強調、絵文字などの利用は御法度です。
たとえば「(笑)」「(泣)」「!!」などです。
こうした文字等を使ってしまうと、入社後に取引先に対しても同じようなメールを送ってしまうのではないかという疑念を与えてしまいます。
他にもビジネスマナーがなっていないという印象になってしまい、心象は大きく悪くなってしまうでしょう。
ビジネスメールとしては、全体の統一感を感じさせるために、同じフォントで同じ文字サイズで作成することが基本になります。
また、全体で読みやすい印象を与えるために適宜改行するなども大切です。
私用のメールアドレスを使う
お礼メールを送る際には、私用のメールアドレスを利用することが大切です。
在職中のメールアドレスは原則として利用するのは避けるようにしましょう。
なぜなら仕事で利用するメールアドレスは、業務に必要なことで利用するものであって、私的利用では認められていないことが多いからです。
転職活動も業務ではなく、私的に活動しているものになるので、私用のメールアドレスを利用するのが良いでしょう。
企業によってはメールの履歴を保存していることもあるため、応募企業とのやり取りは別途私用のアドレスを用意して、利用するようにしてください。
なお、メールアドレスも不適切な文字の羅列とならないよう、最低限のマナーをもったものであることが大切です。
転職エージェントを使っている場合は送らない
転職エージェントを活用して転職活動をしている場合には、お礼メールは送らないようにするのが無難です。
エージェントは企業と転職志望者をつなぐ仲介役となるため、仲介役を飛び越えてやり取りをしてしまうと、企業側、エージェント側の双方に迷惑がかかり、トラブルにつながってしまうことも考えられます。
そのためエージェントを利用している場合には、直接お礼メールの送付はせずに、エージェント経由で伝えるようにしましょう。
面接が終了したら、担当のエージェントに連絡をして、面接のお礼のお礼の旨を伝えて、気づいたことなどを合わせて伝えてもらうようにお願いをします。
昨今では転職エージェントの活用をして転職活動をしている人が増えているため、このような注意点も押さえておくと安心できます。
【転職面接のお礼メール】お礼メールでマイナスな印象を与えてしまうケース
お礼メールは間違った認識や方法で送ってしまうと、相手側にマイナスな印象を与えてしまいます。
とくに以下の3点は間違ってしまうケースも多いため、きちんと確認しておくことが大切です。
- メールを送付するのが極端に遅い
- 誤字・脱字が多い
- 内容が薄い
それぞれのケースについて解説していきます。
メールを送付するのが極端に遅い
前章でも解説したようにお礼メールの送付は原則として、その日のうちにやるのが鉄則です。
送るかどうか悩み、数日後や1週間後など極端にメールを送付するのが遅いと返って逆効果になってしまいます。
なぜなら企業側から志望度が低いと判断されたり、常識がないと判断される場合があるからです。
日常生活でも、今度の日曜日に遊びに行かないという質問を1週間前に投げかけたにも関わらず、前日に返信が来る人をどう思うでしょうか。
なかなか信用ができないと感じるのではないでしょうか。
転職活動においても似たような印象を持たれる場合があります。
さらに企業によっては、選考結果がすでに出ている場合もあります。
合否に関わらず、入れ違いの連絡のようになってしまうと、その後にしこりを残してしまうので、お礼メールは原則として、その日のうちに送付しましょう。
誤字・脱字が多い
メールの文面に誤字・脱字が多いと、読み手側を意識できていないばかりか、文章を見直さずに送付しているだらしない人という印象を与えてしまいます。
こうした印象を持たれてしまうと、入社後に大事な仕事を任せた際にも確認が甘くなり、大きなミスをしてしまうのではないかという疑念を持たれてしまいます。
こうした印象を持たれてしまっては本末転倒です。
送付する際は文面でに問題がないかをきちんと確認して、曖昧な漢字や言い回しなどは調べてから使うようにしましょう。
内容が薄い
お礼メールは送付するのが目的ではなく、相手にきちんとお礼を伝えるのが目的です。
ただ送れば良いのであれば、お礼メールの意味がありません。
定型文を使っている、使い回しの文章では良い印象を与えることは難しいでしょう。
採用担当者は人事のプロフェッショナルであり、多くの転職志望者のお礼メールを読んでいるため、適切な文面でなければ、マイナスな印象になってしまいます。
お礼メールを送る際は、内容が薄くならないように人間性や熱意などが伝わるような文面を意識することが大切です。
面接で感じたことや話した内容などを含んで文面に起こすようにしてみてください。
【転職面接のお礼メール】転職面接のお礼メール例文
本章では転職面接で送るのに最適なお礼メールの例文を紹介していきます。
なお、あくまでも例文であるため、自分の言葉で置き換えてみるなど工夫を忘れないようにしてください。
- 面接直後に送付するお礼メール例文①
- 面接直後に送付するお礼メール例文②
- 最終面接後に送付するお礼メール例文
- 内定後に送付するお礼メール例文
面接直後に送付するお礼メール例文①
件名:中途採用面接のお礼(自分の氏名)
株式会社〇〇〇〇
採用担当者 ●●様
お世話になっております。
本日○時より面接をしていただきました、(自分の氏名)と申します。
本日はお忙しい中、面接の機会をいただきまして
誠にありがとうございました。
●●様のお話を伺い、△△といった貴社の質の高いサービスや社員の満足度、
活躍するための必要なスキルなどについて理解を深めることができ、
貴社で仕事をしたいという思いが一層強くなりました。
まずは、面接のお礼を申し上げたく、メールいたしました。
末筆ながら貴社の益々のご発展とご活躍をお祈り申し上げます。
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名字 名前
〒000‐0000
□□県□□市□□0‐0‐0(自宅住所)
電話:090-XXXX-XXXX
メールアドレス:myoji_namae@×××××.ne.jp
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面接直後に送付するお礼メール例文②
件名:○月○日 中途採用面接のお礼(自分の氏名)
株式会社 〇〇〇〇
人事部 ○○様
お世話になっております。
本日(昨日)中途採用面接をしていただきました○○○です。
今回はお忙しいなか面接の機会をいただきまして、誠にありがとうございました。
○○様(面接担当者)から、貴社の事業内容やプロジェクトについてや、今後の展望などをお伺いし、貴社で働きたいという気持ちを一層強く持つようになりました。
面接では申し上げそびれてしまいましたが、私は前職で○○○○のプロジェクトに関わる、そこで得ることのできた○○○○というスキルは、貴社でもお役に立てると思っております。
自分の経験を活かし、貴社の成長に貢献できれば嬉しく思います。
まずは面接のお礼を申し上げたく、メールをお送りいたしました。
末筆ながら、貴社のますますのご発展とご活躍をお祈り申し上げます。
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名字 名前
〒000‐0000
□□県□□市□□0‐0‐0(自宅住所)
電話:090-XXXX-XXXX
メールアドレス:myoji_namae@×××××.ne.jp
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最終面接後に送付するお礼例文
件名:(○月○日)最終面接のお礼(自分の氏名)
株式会社〇〇〇〇
代表取締役 ○○ ○○様
お世話になっております。
本日、最終面接の機会を頂いた○○ ○○と申します。
本日はご多忙な中で面接のお時間を頂き、誠にありがとうございました。
面接の中で○○様から語って頂いた貴社の今後のビジョンや事業展開について深く感銘を受けております。
私も貴社の一員として、貴社が描いているビジョンを実現するために業務に邁進したいと思いを強くしました。
ご縁を頂くことができましたら、貴社の一員として業績向上に寄与できるよう私自身、最大限に努力していく所存です。
まずは、最終面接のお礼を申し上げたく、ご連絡差し上げました。
末筆ながら貴社のますますのご発展と○○様のご多幸をお祈り申し上げます。
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名字 名前
〒000‐0000
□□県□□市□□0‐0‐0(自宅住所)
電話:090-XXXX-XXXX
メールアドレス:myoji_namae@×××××.ne.jp
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内定後に送付するお礼メール例文
件名:内定のお礼(自分の名前)
株式会社 〇〇〇〇
人事部 ○○様
お世話になっております。
貴社の採用をご選考いただいておりました○○○○です。
この度は、採用のご連絡をいただきまして誠にありがとうございます。
心より御礼を申し上げます。
また、採用に至ったことを光栄に思いますと共に、これからの勤務へ向けて気を引き締めていかなければと思っております。
御社からの期待に答えられるよう、これまでの経験と知識を存分に活かしていきたいと考えております。
これからは貴社のご発展のために何ができるかを常に考えて業績に貢献していきたい所存です。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
末筆ながら、貴社のますますのご発展とご活躍をお祈り申し上げます。
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名字 名前
〒000‐0000
□□県□□市□□0‐0‐0(自宅住所)
電話:090-XXXX-XXXX
メールアドレス:myoji_namae@×××××.ne.jp
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まとめ
お礼メールは必ずしも送る必要はありません。
お礼メールが合否に関わらないのはもちろんのこと、マナーのなっていないメールを送付してしまうと反対に悪い印象を相手に与えてしまいます。
それでもお礼を伝えたいという気持ちは非常に大切です。
送付する場合には、本記事で取り上げた注意点をきちんと理解し、相手にとっても気持ちの良いメールにすることを意識しましょう。
例文を参考に、自分自身の熱意や思いが伝わるような文面になっているかを確認してみてください。