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はじめに
営業マンとして働く人たちのなかには、訪問営業に苦手意識をもっている人もいるでしょう。
訪問営業は経験の営業マンでもうまくいかないことが多いため、新人のうちは特に「怖い」「やりたくない」と思っても仕方ありません。
そこで、訪問営業に対する苦手意識を克服するためにも、成果を出すためにはどうすればよいのか、コツを知っておくのがおすすめです。
今回は、訪問営業の目的や心構え、必要な事前準備などを詳しくまとめたのでぜひ参考にしてください。
【訪問営業のコツ】訪問営業のやり方は2つある
訪問営業は「とにかくお客様と会う」ために行う営業手法であり、昔から「失敗してもいいので数をあたれ」と上司に教えられてきた人がほとんどでしょう。
訪問営業のやり方は大きく分けて2つあり、アポを取ってから訪問するかそうでないかです。
この違いは営業マンにとって非常に大きなものでしょう。
アポを取らずに訪問して営業する活動のことを「飛び込み営業」といいます。
おそらく、たくさんの営業マンが特に苦手としているはずです。
知らない人が突然家にやってきて商品やサービスをすすめてくるわけです。
訪問されたほうも困惑したり、嫌悪感をぶつけたりしてくることがあります。
しかし、アポを取ってから訪問するのも簡単ではありません。
なぜなら、アポを取ること自体が難しいからです。
アポありとアポなし、それぞれの特徴を具体的にまとめたので参考にしてください。
アポを取ったあとに訪問する営業
アポを取ったあとに訪問する営業では、アポ取りは基本的に電話で行います。
突然直接会いに行く飛び込み営業と違い、まずは電話でその商品やサービスに興味があるかを確認できるため、効率的ではあるでしょう。
わざわざ足を運んで営業することが無駄になる確率は格段に減ります。
しかし、会ったこともない人から突然電話がきて、商品やサービスを紹介されて「じゃあ直接話を聞いてみようかな」と思わせるためには、相当のコツや技術が必要です。
飛び込み営業
飛び込み営業はその名の通り、企業や個人宅に直接訪問して営業活動を行う手法です。
事前に約束をしていないため、どんな人が住んでいるのかもわからないまま訪ねることになります。
そのため、インターホンのモニター越しに門前払いされてしまうケースのほうが多いでしょう。
企業でも担当者に会うまで至らない場合も少なくありません。
とにかく足を使って話を聞いてくれる人を探すことになるため、効率の悪い営業手法といわれています。
また断られ続けているうちに、精神的につらくなってくる営業マンも多いでしょう。
【訪問営業のコツ】訪問営業をするのは得られる効果があるから
アポありであってもアポなしであっても、訪問営業は営業マンにとって難しい営業手法であることは間違いありません。
手間がかかるうえに営業マンの精神的負担も大きいため、「なんのために訪問営業をするのか?」と思う人もいるでしょう。
その理由は、得られる効果もあるからです。
もちろん、最初は期待できるような反応を得られない可能性のほうが高いはずです。
話も聞いてもらえず、追い返されてしまうことも少なくないでしょう。
しかし、めげずに繰り返し通うことで接触回数が増え、好感度が上がっていくことも期待できます。
これは心理学で「ザイオンス効果」と呼ばれ、たとえ短い時間であっても何度も接触することで、その人の好感度や評価の高まる可能性があることもわかっているのです。
会えば会うほど、最初に抱いていた警戒心が薄れていく経験は誰でもあることだと思います。
この効果についても理解できる人が多いのではないでしょうか。
そのため、とにかく訪問回数を増やすという訪問営業手法は、しっかりと効果も期待できるのです。
【訪問営業のコツ】訪問営業を行う目的は何か考えよう
訪問営業のコツにはいろいろありますが、その目的は何かを考えてみることも大切です。
お客様も忙しいなかで時間を割いてくれています。
「お客様から貴重な時間をもらっている」という意識を忘れないようにする必要があるのです。
会う目的が何か明確になっていなければ「この人はなんのためにきたのか?」と思わせてしまうことになります。
今回訪問した目的は商品の紹介なのか、提案なのか、ヒアリングなのか、話が進んでくれば、契約書の回収や情報提供などで会うことも増えてくるため、その都度明確化してください。
問題が起これば謝罪で足を運ぶこともあります。
最初にその目的を伝えることで、相手に無駄な時間を作らせないようにしましょう。
【訪問営業のコツ】訪問営業で成果を出すために必要な心構え
難しいといわれる訪問営業で成果を出すためには、営業マンのしっかりした心構えが必要不可欠です。
「会社の決まりだから」「上司に指示されたから」「数を打てばあたると思ったから」という理由だけではなかなか成果につながりません。
具体的には、「営業の質と量を両立させること」「訪問する目的を明確化すること」「一回で商談を終わらそうとしないこと」という3つの心構えが必要になるため、それぞれについて詳しくチェックしておきましょう。
質と量の両立
前述したように、相手と接触する回数を増やすことで好感度を高められる効果が期待できます。
特に、新人営業マンはまだ営業のスキルが十分ではありません。
まずは訪問回数を増やして、経験を積むことが大切です。
しかし、ただ闇雲に何度も会えばよいわけではありません。
ある程度訪問回数を増やして相手の警戒心を解いたあとは、商談の質を上げることに尽力しましょう。
たとえば、途中からは商品やサービスに興味をもってくれた相手に絞って訪問したり、過去の顧客の受注データを分析してターゲットを決めたりするのがおすすめです。
もし、訪問営業で成果を出せないと悩んでいるなら、それは営業の質と量が両立できていないことに原因がある可能性も考えられます。
訪問する目的を常に明確にする
訪問営業は断られるケースが多く、最初からうまくいくことはほとんどありません。
何度も足を運び、質の高い商談ができたときに、はじめて成功の可能性が見えてくるものです。
だからこそ、訪問する際の目的をその都度明確にすることが重要になります。
営業で企業や個人宅を訪問する目的は主に以下の4つがあるでしょう。
・商品の提案やお客様の要望のヒアリング
・問題が起きてしまったときの謝罪
・契約書の回収、情報の提供
・担当者が変更になったときや季節のあいさつなど
目的によって、事前のアポが必要になることもあるので注意してください。
相手の時間を有意義なものにするためにも、「今回はこのような目的できました」と明確に伝えてから本題に入りましょう。
一回で商談を終わらそうとしない
訪問営業の目的は顧客を得ることだけではありません。
お客様のことを理解し、関係を強化していくことも重要であり、その積み重ねが最終的な受注につながっていきます。
会う前に門前払いされてしまうことも多いため、会えたときはつい慌てて話をすすめてしまいがちです。
くれぐれも1回で商談を終わらそうとしないよう、注意が必要です。
もちろん短期間で成果を出せれば、営業マンにとっては喜ばしいことでしょう。
しかし、訪問営業はそれほど楽なものでなく、1回で成果を出せないのも普通のことです。
いきなり売り込もうとしたり、受注を取ることだけを目的にしたりしてしまうと、それが相手にも伝わってうまくいかなくなってしまいます。
そのことを念頭に置き、コツコツと進めていくことを心掛けてください。
【訪問営業のコツ】訪問営業で成果を出すためには事前準備が重要
訪問営業で成果を出すためには、事前にしっかり準備をしておくことが重要になります。
商品やサービスに興味をもってくれた人を見極め、必要としている人に必要なものを届けられるようにしなければなりません。
そのためには、事前リサーチや資料の作成などの準備が必要です。
相手に「自分のことをしっかり理解している」と感じてもらうことこそが、他社と差をつけるうえで重要なポイントになるでしょう。
もちろん、身だしなみやマナー、話すときの流れなど、営業マンとして「できる」と印象づけるためにも準備しておくべきことがあるので確認しておきましょう。
事前リサーチ
「なぜ、この商品やサービスをあなたにおすすめしたいのか」としっかり伝えることで、説得力が生まれます。
誰にでも同じ内容の商談をするのではなく、商談する相手へ合わせた内容にすることで誠意が伝わりやすくなるのです。
そのため、相手のことを事前にしっかり調査してから訪問するようにしましょう。
「自分たちのことをこんなに調べてくれている」「そのうえですすめてくれている」というのは、相手にとってとても大きな魅力になります。
ヒアリングの質は事前の仮設立てが非常に影響します。
ヒアリング目的で訪問する際にも、事前リサーチは欠かさないようにしましょう。
事前にしっかりとリサーチをしておけば、お客様によりよい提案ができるようなヒアリングになるはずです。
営業資料作成
つぎに、営業資料の作成についてです。
商談の際には営業資料も必要ですが、何が書かれているのかはっきり理解できない資料を用意しても逆効果になります。
難しい専門用語ばかりが並んでいたり、文字が小さ過ぎたりする資料は、誰が見てもわかりやすい資料とはいえません。
実例や実績などもきちんと乗せ、整ったデザインにするなど、視覚的にわかりやすいプレゼン資料を作成しましょう。
また、営業する相手が誰なのかを明確にしたうえで、その人が商品やサービスを利用することで得られるメリットや、利益にはどのようなものがあるかを伝えられるようにしてください。
営業資料は、営業マンが説明する内容の意味がわからなかったときや、あとから考え直すとき、上司に伝えるときなどに使用する重要なものだともう一度確認しておきましょう。
話す流れの確認
スムーズに商談を進めるためには、相手に「自分はできる営業マンだ」と印象づけることが大切です。
もし、話す順番がバラバラで、何を話しているのかがわからないと、最後まで聞いてもらえません。
相手と打ち解けるための「起」、相手の要望を聞き出すための「承」、提案して商談を始める「転」、最終確認の「結」というように、起承転結がしっかりした話し方をします。
ただし長々と話すと、結局何を伝えたかったのかがわかりにくくなってしまいます。
重要なポイントが何かわかるように短くまとめましょう。
特に印象づけたい言葉を何度か繰り返し使うと伝わりやすくなります。
商談を成功させたくて焦り過ぎると、相手に警戒心を与えてしまうことになります。
落ち着いた姿勢を見せることも大切です。
想定できる反論があれば、それに対する準備までしておくとよりスムーズに商談が進むでしょう。
あとは、相手を飽きさせないよう、話が盛り上がる努力をしてください。
身だしなみを完璧にする
特に、はじめて訪問営業にいくときは身だしなみを完璧にしましょう。
初対面の人に好印象を抱くかそうでないかは、見た目が大きく影響します。
「きちんとスーツを着ていない」「ワイシャツがヨレヨレ」「寝ぐせがついている」「口臭が気になる」など、身だしなみが乱れていると相手に不快感を与えるのは当然です。
話を聞こうという気持ちにならないどころか、「近寄らないでほしい」「もう会いたくない」と思われてしまう可能性もあるでしょう。
身だしなみは社会人としての最低限のマナーです。
商談に行くときだけでなく、普段から意識しておきましょう。
【訪問営業のコツ】やりとりの連絡は即レスで
営業マンなら必ず意識しておくべきなのは、連絡を取り合う際の「即レス」です。
相手からの連絡に対してすぐに返事をしないと、「自分は後回しにされている気がする」「だらしない性格なのか?」という誤解を与えてしまうおそれがあるでしょう。
結果的に、「この人と一緒に仕事をするのは不安」と思わせてしまうことになります。
たとえ急いでいなくても、すぐに連絡をくれる営業マンは信用に値します。
「スピード感をもって仕事ができる人」、「自分のことをいつも気にかけてくれている人」という印象を抱くはずです。
直接会っていなくても、電話やメールでのやりとりは相手との接触回数に含まれます。
こまめに接触することで信頼度を上げることにもつながるでしょう。
【訪問営業のコツ】目的を整理する
訪問営業に苦手意識を感じたり、成果を出せなくて悩んだりしたときは、自分がやろうとしていることや目的を一度整理してみるとよいでしょう。
とにかく成果につなげて、会社での評価を上げることだけを考えていると、なかなかうまくいきません。
なぜなら、そのような目的で営業をしても相手のことを一切考えていないため、誠意が伝わらないからです。
もちろん最終的な目標は成果をあげることです。
しかし、お客様によいサービスを提供し、喜んでもらうことが前提だということを忘れてはいけません。
それでこそ、自分自身が得られる達成感も大きなものになるはずです。
そのためには、一人ひとりのお客様にとにかく丁寧に接することが何よりも大切なポイントになります。
まとめ
訪問営業は断られるほうが多いので、苦手意識の強い営業マンも多いはずです。
しかし、多くのお客様にアプローチできる訪問営業は、自分自身が営業マンとしての経験を積み、成長できるチャンスでもあります。
もちろん、多種多様なお客様が相手になるので毎回同じ手法ではうまくいかないこともあります。
お客様一人ひとりに合った営業方法を探し出すためにも、まずはそのお客様としっかりと向き合うことが大切です。
そのためにも、今回ご紹介したことをぜひ実践してみてください。