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はじめに
営業職のまま別業種への転職を検討している方は多いのではないでしょうか。
ひと言に営業職といっても、toC営業、toB営業、新規営業、ルート営業など形態はさまざまです。
そして、その中でも一定の人気がある不動産営業のキャリアプランについて説明します。
不動産営業も、扱う物件の種類によって業務内容は大きく異なります。
成果主義でやりがいが大きく感じられる不動産営業ですが、今後どのようなキャリアが歩めるのでしょうか。
【不動産営業のキャリアプラン】不動産業界の将来性
不動産業界と聞くと不動産の仲介や売買のイメージがありますが、土地の開発や物件の管理や不動産投資のために設立した会社などの業務も不動産業務の中に含まれています。
2019年度の新型コロナウイルスの感染拡大によるパンデミックは世界に大きな影響を与え、従来の多くの常識を変えましたが、不動産業界も例外ではなく大きな影響を受けました。
2022年現在、不動産業界はどのような状況なのか、そして将来性は見込めるのかについて話していきましょう。
不動産業界の現状
不動産業界は、現在さまざまな問題を抱えています。
課題は主に以下のようなことが挙げられます。
・2022年問題による都市農地の大量売却による地価暴落のリスク
・コロナウイルスの影響でリモートワークや在宅勤務が進み、オフィスの空き家率が上昇、平均賃料が下落しビル経営が困難化
・業界の体制が古く、IT化が進まず対面や手書きでの業務が多く非効率で生産性が低い
しかし、不動産業界は日本では有数の巨大なマーケットであり、業界全体で45兆円を超える売上を誇り、成長を続けているのも事実です。
問題やリスクはありますが、同様に大きな変化の中でチャンスに溢れている業界でもあるのです。
不動産業界の将来性
このように、不動産業界はさまざまな社会課題と密接に関連しており時代の影響を受けやすいため、その社会課題に適応していくことが重要となります。
今後は以下のような対策が必要とされています。
・サービス付き高齢者住宅や住宅のバリアフリー化などシニア向けの市場の拡大
・既存の住宅をリノベーションして空き家に付加価値を付ける
・オンライン上での重要事項説明やリモートの内見など、ITテクノロジーを導入し業務を効率化する
つまり、需要は新たに生まれているのです。
営業職としても、そのような課題を踏まえたうえでのさまざまな顧客のニーズに合わせた細やかなマーケティング施策が求められるでしょう。
【不動産営業のキャリアプラン】不動産営業のキャリアプラン4つ
このように、激動の時代を迎えている不動産業界ですが、同時に多くのチャンスを抱えており、さまざまなビジネスが今後も生まれていくことが予想されます。
たとえば、パンデミックの影響でドロップインのワークスペースが生まれ、リモートワークの定着による地方移住の流れが生まれたように、時代の流れに乗れば、中小企業でも大きな成功を得られるのが不動産業界の魅力です。
では、不動産業界を支える営業職のキャリアプランにはどのようなものがあるのでしょうか。
4つご紹介します。
不動産業界内でより歩合で稼げる会社に転職
不動産営業は扱う商品が高額であるため、社員ごとの売上に個人差が出やすいのが特徴です。
そして、成果を重んじる傾向があり、「基本給+歩合給」もしくは「完全歩合制」という給与体制を採っている企業が多く見受けられます。
つまり、「売れる営業」ほどどんどん稼げ、モチベーションを維持できるのです。
そのため、ある程度自信がつくと今以上に高い歩合を求めて他社へ転職する社員は多く見受けられます。
成功するパターンもありますが、今まで大手の看板を武器に営業していたのに、後ろ盾がない中小に行くとかなり苦戦するため注意が必要です。
また中小企業には地元密着型の独自の営業スタイルがあるパターンが多いために、自分に適性があるか否かも判断しましょう。
社内で出世をし経営に関わるポジションを目指す
生涯営業職としてキャリアアップを目指すのではなく、社内で上を目指すパターンもあります。
経営や人材育成に携わりたいと考えているのであれば、転職をせず社内でキャリアパスを描きそれに向けて努力していくのも一つの選択肢です。
そのためには、トップクラスの実績が必要です。
不動産営業は誰でも挑戦できる敷居の低さが魅力ですが、それゆえに社内競争が激しく数字を出さなければどんどん年次が下のものにもポジションを抜かれていくシビアな一面もあります。
その競争を勝ち抜いてこそ、社内でトップに立てるため当然ですがそのためには営業職として一流でなければなりません。
資質としては営業力だけでなく、マネジメント能力や部下を惹きつけるような人間力も求められます。
不動産コンサルタントとして独立する
不動産コンサルタントとして新たなキャリアを歩むのも一つの方法です。
不動産コンサルタントの業務内容は、不動産の購入や売却、管理方法や活用方法などについて、専門家の立場でアドバイスすることです。
顧客にプランを提案する企画提案型とその後の業務も請け負う事業執行型に大きく分けられます。
どちらも不動産営業で養った広い知識と最新の情報をもとに、個人や法人の資産運用に深く関わっていけるでしょう。
不動産コンサルタントは難関資格ではあり、さらに試験合格後後5年以上の実務経験がないとコンサルタントとして登録できないという厳しい条件がありますが、その分社会的な信用も厚く、高収入が望めます。
そして、自分の力を存分に発揮して、クライアントの利益を追求していくことが求められるでしょう。
営業のプロフェッショナルとして独立する
営業として独立し、フリーランスで活躍するというプランもあります。
営業は企業に所属している社員が担当する者というイメージがある方が多いでしょうが、レアケースですがフリーランスの営業マンも存在します。
つまり、独立して企業と契約し、社外営業として業務を請け負っているのです。
仕事内容は通常の不動産営業と同じ、賃貸や売買の仲介となります。
完全実力主義の世界となりますので、実績を残せなければ契約不履行になり解雇されるケースもあります。
非常に厳しい環境ですが、それだけに1件の契約だけで数百万円の高い報酬を得ることも可能です。
業界に顔が利く人はツテで仕事が回ってくるケースも見られますが、クラウドソーシングサービスに登録しオファーを待つケースも多く見受けられます。
【不動産営業のキャリアプラン】キャリアアップに役立つ資格3つ
このように不動産営業のキャリアプランはさまざまなパターンがあります。
生涯営業職として現役を貫くのも、別のポジションで企業をけん引する立場になるのも、専門家として生きることも可能です。
経験とセンスが物を言う営業ですが、資格があればより将来の選択肢が広がり、世間からの信頼が得られるために仕事もしやすくなります。
なぜ必要か、どのように役に立つのかの開設とあわせて、キャリアアップに対して役に立つ資格を一覧で紹介します。
宅地建物取引士
宅地建物取引士、通称宅建は不動産賃貸、売買の契約を結ぶ時に必ず必要な資格です。
宅建を所有するメリットは、具体的には独占業務(重要事項説明書の説明・記入・契約書面への記入)ができるようになることです。
つまり、不動産の営業から賃貸・売買契約の締結までのすべての工程が自らの手で行えるようになります。
国家資格であるために信頼が厚く、資格手当が上乗せされて給与が支給されるのも魅力です。
宅建業法という法律の下、宅建業を営む企業は、5人に1人は宅建を所有していなければならないという規定があるために、宅建は天職にも非常に有利に働きます。
また、独立を予定している方も、必ず始業の資格である宅建が必要になります。
所有していれば将来の選択肢が広がる宅建は、不動産業界に勤めているのなら押さえておきたい資格です。
ファイナンシャルプランナー
金融・保険業界に強い印象のあるファイナンシャルプランナーも、不動産業界に勤めるうえで非常に役に立つのをご存知でしょうか。
不動産には相続や住宅ローンなどお金の問題はつきものです。
ファイナンシャルプランナーの資格があれば、不動産の説明をする際に、住宅購入のための資金計画を、教育資金・老後の資金などを含めた総合的な目線でアドバイスを行うことができるようになります。
また、宅建士とダブルライセンスを取得していると大きく年収が上がる可能性もあります。
難易度は高くなりますが、実務に役立つのは2級以上と言われています。
実生活でも役に立つ知識でありながらも年々需要が高まっている資格なので、年収アップや将来的にコンサルタントとして独立を考えている方は取得しておいて損はないでしょう。
住宅ローンアドバイザー
住宅ローンアドバイザーは、相談者に対して住宅ローンの仕組みや商品ごとの特徴、金利やリスクなどをわかりやすく説明し、最適な住宅ローンが組めるようにサポートする専門家です。
民間資格でありますが、所有しておけば専門的な知識が身につくだけでなく、有資格者として他の営業担当と差別化を図れます。
住宅販売において住宅ローンの相談は欠かせない分野であり、相談者に的確なアドバイスが行えるようになるのは不動産営業にとって大きなメリットです。
また、ファイナンシャルプランナーに頼らずとも気軽に相談できるので、顧客に安心感を与えられ信頼感を得られます。
何より顧客に対してより専門的なアドバイスが行えるようになるため、営業の仕事の幅が広がるでしょう。
【不動産営業のキャリアプラン】納得できる転職をするために必要なこと
せっかく転職をするのなら、給与や職場環境など、あらゆる条件で満足いく企業を選びたいと考える人が大半でしょう。
そして、キャリアアップから逆算して転職活動をしたいと考えている方もいるはずです。
しかし、すべてを満たす企業に転職するのはなかなか難しいことです。
キャリアプランの中で、必要なスキルや経験が得られる納得できる企業に転職したいと考える人に、後悔しない転職をするために気を付けるべきポイントを3つまとめました。
企業選びに迷った際はぜひ参考にしてください。
自身で妥協しないポイントを見極めよう
まず、絶対に譲れない、妥協しないポイントを見極め書き出してください。
所属している企業の業務をこなしながら転職活動をするのは肉体的にも精神的にも負担が大きくなります。
そのため、「もうこの企業なら内定をくれそうだからここでいい」と、転職活動を始めた当時に掲げていた条件と大きく異なる企業に転職する人も多く見受けられます。
より良い条件を求めて転職活動をするのに、妥協して望んでいない環境に転職しては本末転倒です。
妥協してしまうと内定率は必然的に上がりますが、転職後「こんなはずじゃなかった」と後悔する場合もあります。
このような事態を防ぐために転職活動を始める前に、絶対に妥協したくない条件をリストアップしておくことをおすすめします。
あきらめてもいい条件と叶えなければならない条件をはっきり分けておく
妥協したくない条件を考えると同時に、あきらめても良い条件もリストアップしておきましょう。
誰もが、やりがいがありながらも、ワークライフバランスが取れており、高い給与を得られキャリアアップができ、人間関係が良好な職場で努めたいと考えています。
しかし、残念ながらすべてを満たす求人はほとんどないと考えて良いでしょう。
もしあったとしても、かなりの競争率の求人となるために内定を得るのは至難の業となります。
転職したい条件をすべて叶えるような求人はないという現実を受け入れないと、ずっと理想の企業に出会うことができないまま転職活動を続け年齢を重ね、どんどんと転職が厳しくなる可能性もあります。
そこに対処するためにあきらめても良い条件と叶えなければならない条件をはっきり分けることが重要です。
キャリアプランを見返し、そのために妥協できる点、たとえば通勤時間や残業時間など些細なことでも構わないので書き出してください。
そうすれば選択肢の幅は広がり、転職の成功率もアップするはずです。
客観的な目線での意見を大事にしよう
自分の意見だけで転職先を決めるのではなく、客観的な意見も考慮の材料にすることをおすすめします。
自分でしっかり自身のキャリアや、転職に対して熟考することは何よりも重要です。
しかし、一人で転職活動を進めていくと現実問題実現可能なのか、どうでないのかはっきりわからないこともありますし、悩んで煮詰まった挙句迷走してしまう可能性があります。
そのため、客観的な目線でキャリアを考えていくことも重要なのです。
家族や信頼できる同僚に、キャリアプランを聞かせたうえで転職先について話し、自分の能力や性格を考えたうえで正しい判断か相談しましょう。
自分では気付かないような、目から鱗が落ちる核心を突くアドバイスを貰えるかもしれません。
【不動産営業のキャリアプラン】転職のプロとキャリアプランの深掘りをしよう
このように、自己分析や企業研究を徹底したうえでキャリアプランを練るのはとても大切ですが、同様に客観的な目線で意見を聞くのは非常に重要です。
相談相手は、不動産業界に精通している上司や同僚等が、専門的な知識にもとづいた的確なアドバイスが貰えるため理想的です。
しかし、同僚や上司に転職活動をしていると言いづらい人も多いでしょう。
転職活動していると伝えたことで働きづらくなる可能性もありますし、転職がうまくいかなかった際には企業に居場所がなくなるのではないかなどの懸念を持つかもしれません。
そんな人には不動産営業の転職・キャリアアップに熟知した転職のプロに深掘りしてもらうことをおすすめします。
転職エージェントに登録すれば、マッチングする企業の紹介だけでなく悩みや不安のヒアリングや面接のレクチャーや履歴書の添削までプロによる幅広いサービスが受けられます。
登録無料のエージェントがほとんどなので、まずは登録してみましょう。
まとめ
不動産営業のキャリアプランについてまとめました。
不動産業界は現状でさまざまな問題がありますが常に一定の需要があるために、比較的安定した業界です。
同時に、インセンティブが大きく反映される不動産営業は成果主義の厳しい面もありますがその分とてもやりがいがある職種です。
また、それだけではなく、成績や保有資格次第では独立や不動産コンサルタントとしてのセカンドキャリアも視野に入れられます。
さまざまな可能性を秘めた不動産業界の営業で、納得いくキャリアを歩んでください。