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はじめに
この記事では、第二新卒として営業を志望する際における、志望動機の書き方のポイントと注意点を解説します。
第二新卒は新卒就活と勝手が異なることも多く、どのように志望動機を書けば良いのか迷うこともあるでしょう。
また、そもそも前職で営業が未経験で、活かせるスキルなどがなく不安な人も多いのではないでしょうか。
この記事では、営業経験あり・未経験に分けて志望動機の例文も掲載しています。
営業での転職を考えている人は、構成や書き方などの参考にしてください。
【第二新卒の志望動機:営業編】第二新卒は転職に不利?
転職を考えるときに「新卒入社した企業をすぐに退職した第二新卒は、転職に不利なのではないか?」と不安に思う人もいるでしょう。
しかし入社3年ほどで転職する20代は増加傾向にあるので、それほど懸念する必要はありません。
企業からすれば、優秀な第二新卒の人材を獲得しないことのほうがデメリットになってしまうでしょう。
むしろ、第二新卒はすでに短期間ながらも社会人を経験して基礎的なマナーは身についており、即戦力として期待されることも多いです。
継続力のアピールが課題
このように第二新卒だからといって転職で不利に感じる必要はありませんが、継続力のアピールは欠かせません。
新卒入社の企業を短期間で離職した場合「せっかく採用しても、またすぐ辞めてしまわないだろうか」という不安を抱かせるからです。
自分の良くなかった点を改善し、次の会社では長期的に働く姿勢を示すことが、大きなポイントとなります。
このためには、自分が退職することになった理由を客観的に分析し、その対策を具体的に示すと良いでしょう。
【第二新卒の志望動機:営業編】志望動機のポイント
それでは、実際に第二新卒として営業職の志望動機を作成する際のポイントを見ていきましょう。
ポイントは「企業を選んだ理由」「活かせるスキル」「入社後にどうなりたいか」の3つです。
前職で営業を経験しているかによって、内容に違いはあるものの、書くポイントは変わりません。
特に第二新卒は「すぐに辞めてしまうのでは」と不安に思われることも多いので、企業を選んだ理由は熱意が伝わるようにしましょう。
入社後のプランについて話す際も、長く勤めることを前提としたキャリアプランを述べる必要があります。
企業を選んだ理由
まず志望動機に欠かせないのは、その企業を選んだ理由です。
具体的に書くことがポイントで、説得力があり、熱意の伝わるものが求められます。
これは、第二新卒は短期退職を心配されやすいので、熱意があるかどうかは重要なポイントだからです。
新卒入社した企業を短期で退職することになった原因を客観的に分析し、対策を講じられているかが重要でしょう。
また、前職で営業未経験の場合はなぜ営業なのか、異業界からの転職の場合はなぜ業界を変えるのかも整理しておく必要があります。
これらの志望動機は「別の企業でも良いのでは?」と疑問を抱かれないようにしておくことが重要です。
そのために、事前に業界・企業研究・自己分析を行い、自分なりに裏付けのある理由を用意しておきましょう。
活かせるスキル
新卒就活と異なり、第二新卒では業務で活かせるスキルを持っているかどうかもポイントとなります。
短期間とはいえ一度社会人を経験している以上、即戦力として会社に利益をもたらせるかも重視されるからです。
このため募集要項や、その企業が求める人物像などを確認し、自分と重なる部分をアピールしましょう。
このときに、前職でその能力や強みを発揮したエピソードなどがあると、より説得力が増します。
また、必要となる知識や資格がある場合、事前にそれを知って勉強しているだけでも熱意を示せるため、有効なアピール方法です。
入社後にどうなりたいか
志望動機ではその企業を志望する理由だけでなく、入社後のやりたい業務やキャリアプランについても触れましょう。
入社後にどうなっていきたいかという想定を示せば、志望動機の説得力が増し、熱意も伝わりやすくなるからです。
そのうえ、キャリアプランを明確にしようとすれば、企業の属する業界や営業という仕事について理解しておかなくてはいけません。
それらについてちゃんと調べて把握していると、熱意が口だけでないことを示す証しになるでしょう。
営業職のキャリアプラン
企業に営業職として就職した場合、そのあとのキャリアプランはどうなるのでしょうか。
順調に経験を積み重ねた場合、どこかの時点で管理職になるか、営業を続けるかという2択を迫られます。
管理職を選んだ場合は徐々に現場を退き、企業のマネジメントや後輩の教育を行うことになります。
しかしこれは営業職としてのスキルが期待されなくなったわけでなく、現場で培った経験を資産として継承する重要な役割です。
一方、現場で結果を出し続けて会社に貢献したいと考えている場合、営業を続ける熱意が伝わるようにしましょう。
ただし、キャリアプランを述べるときには、あくまでもその企業を続ける前提で実現できる内容に留める必要があります。
人材を採用し、雇用し続けることは会社にとってコストであり、それなのに最初から辞めるつもりの人を採用したくないからです。
このため、仮に独立するつもり、またはさらに転職でキャリアアップしたいと考えている場合も、言わないほうが無難でしょう。
【第二新卒の志望動機:営業編】営業に求められるスキル
営業職を志望する場合、活かせるスキルとしてはどのようなものをアピールすれば良いのでしょうか。
営業職に求められる主なスキルは、「コミュニケーション力」「プレゼン力」「臨機応変な対応力」の3つです。
また、業種によっては製品や技術についての専門的な知識が必要な場合もあります。
前職で身につけたスキルのうち、営業職で活かせると考えられるものがあったら、アピールしても良いでしょう。
自分に活かせるスキルやエピソードがあるかどうか、アピールする際の参考にしてください。
コミュニケーション力
まずコミュニケーション能力、特にヒアリング力は営業職において不可欠なスキルと言って良いでしょう。
営業はただ商品を売りつけるだけの仕事ではなく、顧客のニーズを的確に把握して、適した商材をおすすめすることが求められるからです。
もちろん純粋に楽しく話ができることも求められますが、第一印象が良いか、清潔感のある見た目も重視されます。
前職でお客様に対応した経験などがあれば大きなアピールポイントになるので、エピソードと共に話すと良いでしょう。
プレゼン力
わかりやすいプレゼンテーションができる能力も、営業においては持ち合わせておくべきスキルでしょう。
法人営業やルート営業であっても、ときには商品の前提知識がないお客様へ説明することもあるからです。
言葉での説明だけでなく、図やグラフを駆使したわかりやすい説明が求められるでしょう。
特に法人営業などで取締役や経営者を相手に説明する際は、納得できる論理的な説明が求められます。
このような役職は決裁権限を持っていることもあり、商品を買うかどうかをシビアに判断することが多いからです。
また商品について知るだけでなく、営業をかける会社や顧客についてわかる範囲で調べておくことが有効な場合もあります。
プレゼン力があれば、お客様の知識や考えていることを予想して、理解しやすいプレゼンができるでしょう。
臨機応変な対応力
営業においては臨機応変な対応力が求められる場面もあるので、自信がある人はアピールすると良いでしょう。
カスタマーサポートが整備されていない、または顧客満足度を重視している企業は、営業がクレーム対応やトラブル対応を行うこともあるからです。
クレームやトラブルの発生は顧客を失うピンチの一方で、きちんと対応できれば、むしろ信頼を獲得できるチャンスでもあります。
対応すべき内容は顧客の状況によってさまざまなため、以下にお客様を第一に考えて動けるかが重要でしょう。
前職との接点をアピールしよう
以上のような営業で必須と呼ばれているようなスキル以外にも、前職で身についたスキルや知識が営業でも活かせる場合、アピールしましょう。
職種が違っても専門的な知識が共通しているような場合、それは強力なアピールポイントになるからです。
たとえばエンジニアからIT系営業への転職を考えている場合、ITの専門知識は深い商品理解・顧客理解につながります。
このように営業未経験の人でも、少しでも「これは活かせるスキルかもしれない」と感じたらアピールしてみると良いでしょう。
【第二新卒の志望動機:営業編】志望動機の例文
ここで第二新卒として営業を志望する場合の、志望動機の例文を営業経験の有無によって2つ紹介します。
前述の通り、営業経験があるかどうかで書くポイントは大きく変わりませんが、文章の内容は大きく変わるでしょう。
営業経験がある場合は、前職の営業と志望する企業では何が違っていて、入社後にどのようなキャリアを目指すのかが問われます。
一方未経験の場合は、営業を通じて何を成し遂げたいのか、どんなスキルが活かせそうかを説明すると良いでしょう。
例文①:営業経験あり
また、クレーム対応やトラブル対応も担当しており、臨機応変に対応する経験も積んでおります。
そこで、同業界ながらも法人営業において、さらに規模の大きなビジネスに携わりたいと考え、貴社を志望いたしました。
前職で身につけた、ヒアリングを通じてお客様の悩みや要望を把握する力、業界の専門知識は、貴社にも貢献できると考えております。
入社後にはこれらのスキルを活かして、まず即戦力として成績を伸ばし、営業成績トップを獲得することが目標です。
営業という職業を通じて、貴社の価値ある商品を多くの顧客に提供し続け、社会に貢献していきたいと考えております。
例文②:営業未経験
前職では接客業を通じて、お客様のお困りごとや要望をくみ取って対応する経験をたくさん積みました。
貴社においてもこのような、臨機応変に対応する能力や、お客様の要望を聞き出すヒアリング能力は充分活かせると考えております。
まずは培ったコミュニケーション力を活かし、お客様に信頼されるような営業ができるようになることが目標です。
また現場において商品をご説明する経験を通じて、プレゼンテーション能力を高められたらと考えております。
営業経験を充分に重ねたあとは、マネージャー・管理職として後輩の育成にも力を入れられたらと考えております。
【第二新卒の志望動機:営業編】志望動機の注意点
最後に、第二新卒として営業を志望する際に志望動機を作成するときの注意点を5つ紹介しましょう。
世の中には必ず本音と建前があり、もっともらしい理由であっても、志望動機には適さないものもあるからです。
書き方や文章の構成、経歴やスキルが優れていても、これらのことに気をつけないと落選してしまうかもしれません。
すでに志望動機を完成させてしまっている人も、この注意点がきちんと守れているかどうかを、必ず見直しましょう。
ポジティブな退職理由にする
前職を退職した理由について、志望動機に書いたり、面接で話したりする場面もあるかもしれません。
しかしそのときに「給与が低い」「人間関係が悪かった」「思っていたのと違った」など、ネガティブな退職理由は避けましょう。
前職の不平・不満ばかり述べてしまうと、企業の担当者から「忍耐力がない」と思われてしまうからです。
たとえきっかけがネガティブなものであったとしても、キャリアアップやスキル習得など、ポジティブな退職理由にして伝えましょう。
加えて、前職の悪口や不満を漏らすことも、悪い評価につながるのでやめたほうが無難です。
待遇について述べるのはNG
ポジティブであっても「残業が少ないから」「福利厚生が充実しているから」など待遇を理由にするのも好ましくありません。
企業側に「仕事内容には興味がなく、すぐに辞めてしまうのではないか」と思われる可能性があるからです。
企業で働くことの価値は、あくまでも仕事を通じて社会に貢献することなので、福利厚生は追加要素でしかありません。
本来選ぶ決め手にするべき仕事内容が見えていない応募者を、企業が採用するとは考えにくいと言えます。
志望動機は、必ず仕事内容に絡めましょう。
一貫性がある
志望動機を書く際には、一貫性があるかどうかも注意すべきポイントの1つでしょう。
文章の内容に矛盾があると、企業の担当者も不安に覚えることにつながってしまうからです。
特に志望動機と退職理由に矛盾がないかどうかは注意しましょう。
退職理由にちゃんと紐付いた志望動機でないと、取ってつけたような印象になってしまいます。
一貫性のある志望動機にするためには、自己分析をしっかりと行うことが重要です。
自分が大切にしていることから逆算した志望動機、退職理由を用意しておきましょう。
志望動機を具体的にする
志望動機は抽象的になりやすいので、できるだけ具体的にするよう心掛けることもポイントと言えます。
経験にもとづいておらず、自分の言葉で語っていない内容は担当者に伝わりにくくなってしまうからです。
たとえ正しい内容であっても、印象に残りにくい文章では、自分が損をすることになってしまいます。
特に「企業理念に共感した」などの内容は抽象的になりやすいので、注意が必要です。
企業理念のどこに共感したか、自分の中にそのようなエピソードはあるかなど、具体的に話すよう心掛けましょう。
積極的な姿勢を示す
志望動機においては、積極的な姿勢を示せているかも注意すべきポイントでしょう。
なぜなら、第二新卒は新卒入社とは違い、即戦力としての働きを期待されている側面もあるからです。
仮にそうでなかったとしても、企業に学ばせてもらう環境の提供を望むのは好ましくありません。
企業は何かを学ぶ学校ではなく、社会に価値をもたらす組織だからです。
このため、仕事に必要なことは自ら学ぶ意識が必要になり、業務時間内で学ぶことはすべて仕事に活かす心構えが必要でしょう。
まとめ
この記事では、第二新卒として営業職を志望する際の志望動機の書き方、注意点について解説しました。
新卒就活と異なり、第二新卒では前職の対処理由と一貫した志望動機を述べることが求められます。
加えて、即戦力になり得るスキル、入社後のキャリアについて展望をもっているかも重要なポイントです。
したがって自己分析や企業研究、業界研究を徹底的に行い、その企業でなければいけない理由をきちんと見つけて、採用試験へ臨みましょう。