はじめに
広告営業は広告代理店に従事する営業で、広告主の商品やサービスを宣伝する仕事です。
やりがいの大きさや、収入の高さから転職市場においても人気が高い職種の一つとして知られています。
実際に転職を考えている方の中には、華やかでオシャレなイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
しかし広告営業は成果主義の性質があって仕事量も多く、実際には泥臭く大変な部分があることも事実です。
転職を目指すのであれば、広告営業の仕事内容について理解を深め、どのようなスキルが求められているのかなどを知っておくようにしましょう。
今回は、広告営業の仕事について詳しく解説します。
広告営業が向いている人の特徴から転職するときのポイントについても紹介するので、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
広告営業の仕事内容
広告営業は広告代理店に従事する営業で、クライアントである広告主の商品やサービスを宣伝する仕事です。
主にクライアントのブランド認知の向上や、商品の売上を高めることを目的としています。
広告営業は、大きく分けると次の二つに分類が可能です。
- メディアプランナー
- アカウントエグゼクティブ
それぞれの仕事内容や特徴について順に見ていきましょう。
メディアプランナー
メディアプランナーは、テレビやラジオ、出版物といったメディアを選択して、広告主であるクライアントにとって最適な広告を打ち出す仕事です。
予算や売上目標なども考慮した広告主のニーズを満たし、効果的なメディア戦略を提案していきます。
メディアプランナーは広告主へプレゼンテーションをする場面が多く、広告に関する専門知識や、ターゲットの行動・嗜好などを分析する能力などが求められる職種です。
アカウントエグゼクティブ
アカウントエグゼクティブは、広告の出稿に関わる仕事でクライアントと広告代理店との間を取り持つ窓口的な存在です。
具体的には広告キャンペーン・プロジェクトなどのスケジュールの進行管理、予算の割り当て、作業分担の指示などがあります。
クライアントからのフィードバックを代理店に伝える役目も担っていて、高い調整力が求められる仕事です。
広告営業のメリット・やりがい
広告営業として働くメリット、やりがいについては次のようなものがあります。
- スキルアップ・キャリアアップが目指せる
- さまざまな業界の人と関われる
- トレンドの最先端に立って仕事ができる
- 仕事のスケールが大きい
それぞれの内容や特徴について、順に見ていきましょう。
スキルアップ・キャリアアップが目指せる
広告営業の仕事は多岐にわたるため、スキルアップやキャリアアップが目指せます。
具体的には、次のようなスキルが得られます。
- コミュニケーションスキル
- 交渉スキル
- マーケティングスキル
- データ分析スキル
- スケジュール管理スキルなど
また広告営業として働き続けて経験を積むと、チームリーダーやマネージャー、経営者として起業といったキャリアアップが目指せます。
成長を感じながら仕事ができ、大きなやりがいが得られるでしょう。
さまざまな業界の人と関われる
広告営業は、さまざまな業界の人と関わる機会が多い仕事です。
広告主であるクライアントに加え、マーケティング部門の担当者や広告制作チームの人と関わりながら仕事を進めていきます。
企業によっては、CMの撮影等で誰もが知る有識者や芸能人と一緒に仕事をすることもあるでしょう。
仕事を通じて人脈を広げることができ、キャリアの選択肢を増やせる点でやりがいがある仕事だと言えます。
トレンドの最先端に立って仕事ができる
広告営業は、トレンドの最先端に立って仕事ができます。
広告業界はデジタル広告の普及やSNSの発展に伴い、市場がめまぐるしく変化しているため、常に新しい情報を集めながら仕事を進めていくのが特徴です。 働き続けることで情報リテラシーが高まり、気づけば自分自身がトレンドの最先端にいて情報を発信しているということもあるでしょう。 常に世の中の情報に敏感な人は、やりがいを持ちながら働けます。 広告営業は仕事のスケールが大きいという点でも、大きなやりがいの感じられる仕事です。 規模の大きい企業であれば、有名ブランドの宣伝やプロモーション、キャンペーンの立案に携わることもあります。 世間に与える影響力も大きく、自分の関わった広告が人の目に留まる姿を目の当たりにすれば、大きな達成感を得られるでしょう。 一方で広告営業として働くデメリット、厳しい部分については次のようなものがあります。 それぞれの内容や特徴について、順に見ていきましょう。 広告業界の営業は、常に成果が求められる厳しさがあります。 広告を打ち出して終わりではなく、「どのような反響があったのか」「宣伝したことによる費用対効果は出たのか」などを厳しくチェックされるのです。 もし思うような成果が出せず、軌道修正に関する提案もできなければ受注が止まり、自社の利益を大きく損ねてしまう可能性があります。 やりがいが大きい分、動く予算やプロジェクトも壮大で、常にプレッシャーと隣り合わせの仕事だとも言えるでしょう。 営業広告は仕事量が多く、激務であることがほとんどです。 発注書の作成や社内会議の出席、プロジェクトの立案など業務は非常に多岐にわたります。 特に納期直前の繁忙期はクライアントの打ち合わせも頻繁に発生し、イレギュラーな業務が積み重なっていきます。 さらに複数のプロジェクトが並行する場合などは、数日に及んでプロジェクト管理に追われ続けることもあるでしょう。 広告営業として働くなら、仕事量の多さはある程度覚悟しておかなければいけない部分です。 広告業界は国内に多く存在しており、営業においては他社との競争でクライアントの獲得が難しくなっています。 営業できるチャンスが訪れても、すでに他社と契約を結んでいることも多くあります。 仮に契約できたとしても、「以前の業者のほうが良かった」と判断されてしまうと、即座に契約を打ち切られてしまうことも少なくありません。 そのため、クライアントの気持ちを揺さぶるような独自のアイデアを持ち、他社と差別化したサービスの提案をすることが必要不可欠となってきています。 求人ボックス給料ナビによると、広告営業の平均年収は正社員で426万円です。 さらに転職エージェント「doda」によれば、2022年の年齢・年代別の平均年収は全体で403万円、20代は342万円というデータが公表されています。 つまり広告営業の平均年収は、20代で得られる給与で考えると非常に高い推移にあることがわかります。 広告営業はクライアントの予算規模が大きいこと、専門性の高い仕事であることなどが年収の高い理由として推測されます。 広告営業では、次のようなスキルが求められています。 それぞれの内容について、順に見ていきましょう。 広告営業は何と言ってもコミュニケーションスキルが必須です。 クライアントとのやり取りが常に発生し、ニーズを聞き出したり最適な広告戦略を提案したりするため、上手に話を進めていかなければなりません。 また自社のサービスについて、クライアントがわかりやすいように説明する力も、このコミュニケーション能力に含まれています。 代理店に対してもプロジェクトやキャンペーンの発足後に、チームの調整役を努めることがあって、コミュニケーションが必要です。 広告営業では、論理的スキルが求められます。 クライアントにサービスの特徴を説明をしただけでは、受注につながることはありません。 数値分析や広告を出すことで得られる効果等を論理的に説明しなければ、相手を納得させることができないのです。 また商談のほかプレゼンテーションの場面でも、論理的に説明することができれば、効果的な提案ができるようになります。 広告営業の場合、スケジュール管理スキルもあると良いでしょう。 納期やタスク管理を上手く設定することで作業の優先順位が見える化され、クライアントのニーズを満たす精度の高い広告を提供することができます。 そして決められた納期を守ることでクライアントからの信頼を獲得し、継続的な関係を結ぶこともできるようになるでしょう。 またスケジュール管理によって人材や予算の配分等も適切に行われると、より効率的にプロジェクトを回すことができます。 コミュニケーション能力とあわせて、提案スキルも大切です。 提案スキルがあれば、数値や根拠に基づいた説明ができるようになり、成約率を上げることができます。 また提案力の高い営業は、独自のアイデアや切り口でクライアントの興味・関心を惹いて競合他社との差別化を図ることも可能です。 特に広告営業はクリエイティブな世界なので、枠に捕らわれることのない提案がクライアントに好まれる傾向にあります。 広告営業は特別な資格など必要ありませんが、次のようなWebに関連した資格は実務で活かせられます。 Webリテラシー試験は、Webで情報を適切に取得する能力の有無を検査する資格試験（Webアソシエイト）です。 取得すれば、インターネットビジネスやプロジェクトマネジメント等に関する知識を有している証明となります。 また試験勉強をすることで、より効果的な情報収集の方法やデータ分析の方法の理解ができ、質の高い提案や戦略をクライアントに伝えることができるようになるでしょう。 インターネットやデジタルメディアといったコンテンツを扱う営業であれば、ぜひ取得を目指したい資格の一つです。 Googleアナリティクス個人認定資格（GAIQ）は、データ解析で使われる「Googleアナリティクス」の理解度を認定する資格です。 取得すれば、クライアントに対してデータに基づいた戦略や提案ができるという証明となります。 競合他社の多い業界の中、データ解析に関する資格を持っておくことは他者との差別化にもつながり、優秀な営業マンとして一目おかれる可能性があります。 「Googleアナリティクス」を一度でも使ったことがあれば、取得難易度はあまり高くない資格で、広告営業への転職を考える方は取得を目指してみてはいかがでしょうか。 広告営業が向いている人の特徴は主に、次のとおりです。 ここでは、それぞれの特徴について順に見ていきましょう。 体を動かすのが好きな人は、広告営業として活躍できます。 広告営業は社内外問わず、広告主であるクライアント、制作会社などさまざまな場所を訪問する機会が多いからです。 また打ち合わせが終了した後は、内容をすぐさま自社に持ち帰り、チームメンバーと共有することも多いので、フットワークの軽い人が向いている職種だと言えます。 広告営業は、人と関わることが好きな人が向いています。 なぜなら広告営業は、他の業界以上にクライアントとの関係構築が重要視される仕事だからです。 また業務の性質上、クライアントだけでなく、広報担当者や制作会社の担当者、タレントなど広告に携わる人々ともコミュニケーションを取る機会が多くあります。 さらに広告営業は複数のプロジェクトチームのメンバーや他部門と協力して仕事を進めるので、日頃から気さくに他人と関われるような人が活躍できる職種です。 最新情報やトレンドに対して好奇心が強い人は、広告営業向きと言えるでしょう。 広告業界で仕事をする上で、最新のトレンドや市場の動向を熟知していることは、より効果的なサービスを提供できるようになるからです。 また情報やトレンドに対して敏感な人は非常に多くの情報が頭の中に入っていて、独自の発想やひらめきが生まれやすい傾向にあります。 そのため競合他社と差別化できるようなユニークな切り口を持ち、クライアントに対しても受注につながるような提案が可能です。 数字を分析するのが好きな人も、広告営業に向いてます。 広告営業は広告を制作して宣伝をしたら終わりではなく、その後の費用対効果や得られた成果等についても細かく分析し、クライアントへ共有する義務があるからです。 もし思うような成果が得られなかった場合は、軌道修正ができるように新たな提案を考えなければなりません。 そのため広告営業は、常に数字と隣り合わせであり、理系的な要素も多く含まれている仕事だと言えるでしょう。 広告営業は、仕事の幅広さからさまざまなキャリアパスが用意されています。 経験を積んでいけば、複数のチームを取りまとめるマネージャー職や新規ビジネスの開拓に携わるセールスディレクターといったキャリアアップが目指せます。 あるいはフリーランスとして独立し、Webディレクターやデザイナーといったクリエイティブな分野で活躍することも可能です。 また営業としての基礎的なスキルが備わっていることで、広告業界以外の営業職に就くこともできるでしょう。 マイナビ営業AGENTによれば、広告営業の求人数はコロナ禍以前のおよそ85〜95％という水準まで回復てきており、今後も需要が期待されています。 そして広告業界はデジタルに特化した広告営業が主流となっており、近年求人数が拡大中です。 また競争が激化している業界であるため、サービスの差別化を目的に独自のアイデアや切り口を持つデザイナーやコピーライターを欲している企業も数多くあります。 とはいえ、広告業界の動向は目まぐるしく変化しており、今後も新しい人材ニーズが生まれることもあるでしょう。 広告営業へ転職する際のポイントは、次のとおりです。 それぞれのポイントについて、順に詳しく紹介します。 志望動機や自己PRの中で、広告業界で求められるスキルをアピールしましょう。 スキルがあることを面接で上手に伝えることができれば、自社に貢献してくれる人材だというイメージを持ってもらいやすくなります。 前職の経験を踏まえ、スキルの高さが頷けるエピソードを具体的に盛り込むのがポイントです。 例えばコミュニケーション能力の高さをアピ―ルするのであれば、「チーム一丸となってプロジェクトを成功させた」「クライアントから感謝されて受注獲得につながった」などです。 その際は抽象的ではなく、より具体的な数字や得られた成果を伝えることで、より説得感の増すアピールができるようになるでしょう。 応募する企業に関しては、事前にしっかりと情報を入れておきましょう。 自分のスキルや強みが活かせる職場なのかどうかという判断もしやすくなり、転職後のミスマッチを事前に防げるようになるからです。 また面接で話を上手く進めるために、具体的には次のような情報は最低限押さえておきましょう。 企業研究は企業のホームページに加え、実際に働いた人の生の声が閲覧できる口コミサイト、就職情報サイト等で集めることが可能です。 そのほか「会社四季報」や「業界地図」など書籍からも情報を得ることができます。 最後に企業が納得するような志望動機をしっかりと準備しておきましょう。 志望動機が曖昧なまま面接に臨むと「他の企業でも良いのでは？」と痛い部分を突かれる可能性があります。 ポイントとしては、自身の過去の経験を棚卸しして、応募先企業の強みとの共通点を見つけることです。 そうすることで、転職後にどのような活躍ができて利益に貢献できるのかが伝えやすくなります。 企業のビジョンや経営理念を添えた志望動機にすれば、さらに説得力の増す志望動機が作成可能です。 未経験でも、広告営業へ転職は可能です。 ただし広告業界や広告営業に対する専門的な知識は、ある程度求められるということは知っておいた方が良いでしょう。 資格取得のほか、広告が打ち出される仕組みや、業界が抱えている課題などを事前に勉強しておくことが大切です。 営業の経験があるという人なら、コミュニケーション能力や提案力などが高く評価され、転職できるチャンスは十分にあります。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。 広告営業はビジネススケールが大きく、年収も高めに設定されていることから人気の高い職種です。 またさまざまな業界の人と一緒に仕事をする機会が多く、人脈を作りやすいという魅力があります。 しかし常に成果が求められる、業務量が多いという部分もあって、心身ともにタフな人でなければ働き続けるのが難しい仕事でもあると言えるでしょう。 さらに求められているスキルのハードルも高いので、広告営業への転職を目指すなら入念な準備が必要となります。 そのため、まずは広告営業の仕事内容を理解して、転職で有利になる資格取得を目指したり業界について研究をしたりすることが大切です。 広告営業への転職に関心のある方は、今回ご紹介した転職する際のポイントなども参考にして、転職活動の参考にしてみてください。仕事のスケールが大きい
広告営業のデメリット・厳しい部分
常に成果が求められる
仕事量が多い
競合他社が多い
広告営業の平均年収
広告営業に求められるスキル
コミュニケーションスキル
論理的思考スキル
スケジュール管理スキル
提案スキル
広告営業の仕事に活かせる資格
Webリテラシー試験
Googleアナリティクス個人認定資格（GAIQ）
広告営業が向いている人
体を動かすのが好きな人
人と関わることが好きな人
情報やトレンドへの好奇心が強い人
数字を分析するのが好きな人
広告営業のキャリアパス
広告営業の就職・転職動向
広告営業へ転職する際のポイント
業界で求められるスキルをアピールする
応募企業の情報は事前に網羅しておく
企業が納得するような志望動機を準備する
未経験で広告営業へ転職できる？
まとめ
