KPIとは?設定が重要な理由と設定手順を解説

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人事評価を行なっていく中で欠かすことができないのが、「KPI(Key Performance Indicator)」です。

KPIがなければ適切な目標達成のプロセスを踏むことが難しくなってしまい、定量的な評価が困難になってしまいます。

多くの企業がKPIを設定していますが、KPIを設定するだけで適切な管理ができていない、きちんと機能していないという企業は少なくありません。

そこで本記事ではKPIの設定が重要な理由から、管理するためのポイント、機能させるためのポイントなどを解説していきます。

ぜひ本記事を参考に、適切なKPiの設定や管理を行なって機能させてみてください。

KPIとは?

KPIとは、「Key Performance Indicator)」の頭文字を取った言葉で、「重要業績評価指標」と訳されます。

企業が従業員に与えたミッションを達成するためのプロセスにおいて、どれくらい達成できたのかを計測し、評価するための指標になります。

たとえば営業職の売上金額をミッションにする場合、売上金額を達成するために必要な商談数やアプローチ数、施策数、成約率などをKPIに設定していきます。

KPIの進捗率を見ることで、対象の従業員が目標に対してどれくらいの位置にいるかを把握でき、達成に向けたパフォーマンス戦略を見直すことが可能になります。

他にも設定していたKPIを見直すなどを行うことがあり、個人の業務を正確に把握するのに欠かすことができない指標です。

また個人に対しての設定だけではなく、経営戦略などの組織活動にも利用されることが多い指標です。

KPIの設定が重要な理由

KPIの設定が重要な理由としては、以下の4点が主に挙げられます。

KPIの設定が重要な4つ理由
  • 行動目標が明確化される
  • 目標達成までのプロセスが可視化される
  • 組織内の評価基準を統一できる
  • 組織のPDCAサイクルを回せる

それぞれの理由について、具体的に解説していきます。

行動目標が明確化される

KPIを設定することで、個々の従業員は自分は今何をしなければいけないのかが明確になります。

なぜなら目標達成までの全てのプロセスが定量的に判断されるようになるからです。

たとえば営業職の売上達成のために、商談数が少ないのであれば、アプローチの件数を増やしていこうなど、行動の改善が客観的な数値から行うことが可能になります。

また、従業員自身も商談数が少ないことや、どの行動を増やすべきかがわかりやすいので、行動に迷いがなくなり、業務効率化にもつながっていくでしょう。

KPIを設定せずに売上達成というミッションだけを与えても、プロセスがわからず、漠然と行動してしまいます。

そのため非効率的な活動をしてしまう人や、組織がやり方を放任しているため、属人的な手法のみになってしまうリスクが高まります。

目標達成までのプロセスが可視化される

最終的なゴールが設定されていても、どのような道があるかを事前に知っておけるかどうか重要です。

たとえば富士山の頂上に登るという目標があった際、いきなり富士山に登る人は止められるでしょう。

まずは富士山より小さい山から少しずつ身体を慣らしていく、必要な装備を揃える、きちんとしたスケジュールを組む、どのルートで進むのかを決めるなどが求められます。

KPIはこうしたゴールから逆算して、何をどれくらいすべきかが明確になるため、ゴールまでのプロセスが可視化されます。

プロセスが可視化されていることで、組織間のプロセス共有も簡単になります。

個人が目標を達成するためにすべき行動を共有できていれば、個人が困った時に組織として手助けすることが可能になります。

また、個人としてもKPIを達成することはゴールに向けた中間目標を達成することです。

ゲームで言えばステージをクリアするためのチェックポイントと言えるでしょう。

チェックポイントを確実に達成していけばゴールにたどり着くと考え荒れるのは、心理的な障壁が下がる効果もあります。

組織内の評価基準を統一できる

KPIを用いることで、客観的な数値によって評価ができるようになるため、組織内で評価基準を統一することが可能になります。

また数値目標のため、評価基準も明確になり、恣意的な判断ができないようになります。

数値の目標を達成できていれば成果として認められることはもちろんのこと、未達であった場合でも、不足していた点を認識できるため、次へのアクションも明確にしやすいというメリットがあります。

客観的な数値で判断されることは、従業員側も公平で納得感のある評価制度となるでしょう。

また管理職側にとっても、数値という判断基準があるため、マネジメント業務の負担軽減につながります。

他にも部下の長所や短所がわかりやすくなるため、今後のマネジメントにも活かすことが可能です。

組織のPDCAサイクルを回せる

PDCAサイクルとは、「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(確認)」「Action(改善)」の頭文字を取った言葉で、個人や組織の成長につなげるための手法です。

KPIは一度設定したら終わりではなく、継続的に測定を行い、内容に問題がないかを確認していきます。

KPIの設定に基づいて日々の業務を振り返ることで、改善へのアクションも具体化していきます。

従業員の行動がなかなか成果につながらない場合は、KPIの設定に無理があるケースも考えられます。

従業員の行動が可視化されるKPIを設定しているからこそ、組織としての活動もPDCAサイクルに落とし込みやすくなります。

KPIを通してPDCAサイクルを回し続ければ、組織力の強化にもつながっていきます。

KGI・KSF・OKRとの違い

KPIと似た単語としてKGI・KSF・OKRがあります。

本章では、それぞれがどのような意味を持つのか、KPIとはどのような違いがあるのかを解説していきます。

KGIとの違い

KGIとは、「Key Goal Indicator」の頭文字を取った言葉で、日本語訳で「重要目標達成指標」や「経営目標達成指標」となります。

つまりKGIはビジネスにおいて最終的に達成した目標やゴールを定量的に表すものです。

たとえば「年間の売上高〇〇億円の達成」などがKGIに該当します。

KGIは最終的なゴールを定量的に表し、数値が設定されていることで客観的に評価ができます。

前段の売上高の達成であれば、未達の場合はいくら足りなかったのかが一目瞭然になります。

KPIはKGIで設定されたゴールを達成するために、何をするのかのプロセスに注目している指標です。

KPIでプロセスを管理し、一つ一つクリアすることで、KGIの達成に近づいていくという考えになります。

KGIは最終的なゴールの指標、KPIはKGIを達成するためのプロセスの指標である点が異なります。

KSFとの違い

KSFとは、「Key Success Factor」の頭文字を取った言葉で、日本語では「重要成功要因」となります。

重要成功要因と訳されるように、KSFはKPIのように定量的に示されないケースもあります。

なぜならKGIで設定した目標を達成するために、KPIを設定し、どのKPIをビジネス上において優先的に行うのかを設定するのがKSFだからです。

たとえばKGIで「年間の売上高〇〇億円の達成」が設定された際、KPIでは「アプローチ件数/月」や「新規顧客獲得件数/月」などが設定されます。

KPIはKGIで設定されたゴールを達成するために設定された項目になり、KSFによって何を優先的に行うかを見ていきます。

KSFは普遍的なものではなく、変化していくものなので、市場の変化に応じて成功に導く要素が変わってきます。

OKRとの違い

OKRとは「Objectives and Key Results」の頭文字を取った言葉で、日本語では「目標と主要な成果」となります。

組織全体の目標(Objectives )を設定し、目標の達成に向けた成果指標(Key Results)を定量的に設定し、評価と管理をしていく手法です。

なお、OKRの評価や管理のサイクルは1ヶ月や3ヶ月毎など短いサイクルで行なっていくのが特徴です。

OKRを設定することで、組織で設定されている目標や成果指標と個人のKPIで設定されている取り組みを連動させることで、組織の目標に対して個人の目標がきちんと方向性が合っているかを見ていきます。

また、OKRはKPIとは異なり目標の100%を目指していないことも特徴です。

目標に対しての達成率が70%程度でも成功と評価できるように、ストレッチ目標が設定できる点も大きな特徴です。

KPIの設定手順

KPIは闇雲に設定すれば良いものではありません。

KGIの最終目標であるゴールを達成できるようになっているかなど、他の指標と連動させることが大切です。

本章ではKPIと連動する以下の設定方法を解説し、最終的なKPIの設定方法を解説していきます。

最終的なKPIの設定方法
  1. KGIの設定
  2. KSFの設定
  3. KPIの設定

KPIは上記の手順で設定を進めていくことが求められます。

KGIの設定

最初に行うのはKGIの設定です。

KGIは前章でも解説した通り、「年間の売上高〇〇億円の達成」などが例として挙げられます。

KGIの設定で大切なことは、期限を定めること、現実的で具体的な数値に設定することです。

期限を定めずに設定されているものはKGIとは呼びません。

「20〇〇年度の年間売上高の目標は〇〇億円」と定めることが大切です。

また、現実的で具体的な数値であることも大切です。

絵空事のような目標を掲げてしまうと、KPIの設定にも無理が生じてしまい、実現が不可能になってしまいます。

きちんと足元を見ながら、実現可能性がある目標設定にしましょう。

KSFの設定

KGIの設定が固まったら、KSFの設定を行なっていきます。

KSFの設定には、フレームワークを活用することが効果的です。

KSFに活用できるフレームワークには、「3C分析」や「バリューチェーン分析」「SWOT分析」などがあります。

KSFはKGI成功させる要因を引き出すため、外的環境分析と内的環境の分析を行なっていき、それぞれを複合して事業の成功が可能かどうかを判断していきます。

「20〇〇年度の年間売上高の目標は〇〇億円」というKGIが設定されていた場合、KSFの分析を通して、どのような行動が成功への要因として挙げられるかを見ていきます、たとえば顧客単価のアップによって達成する要因が高まるなどが具体例として挙げられるでしょう。

KPIの設定

現実的なゴールの設定(KGI)とゴールに向けた必要な要因(KSF)を明確にできたら、KPIとして定量化した数値目標として設定していきます。

なお、KPIの数値設定が不十分だと具体的な行動に移せないので注意が必要です。

具体的な行動に移せるように、KPIを細分化して設定していきましょう。

KPIを適切に設定する方法として、KPIツリーの作成が挙げられます。

KPIツリーについては、次章で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

KPIを適切に管理するためのポイント

KPIは適宜、内容を精査していく必要があるため、適切に管理することが求められます。

KPIを適切に管理するためには、以下の2つのポイントを押さえておくことが大切です。

  • KPIツリーの作成
  • SMARTの法則

それぞれのポイントについて解説していきます。

KPIツリーの作成

KPIツリーとは、KGIで設定した目標を達成するために、達成するための要因を細分化し、ツリー上にひもづけたものです。

たとえば「売上の達成」というKGIがあるのであれば、KPIとしては「新規顧客売上」「既存顧客売上」「新規顧客の契約数」「新規顧客の平均単価」「既存顧客の契約数」「既存顧客の平均単価」「新規顧客商談数」「新規顧客の成約率」「新規アポイント獲得数」など、さまざまなものが設定していきます。

これらの細分化したKPIをツリー上に設定していくことが、KGIの達成には欠かせません。

実際にKPIツリーを作成する際には、以下のポイントを意識しながら作成していきます。

  1. 四則演算(+-×÷)の関係性で組む
  2. 計測可能で数値化できる指標を選ぶ
  3. 上下関係の指標で単位の整合性をとる
  4. 行動の指標となるレベルまで細分化する

四則演算では、それぞれの要素を組み合わせた時に発生する要素を上に持ってくるものです。

たとえば「新規顧客の売上」のKPIは、「新規顧客数×新規顧客の平均単価」で発生する項目です。

この関係性を認識できれば、新規顧客の売上が伸びない原因は、新規顧客数が足りていないのか、新規顧客の平均単価が低いのかを見ていくことが可能になります。

つまり原因特定が容易になります。

計算をする際にはそれぞれの単位が同じであるというルールもあるため、単位がズレていないかを事前に確認する必要があります。

一見、複雑そうに見えますが、整合性を合致させるだけなので、そこまで難しいものではありません。

最後の「行動の指標となるレベルまで細分化する」は、具体的なアクションまで細分化することです、たとえば「新規顧客商談数」というKPIを達成するためには、どのようなアクションが必要かを考えていきます。

具体的には「テレアポの件数」や「アプローチ件数」「アポイント獲得率」などが挙げられます。

単純なKPIの設定だけにしてしまうと、KPIを達成するための行動が属人化してしまい、適切な管理にはつながりません。

具体的な行動まで落とし込めているかを、きちんと確認してツリーを作成していきましょう。

SMARTの法則

SMARTの法則とは、「Specific(明確な)」「Measurable(測定可能な)」「Achievable(達成可能な)」「Relevant(関連した)」「Time-bound(期限を定めた)」の5つの観点から見ていくフレームワークのことです。

KPIを設定する際には、このSMARTの法則である5つの観点を満たしていることが大切です。

それぞれの観点を満たす要素は、以下の通りです。

SMARTの法則を満たす要素
  • Specific(明確な)…誰もが理解できるような具体的な表現とし、曖昧な表現は避ける
  • Measurable(測定可能な)…達成度を正しく評価できるように、数値で計測できる内容で設定する
  • Achievable(達成可能な)…現実的で達成可能な目標設定とし、根拠のない目標にはしない
  • Relevant(関連した)…組織の目標、部署単位の目標、個人の目標が連動するように、関連する内容で設定する
  • Time-bound(期限を定めた)…いつまでに設定した目標を達成するかを明確に定める

以上の5つの要素を満たしているかを確認しながら、KPIの設定をしていってください。

KPIを適切に機能させるためのポイント

実際にKPIを機能させていくためには、以下の5つのポイントを押さえながら運用していくことが大切です。

KPIを機能させていくため5つのポイント
  • MECEの思考で把握していく
  • 優先順位を決める
  • KPIの再設定は現状を見ながら行う
  • 設計を単純で明確にする
  • CRMやSFAを連動させる

それぞれのポイントについて解説していきます。

MECEの思考で把握していく

MECEとは、「Mutually(互いに)」「Exclusive(排外的な)」「Collectively(全体的に)」「Exhaustive(網羅的な)」の頭文字を取った造語で、日本語訳では「もれなく、ダブりなく」と訳されます。

ロジカルシンキングの基礎的な考え方で、物事に必要な要素を上げていく中で、内容を重複させずに整理していくための考え方になります。

前章で解説したように、KPIの設定はKGIの達成のために、具体的に細分化されたものである必要があります。

しかし設定したKPIの内容が重複している、内容が足りていないと達成には至りません。

こうした状況に陥らないためにも、KPIが網羅的で適切に設置され、可視化されているかをMECEで確認していくことが大切です。

優先順位を決める

KPIは細分化していくことで、設定する項目が多くなってしまいます。

細分化できるのは良いことですが、細分化したKPIをきちんと整理して、優先順位を決めなければ、適切なアクションが起こせない可能性があります。

また、KPIの数が多すぎてしまうとデータを適切に集めることも大切です。

KPIの優先順位は、KGIから逆算して考えることが大切です。

KGIに直接的な影響を与える項目や、実現性の高い項目から判断していきます。

たとえば「売上」のKPIを達成するためには、売上に関わるKPIを設定していきます。

その中でどの施策が最も効果的で、優先的に行うべきかどうかを過去のデータに基づいて考えていきます。

KPIの再設定は現状を見ながら行う

KPIは最初に設定したものに固執する必要はありません。

現状の実績を基にして問題点がある場合は、KPIを再設定し、アップデートしていくことが大切です。

KGIを達成するために、中間の目標設定であるKPIを見直せるのは大きなメリットです。

たとえばKPIの達成比率が芳しくない項目があった場合、その項目を修正し、最終的な達成に近づけていきます。

また、そのKPIを達成するための施策に注力するなども対策することが可能になります。

新たなアクションや改善につなげていけるよう、定期的な観測、可視化できる仕組みを整えておくことが求められます。

設計を単純で明確にする

KPIの設計を複雑化させてしまうと、成功までのプロセスやアプローチに大きな影響を及ぼしてしまいます。

たとえば多すぎる要素をツリーとして設計できず、散らばった状態で運用してしまうなどです。

KPIは目標に対しての設定である必要があるため、誰の目にも単純でわかりやすいことが求められます。

単純でわかりやすいシンプルな設計とすることで、従業員は何をどのような手順でやれば良いかがわかり、業務効率化にも貢献できます。

また、評価側も単純な設計であれば、評価に関わる業務が簡略化されるため、改善点などがわかりやすくなります。

スタートからゴールまで一貫した設計になるシンプルな設計となっているか、KPIを設定した際に確認するようにしましょう。

CRMやSFAを連動させる

CRM(顧客管理ツール)やSFA(営業支援ツール)と連動させることで、受注までの営業活動や改善点などを明確な数字で把握でき、データとして管理することも可能になります。

蓄積した営業活動の情報は、分析や状況把握に利用ができるため、KPIの数値を具体的に設定する際に非常に有益なものになります。

KPIで設定した目標数値に届いていない場合、どれくらい達していないかもリアルタイムで把握でき、改善のPDCAサイクルを回すことも可能です。

反対にCRMやSFAと連動させなければ、KPIの数値が実現不可能なものであったり、具体性を持たないものになってしまいます。

データを適切に管理して連動させることで、より良い設定が行えるようになります。

KPIによくある失敗例

KPIによくある失敗例としては、以下の5つが挙げられます。

注意
  • 選択肢の検討が不十分
  • 事業戦略や市場に合わせた設定をしていない
  • KPIを複数設定している
  • 機能不全なKPIを設定している
  • 従業員のモチベーションが低下している

それぞれの失敗例について具体的に解説していきます。

選択肢の検討が不十分

KPI選択肢を細分化していき、ツリー上に設定していくことは最も重要であり、時間をかけていく項目になります。

しかし、企業によってはこの選択肢の検討が不十分なことも少なくありません。

選択肢の検討が不十分だと、KGIとKPIの連動が取れておらず、KPIを達成しているにも関わらずKGIが達成できていないなど本末転倒なことも起こり得ます。

繰り返しになりますが、KGIとKPIは連動して設定することが求められます。

現場の声や市場の調査など、現実的で具体的な設定になっているかを、きちんと確認して設定するようにしましょう。

事業戦略や市場に合わせた設定をしていない

市場を1社で独占している企業はほとんどありません。

どの企業においても競合企業がおり、自社が市場において優位なポジションを取れるように活動していくことが求められます。

たとえば事業戦略を考える際は、競合企業の分析は欠かせません。

競合企業がどのような戦略を取っているのか、社会情勢にどのように対応しているのかなどを分析しながら、自社に適した戦略を考えていきます。

昨今では「DX」が大きなテーマとなっていますが、競合企業がどのようなDX戦略を掲げているかを分析せずに、自社独自のKPIを設定してしまうと、まったく市場に適していないKPIになる可能性があります。

自社の事業戦略や市場に合わせたKPIとなっているかを確認しながら行なっていきましょう。

KPIを複数設定している

KPIを複数設定してしまうと、単純で明確なツリー設定は難しくなってしまいます。

前章でも解説したように、KPIは細分化した後にKGIの達成に向けて優先順位を決め、体系化していくことが大切です。

KPIを細分化できたことに満足してしまい、あれもこれもと設定をしてしまうと、設定された従業員がどの指標から重点的に行えば良いかがわからず、混乱してしまいます。

組織の目標設定にKPIを使用している場合でも、複数の項目をKPIとしてを設定しているだけだと、組織活動での混乱につながってしまうので注意が必要です。

機能不全なKPIを設定している

現実的ではない、KPIを設定してしまってはそもそもの目標達成に近づくことは不可能です。

たとえばどんなに効率的に努力をしても、目標に辿りつかないような設定です。

理想として達成できれば、たしかに嬉しいですが、目標設定として限度があることをきちんと認識して設定することが大切です。

管理者側がわKPIを設定する際には、現場の従業員とのコミュニケーションを密に取り、実現が可能かどうかを合わせていく必要があります。

また機能不全なKPIを設定してしまうと、目標に未達の場合に有効な原因分析ができなくなってしまいます。

KPIの効果も得られなければ、改善点を把握することも困難になってしまうので注意が必要です。

従業員のモチベーションが低下している

KPIの設定が不明瞭だと、設定された従業員のモチベーション低下に大きく関わってしまいます。

たとえば営業職のKPIには「売上」や「商談数」などが設定されますが、この数字が目標達成が難しい数値になってしまうと、無理な営業活動を行なってしまう、顧客にとって有益ではない営業活動になってしまうなど、最終的に自社にとって不利益を被ってしまう結果になります。

さらになかなか目標に至らないため、従業員のモチベーションが低下し、生産性は下がり、自社の売上低下にも直結してしまいます。

KPIの設定する際には、なぜこの項目を設定するのか、なぜこの数値に設定されるのか、なぜこの項目を重点的に行なってほしいのかなどロジックを用いて適切に説明ができるかを確認しながら、設定することが大切です。

まとめ

KPIを設定することは、企業の事業戦略を達成するうえで欠かせない評価項目になります。

適切にKPIを運用・管理することで、事業戦略のサイクルが回りだし、従業員も何をどれくらいやればいいかが明確になるため、目標達成に向けた動きが加速していきます。

適切に状況把握ができ、データの管理をどのように行うのか、改善ができる仕組みは整っているかなど、事前準備を行い、KPIを有効的に活用してみてください。

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