はじめに
不動産営業は、顧客と不動産をつなぐ魅力的な仕事のひとつです。
そのため未経験であったとしても、不動産営業に入社したいと思う人は多いでしょう。
ですが、不動産の就職経験がなければ、自己PRで何をアピールすれば良いのか迷ってしまうことになるでしょう。
不安を解消するために、不動産営業の自己PRの書き方を押さえておく必要があります。
今回は、どのような自己PRの書き方のコツがあるのか詳しく説明していきますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
【不動産営業未経験での自己PRの書き方】未経験での不動産営業に企業が求めているポイント
まずは、不動産営業の採用の際に企業が求めていることを把握しましょう。
不動産営業が未経験であったとしても、企業が人材に求めているポイントを理解すれば、内定をもらえる可能性も上がるでしょう。
以下に、企業はどのような人材を求めているのか、具体的なポイントについて説明します。
活躍できそうであるか
当然ですが、自社の営業マンとして活躍できるかどうかは重要な点になります。
また、自社の雰囲気に合っている人かどうかも判断されるでしょう。
ある程度能力を持っていたとしても、自社の雰囲気と合わない人であれば、企業の中で存在が浮いて思うように能力を発揮できません。
そして、自社の雰囲気に馴染むためには多くの時間が必要になります。
そのため、最初から採用しないことが多いでしょう。
また、営業においては第一印象も大事です。
人の第一印象は、自身のマナーや身だしなみや清潔感から判断されるでしょう。
しかし、第一印象は自己PRの書き方からも判断できます。
たとえば、「字がきれい」「論理的にまとめられている」などのポイントをクリアしている方は比較的良い印象を与えられます。
営業に向いているか
不動産営業を未経験で行う場合は、その人自身に伸びしろがあるかどうかが重要になるでしょう。
不動産営業には、客を引き付けるスキルや商談のスキル、顧客との信頼関係のスキルが必要になるからです。
また将来的に、そのようなスキルを身につけられるポテンシャルがあるかも見られています。
中途採用であったとしても、以前に営業関連の職種に就いていたのであれば、不動産営業が未経験でも営業能力があると見られます。
そのため、未経験でも採用されやすいでしょう。
営業の経験がない場合には、自身の積極性やコミュニケーション能力から判断される傾向にあります。
また顧客の話に真摯に耳を傾けて、そこから潜在ニーズを把握する能力も必要です。
【不動産営業未経験での自己PRの書き方】未経験での不動産営業に求められる人材とは？
未経験の不動産営業に求められる人材として、どのような能力が求められるのか把握しておきましょう。
自己PRを作成する前に、不動産営業で求められる能力を把握しておけばより作りやすくなります。
また、面接の際にも求められている能力もアピールしやすくなるでしょう。
以下に、どのような能力が求められているか説明します。
コミュニケーション力がある人
不動産の取引は高額であるため、取引のときにお客様の不安も大きくなります。
お客様の不安に寄り添うために、営業職としてのコミュニケーション能力が必須となるでしょう。
また、不動産の取引を行うお客様の中には不動産に詳しくない人もいます。
そういったお客様へ、不動産の知識を簡潔に説明する能力も問われることになるでしょう。
またお客様だけではなく、建築関係の業者の人とも関わらなければなりません。
その建築業者との関係性の構築にも、コミュニケーション能力が必要です。
さらに、取り扱っている不動産の地域とも関係を持つ必要があるでしょう。
そのため、自分の取り扱っている地域の人ともコミュニケーションを取る場合があります。
このようにさまざまな人々と関わるため、不動産営業ではコミュニケーション能力がある人が求められるのです。
責任を持ってやり抜ける人
責任を持ってやり抜けることは、不動産営業に必要な能力とされています。
先述したように、不動産営業では大きな金額が動くので、責任感がないと安心して仕事を任せられないでしょう。
最後まで仕事や業務をやり遂げているのかどうかから、責任感は判断されます。
そのため途中で仕事を投げ出すような人や、ほかの社員にばかり仕事を任せる人は責任能力がないと思われるでしょう。
また不動産営業は、決められた時間の中で迅速に決断する能力も必要です。
判断していく際に自身の考えがない人は「無責任」と思われやすく、場合によっては不動産の取引が中止になってしまうリスクもあります。
責任能力を高めるためには、細かいことでも必ず1つずつやり遂げて人任せにしないことが重要です。
向上心がある人
不動産営業では、常に新しい情報を得る必要があります。
不動産情報や法律は常に変わっていくため、向上心を持って常に勉強を行う必要があるでしょう。
特に物件情報はすぐに更新されやすいため、自身で情報入手のアンテナを立てておかなければなりません。
また、たとえ未経験だからといって、入社してから初めて不動産営業について学ぶことをアピールしてはいけません。
向上心があるのであれば、入社前から勉強を行うべきです。
なお、不動産営業ではほかの社員と売上を競争する可能性が高いです。
その際に負けることがないよう、向上心を持って営業を行う必要があるでしょう。
向上心を持って不動産営業に勤めることで、お客様もつきやすくなります。
そのため不動産営業では、向上心がある人が求められるでしょう。
目標達成能力がある人
不動産営業は、一つひとつの仕事が完結しているため、目標を定めてその目標に向けて努力することが大切です。
そのため、目標をしっかりと達成していく能力も必要になります。
目標達成能力をアピールするときに、1つの定めた目標が達成できる能力があることを伝える人もいるでしょう。
ですが、1つの定めた目標を達成できる能力だけでは不十分と言えます。
なぜなら、不動産営業では1つの取引にだけ絞って業務を行うのではなく、複数の仕事を平行して行うことが多いからです。
そのため、複数の目標を同時に1つずつ達成できる能力をアピールする必要があります。
また大きな目標を達成するためには、達成する途中でクリアする小さい目標設定も重要になってきます。
確実に1つずつ目標を達成できる能力がある人は、採用される可能性が高いと言えるでしょう。
フットワークが軽い人
不動産営業の仕事は、顧客に合わせて行動する必要があります。
顧客からの急な呼び出しや、打ち合わせにも対応する必要があるためフットワークの軽さは重要です。
また顧客だけでなく、建築関係の業者からの急な提案や取引に対しても迅速に対応しなければなりません。
迅速な対応ができなければ、大事な契約を逃がしてしまう可能性が高まるので注意が必要です。
また、フットワークが軽いといっても一つひとつの仕事に集中できなければ意味がないでしょう。
フットワークを軽くしつつ、それぞれの仕事に集中して取り組むことが重要です。
なお、実際に自己PRでフットワークが軽いことを書く際には、「行動が早い」「切り替えがすぐにできる」などと言い換えることができます。
言い換えの言葉を使用しながら、具体的なエピソードを含めるとフットワークの軽さが伝わりやすいでしょう。
【不動産営業未経験での自己PRの書き方】自己PRを書く前にすべきこと
自己PRを書く前にチェックすべきことがいくつかあります。
自己PRの作成準備として、これまでの過去を振り返り整理していくことになるでしょう。
また、なぜ自分が不動産営業を志望するのか具体性が必要となります。
どのようにチェックしていくのかについて、ここから詳しく説明します。
これまでの自分のキャリアを整理する
まず、これまでの自分のキャリアを整理しましょう。
たとえば「前職でどのような仕事をしてきたか」「前職でどのような成果を出したのか」などの前職について振り返ります。
また、「将来どのように会社に貢献したいと思っているか」などの、不動産営業に入社してからの将来も考えるべきです。
今までのキャリアを整理し将来について考えることで、論理的な自己PRを書くことができます。
また、前職の内容が専門的である場合は、仕事内容を簡潔に説明できるよう、一度整理しておくことをおすすめします。
もし将来的なキャリアイメージが不動産営業とつながらない場合は、不動産営業でやりたいことを見つけると考えやすいです。
特に中途採用の場合、これまでのキャリアを具体的に尋ねられることが多いため、詳しく説明できるように準備しておくようにしましょう。
なぜ自分が不動産営業を志望するかを整理する
未経験の場合は、不動産営業を志望した動機が重要になります。
ただし、「何となく志望したなど」の具体性がない志望動機はNGです。
また、給料面やワークライフバランスの充実を理由に不動産営業を志望した動機にするのも良くないでしょう。
あくまで不動産営業の業務の何に興味を持ったのか、きっかけを見つけることが大事です。
そのため、志望動機のきっかけや具体的なエピソードを再度整理してみましょう。
志望動機の中には、自身が客として不動産に関わったときのエピソードが、不動産営業を志望するきっかけになることも多いです。
客として対応してもらったときに、自身がどのような気持ちになったのかを具体的にエピソードとして交えることで説得力が高まります。
具体性を出すために、志望動機のエピソードを深掘りしていきましょう。
長所や短所を理解する
自己PRを書く際には、自分の強みや弱みを理解しておくことが重要です。
自分の強みや弱みを理解するためには、自己分析が欠かせません。
自己分析をする際には、過去の自分のエピソードを整理して振り返りましょう。
新卒の場合は、学業やバイトでのエピソード、中途の場合は前職の仕事に関するエピソードをまとめると良いです。
その際に、目標に向かって自身が行動した内容を整理してください。
整理した後は、目標を達成する際に使った自身の強みや弱みについて深掘りしていきましょう。
過去のエピソードの内容について深掘りしていくと、自身の強みや弱みが具体的になります。
そして具体的になると、自身の長所や短所が理解しやすくなります。
自己分析にはさまざまなやり方があるので、自分に合うものを使って自身の長所や短所を洗い出しましょう。
【不動産営業未経験での自己PRの書き方】不動産営業における自己PRのコツ
不動産営業における自己PRを書く際は、いくつかのポイントを理解することが重要です。
営業職のため、お客様と関わる際に重要なニーズのポイントを理解できるかどうかは特に大事です。
それは、自己PRの文章の書き方からも見られるでしょう。
以下で、具体的にどのような点に注意すべきかについて説明します。
論理的に書く
自己PRは論理的に書くことが重要です。
曖昧に書いていると具体性がなく、一時の感情で志望したと思われてしまうおそれがあります。
そのため、なぜ自分が不動産営業を志望するのか論理的に書くことが重要になるのです。
以下のことを意識すると、論理的に書くことができるでしょう。
まず、自己PRの冒頭に不動産営業を志望した理由の結論について書きます。
結論を書く際には、具体的な理由などは書かず、一番伝えたい志望動機の内容を意識して書きましょう。
結論を書いた後に、きっかけになった理由を書いていきます。
その後、エピソードを交えながら自身の強みや弱みについて記載しましょう。
最後に将来的にどう企業へ貢献したいのかについて書いて文章をまとめると、論理的な自己PRが完成します。
具体的なエピソードや数字を取り入れる
新卒で不動産営業を志望する場合は、ガクチカやエピソードが重要になります。
自分の強みについてのエピソードを整理すると、自己PRの作成が捗るようになるでしょう。
中途採用の場合は、前職でのエピソードや成果についての数字を取り入れます。
特に別の業界で営業の仕事をしていた方は、営業経験の年数や売上高などを書くと良いアピールにつながるのでおすすめです。
前職が営業と関係のない場合は、不動産の営業を志望することになった前職でのエピソードを書くと良いでしょう。
その際のエピソードも長々と書くのではなく、志望動機の理由やきっかけを主な内容として簡潔に書きます。
またその際には、志望するきっかけになったことを結論として最初に記載します。
志望理由のエピソードが具体的なものは、完成度の高い自己PRとして評価されることになるでしょう。
アピールポイントを簡潔に書く
自己PRで書くアピールポイントは簡潔に書きましょう。
アピールポイントをいくつも挙げてしまうと、一つひとつの印象が薄れます。
それだけでなく、自己PRで一番に何を伝えたいのかわからなくなるでしょう。
そのため、伝えたいアピールポイントは絞る必要があります。
その際には、不動産営業で求められやすい能力を優先してアピールしましょう。
また内容によっては、複数のアピールポイントを1つにまとめることもできます。
たとえば、コミュニケーション能力とフットワークが軽いことをアピールするなら、それらをまとめてみましょう。
ただし、アピールポイントをまとめすぎると、逆に何が一番伝えたいのかわからなくなるため注意が必要です。
他者からの評価を入れる
自己PRで自己分析をする際には、自己評価だけでなく他者からの客観的評価も参考にしましょう。
自己評価だけでなく他者の客観的な視点を取り入れると、自身についてさらに理解を深めることができます。
その際には、自身と関係性の近い家族や、前職の仕事仲間などに評価してもらうと良いでしょう。
このとき、なるべく複数の人から評価してもらうようにしてください。
これにより、さまざまな角度から自分自身を見つめ直せるようになります。
さらに、自己分析で振り返る際のエピソードに関わった人がいるのであれば、その人にも評価をお願いしましょう。
同じエピソードから見た他者評価になるため、より細かい分析が可能になります。
もし他者評価を頼める人がいないときは、転職エージェントなどを利用すると良いでしょう。
面接では愛想を良くする
本番の面接では愛想良く振る舞いましょう。
不動産業界は人と接する機会が多くあるため、普段の振る舞い方が大事です。
面接で笑顔を作る際には、顔の口角を少し上げましょう。
このとき、鏡を使うと自分で笑顔ができていると確認できるので、本番の前にチェックしておくと良いでしょう。
また、採用担当者に「一緒に働きたい」と思ってもらうことも重要です。
不愛想に面接を受けていると、採用担当者からほかの社員に悪い評判が伝わってしまうでしょう。
そのため、採用担当だけでなく一緒に働く同僚のことも思って愛想を良くするように心がけてください。
なお、普段から愛想良く人に接していると、面接の際も自然な笑顔で臨めるようになります。
家族や友達に接する際には、笑顔を忘れずコミュニケーションを取るようにしてください。
【不動産営業未経験での自己PRの書き方】未経験での自己PRの例文
最後に、自己PRの例文を紹介します。
例文を見るときに、先述した「自己PRを作成するときのコツ」を意識すると、実際に書くときにやりやすくなります。
以下の例文を参考にして、実際に自己PRを作成してみましょう。
転職未経験での例文
私は、地元で暮らすお客様が満足できるような住宅を紹介したいと思い、貴社を志望しました。
私は昨年マイホームを購入しましたが、当初はなかなか決まらず迷ってばかりでした。
しかし、担当の方が親身になってアドバイスしてくれたおかげで、自分の理想とするマイホームを手に入れることができ、私自身も「住まいを提供する仕事がしたい」と思うようになったのです。
私は前職で自動車の営業を3年ほどしていましたので、基本のマナーや営業ノウハウ、営業戦略に関する知識などはひと通り身につけていると自負しています。
貴社に入社した際には、先輩社員から不動産営業に関する知識を学び、新しい顧客を開拓して貴社の売上に貢献していきたいと思っています。
転職未経験での例文
私は、人生で住まいという大きな買い物の手助けをしたいと思い、貴社を志望しました。
私は保険代理店の営業職として、個人顧客への営業を6年ほど続けています。
売り込むためにこちらのアピールポイントだけを伝えるのではなく、顧客が何を求めているのかに注目して営業を行いました。
顧客のニーズに合わせた営業を行った結果、アピールポイントだけを伝えたときよりも契約を多く取ることができ、昨年は営業部でトップの成績を収めることができました。
不動産営業では、保険商品よりも大きな金額を動かすことができ、私はそこに大きな魅力を感じています。
貴社に入社後は、これまでの営業職の経験を活かして顧客のニーズを掴み、貴社の売上に貢献したいと思っています。
まとめ
自己PRを書く際には、不動産営業で求められる能力を理解することが大事です。
求められる能力を意識して自己PRを作成すれば、採用される可能性は高くなります。
もしちぐはぐな自己PRを作成してまうと、「向上心がない」と判断されるでしょう。
また、今までの自分のキャリアを振り返り、自己分析をしっかりと行うことで自己PRが作成しやすくなります。
不動産未経験であったとしても自己PRで魅力的なアピールをして、受かる可能性を高めましょう。
